読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
プロテスタント系女子高の入学式。内部進学の希代子は、高校から入学した奥沢朱里に声をかけられた。海外暮らしが長い彼女の父は有名なカメラマン。風変わりな彼女が気になって仕方がないが、一緒にお昼を食べる仲になった矢先、希代子にある変化が。繊細な描写が各紙誌で絶賛されたオール讀物新人賞受賞作含む四篇。解説・瀧井朝世(裏表紙より)
何者にもなれない少女、いいよね……。
思わず万感の呟きが漏れてしまうんですけれども、「特別」になりたい女子高生たちが、「特別感」のある人やものに憧れ、近付こうとし、結局何にもなれずに大人にならなければならないという残酷さは、読んでいてすごく胸にくるし、ぎゅっとなる。
特に「甘夏」の、誰よりも抜きん出る方法が男性と付き合うことという、愚かしいほどの世界の狭さが、痛々しくて愛おしい。そんなことをしても特別にはなれないと知っているだけに、もどかしい思いもする。
最後の「オイスターベイビー」はよかったな。大人になれたという感じがあった。
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