読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

平凡な田舎町に暮らす、平凡な女子高校生の瀬野夏織。ある日、うちの隣に引っ越してきたのは――魔王でした。全身黒いベール、肩にカラス、そして手には引っ越し蕎麦。「つまらぬものだがお近づきのしるしぞ」「はあ、これはどうも、ご丁寧に……」値引き品と通信販売が好き、町内会にもきちんと参加! おかしな魔王様とツッコミ女子高校生が繰り広げる、ハートフル非日常コメディ!(Amazonより)
めちゃくちゃ笑った。一ページごとに吹き出す勢い。語彙のセンスありすぎか。
田舎町に暮らす平凡な女子高生のカオリが、お隣にやってきた魔王とボケとツッコミ溢れる日常を繰り広げるコメディ。いちいち仰々しい物言いをする魔王と次第にそれに慣れて行くカオリにもう笑った笑った。
異世界風味が強いわりには魔王っぽいさがない魔王、本当はどんな人なんだろうというのが気になる。
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女の子にモテるが、本当の恋を知らないロミオ。勝気な性格ながら親の庇護にあるジュリエット。そんな二人が運命的に出逢い、恋に堕ちた──。けれど二人の家は古くから因縁を持つ仇同志! この恋が許されるはずもないと考えた二人は、ナイショで結婚の契りを交わすが……!? あの名作がラノベで登場! 運命に弄ばれたロミオとジュリエットが迎える、もう一つの結末とは?(Amazonより)
「ロミオとジュリエット」を少女小説仕立てにした作品。戯曲の細かいところをざっと省いてわかりやすくまとめてあるような気がしました。
ロミオがだいぶとふわふわした性格の人で最後まではらはらしました。挽回するのかと思いきやそうでもなく、原作通りの筋を進んでいった。エピローグがなければ少女向けっぽくなかったような気がします。できることなら幸せな二人を見たかったなあ。

船旅の最中嵐に遭遇したヴァイオラは、遠く離れた地に漂着。
帰る術もなく、女の身で生き抜くためにはと、男装し、オーシーノー公爵に仕えることに。
ところがこの男、極端な人嫌い!!
初めは戸惑うヴァイオラだったが、本当は不器用なだけの彼に、気づけば恋をしてしまう。
そんななか、彼の様子もどこかおかしくて……!?
「公爵、私は男、ですよ!?」珠玉の喜劇ラノベ化!(Amazonより)
うっかりシリーズ二冊目から読んでしまったけれど特に問題はなかった。
シェイクスピアの喜劇「十二夜」を下敷きにした作品。双子の男女がいて、妹が男装して公爵に仕えるも、行方不明だった兄が戻ってきて大騒ぎ、そして大団円へ。
一生懸命なヴァイオラの可愛らしさと、オーシーノー公爵がそんな彼女(彼?)に心を開いていくところが大変にやにやでした。
演劇調の台詞回しが面白くて原作を大事にしている感じがしました。そういう芝居掛かったやり取り、めちゃくちゃ「きたー!」ってなるんですよね。好き。

雅子さまの健康問題や皇室典範改正論議など、伝統と革新の狭間で揺れる平成の皇室。変わるべきか、変わらざるべきか——。だが、こうした天皇家の苦悩は、すでに「明治」から始まっていた。かくも堅苦しく息苦しいシステムが、なぜ脈々と生き続けるのか? 中世から近代への変貌を試みた明治皇室まで時代を遡り、天皇や女官、侍従たちの「奥」での何気ない生活ぶりを見つめることで、そこに潜む皇室問題の核心に迫る。(カバー折り返しより)
明治天皇と御内儀の一日を解説するもの。皇室問題と書けば手に取る人が多いのだろうけれど、そういう問題提起の本じゃない印象でした。普通に明治天皇はこういうお人柄でこういったエピソードがあって、とか、この時間はこういうことをしていて、という内容でとても興味深かった。別の世界の出来事のようだ。

物が人の形を取った者《霊器》を治す霊医として、独り立ちしたばかりの少女・月瑛。新しい患者は、国の宝剣が本性の美青年! 西洋風の衣装をまとった彼は異国から贈られた宝剣で、治療しないと国の一大事になるらしくて……。王宮で王の妃の振りをしながら治療をしてほしい? 宝剣様は治療を受ける気が皆無だし、その上、舞まで披露することになるなんて難題ばかりなんですけど! 剣が本性の青年と霊医の少女の中華風お仕事ラブ!!(Amazonより)
中華風ファンタジー。付喪神のような存在、霊器を治療することのできる霊医の少女が、国宝を治療するために才人にさせられて、さらには剣舞で吉兆を呼ばなければならなくなる。
一生懸命な月瑛は霊医にも関わらず、妃嬪が舞うような剣舞をやれと言われて頑張ってしまうくらい一途な子なんですが、その分、治療される側の紫月が頑な過ぎて、もうちょっとデレていいのよ! と何度叫んだか笑
中華風なので洋装が出てくるところにときめきました。異国の格好をするのいいですよね!

酔いつぶれて起きた翌朝。ホテルの一室で目覚めたミサの隣には裸の男が。その男は、過去にミサをコケにしたいけ好かない男・ウエハラ! フツメンの分際でなぜここに!? 猫かぶり女子VSフツメンの告訴ラブコメ!(Amazonより)
ハイレベルないい男との結婚を目指すミサは、とある理由からやけ酒を煽り、偶然再会した合コン相手のウエハラと飲み、飲みすぎて目覚めたらホテルで二人全裸で眠っていた。過去にあることを嘲笑されたウエハラに今回もこけにされ、怒りのあまり「訴えてやる!」と言ったものの……というところから始まる、素直じゃない二人のラブコメ。
ミサの性格がだいぶとこじれている……笑 男ウケする格好で釣れないなら別の方法をとればいいのに意固地だなあ。ウエハラがそんなミサを見出してくれて何よりだった本当に。
ウエハラの大事なところでしっかり締めてくれるところや、ちゃんと「見ていてくれる」感がよくて、最高にいい男だなと思いました。

第三王子ジルベルトと婚約した、人のオーラが見える貧乏伯爵家の令嬢リナ。彼女はジルベルトが王太子となったことで、王妃教育を受けていたのだけれど……。
えっ! 実家に戻れってどういうことですか!? ダメダメな語学のせいなら、もっと頑張りますから実家に帰さないでってすがりついたのにっ――どうして、ジルは婚前旅行だって言ってニコニコしてるんですか!?
オーラが見える貧乏令嬢と(オーラが)眩しすぎる王子の王宮ラブコメディの続編が、全編書き下ろしで登場!(裏表紙より)
オーラが見える伯爵令嬢と、彼女には光りすぎて眩しい「発光ブツ」な王子様のラブコメ。今回は実家に里帰り、したつもりが隠れ里に行くことになり。
王子様とのラブコメ感は今回すごく薄くなっていて、秘境でどたばたという感じでかなり物足りなかったです。王宮でどうやって過ごすのか、とか、こうやって周りを認めさせる、とかの話の方が私は好きなんだろうなと思いました。
しかしこれだけ大騒ぎの中で最後の方にあったいちゃいちゃシーンはギャップが大きすぎてどきどきしてしまった笑 ジルやるじゃーん、ちゃんと好きなんじゃーんなどと思ってしまったあたり私はもうだめだ。

「モンスタークレーマー」たちが辿る運命とは!? 結婚相談所で「仲人」として頑張る冴。だが自分のことを客観視できないお客様のなんと多いことか……。もう駄目かもしれない、と冴が追い込まれた事件とは? コールセンターでベテランの久美子は、最近仕事の調子がいい。理由には心当たりが…? 夢を諦めきれず、迷惑客が多い深夜コンビニでバイトを続ける佳奈の前に現れたのは…? ちょっとブラックなお仕事小説集。(Amazonより)
毒舌な私は毒を吐かないよう気をつけながら結婚相談所で働いている。ある日困った利用者の男性と関わることになり……。「うさぎと蜘蛛」
とあるクレーム客の言い分を聞く「コールセンター」
コンビニで働く私は迷惑客に悩まされていたが、ある日縁切り神社でお参りしたところ、自分にしか見えない不思議な人物が現れるようになり……「神さま気どりの客はどこかでそっと死んでください」
前回の『今日は天気がいいので上司を撲殺しようと思います』に比べて、だいぶとホラー要素は薄め。どちらかというと迷惑なお客をどのようにして懲らしめるか(神様の力を借りて)という話だったでしょうか。いやでも「うさぎと蜘蛛」の、結婚できない男性の言動の描写はお見事としか言いようがなかった。こういう感じだから結婚できないんだよな……女性の方もな……。

「わすれたほうがいいことも、この世には、あるのだ」無名の温泉地を求める旅本作家の和泉蝋庵。荷物持ちとして旅に同行する耳彦は、蝋庵の悪癖ともいえる迷い癖のせいで常に災厄に見舞われている。幾度も輪廻を巡る少女や、湯煙のむこうに佇む死に別れた幼馴染み。そして“エムブリヲ”と呼ばれる哀しき胎児。出会いと別れを繰り返し、辿りついた先にあるものは、極楽かこの世の地獄か。哀しくも切ない道中記、ここに開幕。(裏表紙より)
怪談・怪奇な短編集。迷い癖と言いつつも、異界や遠く離れた場所に突如入り込んでしまう和泉蝋庵とその荷物持ちが遭遇した出来事を主に綴っているんですが、ぞわぞわ怖いものもあれば、人間としてのおぞましさもあり、とても面白かった。
「ラピスラズリ幻想」が好きだなあ。輪廻(転生)ものとしての面白さって短編で描けるのかー! と感動しました。

母が死に、小玉、義姉の三娘、甥の丙、従卒として当然という顔をした清喜と四人での生活が始まった。そして、その家に頻繁に出入りする文林……。
三娘は訝しむ。副官とはこんなに距離が近いものだろうか。小玉に好意を持っているようにしか見えない。そんな彼女の脳裏を、幼き日に告げられた予言が過る。
「あの娘は高き御位にのぼるだろう。しかし、彼女を愛する四人の男によって不運へ進む」
元許嫁を含め、四人の男はすでに現れている。では、この五人目の男はいったい——?(裏表紙より)
後の皇帝だよ……という気持ちで読みましたが、話のメインは小玉の腹心である清喜です。本編では有能だけれど変人という彼にどんな過去があったのか。
話の流れを大きくしていく感じでなく、個々のエピソードをつなぎ合わせて人となりやその後を思わせる書き方になっているので、なんというか、もうちょっと気持ちを盛り上げて欲しい! と思いつつも、こうした些細な描写が人物におかしみを感じさせて面白いんだよなあ。
あとがきによると、じっくり書きたいというお気持ちがあるようなので、さらに厚みが出るのを楽しみにしています。