読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
宦官とは、去勢された男子で宮廷に仕える者をいう。その歴史は古く、日本以外の世界各国に広がったが、特に中国史上での活動は有名である。その驚くべき実像を克明に描いた点で、いまも比肩するものがない名著。(カバー折り返しより)
2003年3月改版のもの。宦官とはどういうものなのか、歴史的にどう関わってきたのか、皇帝や皇后との関わりも含めてまとめたもの。
以外と中国系の資料って読んでいなかったので、とても興味深かった。こういうのをたくさん読んで中華ものや歴史ものを読むとまた違うんだろうなあ。宦官というと悪者か、とてつもなく有能な側近というイメージだったんですが、時代によってその役割もあり方も変わっているんだな。
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14歳で欧州一人旅、17歳でイタリア留学。住んだところは、イタリア、シリア、ポルトガル、アメリカ。旅した国は数知れず。ビンボーも挫折も経験し、山も谷も乗り越えて、地球のあちこちで生きてきた漫画家をつくったのは、たくさんの本と、旅と、出会いだった! 古今東西の名著から知られざる傑作小説に漫画まで、著者が人生を共に歩んできた本を縦糸に、半生を横糸に綴る地球サイズの生き方指南!(カバー折り返しより)
人生の山と谷にはいつも傍らに本があった……という「テルマエ・ロマエ」のヤマザキマリさんの半生を書いたもの。ものすごい経歴というか、グローバルだなあ! 孤独に磨かれた感性という言葉が浮かぶんですが、音楽家のお母様の存在と子どもの頃の寂しさ、外国に渡ってから自分を助けられるのは自分だけと思って暮らしてきた強さ、他の芸術家の卵たちとの触れ合いで得た孤独と気高さという、すごく芸術家の人生を送っているという感じがする。いやそれにしてもすごい。たくましい。図太いんじゃなくて、すごく考えて生きてるって感じがしました。面白かった。
イスカンダルでコスモリバースシステムを受け取った宇宙戦艦ヤマトと乗組員たち。だが地球への帰還の途中に戦闘民族ガトランティスと遭遇し、戦闘が開始されてしまう。追尾を振り切ろうとしたヤマトは不思議な惑星に迷い込んでしまい……。
OVA感あふるる劇場版。古代が艦長っぽく振る舞うのと、ガミラス人との共闘と、美味しいところが詰まっています。登場人物が本編より若干テンションが高い、というか積極性が強い……? と思うのはちょっと特別感のある話だからかな。
やっぱり敵だった存在との共闘が熱い! 本編では類似した種族なのに戦っていることに絶望感がありましたが、本編以上に個人対個人では分かり合えるという希望が描かれていてとてもよかった。
謎の儀式「サバト」によってゲートと呼ばれる人間たちが犠牲になった事件から、半年。サバトに巻き込まれたハルトは自らのファントムを抑え込むことによって魔法使いとなっていた。ワイズマンと名乗る怪人が率いる敵は東京に散るゲートたちを襲撃し、ハルトは仮面ライダーウィザードとなって戦う。
現代の魔法使いである仮面ライダーと、記憶ない少女を軸にした、ファンタジックな設定のライダー作品。
ハルトの造形が主人公としてとてもクール、かつ熱くてかっこいい! 彼が守るコヨミも、少女小説脳でたいへんおいしくいただきました。彼女/彼のために、っていうお話はすごくいいものだ。
過去のことからちょっと周囲と距離を置いていたハルトが、話が進むにつれていろんな人と関わって、大事なものが増えてっていう展開もすごくよかったし、みんなが集まってわちゃわちゃしていたシーンは最終話まで見るとちょっと涙が出そうになる。こういう幸せだった風景が過去のものになる展開は好きなんだけど辛いんだ……。
全国大会で優勝できなければグリークラブは廃部。校長となったスーからの宣告を受けて力を合わせる部員たち。一方レイチェルは「ファニー・ガール」の主役を射止め、仲間たちも大学やデビューに向けて進んでいた。だが思ってもみない訃報が届く……。
フィン役の俳優さんが亡くなられ、それをフィンの逝去ということで描いた本シーズン序盤、全国大会の結果を描く中盤。そしてレイチェルのデビューと、才能あふれる仲間たちの夢と未来を描く終盤。やっぱり思うんだけれどシーズン1のギスギス感がだいぶと薄れて、仲間たちの絆が、衝突しあいながらもかけがえないみんな、として描かれるシーズンになっていて本当に好きです。スポットライトが当たるのがレイチェルだけじゃなくて、カート、ブレイン、サンタナ、メルセデスといった面々にも成功や挫折が描かれるのがめちゃくちゃいい。すごく楽しい群像劇になっていた。
ここからまたそれぞれの道を行くようなので、フィンのことやグリークラブの結末もあって切なかったけれど、ファイナルシーズンでどうなるか楽しみだ。
西暦2199年。地球は異星国家ガミラスとの戦争で疲弊し、地上が汚染された結果人類は地下都市に追いやられ、滅亡まで残り一年とされていた。しかし別の異星であるイスカンダルに救いの手を差し伸べられ、汚染浄化を可能とする装置コスモリバースシステムを受け取るために、選抜した人員を乗せて宇宙戦艦ヤマトは旅立った。
濃い人間ドラマを描くSF。この度初めて見ました。
めっちゃくちゃ濃厚なドラマでとても面白かった。丁寧に作られているなあと感じる人間関係の描き方、コメディの部分、ストーリーや設定など、うまいなあ面白いなあと感じるところがたくさんありました。乗組員の大人世代、若い世代の関係性とか、地球人と異星人の交流とか、本当によかったなあ。
沖田艦長もめっちゃくちゃかっこよかったんですが、真田さんが好きですね。無愛想で仕事人間な真田さん、でもきちんと周りを見ていて気遣いができる真田さん、自己犠牲も厭わないけれど意外とちゃっかりしている真田さん……いいですね好きですね。
結末としてはSFの万能感もあり、ロマンもあり。得たものも失ったものも多かったけれど取り戻したという気持ちが強いお話だと思いました。面白かった。
田舎町に住むいたずら少年のホーガースは、ある日電線に絡まった巨大なロボット、アイアン・ジャイアントを発見する。赤ん坊のように何も知らないジャイアントを持て余しつつも、ホーガースは次第に彼と友情を育んでいく。だが政府捜査官をはじめとした大人たちに追い掛け回されることになり……。
人間の少年とこの世ならざるもの(ロボット)の友情物語。子どもの描き方や大人に対する皮肉が効いていて面白いなあ。またジャイアントが健気で可愛いんだなこれが。愛を知った者が自己犠牲するなんて王道、好きなんですけどやっぱり悲しい……。
夢のある話でもあるんですが、現実的な問題(社会情勢とか大人の役割とか)も含まれていて、ジャイアントのことを戦闘兵器だと言い切るところは何故だかわからないけどすごく傷ついた。そうだよなあ、そうじゃないって思っても本来そういう役目を果たしたかもしれないんだよなあ。いまやっているゲーム(ロボットが登場する)のこともあってずきっとしてしまった。
タイムマシンが開発された未来ではその使用は禁じられていたが、とある犯罪者組織がそれを悪用し、暗殺に用いていた。殺したい対象を30年前に転送し、ルーパーと呼ばれる殺し屋の元に送る手法だ。だがルーパーであるジョーの元に送られてきたのは未来の自分だった。逃亡した彼の目的は、未来でとある事件を起こす「レインメーカー」と名乗る人物の抹消だった。
タイムマシンの悪用によって殺しをしていたところ、30年後の自分が送られてきた。暗殺対象である自分を殺せず逃亡させてしまったが、未来で起こるとある悲劇を聞かされて。
未来が変わるとどうなるか。少しずつ位相がずれていっているらしい描写がはらはらさせられます。そしてやっぱり、未来を変えるために過去へやってきた暗殺者っていうシチュエーションはたいへん燃えるなあ! 対象が子どもだっていうのがまたね……。それが最後にはジョーの選択につながるのかと思うと……はああああ……!!! 「ループ」が本当は何を意味しているのか、レインメーカーが何を思っていたのかを想像すると、ああもう……。
30年後の未来がどんなものになったのかはわからないけれど、悲劇が一つ消えたと信じたい。