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私にふさわしいホテル
「元アイドルと同時受賞」という、史上最悪のデビューを飾った新人作家・中島加代子。さらには「単行本出版を阻止される」「有名作家と大喧嘩する」「編集者に裏切られる」etc. 絶体絶命のトラブルに次々と襲われる羽目に。しかし、あふれんばかりの野心と、奇想天外なアイデアで加代子は自分自身の道を切り拓いていく——。(帯より)

柔らかめのヒロインが「負けるもんか!」と踏ん張る話だと思い込んでいたので、加代子のアクティブさにびっくりする。何が何でものし上がってやる! というその強さが羨ましいです。だがあくどい手を使いすぎだ!
加代子の成功物語が連作短編になっているのですが、この、みるみるぎすぎすと尖っていく感じがもう、なんだか痛くて苦い。作り話ばかりうまくなって、自分の大切なものを損なっていく、身を削っていく感じが作家という生き物なのだなあと。
「お前絶対許さないからな」というのは、実際にあると思います。実行するのは別としてもそれにしがみつくならそれだけの理由があるんだと思うな。
宮木あや子さんと南綾子さんと朝井リョウさんの登場する話が爆笑でした。
何故かこれを読んでいる間、加代子がお笑い芸人のキンタロー。さんになっていたんですが、なんでだろう。
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