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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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「俺と結婚してくれますか?」千景に淡々とした態度でプロポーズしてきたのは、ずっと思い焦がれていたハウスメーカーの御曹司・佐山隼。彼はもとは従姉妹の婚約者。叶わぬ恋だと気持ちを殺し続けてきたのに、どうしてこんなことに? 従姉妹の裏切りによって突然決まった結婚。愛する人に抱いてもらえない苦しみが、千景を容赦なく襲って…。「もうだめだ。君が欲しくてたまらない」年月を埋めるかのように深くまで貫かれ——。相手を思うがあまりに切なくすれ違う二人の、雪解けの恋。(裏表紙より)

他人の婚約者だった人と……という話、何故か自分のことを本当は好きなのに間違って婚約した展開が多い気がしていたので、本当に他人と婚約していた人が自分と結婚する話、面白く読みました。
お嬢様の生まれだけれど本家の人間ではないので普通の社員として働く主人公と、生粋のわがまま美人お嬢様の対比、現代社会だとシンデレラ感が強くて面白いな。会社員(血筋はお嬢様)とお嬢様(性格が悪い)。
しかし麗華のやり方がどうにもわからない。プライドが高過ぎるあまり、好きですとも言えず、愛してほしいとも言えなかった哀れな人だったということなのかなあ。隼のことが好きだと言っても結局自分が一番好きだったということか。
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わかりあえない。それでも
『くいもの処 明楽』から『違国日記』まで全コミックスに加え、幼少期や学生時代、同人活動期、デビュー前夜も振り返る全編語り下ろしインタビュー本(帯より)

以前から好きな作品がたくさんあって、きっと永遠のバイブルになると思う『違国日記』を描かれたヤマシタトモコさんのインタビュー本。インタビュアーの山本文子さんの問いの投げかけが読者代表という感じで読んでいてとても楽しかった。
ヤマシタトモコ作品を網羅しているわけではないのにたいそうなことを言ってしまうんですが、これを読んでいて「人はわかりあえない」という十代の私の気持ちを救い上げてくれたような気がしました。そう、人はわかりあえない。「でも、それでも」と思いたいんだ。それが人や世界を善くするのだと信じていたい。大きな変化がなかったとしても、手の届く数十センチくらいは。
作品の話としては「何を書きたかったのか」「登場人物のモデル」「自分の好きなキャラクター付け、関係性など」についてが面白かったな。好きなテーマは何回でも擦っていいと勇気づけられた。
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父ヒロシには、右手の親指がない。若い頃、鉄を延ばす機械でマンガみたいに広げちゃったから。笑わせてばかりの父に昔話をせがむと、知らなかった両親の姿がそこにあった。兄が生まれた時、大喜びして母に菊の花束を贈ったこと。初めて買ったステーキ肉を、緊張した母が黒焦げにしたこと……。貧乏だったが、いつも笑顔と幸せがあった。俳優・安田顕の感性が光る、家族愛エッセイ。(Amazonより)

演劇ユニット「TEAM NACS」メンバーで、舞台にドラマに映画にと活躍している安田顕さんの、家族を語るエッセイ。個性的なご家族とご自身の思い出が、それぞれの生きた時代を感じさせて興味深い。
パワフルで豪快なお父様と思いきや、最後の対談は親子以上に、人と人としての思いやりに満ちていて読んでいてほっとしたなあ。破天荒でも、年を取ったらこういう風に語れる人になりたいと思ったな。
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クリストファー王子の婚約者である本好きの侯爵令嬢エリアーナ。彼女は迫りくる聖夜の祝宴のため、慣れないお茶会や苦手なドレス選びなどに時間を取られ、満足に本が読めない日々を過ごしていた。そんなある日、王家に嫁ぐ覚悟や、側室問題などを聞かされたエリアーナは、不安でいっぱいいっぱいに! そのせいで、王子にとんでもないことを言ってしまって!?
WEB掲載作品「お邪魔虫」に加え、書き下ろし短編を収録した本好きの令嬢のラブファンタジー、第3弾が登場!(裏表紙より)

王太子婚約者として、自覚と努力を続けるエリアーナ。近頃の悩みはやっぱり苦手な人付き合いと立派な姑との関係。頼りないと思われているのでは? 助けられてばかりいると落ち込むエリィに、かつてクリスの婚約者の最有力候補から手紙が来ているのを知ってしまう。
本から得た知識で無意識に無双するヒロイン、今回は頑張りすぎていっぱいっぱいの巻。自分の悩みに自覚的で、ごめんなさいと言える子はえらい! エリィはエリィらしく、をこのまま貫いていってほしいな。
王家の方々との関係も良好そうで何より。エリィがこびていないところが可愛いと感じることがあるんだろうけれど、やっぱりみなさん有能な人間が好きということかな? そんな子に純粋な「本を読みたい」をおねだりされたら叶えちゃうよね!笑
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夢を抱いて地方公務員になった志帆。しかし現実は病弱な同僚の仕事を押し付けられ、朝7時前に登庁、夜は深夜まで残業三昧の日々を送っていた。ところが、あるクレームをきっかけに、志帆は同僚に消えて欲しいと願うようになり――。仕事をしないことに全力で、ミスのフォローは周囲の役目、精を出すのは噂話と陰口。そんな同僚が辿った末路とは? 表題作「会社の裏に同僚埋めてくるけど何か質問ある?」、高まる自己愛が滅ぼしたのは……「あたしの幸せな生活」、社内いじめに耐えかねた新人社員が見た「夢」、縁切り神社のルーツに迫る「とある縁切り神社にて」の衝撃の全四編を収録。(Amazonより)

最強にして最恐な縁切り神社にまつわる連作短編シリーズ。話が広まってきているのか、舞台が遠方になりつつあるのもリアルでなんか怖い。そういうホラー要素がある作品です。
怖い要素はもう一つあって、「仕事」にまつわる闇を描いているところ。今回はお役所の仕事をしないお荷物な同僚と、自己愛が強すぎて現実が見えていない派遣社員に、いじめを繰り返す社員。それからだいぶ過去に遡って、戦時中に部下をいじめていた上官たち。みんなどこかでそういう人に出会う、話を聞くであろう人たちがもう本当に怖い。特に表題作がきつい。絶対いる、全国にいると思って。
こういうのを出してくれるのがオレンジ文庫さんの好きなところなので、続刊出ないかな、と思っています。恐怖で心臓がぎゅっとするし読めないときもあるけれど、報復してくれるところがフィクションだからこそ面白いんだよなあ。
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クリストファー王子の名ばかりの婚約者だと思い込んでいた本好きの侯爵令嬢エリアーナ。彼女の長年の誤解が解け、やっと「王子の本当の婚約者」だと自覚したある日、王子の名代として狩猟祭に参加することに! エリアーナは王子のために頑張ろうと決意するけれど……。王子不在の狩猟祭にはさまざまな思惑が渦巻いているようで!? 大幅に加筆修正したWEB掲載作品「花守り虫」と「浮気虫」に加え、書き下ろし短編を収録した、本好き令嬢のラブファンタジー待望の第2弾が登場!(裏表紙より)

正式に婚約を果たし、将来の王太子妃としての自覚を持って振る舞おうとするエリアーナ。もちろん周囲はそう易々と彼女を認めることはなく……という、他国との関係や情勢も絡む第二巻。
エリアーナの感覚が何かと薄いんですが、この落ち着いた一人称が読みやすくて不思議と安心する。それだけに本当の危機が迫ったときが怖い。絶対今後何かあるよね……?
少しずつ少しずつ、エリアーナらしい妃像を持って行動していくところが、婚約後、結婚して幸せになりました、だけでは終わらない現実味があって面白いな。お妃様としてふさわしいってどういうことだろう? 立ち居振る舞いって? 社交や外交って? を書こうとしている作品は珍しい感じがします。続きも読もう。
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社畜生活に疲れ果て、会社を休職中の亜紀。そんな彼女の元に祖母が倒れたとの一報が入る。急ぎ見舞うと、祖母から「店を守ってくれ」と頼まれてしまう。ひとまず千駄木にある店の様子を見に行くことに。すると店の前に見知らぬ美男子が行き倒れていた! その上「何も食べていにゃいから食事を二人分作ってくれ」とお願いされ……いや、お願いしてきたのは、男の側から現れた、立派な口髭を蓄えた黒猫で!?
 文豪が愛したごはんを通し、悩みを抱えた人々の心を癒やしていく、ほっこりおいしい人情物語!(Amazonより)

社畜の主人公(ヒロイン)と社畜のイケメン(ヒーロー)と自由気ままな自称夏目漱石の猫。タイトルから想像する、すんなり飲食店を始めてどうこう、という内容ではなく、疲れ果てた主人公が安定を捨てて飲食店を始めるかどうかを考えながら、ヒーロー含む周りの人たちを助けたいという思いで、手探りで自分の心のありかを辿る内容で、休暇感というか非日常感が読んでいてなんだかいいなと思いました。
しかしどっちも社畜か新しいなーと思いました笑 まあありえますよね。この現代社会で社畜でない社会人の方が珍しいんじゃないかと思う闇。
寒月が可愛らしくて読んでいて微笑ましかった。早くいい感じになっちゃえよー!
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 あれから七年。小玉が養育する令月は七歳になった。紆余曲折はあったものの小玉は皇后となり、文林と穏やかに年を重ね、円熟した夫婦関係を築いていた。その反面、激務の重なる文林には確実に老いの陰が迫っていた。

そして迎える文林の死――

 世代はめぐり、すべては然るべき姿へと変わっていく。
「母后陛下。あなたはもとより、自分勝手な方ではありませんか」
女たちが選ぶ道はどこに続いていたのか。後宮大河物語、堂々完結!(裏表紙より)

巻を分けないで一冊で出してよ! 巻数が進むにつれてページ数が少なくなっていましたが最終巻もそうでした。前の巻と一冊で出してほしかったなあ。
規格外の皇后の物語の終わり。小玉の反省会という感じで彼女自身を含めていろんな人が、それも身近な人が評価を下しているのが面白かった。
かつての政敵や命を存えた人々が最後になっても深く関わってくることがないのもリアル。だから最後に小玉が会った人と交わした言葉が「残照」の章で「うわあー!」という勢いで迫ってきた。なんだかんだ返り咲いたんだなあの血筋……という。このまま続くか滅ぶかは別にして。
あとがきにはもう少しだけ続くとあるので、紅霞宮が本当の終わりを迎えるのかまた別の話になるのか気になります。
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「すまなかった……」文林のそのひと言がきっかけで、二人の関係が少しずつ変化する。さらに文林と添い遂げることを決めた小玉は、いつの間にか後宮のしきたりも受け入れている自分に気がつく。
 仙娥の娘の世話も任され、小玉は赤子に翻弄される日々を送ることに。そこに新たな乳母とその子どもも加わって、にわかに後宮は賑やかになる。そんな中で小玉が見つけたのは、後宮で築いた自分の「家族」の形だった。
 後宮に新たな風が吹く。それは次世代の産声。小玉たちの時代の終わりが、近づいている証——。(裏表紙より)

久しぶりに冒頭から笑っちゃった。ぶん殴ろうとして励ますみたいに肩を叩くって。それに気付いてお互いに困惑するんじゃないよ! ばくしょう。
戦いや宮中の陰謀などは今回だいぶと薄め。笑いどころもあったり下の話もあったりして笑ったんですが、ただ各々がそれぞれの場所で自分の望みのために動き出しているので、次が最後なんだとひしひしと感じました。
悲しかったのが王太妃との別れ。小玉と彼女のエピソードもこの物語のすごく重要な部分だったと思うので、ああ、歴史が終わるんだな……とすごく強く感じました。
この巻を読んでいて、この話は中華風後宮と国の内外に蠢く闇を描きながら実際は母と子の物語になるんだなあと思ったんですよね。これまで小玉がそうはなれなかった、でもこの巻で「子どものために」動くようになったことで「母たちと子どもたちの物語」として終わろうとしている。
でも世界は続いていくし、失われる命があれば生まれる命もある。そういう連鎖の一幕なんだろうな。小玉の物語の終わりを最後まで見届けたい。
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幽閉された王女の身代わりで厳格な騎士団長アルフレッドと結婚したリリア。威圧的で怖い男性だと思いきや、女性への気遣いが出来る紳士的な人だった。結婚初夜、熱いキスや愛撫で優しく導き、かつてないほどの快感を与えてくれて。幸せすぎる生活が続いていたのに、正体がバレて大ピンチ! 不安になっていたけれど
「俺の側にずっといてくれ」彼の言葉で逆転ハッピーエンドに!?(裏表紙より)

伯爵令嬢ながら貧しい暮らしをしているリリアは、せめて何ができるのかを考え、人助けがしたいと、国家転覆を図った王女の元へ差し入れをする日々を送っている。だが美しく派手好きで身勝手な王女ライラーヌは、愛する人と添い遂げると決めてリリアに身代わりを持ちかけた。「リリア」ではない、新しい人生を求めて身代わりを承諾したが……という身代わり結婚ものながら、冒頭から自分勝手なライラーヌに不思議な魅力があって、最後まで身勝手ながらもとても可愛らしかった。いかにも甘やかされたんだろうなあ、っていうわがまま娘なんだけれど、愛する夫に真実を打ち明けられないリリアに「自分が彼に言おうか」と言ってくれたり、自分以上に頼りない夫とちゃんと結婚するあたり、憎めないなあ。
リリアとアルフレッドの新婚生活は微笑ましかったな。ちゃんと走ったんかい! って笑っちゃった。真面目な似たもの同士の夫婦だなあ。一カ所、リリーじゃなく本名のリリアで呼んでいるシーンがあったのは多分修正し損なったやつですね?
ヴァプトン伯爵夫妻が両親としてはちょっと……な感じだったので、幸せになってくれそうで何よりでした。
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Author:月子
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