読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
侯爵令嬢テレジアの身代わりとなったエリシアは、王子・ロイバッシュに求婚されてしまう。美しい赤い髪をもち『緋色の闘神』と呼ばれて恐れられているロイだったが、激しい執着と甘すぎる相武でエリシアを快楽に染めていく。「すべて私のものだ」絶え間なくロイに愛を囁かれ惹かれていくが、彼の側近に別人ではないかと詰め寄られ…!?(裏表紙より)
浅いところをなぞるような話……というのか、台本を読んでいるような簡素さでびっくりしました。TL小説って濃厚なラブシーンが必須ではなかったのか。
エリシアはどこまでも流されていくのはさすがにちょっとなあ。もうちょっと「本当のことを言わなくちゃ」って葛藤してほしかった。こういうジャンルの作品はヒロインに甘いのはわかっているんですけれども。
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「そっか、ママってバツイチなんだー」
「えっ、あのおじさんが、パパだったの」
「妹だけはパパと血がつながってるなんて、ずるいと思う」
「ママ、化粧濃いけど最近、男でもできた?」
「俺、父さんの歴代の彼女、みんな知ってんだよね」
子どもたちの素直な本音に泣き笑い! 6つの家族の実話。(カバー折り返しより)
「cakes」のウェブサイトに連載されたものと書き下ろしを加えたもの。離婚家庭の子どもと保護者から聞き取ったものを再構成したもので、まるで短編小説を読んでいるかのようで読みやすく、面白く、ちょっといい話になっている。
実際は当事者ってすごく複雑で苦しかったんだろうけれど、大人びた子どもたちの眼差しが愛おしいなあ。大人にならざるを得なかった部分もあるけれど、なんというか、しなやかな感じがあってすごくいい。
本人の意思や傷病でなく、保護者の都合により保育所や学校に通えず社会から「消されて」しまった子どもたちの実態を調査・報道するために2014年8月、報道局の記者・ディレクターにより結成。同年12月に放送されたNHKスペシャル「調査報告"消えた"子どもたち〜届かなかった『助けて』の声」は全国に衝撃を与えた。(裏表紙より)
放送に際して取材されたものを元に書かれたもの。虐待などのネグレクト、貧困によって社会から消えるようにしてこぼれ落ちてしまった子どもたち、当事者の声が書かれています。
彼女たちはぎりぎりなんとか救われた側で、一方で救われずに命を落としてしまう子どもたちもいて……。その原因については言及せず、ただ現実にこうして存在しているのだということが書かれているんですが、ナミさんが講演をしたように、こうして「消えた子どもたち」の存在はあるんだということを知ることは大きな意味があると思う。知っていると知らないではまったく違うんですよね。
——弱きもの。汝の名は女——
わたしの目の前で、夫となるはずだった人が消えた。しかも、結婚式の最中に。「死んだと思え」と言われても、納得などできない。
彼を取り戻すため、わたしは幼馴染の見習い坊主を連れて城を飛び出した——
封印された手稿が語る「名も無き姫」の冒険譚! 第一回C・NOVELS大賞特別賞受賞作。(裏表紙より)
面白かった! 淡々とした名もなき女性の語りで、この世の秘密が語られているのが、とても暗示的だなあ。
主人公というか語り手が「わたし」で、「◯◯の娘・◯◯の女」でしか呼ばれない世界で、彼女は狭い世界を飛び出して無知と無垢と生来の賢さで世界の秘密に触れる。すべての登場人物の配置がファンタジーとして美しくて、読みながらぶるぶる震えてしまった。すべてのものが予定調和的に配置されていて、「わたし」は役割を逸脱しない、けれど大それたことをやり遂げてしまったという結末もすごく好み。
「わたし」の手稿が、旅の同行人であったイーサンの手にあるっていうのが、救いでもありおかしみでもあって、最後までめちゃくちゃ面白かった。こういう淡々としたファンタジー大好きです。
ぼくを満足させたら、きみの望みを叶えてあげよう——末娘マリーゼに父である魔王クリスから持ちかけられた挑戦。それは魔物に関係する品々を盗み出すこと。目的を果たすため聖都の教会に忍びこんだ彼女の前に立ちふさがったのは、凄腕の退魔師ソロンだった。出会いは最悪、敵同士の2人だったけれど、偶然の再会からお互いのことを意識するようになって——!? 退魔師の青年と、魔物の姫が奏でるラブファンタジー!(裏表紙より)
魔王と人間の女性に間に生まれたマリーゼ。父の挑戦を受けた彼女は怪盗として活動することに。それを追うのは退魔師の青年ソロン。意地っ張りで不器用な二人の攻防。
バトルもあり、カードゲームという頭脳戦もあり、見せ場の多い話だと思ったんですが、マリーゼとソロンの駆け引きがさっぱりしすぎているせいか何故かちょっと物足りない。少女向けの皮をかぶりつつ若干少年向けっぽい話だったからかなあ。しかし爽やかで前向きで楽しいお話でした。
司馬氏の追放、思わぬ形で告げられた鳳の死——。また、小玉を支えていた梅花までいなくなったことで後宮の規律は乱れ、皇后の負担は増していた。そんな小玉を支えたのは、彼女に親愛を示す紅燕と真桂だった。
しかし、実子でない鴻が立太子すると、小玉に反旗を翻す妃嬪が出現。さらに鳳に関するある噂が後宮にまで届き——?
「この後宮で、初めて友を得ました」
後宮は小玉の敵となるのか、味方となるのか。文林から離れない決意をした小玉が新たな絆を紡ぐ新章開幕!(裏表紙より)
新章開幕。登場人物紹介がすごい文字がみっちりで、長いシリーズになってきたなあと思いました。
宸という国の出来事とみるとものすごい壮大なんだけれど、小玉をはじめとした登場人物の視点と語りがあくまで一個人の、苦難と幸福に浴びせかけられるただの人々の物語になっているので、不思議な読み心地だなあとしみじみしました。小玉は皇后なんだけれど本当に、普通の人なんだよなあ……。
女性陣の成長や、いいのか悪いのかまだ判断できないけれど確実に時間が経って老いてきている感のある(そんな歳でもないはずなんだけれど)文林なんかがすごく不穏なんですが、どんな結末に至るのか楽しみです。
地味リケジョの律を夕食に迎えたのは、和服イケメンの竜弥とほんわか老女の文絵。謎めいた話を聞き出す竜弥と、五十年前から時が止まっている文絵が交わす会話はまるで夫婦!? 見つめるだけで料理をおいしくする不思議な黒猫・フミエも怪しい。おいしさと切なさに溢れるほっこり系ミステリ。(裏表紙より)
少々特殊な面接を経て奨学金をもらい、大学を卒業した律。その奨学金の出資者である楢本文絵から、夕食に招待したい旨の手紙を受け取る。お礼をしたいと言ったのを断っておきながら今更なぜ? そう思って楢本家を訪問した律だったが、文絵は孫ほどの年の竜弥と夫婦のように過ごしている。竜弥から事情を聞くと、どうやら彼女は、自分を結婚したばかりの年齢だと思い込んでいるらしい。
不思議な状況下で行われる謎解き。このエピソードが面白い! 現実感がありつつも、いい要素ももやっとした要素も含む謎で、もっと読みたい! となりました。
最後の竜弥の招待が意外というか、最後の最後でオカルト? ちょっとホラー? な部分が入ってきたのは意外でしたが、読了感も含めて面白かったです。
世界平和の維持に努めるアベンジャーズの面々。トニーが開発した平和維持システム・ウルトロン計画だが、ウルトロンはトニーの手を離れて、究極の平和、すなわち人類を抹消することを選択した。再び訪れた世界滅亡の危機にアベンジャーズが再集結する。
アベンジャーズ二作目、でいいのかな? その後のアベンジャーズは相変わらず平和を守るために戦っていたが、今度は人類を滅ぼそうとするウルトロンなる創造物の侵略を受ける。だいぶと大きな話の中継ぎ的な印象で、多分もっとすごいのが次に来るんだろうなあと苦笑いしてしまう。地球に平和はないなあ……。
しかしアベンジャーズが代替わりというかメンバー入れ替え制だとは思わなかった。そうかそうくるかー。
国際平和維持組織S.H.I.E.L.D.の長官ニック・フューリーは、謎めいた無尽蔵のエネルギーを秘めた四次元キューブの調査に訪れていたが、キューブは暴走、その向こう側からアスガルズの神族ロキが降臨する。キューブを奪ったロキは地球侵略を目論むジ・アザーと合流、かくして世界滅亡の危機が訪れた。フューリーはヒーローたちを集め、この危機に対抗するアベンジャーズを結成させるが……。
マーベル作品クロスオーバーの一作目。ヒーローって個性があるんだなあと感じられる最初のギスギス具合に、力を合わせたときに高揚感がすごく楽しい。やっぱりみんなヒーローなんだよな! 悲哀を誘う背景があるがゆえに最初はすごく思い込みが激しいところがあるけれど、やるときはやるという安心感。
全然ノーマークだったんですけど、ロキが非常にかわいそかわいいヴィランで笑ってしまいました。ハルクに振り回されてるの、めっちゃかわいそう……って思いながら笑っちゃった。
どこまでもすれ違う兄弟もいいですが、美女と大男も素敵だと思いました。
最後に、エンドクレジットの後のシーン、めっちゃ疲れてるやん……ってじわじわきました。
フィオナと三人の子どもたちと幸せに暮らしていたシュレックだったが、あまりに平凡で退屈な日常に飽きてしまい、ついにはフィオナと喧嘩をしてしまう。だが偶然出会った魔法使いと契約したことで、シュレックが存在しない世界に飛ばされてしまう。フィオナとキスすれば世界はもとどおりになると知ったシュレックは、現在は革命軍を率いているフィオナに会いに行くが、もちろん彼女はシュレックのことは知らず……。
家庭に収まった男性がかつての自分や栄光を取り戻したい、っていう考え方はお国柄なのかなあと思いつつ。
幸せに慣れきってしまうとそれを大事にできなくなる。結果、本当の宝物を失ってしまうよ。という教訓話ですね。
どうしてこんなにこてこての関西弁が似合うんだろうなあというシュレックの造形や、物語に登場する人外のものたちのユーモアさがとても楽しい。長靴をはいた猫……お前……笑