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倒立する塔の殺人 (PHP文芸文庫)
戦時中のミッションスクールでは、少女たちの間で小説の回し書きが流行していた。蔓薔薇模様の囲みの中に『倒立する塔の殺人』とタイトルだけ記されたその美しいノートは、図書館の書架に本に紛れてひっそり置かれていた。ノートを手にした者は続きを書き継ぐ。しかし、一人の少女の死をきっかけに、物語に秘められた恐ろしい企みが明らかになり……物語と現実が絡み合う、万華鏡のように美しいミステリー。(裏表紙より)

少女たちの毒と愛の物語。このアンバランスな感じがとてもよかった。
誰が怪しくて何が鍵なのかというのは割とすぐに分かるのだけれど、動機が全然分からなくて最後までどきどきしました。手記として書かれている部分は書き手の思い出を補正しているから、美しく見えて当たり前なんだけれど、ダンスのシーンとか歌うシーンとか、女の子がきゃっきゃしているシーンがとても好きだ。そういうシーンの裏にすごい嫉妬心を抱いた人がいると分かるのも、好きだ。
なんとはなしに好きだなあと思うのが、イカちゃんと葎子と杏子のシーン。葎子が「授業のときには聞いたことのない優しい声」で杏子を気遣うのですが、その後、イカちゃんは「親友?」と聞くのです。この『親友』という単語、普通は出てこないんじゃないかなあと思うと、このイカちゃんという教師がとてもいいと思う。
この話、死という感覚がなんだか麻痺している感じがあって、そのぐらぐらしているところも面白かった。毒のあるお話。面白かったです。
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