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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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紅霞後宮物語 第四幕 (富士見L文庫)
 明慧の葬儀も終わり、無情にも日常が戻ってきた。悲しみの冬が過ぎ、春が訪れようとする頃、文林は一冊の帳簿を小玉に示す。帳簿に不自然に出てくる「維山」という地名。それが鄒王の死、さらには明慧の死につながるものだと見た文林は、現地調査を小玉に託す。
 小玉は皇后の行啓として維山に向かい、維山に入ると陳校尉として調査を開始するのだが、街の様子に違和感を感じて――?
 ――このままでは終わらせない。終わらせてなるものか。関小玉、伝説に残る覚悟の戦い。(裏表紙より)

明慧の死の原因となった、鄒王にまつわる陰謀の尻尾をつかんだ。目立たない地方に、皇后として(そして身代わりを立てた上で、自分は身分を偽って)向かった小玉。
小玉が相変わらず小玉で、軍を率いるところがめちゃくちゃかっこよかった。すごいところがすごーくあっさり書かれているのに面白い! そして、結構えぐいところをさらっと書かれているので、えぐられる……。
信仰、カルトといったものは、やっぱり強大な敵だよなあという感想を抱きつつ、ひとまず話はひと段落した様子。次は隣国との戦いか? 大目的も見えてきたので、ますますシリーズが楽しみです。……脱落する人がいっぱい出てきそうでひやひやしているんですけれどもね!
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アイラ ~セイリアの剣姫~ (講談社X文庫ホワイトハート)
「なにがあっても、俺様がおまえを守ってやる」
 男装の少女アイラが目覚めると、戦火の中、巨大な獣に助けられていた。家族も記憶もなくしてしまった彼女は、誰もが恐れる火焔獣キルと旅に出ることに。魔物憑きと言われる敵軍、不思議な美青年との出逢い。キルとの絆を深めながらも、アイラの行く手にはさまざまな謎と困難が立ちはだかる! そして訪れた運命的な禁断の愛とは——? 獣と少女のピュアな恋物語。(裏表紙より)

一冊で終わってなかったー! 完全に「二巻に続く!」で、消化不良です……。
気がついたら、火焔獣と呼ばれる高位の契約の獣に守られていたアイラ。謎の襲撃からなんとか逃げ出し、状況を整理すると、どうやらアイラの家族が、死ぬ間際に火焔獣キルを呼び出し、アイラと契約して守ってくれと託したらしい。魔物憑きと噂される伽俄流軍は、何故アイラの住む村を襲ったのか? 家族の仇と謎を解き明かしに、二人は旅立つ。
とにかく、もふもふ! もふもふ! 毛皮もふもふ! という内容です。あと俺様っぷりがすごい。子どもみたい……笑 俺様なのにうぶでメス(女の子)とも話したことがないキルと、ちょっとずれた感覚の男装少女アイラは、見ていて微笑ましくなるカップルです。
紅霞後宮物語 第三幕 (富士見L文庫)
 不世出の軍人と誉れ高い小玉が、かつての相棒で現皇帝・文林の願いで皇后となり、二年が過ぎた。
 後宮では大規模な人員整理が行われ、多くの娘達が後宮を後にすることに。小玉は文林に新たな出会いをと、娘達と目通りの場を設けるのだが……。
「右から二番目の娘、名は」
 謝月枝に目を留めた文林に、荒れる後宮。憤る取り巻き達。小玉は二人のもとに赴き皇后位の返還を表明するのだが、話はそれだけで済まないようで——?
 戦火のあがる馮王家の城から、過去と運命が動き出す!(裏表紙より)

大きい敵の気配を感じつつ、身近な人が喪われる第三巻。
このシリーズ、あらすじから想像される話より、ちょっとずれた反応を小玉がするので、楽しいなあ。皇帝の寵愛を受けることになった新しい女が! という登場に、小玉はやったー!と喜びはする(本当の恋人を作ってあげようとする)んですが、小玉の言動は、これまで読んできたどのヒロインとも違う感じがする……笑 なんか、本当に心底いいことしてるって感じがある、ような。
小玉と文林の、話し言葉の切り替えが、話し方フェチとしてはすごーく好きです。あとちゃんと小玉が皇后やってるシーン! 勇ましいし、外さない感じがすごくいいなあ。そして裏側でいろいろ考えてるところも楽しい。
ここで味方がひとりいなくなるのかあああ。p202からは半泣きで読みました。次の世代に何を残せるのか、を見定めて行こうとしている物語なのかもしれない、とも思いました。
続きが出るのが楽しみです。
お年よりと絵本でちょっといい時間―老人福祉施設での読みきかせガイド
図書館員として勤め、小学校など子どもたちへの読書活動に加え、老人福祉施設での読み聞かせボランティアを始めた山花さんの、エッセイ(日記・実践記録?)がメインの、読み聞かせガイドブックです。
子どもへの読み聞かせガイドは、結構色々出ているものの、お年寄りに向けた選書や、歌など、そういう風にプログラムするのかーと分かって興味深かった。聞いている人たちの反応も、ほほーなるほどーと。
読み聞かせガイドと銘打ってあるので、サービス側の視点からどうこうという本かと思いきや、どちらかというと介護福祉士の実践記録の方が近い印象です。お年寄りとどういう話をして、反応があったか、ということを書いている。読み物としても面白かったです。
“消えたい”症候群―リストカットとオーバードーズ 生への処方箋を考える
絶え間ない不安と寂しさを埋めるために手首を切り、精神安定剤の大量服薬をくりかえす若者たち。血を流すのは生きている実感がほしいから。彼らはなぜ、そこまで追い詰められてしまうのか——。(帯より)

2006年の発行。中学生から高校生については、いじめや、軽い鬱症状と不登校などの精神的な要因によって、リスカする人がいるっていう知識はあったんですけれど、薬の大量服薬については知らなかった。しかも、年齢って二十代も三十代もいて、その薬って麻薬みたいに繰り返し飲む層もいるんですね。
自分は絶対切れないなあ……と読みながら思う、事例の数々。痛みが生きていると実感できるって、それは当然のものなんだけれど、その痛みを思うと私なんかはすくみあがってしまう。そういう人たちは、その感覚が麻痺するくらい、心が痛いわけなんだな……。
いろいろあって、生きててもまあいいかと思えるようになったのは、私自身は二十歳を過ぎてからで、二十歳を超えてから誕生日がくるごとに「ああ、また一年生きることができたのか」となんとなく思ってしまう私も、きっかけがあれば切ってたんだと思いました。
最近いくつか当時の若者事情や家族問題の本を読んでますけれど、今読んでいるととやっぱりそういう問題はじわじわ増えているんだと実感します。そして、そのことに名前が付けられて、カテゴライズされたり、一般的な知識として広まったり、対応や対策がとられていることも。
身代わりフィアンセの二重生活~昼も夜も愛されて~ (講談社X文庫ホワイトハート)
「美貌の双子」として社交界でも名高い、姉のマリエッタと弟のミシェルは、多額の借金を抱えた貧乏子爵家の子弟。体の弱い弟の代わりに、彼になりすまして近衛隊に入隊したマリエッタは、犬猿の仲だった伯爵アレンの部下になる。
 そんなある日、突然アレンがマリエッタに求婚を! 「君をいじめたい」がプロポーズの言葉!?
 昼は部下、夜は婚約者としての過酷な日々が始まった——!(裏表紙より)

双子の姉と弟が入れ替わる話で、コメディで楽しかった! でももうちょっと入れ替わりでどきどきしたかったよー! もう少しハラハラさせてもらいたかった。せっかく双子で入れ替わりなのに!
勇ましいのにちゃんと女の子らしいマリエッタがとても可愛いです。アレンに膨れた感じでつっかかる印象なんですけど、そういう可愛げがあるのに、乗馬と剣術が好きで腕前もなかなかのものだという。
TLものとしては、ライトなノリでコメディなんですけど、媚薬のくだりはちょっと王道すぎて笑ってしまいました。安直すぎだよー! その後の朝を迎えたところは素敵だったけど!
しかし面白かったです。やっぱりヒロインが可愛いのが良い。
紅霞後宮物語 第二幕 (富士見L文庫)
 不世出の軍人と誉れ高かった関小玉が、何の因果かかつての相棒で今の皇帝・文林によって皇后にさせられてから1年。
 高貴妃の事件からようやく落ち着きを取り戻した帝国に、新たな火種が飛び込んできた。
 ——「先帝の遺児」の出現。
 静観する文林をよそに、宮中には動揺と策謀が広がっていく。そんな中、文林失脚に備え、逞しくも軍人らしく、彼と鴻を抱えての逃走計画を進める小玉だったが、件の「遺児」の秘密を知り……。
 小玉の“想い”と文林の“執着”、絡まった糸が導く物語の結末は!?(裏表紙より)

二巻目。相変わらず、思考をどストレートに読む感じの文章が軽快で楽しい。ツッコミ系の文章って、状況が状況だとお腹抱えて笑っちゃうこともあるし、シリアスなシーンでもこう、別の旨みがある感じがする。
もうちょっと夜逃げっぽい話になるのかと思いきや、小玉はやっぱり小玉で、たくましく現実的にことに当たっておりました。軍を率いて駆けつけるシーン、かっこいい……! と両手を組み合わせてきらきらな気持ちで読んでいたら、そのあとの落差な! 乳はみ出させたまま縄打たれてる皇后さまと、それを目の当たりにした皇帝の驚きのシーンに爆笑しました。文林は思わず素に戻ったのか「小玉」って呼んでるし。
今回も非常に楽しい巻でした。続き出て欲しいんですが、この話の落とし所がちょっと遠そうなのが気になるかも。こういう一巻完結の話にするのか、もっと長編にするのか……。個人的には、長編が読みたいかもしれません。
六花の勇者 (六花の勇者シリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫)
闇の底から『魔神』が目覚めるとき、運命の神は六人の勇者を選び出し、世界を救う力を授ける。地上最強を自称する少年アドレットは、その六人、『六花の勇者』に選ばれ、魔神復活を阻止するため、戦いへ向かう。だが、約束の地に集った勇者は、なぜか七人いた。その直後、霧幻結界が作動し、七人全員が森に閉じ込められてしまう。七人のうち誰かひとりが敵であることに気づいた勇者たちは疑心暗鬼に陥る。そして、その嫌疑がまっさきにかかったのはアドレットで——。伝説に挑み、謎と戦う、圧倒的ファンタジー、堂々始動!(裏表紙より)

アニメ放送中の『六花の勇者』。長らく積んであったのですが、アニメを見ているとどうしてもたまらなくなったのでようやく読みました。読みましたが、本当にアニメは一巻のちょっとずつしか進んでないんですね!? 原作通りの決着にするのかなあ……。
六人しか選ばれないはずの勇者が、何故か七人いる。偽物は誰だ。……という話です。聖者の設定とか凶魔と人間のあれそれとか、ちらちら覗く世界観がよくて、狭いところで戦ったり推理しているだけでもとっても面白かった。シリーズ続刊では本格的に戦うようになるのかな。
本を読むだけだと、誰が怪しいかっていうのはあんまり分からなくなっている感じがしました。アドレット以外の全員が怪しい。それから、表紙になっているフレミーも多分違う、などと勝手に推理しておりました。そういう法則があるのかはしらん! アニメを途中まで見て原作を読むと「あー」ってなったので、あの演出はいかんかった気がする。
七人目の本当のところがまったくわからないので、これは最後まで読みたいなー。
紅霞後宮物語 (富士見L文庫)
 関小玉、33歳。不世出の軍人と噂される彼女は、「とある事情」から、かつての相棒にして今はこの国の皇帝である文林の懇願を受け、ある日突然、皇后となった。
 いきなり夫婦となった文林との関係に戸惑いつつも、小玉は持ち前の前向きさと大雑把さを武器に、女性の嫉妬と欲望が渦巻く後宮「紅霞宮」に入る。他の妃たちの嫌がらせにも気づかぬ小玉のマイペースさに、後宮はまさに大混乱!
 だが、その混乱は後宮に潜む“闇”をも目覚めさせてしまい……。
 選考委員絶賛の、あまりに型破りな後宮物語、ここに開幕——。(裏表紙より)

新刊なので続きに書きます。



追想五断章
古書店アルバイトの大学生・菅生芳光は、報酬に惹かれてある依頼を請け負う。依頼人・北里可南子は、亡くなった父が生前に書いた、結末の伏せられた五つの小説を探していた。調査を続けるうち芳光は、未解決のままに終わった事件“アントワープの銃声”の存在を知る。二十二年前のその夜何があったのか? 幾重にも隠された真相は?
米澤穂信が初めて「青春去りし後の人間」を描く最新長編。(帯より)

伯父の営む古書店に居候している芳光は、その客として現れた可南子の依頼で、結末の伏せられた五つのリドルストーリーを集めながら、その作者、叶黒白が何のためにそれを書いたのかを探っていく。これだけ書くと米澤さんのいつものミステリなのかなと思われそうなんですけれど、主人公の芳光からして設定があれなので救われない部分が見えるというか。「父が事業に失敗し、学費が払えなくなった」「その父が病死した」「母が郷里に戻ってこいという」ものが、何も解決されずに終わるという、大変後味の悪いあれに。いやでも、小説をめぐる物語はいちおう解かれるんですけどね!
小説を集め、その内容を読みながら、事件「アントワープの銃声」の真相を明らかにしていく。謎の中に謎、というのは、この本の表紙にあるような感じで、とても面白かったです。後味は悪いけど!
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Author:月子
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