読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

誰にも愛されない悪役王妃、前世の記憶で反撃開始!!
OLの理世は、ある日歩道橋から落ち読んでいた小説の中に転生してしまう。しかもよりによって生まれ変わったのは悪役王妃のアリーセで!? 平和に暮らしたいのに、このままではあらぬ罪を被せられ処刑まっしぐら。ならばシナリオをぶっ壊し、華麗に破滅エンドを回避してみせましょう! 虐げられたドン底悪役王妃の快進撃が始まる!(裏表紙より)
転生じゃなくて入れ替わりですね。最後のシーンを伏せるためにあえて転生にしてるのかな。
日本人の女性でOLだった理世は、気付いたら読んでた小説の中の登場人物であるアリーセになっていた。このまま持っている記憶でチート……と思いきや、小説は読んでいた途中で誰がアリーセを陥れたかわからない。けれどとにかく何もしなければ破滅する現状を回避するために動くと決めた。
虐げられていたアリーセではなく、現代日本人としてのスルースキルというか立ち回りというかで、絶妙に逃げつつ、誰が企みを持っているかを探る主人公。王妃のままでいるのがなんというか、肝がすわってるなあ。
結局悪党たちは逃げてしまったし、頼みの王太子も好きな女性の尻に敷かれている感じだしで、このままアリーセがなんとかして国を守る展開になるのかな。
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世界に冠たる「かわいい」大国ニッポン。キティちゃん、ポケモン、セーラームーンなどなど、日本製のキャラクター商品が世界中を席巻している。では、なぜ、日本の「かわいい」は、これほどまでに眩しげな光を放つのか? 「かわいい」を21世紀の美学として位置づけ、その構造を通時的かつ共時的に分析する。(Amazonより)
2006年の本なので「かわいい」という言葉の持つ意味、認識、捉え方がまったく違うものになってきているだろうけれど、当時はこんな風に見ている人がいたんだなと思って興味深かった。特に雑誌における「かわいい」の伝え方は、なるほどなーと思いました。
しかし、セーラームーンに関する記述が、アニメ本編のみのそれも曖昧な知識で書かれていて、原作にも当たっていないところに思いっきり不信感を抱いてしまいました。セーラームーンこそ「かわいい」を描きながら「かわいい」に対局するものを描こうとしているように思うんだけどなあ。

イタリアに暮らし始めて三十五年。断言しよう。パスタよりもっと美味しいものが世界にはある! フィレンツェの絶品「貧乏料理」、シチリア島で頬張った餃子、死ぬ間際に食べたいポルチーニ茸、狂うほど愛しい日本食、忘れ難いおにぎりの温もり、北海道やリスボンの名物料理……。いわゆるグルメじゃないけれど、食への渇望と味覚の記憶こそが、私の創造の原点——。胃袋で世界とつながった経験を美味しく綴る食文化エッセイ。(カバー折り返しより)
ヤマザキマリさんのエッセイを最近続けて読んでいるので、話のつながりがわかって面白いな。これは留学時代や結婚後に住んだところ、実家や義実家の食べ物の話。
どんなのだろう、食べてみたいなあと思わせるものもあれば、ヤマザキさんも苦しんだという地域性や食材の強烈さにうっとなったりと、楽しい。特に病人食の話が面白かったなあ。

仙娥の懐妊が分かり、後宮は慌ただしい雰囲気に包まれる。その間「茹昭儀には手を出さない」と言っていたはずの文林から小玉への弁明はなかった。
そんな中、紅霞宮では小玉と女官たちを謎の体調不良が襲っていた。療養のため都を出た小玉たちと入れ替わりに、徐麗丹が紅霞宮に泊まり込み原因究明に乗り出していた。犯人かと思われた仙娥だったが、確実な証拠は何もなく、歯がゆい時間だけが流れていく。
しかし距離が離れている間、確実に小玉と文林の間の溝は深まっていき、ついには——。(裏表紙より)
おおー……と感嘆してしまった、妃嬪の懐妊と小玉と文林の溝の顛末の一端。いや多分弁明しないあたりそういうことなんだろうと思ってはいたんですが、最後の方で告白があってやっぱり色々と衝撃だった。これまで文林に抱いていたもやもやが同情に変わるくらいには。
世代交代の波、各国の動き、小玉の今後など続きもめちゃくちゃ気になる。いやでも小玉は多分上がってくると思うんだ。じゃないと伝説にはならないでしょう。

プロテスタント系女子高の入学式。内部進学の希代子は、高校から入学した奥沢朱里に声をかけられた。海外暮らしが長い彼女の父は有名なカメラマン。風変わりな彼女が気になって仕方がないが、一緒にお昼を食べる仲になった矢先、希代子にある変化が。繊細な描写が各紙誌で絶賛されたオール讀物新人賞受賞作含む四篇。解説・瀧井朝世(裏表紙より)
何者にもなれない少女、いいよね……。
思わず万感の呟きが漏れてしまうんですけれども、「特別」になりたい女子高生たちが、「特別感」のある人やものに憧れ、近付こうとし、結局何にもなれずに大人にならなければならないという残酷さは、読んでいてすごく胸にくるし、ぎゅっとなる。
特に「甘夏」の、誰よりも抜きん出る方法が男性と付き合うことという、愚かしいほどの世界の狭さが、痛々しくて愛おしい。そんなことをしても特別にはなれないと知っているだけに、もどかしい思いもする。
最後の「オイスターベイビー」はよかったな。大人になれたという感じがあった。

経験した仕事は、チリ紙交換のアルバイトに始まり、絵描き、大学教師、料理講師、テレビレポーター、オフィスワーカー等、数知れず。時にはダブルワークならぬ「10足のわらじ」で奮闘。『テルマエ・ロマエ』ヒット時には、漫画家を辞めたくなるほどのトラブルも。貧乏や挫折を経験するも、そのたびに立ち上がり、働き方を変えてきた著者が語る、体験的な「仕事やお金とのつきあい方」。(カバー折り返しより)
波乱万丈なヤマザキマリさんの「仕事」と「お金」の話。『国境のない生き方』よりもかなり深くこれまでの生活について書かれており、なんと意志が強くてたくましい人だろうとため息が出てしまう。
若いときの苦労話もすごかったですが、その後『テルマエ・ロマエ』に関する思い入れの話や当時の「原稿料100万円」についても書かれていて、なるほどなあと思いました。悪い慣習やみんなそれに習う雰囲気については思うところがあるので、よい方向に変えられたらと思うけれど、難しいな……。

王子に求婚された貧乏男爵令嬢オフィーリア。舞い上がっていたところを襲撃され逃げきったものの、気づけば女神のような美貌は平凡顔に変わっていて!?
襲撃者の目的がわからないまま、幼馴染の伯爵ウィリアムの所属する騎士団のまかない係として身分を隠して働くことにしたけれど……。
この美貌で弟の学費は私が稼いでみせる! ――はずだったのに、どうしてこんなことに!? 雑草のようなパワフル令嬢が織りなす、変身ラブファンタジー!(Amazonより)
面白かった! 弟と二人で暮らす貧乏男爵令嬢のオフィーリア。祖父譲りの美貌の持ち主の彼女はなんと王弟殿下から求婚された。幼馴染に報告しようとしたところで賊に襲われ、逃げ切ったら、何故か魔女と呼ばれた祖母の若い頃そっくりに変わっていた。
ささいな会話に登場人物の人柄が見えて楽しいのと、設定の活かし方が抜群なのと、エピソードの連なりがとても綺麗でまとまっていて、しみじみと面白いな……と思いました。
ただ残念なのは、これタイトルで損してると思うんですよ。雑草らしいたくましさよりも、まかない係というところよりも、魔法と勤労を押し出した方がよかったと思うんです。騎士団の厨房で働くところ、めちゃくちゃ面白かったので!
フィーがとても好感の持てる女の子なんですよね。サボり連中に啖呵を着るところ、めちゃくちゃかっこよかったし、潜伏中働いているときの彼女の人間関係の作り方になんていい子なのだろうと思いました。
なのでウィリアムはもうちょっとそういう彼女をちゃんと褒めてぐいぐいいってほしかった笑 けれどウィリアムのお坊ちゃんっぽい感じは育ちの良さを感じて好感を抱きました。仕事ができるけれど普段は爪を隠している感じ、好きです。

「倒れた母のためには金がいる。だから王宮に出仕してくれ!」ある日、そう父に言われた伯爵令嬢のミュリエルは、断固拒否した。なにせ彼女は、人づきあいが苦手で本ばかりを読んでいる引きこもり。王宮で働くなんてムリ! と思っていたけれど、父が提案したのは図書館司書。そこでなら働けるかもしれないと、早速ミュリエルは面接に向かうが――。どうして、色気ダダ漏れなサイラス団長が面接官なの? それに、いつの間に聖獣のお世話をする「聖獣番」に採用されたんですか!? 引きこもり令嬢と聖獣騎士団長の聖獣ラブコメディ!(Amazonより)
竜の血を引くがゆえに高い身体能力を持つ獣、聖獣。引きこもりだったミュリエルは図らずも聖獣に引き合わされ、言葉がわかることを喜ばれた彼らによって聖獣番として働くことになる。しかし王宮にいる聖獣の順列一位のアトラとパートナーである団長サイラスはぎこちなくなっているらしく。
巨大な動物ともふもふ、色気ダダ漏れ王弟殿下団長と急接近、個性的な団員たちとの交流と、割と現代的な言葉の使い方でテンション高めに繰り広げられるラブコメディ。翻弄されるミュリエルが楽しく、どこを読んでも楽しいなと感じた一冊。シリアスな物語も好きなんですが面白いことをつぎ込んだラブコメも読むと元気になりますね。
ミュリエルが公爵夫人にちゃんとなれるのかめっちゃ気になる。このわたわたさが落ち着く日が来るんだろうか笑

平凡な田舎町に暮らす、平凡な女子高校生の瀬野夏織。眩しい日差しの中、畑へ収穫に出てみれば、銀色甲冑姿でトマトを貪り食う――勇者がいました。「うわー! 誰か! おまわりさん!」「待て! 俺は世界を光に導く選ばれし勇者である!」おかしな魔王様とツッコミ女子高校生が過ごす町に、まさかの勇者襲来! そして2人目の魔王まで登場!? 大混乱のハートフル非日常コメディ・第2弾!(Amazonより)
2巻もツッコミが冴え渡る。この言語センスが羨ましい。一話ごとに笑ってしまう。
2巻は勇者ともう一人の魔王登場。けれど相変わらずゆるーいスローライフをやっている。このゆるさが好きなんですが進展しないのがちょっと残念。しかしいつまでも読めるなあこれ。四コマ的な話だと思います。