読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
成瀬順はかつて夢見がちな小学生だった。山の上のお城(※ラブホテル)では舞踏会が行われていると思っていたし、いつか王子様が迎えにくるのだと思っていたけれど、ある日そこから父と浮気相手が出てくるのを目撃し、家庭は崩壊。家を去る父に「全部お前のせいじゃないか」と言い捨てられたことが心の傷となり、話すことを封じてしまった。だが高校二年生になった順は、担任からクラスメートとともに地域交流会の実行委員に任命されてしまう。
おしゃべりを封じた少女の辛くて苦しくて熱くて優しい青春もの。全部が全部うまくいかないところが現実のクオリティですね。リアルだ。その分クラスメートたちの優しさや寄り添い方が非現実的で、あまりにもみんなが優しい……。普通じゃないってもうとことん弾かれがちなんだと思うんですけれど、でもよかった。ミュージカルもクオリティを保っていてよかった。
登場人物が全員器用じゃないところがいい。大人も含めて。けれどその不器用さとまっすぐさが許されるお話だったように思います。
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