読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
長く付き合った彼氏に裏切られて失意のどん底に落ちた中川世絆は、さらに不幸なことに交通事故に遭ってしまう。加害者は綾瀬暁大。不動産会社に勤務する年下男子だ。この事故以来、世絆は幽霊が「見える」ようになった。―いや、正確には昔も多少は見えていたのだが、いつしか消えたその能力が、今さら復活したのだ。一方、綾瀬はといえば、「見えない」けれどそういうネタに興味津々なタイプで、世絆にぐいぐい近づいてきて…?東京都葛飾区亀有を舞台に迷走女子の奮闘をえがいた、ほっこり癒やし&元気回復のオカルト・ストーリー!(Amazonより)
33歳、先日誕生日を迎えた世絆(せな)は長年付き合った彼氏にふられた。ある日道路に横たわる猫の亡骸を見過ごせず、なんとかしようとしたところ、不動産会社勤務の綾瀬に事故と間違われて病院に連れて行かれる。するとそれまで失っていたはずの世絆の「見える」力が戻ってきて……という、幽霊が存在するけれど普通の日々を描いたお話。
決してあやかしものだったり幽霊ものだったり、お仕事ものや謎解きものではない。ごくごく普通の会社員の、気を張って一生懸命に生きていて、ちょっと弱くなるときもあって、当たり前に後悔する三十代女性のお話で、これがまた、「私にも起こるかもしれない」という塩梅がよくってなあ……!
猫の幽霊の可愛らしさと別れにはほろりとしたし、最後の飛空くんの話。多分これって私たちの生活のすぐ近くで起こっているかもしれないことで、世絆は何度も、こうしてよかったんだろうか、と考えていたけれど、物語のなかで、それが幽霊のことであっても、救われたものがあるように感じて泣けてしまった。
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