読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

アルバイト情報誌に載っている実験参加のバイトの時給一一二〇百円という数字が誤字か真実か、それぞれの思惑の元に集った十二人のアルバイターたち。不思議な地下空間で7日間の共同生活を強いられることになったが、部屋の〈玩具箱〉と呼ばれる箱には、何故か人を殺せる武器が入っていた。これはなんのための実験なのか、果たして無事に帰還することはできるのか。
密室殺人もの。読みやすい一冊だった。途中はただのパニックものなのかなと思っていたら、後半になっていきなり進みが速くなった。結城の変身ぶりはすごい。そして安東の金銭感覚麻痺っぷりはどうだ。
結構すいすい読めるのに、その実、結構ど暗いものがあるんではなかろうか。密室における疑心暗鬼、依存や心の逃亡、金銭感覚の麻痺とか。ラストそれぞれみんな戻って行ったけれど、最後まで人間の醜いところが書かれてたなと。
意外と須和名さんが活躍しなかった。須和名さんがどうも真賀田四季@S&Mシリーズに見えるなーと思っていたので余計に意外だった。
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音と円田さんのミルリトン探偵局に、黒猫シンクのお土産によって、また新しい事件が。二つのパートが重なる、幸福な一冊。
前作は文庫本で貸して頂いたのが、今回はハードカバー。写真がいっぱいで綺麗。モノクロいいなあ。カラーも綺麗。
物語は前作同様、黒猫シンクの持ち帰るものから、音(おん)と円田さんが推理するというもの。推理といってもお話作りをすることなので、始終ほのぼのとして幸せな本だと思う。
音パートのひとつひとつ探していくような平和な日々もいいけれど、もうひとつのパート(勝手に物語パートと呼んでいる)の話も、つながりが見えて素敵だった。「ルーフトップ・パラダイス」を巡るお話になっていて、つながりというものにそそられる私としては大変幸せだった。
ちょっと登場する音楽を聞きたくなって父に聞いてみた。ら、ニール・ヤングは二枚だけ持っていて、「オンリー・ラブ・キャン・ブレイク・ユア・ハート」はなくて、ニール・ヤングよりもグループの(聞き取れなかった)方が父は好きらしい。なるほど。なんか、本から現実につなげていくのも幸せなことだなあと思うのでした。