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華族家の当主と使用人——文子と正章の主従関係は、正章が伯爵家の血を引くと判明し逆転した。当主になりかわった彼はオスの本能に目覚め文子の身体を征服。「男」として生きてきた矜恃を汚すように、「女」としての官能を刻まれて……。絶望する文子に英国人青年の求婚が!駆け落ちする寸前、怪物じみた独占欲を剥き出しにした正章が現れ、文子を監禁。底知れぬ執着愛の果てとは!?(裏表紙より)

内容紹介がほぼストーリーですが、読んでみると考えていた以上にどろっどろのぐっちゃぐちゃ、サディズムとマゾヒズムが入り乱れる、歪んだ執着の物語でした。こういうのをTLで読めるのが面白いなあと思います。
女系華族家に生まれた末子の文子は後継の「文人」として生きていたが、父伯爵が亡くなる直前、妾が産んだ直系の男子として奉公人だった正章が名乗りを上げた。以前から文人の本当の性別を知っていた正章を執拗にいたぶるという歪んだ関係だったのが、立場が変わったことで「文子」として正章に踏みにじられるようになる。
時代が近代、大正くらいなので、男性として育った文子が女性に戻った後の違和感や価値観のずれへの葛藤が作品に強く生きていて、性行為への疑問を抱かせるストーリーなのが見事。TL小説では当たり前に描かれる行為も、支配する/される、という強者と弱者の関係に陥ってしまえるものだという……勉強になりました。
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Author:月子
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