読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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宇宙はドルシア軍事盟約連邦と環大西洋合衆国ARUSの二大勢力が争いを続けていた。中立の小国ジオールのモジュール77にある咲森学園に通う高校生たちはそんな情勢など関係なく青春を送っていたが、ドルシア軍の攻撃を受けたことをきっかけにヴァルヴレイヴ一号機を目覚めさせてしまう。時縞ハルトは「人間ヤメマスカ?」の問いかけに、幼馴染の仇を討ちたい一心で「YES」と返答し搭乗者となるが……。
SFに人外に学生たちだけで大人の世界に対抗する、なんて美味しい様子がたっぷり詰まっていて、厨二病的な設定も含めて大変大変楽しかったです!
搭乗者は記憶をも司る生命エネルギーたるルーンを摂取するマギウスという存在になる、というロボット・ヴァルヴレイヴ。宇宙はその不老不死で人間の身体をジャックして命をつなげる生命体マギウスたちによって密かに支配されており、これを物語を通して「世界を曝く」と表現する展開。…………かっこいいいいいいい!!!
学園があるモジュール77を独立させて学生たちが国を作るというのもすごくいい展開ですが、大人の世界になんとか対抗して、犠牲も払って、心も傷ついて……という流れは本当に熱い。がんばれ負けるなって応援したくなる。またどうしても戦わなければならないので主要キャラクターの戦死者も出るという胸をえぐる展開もいい。やっぱりどうしても「ありえない」と思わせる設定や展開もあるのですが、それでもいいとばかりに力強く物語を作っているのはすごく好感が持てます。合間合間に挟まる未来の一シーンに、生き残った人たちがいるとわかるのも結構早いのですが、それでも最後まで見ようと思わせる力のあるストーリーでした。面白かった。
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聖グレンデルの託宣により王家に生まれた双子のうち、妹王女は「世界を滅ぼす猛毒」とされ殺された。だが幼い命を守ろうとした人々の手によって、彼女は生きていた。十五年経ち、カスール三兄妹の末妹として育ったパシフィカは自らを狙う者たちに手により父を失い、兄シャノンと姉ラクウェルとともに旅に出ることに。それはこの世界の成り立ちと秘密に触れることになり……。
富士見ファンタジア文庫の『スクラップド・プリンセス』原作。原作は本編のみだいぶと前に読了済。実はすてプリはアニメから入ったクチで、この作品をきっかけに富士見ファンタジア文庫を知ったくらい、当時は全然ラノベ読みではありませんでした。
原作の雰囲気をそのまま残しつつ、アニメはもう少し風景や登場人物の造形をしっかり描いている印象で本格ファンタジー風味。SFみを感じさせる諸々の設定が、実にゼロ年代のアニメだなあと思いながら、ストーリーがしっかりしているのでいま見てもかなり面白いなあと思いました。
ラスト周辺はオリジナル展開なんですが、私は最終話の最終決戦、その近辺のラクウェルの必死な言動がすごく好きで。泰然としてほわほわしているお姉ちゃんが、パシフィカの命が尽きようかというときに神様に祈る、という絶望的で必死なシーンが声優さんの演技も伴って、もうすごく心に響いてしまって。この状況をどうひっくり返すのかというドキドキ感と、最後の大団円的なカスール三兄妹の涙のシーンとともに最終話は一番好きな話です。
ラストは原作の方がカタルシスがあって好きですが、アニメはアニメで上手に作られているなあと思う作品でした。
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フェニックスを演じることになったそら。同時期レイラもまた自身を代表するフェニックスを舞台で演じることとなっていた。お互いに自分が目指す不死鳥のイメージが掴めないでいたところ、そらの元に、レイラが失踪したという知らせが。レイラを探しに出たそら、ケン、メイの三人。一方レイラは自転車にのって旅をしながらこれまでの自分を振り返り……。
ここから物語は始まった、という「フェニックス」をテーマにしたOVAです。
本編の最初の方でレイラの代表的な技「ゴールデン・フェニックス」を演じてしまったそら。レイラのイメージが強いそれをどのように自分のものにするかと悩む。一方レイラはいままでのフェニックスとは違うものをつかみたいけれどうまくいかない。レイラ自身の弱さが描かれるのもこの作品の大きな特徴です。「逃げてきた」と告げるレイラさんは珍しすぎる。
再生するには自ら捨てたものや封印したものをもう一度見つめ直して再構成する必要があるのかなと感じたお話で、そらは燃えたぎる力強いフェニックス、レイラは清らかで神々しいフェニックスとそれぞれ掴んだものが違うというのも面白かったなあ。
最後まで楽しく視聴しました。この作品がやっぱり大好きです。
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苗木野そらは、世界的サーカス・カレイドスターのステージに立つことを夢見て日本からアメリカにやってきた。しかしオーディション会場にたどり着く前にトラブルに遭い、伝説とされるパフォーマー・レイラから入団する資格はないと断じられてしまう。だがプロデューサーのカロスが「特例での入団を認める」と言い、運良く合格してカレイドスターの一員となったそらだが……。
本放送当時かぶりつきで見ていました。というのは、このカレイドスターは全51話なんですが、最終話51話が最高に大団円! って感じのエンディングで、もうずっとずっとずっと大好きなんです。
高い運動能力と秘められた才能を持ちながら、お人好しで何かと首を突っ込みたがるそら。彼女が自分のパフォーマンスで人をたらしていき、当初はトゲトゲしていたスター・レイラさんはそらを「私の夢」とまで言うようになるし、二期から登場するライバル・メイもなくてはならないライバルとしてそらを認めて、っていう、サクセスストーリーとしてとても熱い展開です。そらの挫折や周囲のとの摩擦もしっかり描いていて、本当にこの作品は理想の「夢」のお話なんだなあ、と最後まで描ききってくれたことが本当に嬉しい。改めて最後まで見てそう思いました。
昔はただ好きだと思って最終話を見ていたけど、いま見たら泣いてしまった。ステージの精フールが見えなくなる、っていう演出がなあ……。
OVAで次なるスターの誕生も期待させる感じで、とてもよかった。
![127時間 [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51VOQlp3sqL._SL160_.jpg)
アーロンはユタ州にあるブルー・ジョン・キャニオンでキャニオニングを楽しんでいたところ、岩とともに滑落し、右腕を挟まれて動けなくなってしまう。ついに自分の腕を切り落とすことを選ぶが、ナイフが鈍くて切り落とすこともできない。水もなくなり生命の限界を超え、ついには幻覚を見るまでになるが、生きたいと強く思ったアーロンは決断を下し……。
誰も助けてくれない限界ぎりぎりの状況。痛い……きつい……。生きたいっていう強い想いがあって極限状態になるっていうのはどういうことかっていうのを知らしめる作品だったように思います。実話をもとにしてあるんだからすごい。
なんですが、映像としてはおしゃれな感じがしました。いややっぱり痛いかな、腕のシーンは……。
音楽が何故か印象的なのは、彼がほとんどの視点を担っているからかな。頭の中が映像や音楽でいっぱいになる瞬間があるよなあなんて思いました。こういう限界のときにはそれが目の前で起こっている・聞こえているように感じるに違いない。
![シモーヌ [DVD]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51PvvusmqcL._SL160_.jpg)
映画監督のヴィクターは過去にオスカーにノミネートされたこともあったが、いまでは駄作ばかりと評判で主演女優に降板される始末。さらには元妻とも険悪に。しかし謎の男ハンクが現れ、理想の女優をCGで創造することになった。かくして創造されたシモーヌは脚光を浴び一大女優として名が知られるようになる。同時に監督であるヴィクターは名声を手に入れるが……。
CGやAIから創造された者は命を持つのか? という難しいテーマを、落ちぶれた映画監督ののし上がりとともに描く。2002年の作品とは思えない完成度で、すごく面白かった。
CG女優を起用したうだつのあがらない監督の悲喜こもごもがメインなんですが、シモーヌの存在に底知れない恐ろしさを感じる。いまではCGで作ったキャラクターが動く作品なんて普通のものですけれども、それが世間には人として認識されるとこういうことが起こりうるのかと思って面白かった。存在しない証拠も存在した証拠もない、っていう台詞は怖いな。それって人間でもそうだよな……。
最後はえーって言っちゃったけど「これは未来の出来事です」と言われても信じられそうな作品だった。面白かった。
![ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ [DVD]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51B27TYe66L._SL160_.jpg)
冷戦時代に東ドイツで生まれ育ったハンセルは、ある日米兵のルーサーから結婚を申し込まれ、母の助けもあってパスポートを偽造し性転換手術を受ける。だが手術は失敗。股間には「怒りの1インチ(アングリー・インチ)」が残った。しかも結婚生活は破綻を迎えてしまい……。
ヒューマンドラマと音楽。ヘドウィグの怒りと叫びが込められた魂の歌とその物語。
片割れを見つける物語だったなあ。男と女、どちらかの性だと決めなければならないような気がしてしまうけれど、どちらも持っていていいのだと思うし、持っていなくてもいいのだと思った。ずっと歌っているけれど心情を語るその歌がすごくよくて、また画面が雑然としているのに綺麗なんだよなあ。
失墜と成功が非常にドラマティックで面白かった。舞台、一度見に行ってみたい。
![([お]4-3)ピエタ (ポプラ文庫 日本文学)](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51xyWmpEaJL._SL160_.jpg)
18世紀ヴェネツィア。『四季』の作曲家ヴィヴァルディは、孤児たちを養育するピエタ慈善院で、《合奏・合唱の娘たち》を指導していた。ある日教え子エミーリアのもとに恩師の訃報が届く——史実を基に、女性たちの交流と絆を瑞々しく描いた傑作。2012年本屋大賞第3位。(裏表紙より)
不思議な陰影のある話だったなあ。カーニバルという顔を隠す祭りの非日常感もあれば、淡々と日々を生きているような語りもあり、生きることの息苦しさも感じたり、歴史の大きな流れがどうどういっているのが聞こえるようでもあり。
先生と慕うヴィヴァルディの訃報を受けたエミーリアは、同じ教え子で現在《合奏・合唱の娘たち》を率いるアンナ・マリーアとその話をする。同じく教え子で裕福な家の娘ヴェロニカにピエタへの寄付の話をしに行ったエミーリアは、彼女からヴィヴァルディ先生が彼女のために書いたという楽譜を探し出してほしいという依頼を受ける。彼と懇意にしていたというコンティジャーナのクラウディアや、彼の恋人の噂があったパオリーナとジロー嬢の姉妹といった女性たちとの交流、過去への追想を経て、時間は流れていく。
楽譜の行方がとても胸を打ちました。ヴェロニカがなにを思いながらその詩を綴り、その楽譜がどのように流れて行ったのか。形を変えても何かを祝福したいという思いは変わらずそこにあるという清らかさを感じて、つかの間息が止まりました。
静かな映画のような作品でとてもよかった。おすすめされた作品でした。ありがとうございました。

「メリル・フォースター、俺の子供を産んでくれ」魔術学院に通う、いたって平凡な少女メリル。ある日の放課後、彼女は突然名門貴族の美青年ギルベルトに押し倒されてしまって大混乱。しかも彼が迫ってきたのは、メリルの珍しい「体質」を手に入れるためで——!? 家柄にも無駄な美貌にも興味はないし、好きでもない相手に体目的で迫ってくる最低男なんて、お断りです! 逃げる少女と恋に不器用な青年の学院ラブコメディ(裏表紙より)
さほど学園っぽい風景はないんですが、ツッコミ気質なヒロインが、常識が完全にずれている美貌の先輩から逃げ回るラブコメディ。冒頭からギルベルトに対してメリルの台詞がまさしくという感じでした。初対面の人間にその言動は頭おかしいです……。
しかし迫られてやっぱり悪い気はしないもので、改めて向き合ってみるとギルベルトはだいぶとずれているけれどいい人ではあり、ときめきもあり……というのがリアルだなあ笑 好意を向けられるとぐらぐらきちゃうよね。最後の小話でギルベルトがちゃんと最初からメリルに好意を持っていたこともわかったのでよかったな。