読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
錦糸町、川崎、上野、大阪、呉、六本木。日本各地の旧軍都に発生すると言われる「裂け目」。かつてそこに生きた人々の記憶が形を成し、現代に蘇る。鮎観の一族は代々、この「裂け目」を封じ、記憶の化身たちと戦う“力”を持っていた。彼女と同族の遼平もまた同じ力を有した存在だった。愛し合い結婚した二人だが、息子を授かったことから運命の歯車は狂い始め——。直木賞作家の真髄を味わえる、魅惑の幻想ファンタジー。(裏表紙より)
裂け目から生じる何かと戦う三人の連作小説。この世界のどこかに常に異界があって、戦っている人たちがいて、すべての始まりと終わりがすぐそこに迫っているという終わり方は実に恩田陸作品らしい。
根本的な何かが変わったわけでも、現況を倒したわけでもないのに、最後「六本木クライシス」に感じたわくわく感が何かに似ているなと思っていて、ああそうだ「劫尽童女」だなと思ったのでした。ここから大きな物語が展開するのかなあ。この一冊では物足りないけれど久しぶりに恩田陸成分を摂取して満足しました。
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