読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
無差別連続爆破事件に居合わせた精神科医の鷺谷は、刑事の茶屋が拘束した「鈴木一郎」を名乗る男の精神鑑定を担当する。人間らしい感情を持たず、常に抑制している鈴木の秘密が明らかになる頃、連続爆破事件の真犯人もまた彼女たちに近付きつつあった。
女性精神科医が刑事と協力しつつ、謎めいた男に振り回されて事件を解決する話、だけにはとどまらなかった。ダークヒーローの誕生と旅立ちを見届ける作品だったなあと思いました。
すごく堅実な話運びなのに、事件や仕掛け、個々の能力が驚く規模だったり高水準だったりするありえなさというバランスが絶妙という印象です。並外れた知能を持つ子どもを犯罪者専門の殺人ロボットにできる? あんな簡単にたくさんの人が吹っ飛ぶ爆弾を用意できる? 天才的な頭脳の持ち主で、両親を殺害したのに証拠不十分で未逮捕、末期がん、解除したら爆発する爆発物を作るなんて設定もりもりにする? 破綻していないのが本当にすごいんですが、これはやっぱり「脳男」たる鈴木一郎こと入陶大威の存在感が大きいんだろうな。
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