読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
事故死した女子高生マツリは、歌う人形・真鍮糸雀【カナリア】として異世界に転生した。マエストロが手がけた真鍮と鉄の体を与えられ、調律師【チューナー】によって仕込まれた、極上の歌を唄う人形・真鍮糸雀。鳥かごのようなドームに覆われ、灰と煤が降る色彩を失くした世界の人々にとって、真鍮糸雀の美しく色鮮やかな歌は生きる喜びそのものだった。マツリはその中でも優れた真鍮糸雀として、調律師アイレンベルグに教育を受けることになる。そしてマツリはアイレンベルグに惹かれてゆくのだが――。(Amazonより)
事故死した女子高生の魂が辿り着いた異世界は、カナリアと呼ばれる人形に魂を入れて歌わせるという技術が存在する世界。灰の降る鳥籠に住む人々は歌がなければいきていけない。終末感漂う世界で、異世界から迷い込んだ鳥は何をもたらすのか。
諸口さんの作品は異世界に迷い込むものでも和風の『常世ノ国ノ天照』を読んだことがありますが、こちらの『謳えカナリア』はどちらかというと柔らかいながらも、年上の男性への恋心や、世界への復讐めいた終盤の展開、その後のダイヤモンドのエピソードなどがとても、とてもぎりぎりきりきりと軋んだ印象の美しさがつまっていてめちゃくちゃ面白く読みました。少女と世界の終わりはこうでなくては。
いや本当に、ダイヤよ! 灰が降るというからそれで何かすると思ったらそっちかい! 頭をよぎったけど本当にやるんかい!(ありがとう!!!)みたいに興奮した。世界を滅ぼす者の名を冠した少女の手に光るものの名前よ。最高。
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