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古書店アゼリアの死体 (光文社文庫)
 勤め先は倒産、泊まったホテルは火事、怪しげな新興宗教には追いかけられ……。不幸のどん底にいた相沢真琴は、葉崎市の海岸で溺死体に出合ってしまう。運良く古書店アゼリアの店番にありついた真琴だが、そこにも新たな死体が! 事件の陰には、葉崎市の名門・前田家にまつわる秘密があった……。
 笑いと驚きいっぱいのコージー・ミステリの大傑作!

コージー・ミステリーという文字を私は最近よく目にするんですが、改めて調べてみると、密なコミュニティの中で起こる、暴力的表現がなるべく排除された推理もの、現代では恋愛要素も含む、ということなのか。勉強になった。
というわけで、葉崎市を舞台に、地元の名家と古書店を舞台にした作品。登場人物が多いんですが、結構それぞれの行動や立場がはっきりしていて読みやすく、でも最後はシリーズ物のせいかちょっと散らかったままになったような……という印象でした。でも面白かった! お金と、人の悪意と、思いやりと。あとちょっとぞわっとする部分もあって、推理もので描かれる悪意が好きな身としてはぞくぞくしました。
ロマンス小説を知っているなら面白いところがあると思います。この古書店アゼリア、ロマンス小説専門の古書店。ノーラ・ロバーツとかリンダ・ハワードとか全然詳しくない私でも分かる名前が出てきて、面白かった。これを参考に海外ロマンス小説を読んでみてもいいかもなあと思った。
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