読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
![思い出のマーニー [DVD]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51vbcHyC0ZL._SL160_.jpg)
杏奈は孤児だったが現在は養父母に引き取られて暮らしている。しかし居場所がないと感じる杏奈は自分を一人にした母と祖母を許せず、また養父母が養子を引き取ったことによる支援金を自治体から受け取っていることを知り、ますます心を閉ざしていた。喘息がひどくなった杏奈は養母の勧めで、空気のいいとある地方で静養することになるが……。
少女と少女の心のふれあいが美しいなあと思いながら見ました。「あなたはわたしのひみつよ」って台詞はとても素敵だ。どうして女の子たちの「内緒よ」っていう言葉はとても可愛らしくていけないものに聞こえるのかなあ!
心を閉ざしていた杏奈がマーニーと出会ったことで少しずつ活力を取り戻していく様子がいい。マーニーがいなくなって裏切られたと思った後、窓にいる彼女に向かって叫ぶ杏奈は、ずっと一人だったし、でも本当はずっと許せないあらゆるものを許したいと思っていたんだろうなあ。
この作品で好きなのは実は彩香なんですけれど。彼女もまたいろんなひみつや謎が好きな子なんだろうなというのが言動の端々にあふれていて、杏奈と仲良くなってよかった。
![Fate/stay night [Unlimited Blade Works] Blu-ray Disc Box 【完全生産限定版】 全2巻セット [マーケットプレイス Blu-rayセット]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51kbe86re0L._SL160_.jpg)
冬木市で行われる聖杯戦争。魔術師として生まれた遠坂凛は万全を期してこの戦いに挑むことを決めていた。しかし召喚されたのは狙ったはずの最強の駒セイバーではなく、自身が何者かもわからないアーチャーの英霊だった。そして運命の日、衛宮士郎もまたマスターとなり、戦いに身を投じていく。
Fateの原点、stay/nightのUBW、凛ルートと呼ばれる世界線でのお話。ゲームはPS2版を全ルート履修済みで、アニメ一作目とZeroを見ていて、Zeroは小説でも読了済み。いまはApocryphaを視聴中。FGOもプレイ中です。
長らく見られていなかったUBW、見ました。ああああほんっとこの話すごく好きで! 熱い! たぎるー! そして最後には涙……。ちらちらと見られる別ルートへの伏線と、第四次聖杯戦争を踏まえてのあれこれがとても楽しい。このときセイバーは何を思ったのかなあとか。桜はどう思ってたかなあとか。
そうして見終わると、やっぱりこの聖杯戦争で召喚されたサーヴァントたちに愛着を覚えてしまう。特にセイバーは、本当に士郎に会えてよかったよなあ……。
エピローグがちゃんとエピローグで、最後まで楽しかった。

《ディセンド》皇国の《十二刃》の一人、オースを倒し、滅亡の危機に瀕したソウガを救った少年・白火。英雄となった彼は、自身の力《変幻流転》を上手く使えなくなったことに悩んでいた。ある日、次なる皇国の襲来に備えるため、ソウガの姫たるグウィンらは豊富な資源を持つ《獣の末裔》タルパとの同盟を計画する。彼らとの交渉は難航したが、タルパの技術に惚れ込んだ白火が自らの技能を示したことで信頼を勝ち取ることに成功する。だが、その帰り道、突如として矢の嵐が降り注ぐ。それは第四刃《射手》のセレネの強襲で、白火は彼女に連れ去られてしまい――? たった一つの力が絶望の運命を打開する! 新たなる無双戦記ファンタジー、待望の第二弾!(裏表紙より)
第二巻。生き物と道具を掛け合わせることによって命を持った道具を作る能力を持つ少年が、皇国に滅ぼされようとしていた《獣の末裔》たちに力を貸して戦うお話。今回は、腕に翼を持つカナリア一族の姫君アミラの巻でもあります。
皇国に抵抗すべく同盟を結ぼうと考えたグウィンたちソウガ一族。しかし前回の戦いでオースが倒されたことを知った皇国が様子見を行う、という準備のような話もあって、果たして《変幻流転》を使う白火は何者なのか、そして《十二刃》の持つ《封命具》は誰の手によるものか? と点になっているものを繋ぐための道筋が提示される。でもまだまだ秘密がありそうだなあ。白火はまだまだ力に振り回されている感があるし、一方の視点からはわからないこともたくさんあるので、皇国側の事情がどんなものなのかが気になります。
勇ましい姫の活躍が見たいのでグウィンが強く変わるところも見たいなあ!

今井翔子は本と書店の仕事を愛する26歳の書店員。ファミレスの厨房でアルバイト中の恋人とベストセラー作家、まったくタイプの違うふたりの男性の間で心は揺れる。「いったいどっちを選べばいいの?」恋と仕事に悩み、成長する女性の姿を描いた共感力全開の恋愛小説。(解説・大矢博子)
がっつり本屋さんものというわけではなく、書店員である女性の恋のお話。お仕事らしさはエッセンス程度に、夢を諦めたようにも見える距離が生まれつつある恋人か、おおらかで余裕のあるベストセラー作家か、どちらの恋を選ぶべきかと悩む。そんな中で登場する翔子の周りの人たち、不倫するひかり、セレブ婚を目指す同僚の麻奈実、今時の恋愛観を持つ亜耶がいる。彼女たちは愛かお金かに悩むんですが、解説を読んでなるほど、書店員としても書店の売り上げに貢献する(=金)か、読まれたいものを売りたい(=愛)かという選択を迫られているというのが重なっていたなあということを改めて感じてなるほどと思いました。
すべてが幸せに終わったわけではなくて、これから彼女たちはまた別の問題に直面して、愛か金かに悩むんだろうけれど、その人生を後悔せずに生きられたら一番いいよなと思いました。

梨園の御曹司にして絶世の美男、藤村霞右衛門に男女の双子が生まれた。兄の桂は跡継ぎとして、妹の葵も父に溺愛されて天真爛漫に育った。が、真に父の才を受け継いだのは、皮肉にも娘の葵の方だった。女は歌舞伎役者にはなれない——ジレンマに身悶えながら女優への道を模索する葵。しかし彼女の前には、我が子を愛するがゆえに、その夢を全力で潰そうと立ちはだかる父の姿が……。芸の鬼に取り憑かれた、梨園の父娘ふたり。その愛と葛藤の物語!(裏表紙より)
先んじて父親世代の『美男の血』という作品が出ていることを後に知った。
梨園に生まれた娘がどのようにして女優への道を踏み出すかという作品なんですが……まーほんっと父親たちがいやらしくて! これでもかこれでもか! と伝手と権力を全部使って葵の夢を断とうとするので後半腹が立ちすぎて心が折れそう(=読むのを止めよう)かと思いました。ここまでして全力で潰しに来る意味があんまりよくわからないままのように思えたのですが(芸能界が地獄のようだからいうのは、それなりに想像はできるんですが)『美男の血』の方で語られているのかなあ。
その潰し方がえげつないので、ちょっとだけカタルシスが足りない。双子の兄・桂もどうしようもないまま放置されてしまったので可哀想な印象のまま。非常に「悔しい! 頑張れ!」という気持ちで読んだんですが、その後がもう少し知りたいなあと思った作品でした。

——ボクは、絶対に生きのびる。
透き通る蒼い海と、紺碧の空。世界の全てを二つの青が覆う時代、『アフター』。
セイラー服を着た14歳の少女アキは、両親の形見・愛船パラス号で大海を渡り荷物を届ける『メッセンジャー』として暮らしていた。
ある日、オウムガエルのキーちゃん船長を携えたアキは、航行中に恐るべき『白い嵐』に遭遇、船を失って浮島に取り残されてしまう。
そこは、見渡す限り青い海が広がる孤立無援の島だった……。
アキとキーちゃん船長の、『生きるための戦い』が始まる。(裏表紙より)
文明のほとんどが滅び、人が住む場所は海の上となった。『アフター、すべての国境(ボーダー)は水平線(ホライズン)になった』という一文がすべてを現していてめちゃくちゃ好きです。世界が滅びて、人もほとんど出てこないけれど、少女の青春物語が描けているのはすごいなあ……!
最初は生きるか死ぬかのサバイバル、その次は少女たちの青春、そうして戦い。海洋ロマンがたっぷり詰まった作品だなあと思いました。最後がちょっとばたばたと畳みすぎかなあという気がしたんですが、これからも旅は続く感じが最後まで広々と感じられて楽しかった。
![美女と野獣 [DVD]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/61G7-zTYThL._SL160_.jpg)
とある美しい城に住まう大公レオンは、善政を敷き、美しい妻ジュリエットとともに幸せに暮らしていた。だがそれもあの事件が起こるまでは。火事で妻を亡くし、顔に醜い傷を負ったレオンは顔を隠し、人を嫌い、無慈悲な人間として人々から恐れられるようになってしまう。そんな彼の元に父親の借金を返済するため、奉公に上がったベルは。
「美女と野獣」という名のハーレクインロマンスだな! というのが見終わった感想でした。
賢いベルという描写はなく、城に奉公に上がった直後はろくに家事をしたことがなくていつも姉がやっていたと言い訳をしてしまうところ、ヒロインとしてマイナスです……。
一方で野獣役のレオン大公は、結婚を迫ってくる従妹のエレーヌと「ベルを落とせるか」という賭けをする嫌な男です。このエレーヌもだいぶと嫌な女性で、物語の最も大きな謎に関わるんですが、ラストの駆け足でまとめられてしまったあれそれでだいぶと後味が悪い人に……。
ほかにもエレーヌの大公への執着の理由が不明だったり、ベルがどうしてそこまで好かれるのかがわからなかったり、やらかしたベルの姉のおとしまえが付けられていなかったり、あっさり引いてしまう村人にええーって思ったり、かわいそうな伯爵がどのようにして最後を受け止めたのかがわからなかったりと「きっちりわかるように描く」ことの大切さを実感させられるつくりでした。
しかしこの映画、めちゃくちゃ舞台装置が美しい。
大公の館や近くの村、ベルの実家や、キャラクターの服装などとてもおとぎ話に語られるヨーロッパな感じがしてすごく好きです。女性はちゃんとデコルテを見せて胸を上げて潰しているし、男性もきっちり古い形の服装。
ベル、レオン、エレーヌの衣装が時々はっと目につくほど色鮮やかなときがあったんですが、これってお互いの色が同系色かどうかで心を通わせているかどうかを表しているのかなあと途中で思いました。最初は感情の高ぶりや方向性を示しているのかと思ったんですが(赤は攻撃とか)、それだけじゃないのかも? と思ったり。ベルがレオンの元へ駆けつけてくるシーンはお互い赤なんですけれどエレーヌは青なんですよね。
おすすめはしにくいんですが、いろいろと面白い作品でした。
![ブレードランナー ファイナル・カット [DVD]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/61x-GMmPlZL._SL160_.jpg)
2019年ロサンゼルス。酸性雨の降りしきる退廃した地球で、人間はレプリカントと呼ばれる人造人間を開発し、酷使していた。しかし感情が芽生え人間と変わらない情緒を持つようになったレプリカントは人間として暮らそうとする者が後を絶たず、それらを解任(処刑する)のがブレードランナー、デッカードのかつての仕事だった。そんなある日反逆したレプリカントを見つけ出せという指令が下り……。
最近新作が公開された「ブレードランナー」。初めて見ました。
なんというか、ロマンだなあ……。
人造人間と人を分けるのは何かという問いもあるんですが、反逆したレプリカント、特にロイ・バッティの狂気的かつ悲しい言動が好きで……。すごく悲しいのにすごく狂気的。ともするとデッカードよりも好きかもしれない。
見ていて、これデッカードはレプリカントなんじゃないかなあと思ったんですが、Wikiを見ると制作上の都合で色々ミスっているところがあるせいなんですね。しかも公開バージョンがいっぱいある……。興味がわいたので間をおいてまた見てみようかなと思いました。
![この世界の片隅に [DVD]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/615tyYD1t9L._SL160_.jpg)
1944年。18歳のすずは広島から呉にある家に嫁ぐ。折しも日本は戦争の只中にあったが、人々は日常を生きていた。もちろんすずも……。けれど空襲や物資不足が続き、ある日……。
すごく地味な絵で温かみのある色彩で描かれているのに、ちょっとした台詞や映り込むものが戦時下であることを示すものばかりで、これは日常なんだけれど非日常なんだ、悲しいことがあった時間なんだというのを見終わった後に感じる。
すずのうっかりなところや、ちょっとした失敗、くすりと笑えるシーンが積み重なっていって、ゆっくりと世界が変わっていく感じ、途方にくれたような、取り残されたことへの悲しみや恐れ、どこで生きていけばいいんだろうとわからなくなる感じというのか……。それでもその変化や状況を受け入れて、この先も生きていく、そのありふれた当たり前にぐっと胸を掴まれました。すごい映画だ。

「何度だって君に会いにくる——」少年・クロードが初恋の女の子ロゼと交わした約束は、花が人を喰う“花嵐”によって引き裂かれた! ロゼがいなくなって5年。クロードは、18歳の可憐な美女に成長。実はロゼを奪った花を狩る“歌姫”になるため、女の子として楽院に通っていたのだ!! そんな彼(彼女!?)の前に、少女と見紛う“舞手”の少年・ノワールが現れる。出会い頭に彼に殺されかけたクロードとノワールの仲は最悪! しかも、ノワールにはある秘密が…!? 複雑、厄介に面倒臭く“恋の花”が絡み合う!!(裏表紙より)
何故続きが出ないんだという感想を当時あちこちで見かけた覚えがあるんですが、これは何故続きが出ないんだと思っても仕方がない。女装男子と男装女子のじれじれファンタジーです。
思いを通じあわせた初恋の少女ロゼを薔薇によって失ったクロードは、自らに花を殺す歌姫の才能があることを知り、親友の作った薬で十四歳の身体に時間を巻き戻して女装、歌姫と舞手の集まる楽院で歌姫になるための修行をすることになる。
花を殺す、歌姫と舞手、楽院生活、それぞれの有能な親友、ふたりのすれ違いなど美味しい要素がたっぷり詰まっていてもっと読みたいなあと思いました。男のクロードがちゃんとかっこいいのがずるい……!