読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
卑猥な宝石に恋する少女趣味ファッション店員、美少年の生徒に慕われる幼児体型の養護教諭、アイドルの夫の帰りを待つ幼妻、可愛い恋人がありながら不倫するSM女子、優しく賢く美しい叔父様に引き取られた少女、「眠り姫」と綽名される女子大生……薄い胸、華奢な四肢、可憐な顔立ちで周囲の欲望を絡めとる少女たち。その刹那のきらめきを閉じ込めた異端にして背徳の恋愛短篇集。R-18文学賞受賞作家が描く愛の毒6篇(裏表紙より)
黒い方の宮木さん。エロティックなお話ばかりで、読んでいて胸がひりひりする、ちょっと病んでいる雰囲気を持つ短編の数々。
ロリータファッション店員が恋する希少真珠の指輪を絡めた物語「コンクパール」。
養護教諭と男子生徒の短い逢瀬と、終焉を描く「春眠」。
アイドルの夫を持つ少女の夢物語「光あふれる」。
バイセクシャルの女性が同性の恋人を持ちながら男性とSMプレイをするが……「ピンクのうさぎ」。
家族から逃れ、優しい叔父様と暮らす少女の官能の日々の終わり「雪の水面」。
かつて愛した人を失った少女は病み窶れ、彼に会いたいと願っている「モンタージュ」。
一冊の本が終わりに向かうにつれて、だいぶと読んでいる側のメンタルがきつくなってきたんですが「モンタージュ」はかなりやられました。登場人物が「春眠」の関係者だとはわかるんですが、言っていることが全然わからなくて、え、え? と思っていたら。心が死ぬとこんな風に忘れてしまうのか……という衝撃と、それでも見捨てようとしない人たちの存在の安らぎと。でも「春眠」の彼女のことを思うと、やるせない。けれどこの時点で、彼女自身はすでに少女ではなく、大人の「女性」になっているんだよなあ。とても理解し合えるとは思えない。悲しい。
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