読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
ひとつしか瞳をもたない鷹のアキと暮らす少女・ムメは、都から来たばかりの少年・春名丸と出会った。それが縁で春名丸の父親・小野春風にさまざまなことを教わるムメ。やがて見違えるような娘へと育ったムメは、春名丸との友情をはぐくんでいく。だがそのころ、羽州では都に対する戦いが起きようとしていて——!! それが、東北の地、羽州で起きた〈元慶の乱〉のはじまりだった。(カバー折り返しより)
東北を舞台にした、歴史の流れの裏にある人々の物語、という感じでしょうか。なんとなく上橋菜穂子さんの『狐笛のかなた』みたいな話だと思い込んでいたみたいで、ムメは賢く健やかな子だし、春名丸はちょっとまっすぐすぎるけれど気のつくいい子だし、カラスは迷いながらも大事なものを失わない子でした。それから上記の紹介文ではムメにロマンス的な香りがするんですが、実はそんなことはあんまりなかった。最後まで、主人公は地に足の着いた娘さんでした。ムメの物の見方や考え方がはっきりしていて、彼女が大事なことを発言すると目が覚める思いがしました。なので、ジオがどう変わるのかをちゃんと見たかったなあ。
最後の「記録は、もとよりないが」という一文がすごく響いてくる。でも、ここにこうして物語があるように生きた人たちがいたんだな。
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