読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

異動、昇進、出征……小玉の環境は目まぐるしく変化していく。新しい人との出逢い、初恋の人との再会、突然訪れた兄の死——。
そんな中、小玉と文林の関係は上官と副官として、息の合う良好なものに変化していった。
しかし、小玉にまたも異動の辞令がくだる。行き先は小玉の実家にも近い僻地。……まごう事なき、左遷。
それを聞いた文林は怒り狂って酒をあおり、宥める小玉もまた酒をあおった。そして翌朝——記憶のないまま二人は同じ寝台で目を覚まし——?(裏表紙より)
こんなに個性的な文章とテンポだったかなあ。なんかだんだん癖の強い文章になってきている気がするのはこれがカクヨム連載だったからだろうか。
それはともかく。
小玉と文林の関係が現在のものになってしまった過誤。本当に過誤だな!! というやらかし具合とその後の展開。甘さなんてなかった。二人がもうちょっと感情的だったら男女の関係になれただろうに、本当にもう……。
しかし帝姫との出会いといい、小玉の身内の死といい、文林の動きといい、少しずつ運命が動き始めた感があるなあ。
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血を分けた兄妹ゆえ底知れぬ官能の深みに堕ちる兄王祥紀と妹淑雪。背徳の愛を阻まんと、宮廷に渦巻く数多の陰謀。妃の座を狙う女、政略結婚、兄妹を引き裂こうと狙う臣下たち……。中華の覇王となった兄は「おまえだけを生まれた時から愛していた」と囁いて愛を貫こうと決意し、ついに妹を妻として迎えることを宣言! 禁じられた結婚の行く末とは——!? 究極の近親恋愛浪漫!(裏表紙より)
近親相姦、兄妹もので中華もの。第二巻に当たります。
人道に悖るということで祥紀と淑雪には報いが待っているわけですが、ここまで書き切ってもらえてよかったです。前巻に引き続きかわいそうな人が何名かいるのですが(正妃、次の正妃の座を望んだ異国の女、再びの政略結婚相手となった別国の王など)清々しいほど自分たちしか見えておらず、このずるずると地獄に引きずり込まれるような感じが面白かったです。TL小説でバッドエンド好きだわあ……。
兄妹が狂った遠因として恐らく不貞を働いた実母たる王太后の存在があると思うんですが、二人が最後ああなってどうなってしまったんだろうと思い、少し可哀想な人だったな……と感じました。何も知らないまま、気付かないままで、国が滅ぶところを見たんだろうか。

『これからよろしく、共犯者どの?』フェルが偽の花嫁だと知っても、クロウの態度は変わらない——どころか前より(物理的な)距離が近い気がする! そんな心臓暴れ馬状態のフェルをよそに、春分節の儀式のため、クロウの父が兄弟全員に召集をかけた。ついに皇宮で因縁の母と直接対決! と思いきや、クロウに反逆者の疑いがかけられてしまい!? これは罠? それとも花嫁修業!? ニセ新婚生活第8弾!(裏表紙より)
身代わりがばれて共犯関係になったフェルとクロウ。そんな中皇宮へ呼び出しを受けた。ついに皇帝、そしてクロウを呪うリグレイン妃と対面。帝国の成り立ちに妖精王が関わっていることが明らかになり、最後に現れたのは……。
試練の内容が明らかにまじないめいていて、フェル! ちょっと待て、よく考えろ! と叫んでしまった。そういう謎かけってあわいのものを引き寄せるよねえ。
敵側に回っている人たちの思惑もそろそろ明らかになってくる、かな? パールが現れるとまたしっちゃかめっちゃかになりそうではらはらする。大丈夫かなあ。

敵国の皇子クロウと“円満離婚"するため、絶賛身代わり花嫁中のフェルディア。仕事に厳しくお金に甘い残念脳勤少女だが、本当は不器用で泣き虫だった!? 養い親ガウェインと彼女の絆を描く過去編のほか、フェルとクロウの離婚バトル【お忍びデート編】など爆笑必至の短編が満載! さらに、山下ナナオ先生渾身の激甘描き下ろし漫画やイラストも盛りだくさんのファン必見スペシャルブック♪(裏表紙より)
7.5巻? でいいのかな。7巻までの出来事や過去の話の短編や中編などの読み物に加えて、キャラクター紹介やショート漫画も入った番外巻です。
こうして読むとクロウはフェルに激甘だなあ……笑 本編は妖精絡みの事件や謎を追う面が大きいので、何事もなくバカップル夫婦として偽装花嫁をやっているフェルの姿が見られて楽しかった。
最後の挿話、ジルフォード兄上が何か妙なのがたいへん気になります。大丈夫かなお兄様……。

フェルが偽物だということがクロウにバレていた。短い人生でした!! と混乱するフェルに追い打ちをかけるように、クロウの態度が急変。今まで自分を信じてくれた彼に、これ以上嘘をつきたくないフェルは“偽嫁”白状を決意する。ところがいざ告白、というときにクロウから「神誓を解除したい」と言われてしまい——!? それって、仮嫁とはマジ離婚ってこ……と?
旦那さまからの離婚宣告!? 想いが大迷走の第7弾!(裏表紙より)
クロウがすでにシレイネの偽物としてフェルが来たことを知っていた、というところからの続き。妖精に対抗するための手段を探すため、そして亡くなったパールの痕跡を調べるため、中央教会を訪れたクロウたち。実はその教会にも呪毒の影響が……。
謎を解くための手がかりがいっぱいな第7巻。フェルを狙う人物も接触を図ってきたし、敵陣からのお誘いもきたので、お話は半ばまで来た感じかな?
カイズ猊下が真面目に見えて実はノリのいい人物なんだろうと思ったのでこの先も登場してほしいなあ。ステンドグラスをぶち破ってみたかったと思うなんて、結構悪ガキの面があるよね笑

とある事情で魔女の国・赤の国から故郷に戻った魔女ナナイは、将来のためにひたすら"婚活"中! 努力が実り顔も性格も将来性も抜群の、領主の息子シスの婚約者として家に招かれることに。魔女としても完璧に演じるためには、その事情から一見野獣のような動物学者の幼なじみレイダも連れていかなければならない! ところがシスが行方不明になり——!? 訳ありな2人のお騒がせ婚活ラブ!!(裏表紙より)
世界一の魔女と言われるほどの魔力量を持ちながらも、魔法を使う媒介が「幼なじみのレイダ」という人間であるために、魔法の使用に大いに制限がかかってしまう、出来損ないの魔女であるナナイ。仕方なしに一緒にいるレイダは、面倒臭がりながらもナナイに付き合う。
遠慮のない二人、早く結婚すればいいのに、わかっていないのは二人だけ。結婚するぞ! と意気込んでいるナナイをため息をつきながら見守るレイダ、いい男だけど押しが弱くて、もうちょっと頑張れよー! ナナイは早く気付けよー! ともだもだ。
殺人事件と失踪事件を推理するお話でしたが、軽く読めて楽しかったです。やっぱりそう簡単にはいかないよねー笑

星を見ることが好きなあまり、昼寝癖のある大納言家の姫君・小夜。すると宿曜師・信明の提案で、病弱な彼の息子と入れ替わり、女人禁制の陰陽寮へ入寮することに!「男」と偽るも、星が学べることを喜ぶ小夜だったが、ついお使い途中に寝てしまい……物の怪憑きと噂される第一皇子に拾われてしまう!しかも専属の宿曜師になれと迫られて——!?(裏表紙より)
とても可愛らしいお話だったなあ。
星が好きで、人の瞳の中に宿る星を見ることができる小夜。皇子に生まれながら凶相と読まれたたため華やかな場所からは遠ざけられている千尋。率直で前向きな星読みをする小夜と、それに励まされた千尋という可愛らしいカップルで、にこにこしてしまう。
宿曜と陰謀を掛け合わされているのが、なるほどなあと面白く読みました。平安時代ならあり得たことかもしれないなあ。
陰陽寮での出来事をもう少し読んでみたい気がしたので(忠行とかめちゃくちゃいいキャラだと思うんですよ!)、このまま仲間内にバレるかバレないかという話も読みたいです。

王太子の妾になる野心を抱いて王都へやってきた没落令嬢のステラは、公爵ヴィンセントから王宮での侍女の仕事を紹介する代わりに、偽の恋人になってほしいと持ちかけられる。彼は破天荒なステラに興味を引かれる一方で、監視するつもりだったのだ。そのもくろみを知りつつ、逆に利用してやると取引にのったステラだったが、思惑とは裏腹に信頼を寄せてくる王太子妃と友情が芽生えてしまい、野望が揺らいでしまう。その上ヴィンセントから恋のアプローチを受けてしまって!?(裏表紙より)
王太子の妾になります、と公言して堂々と王宮で乗り込もうとしたステラ。その野望が潰えかけたそのとき、公爵ヴィンセントと取引をすることに。地味な仕事ぶりが認められて王太子妃の侍女になったけれど、ステラは、ヴィンセントと王太子ジェラルド、妃ディアナの未だ続く三角関係を知り……。
お互いを知っていく過程で願いや夢が変わるという、四人の関係がいいなと思いました。ステラと出会ったことで三角関係が終わり、新しく前へと進むことができた三人。まさしくハッピーエンド。
公妾を狙うステラは、賢くも優しくて立ち回りのうまいいい子で、好感度高かったなあ。ディアナもただものではない感じが好きです。

怪我に倒れた小玉に代わり、戦場では賢恭が軍を率いていた。そして小玉負傷、樹華戦死の報が届いた宸は衝撃に揺れていた。
小玉を思うが故の企みで望まぬ結果を招いてしまった梅花は、自らの命を以て償おうとするが、裏で何かが動いていたのではと疑う文林は、真相を探るよう梅花に命じる。
「小玉が死んだら、お前を殺す。だが、死ぬまでは働いてもらう」
司馬氏の失脚までは上手くいった。その後何故歯車は狂ってしまったのか。梅花は思いがけない闇に真実を見つけてしまい——?(裏表紙より)
第一部完ということで、戦争と司馬氏の失脚、小玉の気持ちに一つの決着がつく第八巻。人はあっけなく死んでしまうものなのだとしながらも、みんな何かしら輝きを持っているよなあと思わされる。
だいぶと視点が入り乱れる前半は、小玉不在もあって結構読みづらかったように思ったのですが、やっぱり小玉が出てくると物語がびしっと引き締まるよなと思ったり。彼女の皇后らしい振る舞いとその裏にある葛藤が、面白いよなあ。