読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
名探偵シャーロック・ホームズは、現在93歳。家政婦のマンロー夫人とその息子ロジャーとともに農場で蜜蜂の世話をして暮らしている。賢いロジャーを助手のように、あるいは孫のように扱いつつ、かつて自身が引退を決めた未解決事件の結末が歪められていることに気付き、真実を伝える手記を発表しようとするが、彼には認知症の症状が出ていて……。
シャーロック・ホームズに認知症という掛け合わせが、すごい! 老いって誰にでもあるけれど、まさか世界中が知る名探偵にそれを付与するとは思わなかった。老いて、名探偵らしい冴えはなりを潜めてお年寄りの嫌な部分が出ているような気がしたけれど、可愛らしさや愛情ぶかさが感じられるのは俳優さんの魅力によるものかなあ。
ホームズという人には我が道を貫いてほしかった気もするけれど、死が近付くときになって過去を振り返り、その人たちを思うという結末は哀愁が漂っていてよかったなあ。ホームズを扱いながら、老いや死や絆を描いた話だった。すごく好きだ。
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