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女神の恋人―ロイデン・ロータス・オラトリオ (コバルト文庫)
十六歳の王女ミーシャに結婚のときが迫っていた。女性が王位を継ぐロイデン王国では、神に選ばれた「聖夫」と結婚しなければ女王になれない。余命の短い母から、早く王位を継がねばならない——戸惑いながら、誰とも知れない「聖夫」を受け入れる覚悟をしていたミーシャは、婚儀の当日に見知らぬ少年と出会う。とっさに侍女だと名乗ったミーシャだったが……? 波乱の王朝ラブロマン!(カバー折り返しより)

インド風ファンタジー。女神と同性である女王を戴くロイデン王国。他国人の流入が始まって二百年ほど経ったこの国で、王女ミーシャは、即位の前段階として結婚することになった。相手は、生前の偉業をやがて国の統一神として奉じられたナジュカ女神の恋人エシュカの生まれ変わりという神託を受けた男だという。
さて、この生まれ変わりの徴を持っているのが、双子の青年だったという、とっても美味しい設定なのです。少し乱暴で軽薄な兄ザギと、穏やかで優しい弟ロダー。二人とも神託を受けたので、二人とも正式な候補なのですが、先にあてがわれたのは弟ロダーの方。けれど、ミーシャはザギの方が気になって……。
三角関係にはならず、最後の方まで明かされない色々があるので、はらはらしました。私は、ロダーが実は女性なのではないかと思ったんですが、その予測が違うところに飛んでいったのでびっくりしました。
この王女と双子以外に、母親である女王マーシェリー周辺の大人組も、様々に思惑があって気になるところです。どうやらマーシェリーの話もあるようなので、機会があったら読みたい。
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