読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
生まれた時からずっと見ている。それだけでよかった。触れられなくても、本当の姿を見せられなくても。会わなければ、きっといつまでも一緒にいられるのだから。なのにお前は来てしまった。この鬼を祀る呪われた村に。血と罪に塗れたおぞましい欲望の供物になるとも知らず……! ああ今日も狂気に染まる。もう戻れない。お前を喰らってしまいたい——!
地獄の果ては極楽か、さらなる地獄か。さだめに抗う優しい鬼の純愛怪奇譚。(裏表紙より)
終戦直後の日本。天涯孤独の二十歳の娘、萌は、ある日母の実家からの迎えを受ける。岡山の山奥にある黒頭村の旧家に赴いた萌は、そこで異様に崇められている当主家と祀られている鬼の因習に囚われてしまう。
山奥の村の因習で、無理やり花嫁にさせられて、儀式の血なまぐさい真実やら大事な人が胸に秘めていることやら本当の鬼とはという話で、とってもどろどろしていて官能的でした。歪んだ愛が凝縮されていて、後半怒涛のように明かされるものがあまりにひどい(褒めている)のでにやにやしてしまった。予想はできていたけれど、貫いてくれたことがすごく嬉しかった。面白かったです。
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