読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
書道教室を開いている75歳の雪は、ある日訪れた書店で購入した漫画に心を奪われる。それは男性同士の恋愛を描いたBL漫画だった。その書店で働いている高校生のうららは、自身も好むBL漫画にハマっている雪と親しくなり、友人となって交流を深めていく。
原作既読。
初めての作品、初めての同人誌即売会のどきどき。誰かが手に取ってくれたときの感動など、甘酸っぱい切ない気持ちが呼び起こされる。高校生の狭い世界が、住んでいるところや年齢、立場がまったく違う、好きなものを語り合うだけの友人によって少しずつ開かれていく感覚が、ああ、いいなあと思いながら見ていました。
特にすごくリアルで、けれどこうなったら嬉しいなあというフィクションが、二人の友情のきっかけになった漫画家さんが初めての同人誌を読んで、ちょっと元気になったところ。そういう小さな奇跡の描写が嬉しくて幸せな気持ちになりました。元気が出るというのも、「好き」だけが詰まった同人誌って創作者の原点だと思うので、そうだよねえ、と。
しかしうららさん。原作だと地味で適当な感じなんだけれど、実写だと、原作に寄せていても役者さんの知性や品性を感じる佇まいで、育ちがいいってこういうこと……と思わされました。ただのセーラー服がめちゃくちゃ似合っていて賢そうなこと!
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