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寂れた町に、音楽の『竜』が舞い降りる
音大を出たけれど音楽で食べる当てのないヴァイオリニストの青年・響介。叔父の伝手で行き着いた先は竜が破壊の限りを尽くした——と思える程に何もない町、竜ヶ坂の商店街の有志で構成されたアマチュアオーケストラだった。激烈個性的な面子で構成されたそのアマオケを仕切るボスは、車椅子に乗った男勝りの若い女性、七緒。彼女はオケが抱えている無理難題を、半ば強引に響介へ押し付けてきて——!? 竜ヶ坂商店街フィルハーモニー、通称『ドラフィル』を舞台に贈る、音楽とそれを愛する人々の物語。(裏表紙より)
おっもしろかったあああああ!! 特大ホームランでした。これはいい音楽もの! ライトノベルなキャラクターに硬派な文体とエンタメな物語で、更に感動があるというすごい話でした。面白かったー……。
一流の音楽教育を受けることができる環境に生まれ育ちながら、天才と凡才で分けるなら確実に凡才の方、という主人公・響介が、町おこし的なアマチュアオーケストラのコンサートマスターに迎え入れられて……というお話。メンバーが商店街の有志なので、商店街の人々のちょっとした問題を解決してみたりとちょっといい話があり、最後にこの物語の始まりとなった響介自身の真実が明かされていく、その最後に至るまでに繰り返される七緒の言葉、「その音楽に、永遠はあるか?」「音楽家なら音で語れ」がもう強烈に響いてきて、本当に本当に面白かった。
職人というか音でも何でも芸術家と呼ばれる人たちの始まりは、きっとこんな風で、そしてこの物語のように大切なものを精一杯抱えて、ひたすらに表現していこうとする人たちなのだ、という実感が染み渡りました。面白かったです。
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