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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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スピリット・リング (創元推理文庫)
魔法の素質は本物でも、女の子ゆえに魔術の道に進ませてもらえず、かといって持参金不足で結婚もできずに悩む、年頃のフィアメッタ。父親は大魔術師にして公爵に仕える金細工師。だがその父はいまや息絶え、その強力な霊は邪悪な者のもつ“死霊の指輪”に囚われようとしていた! 黒魔術から父を守るために、炎の乙女が立ち上がる。時代はルネサンス、恋と冒険の歴史ファンタジイ。(裏表紙より)

ルネサンス時代の少女と少年の、指輪と霊をめぐるファンタジー。
女の子ゆえに魔術の道に進めないながらも、才能を発揮するフィアメッタは炎の性質を持つ。憧れの近衛隊長ウーリの弟トゥールはスイスで鉱夫をやっており、地精(コボルト)を見ることができる。モンテフォーリア領を奪おうとしているロジモ公フィランテと書記官ウィテルリは、霊を捉えて指輪に閉じ込める死霊の指輪を作ろうとしていた。そんな彼らから、父親の霊、兄の霊、モンテフォーリアを救出する。
序盤で語られているウーリの像うんぬんが、最後にこう生きてくるとは!
どちらかというとトゥールがメインのお話だったように思うので、フィアメッタがこれでもかと活躍してほしかったなあと思いました。でも最後は楽しそうでよかった。
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ものすごくうるさくて、ありえないほど近い [DVD]
9.11で父親を亡くしたオスカーは、父親の持ち物から小さな鍵を見つける。鍵の入っていた封筒に書かれていた「ブラック」が手がかりだと思ったオスカーは鍵穴を見つけるため、街中のブラック氏を訪ねることを決意する。多くのふれあいや出来事の中でオスカーは自らと、そしてあの時の後悔と向き合う。

深い悲しみにさらされた少年が、同じく取り戻せないものや悲しみを知る大人たちと出会うお話、という感じでしょうか。アスペルガー障害を持つオスカーは、普通の人以上にうまく生きられないからこそ、世の大人たちがこういうものなのだ、仕方ないのだと諦めて受け入れることに「何故だ」と問えたのかもしれない。オスカーがアスペルガー障害を持っているというのは最初あんまり強くは感じなかったのですが、数字に強いこだわりを持っていたり、音に対して敏感で両耳をふさいだりという仕草でああなるほどと思いました。
ブラックさんたちの反応は、「あなたの悲しみを共有している」というメッセージなのかなという気がしました。好意的な反応は悲しみを、否定的な反応はそれでも許せない怒りを。母親のリンダに対してハグをしてくれるブラックさんを見た時、ふとそう思いました。
レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語<スペシャル・エディション> [DVD]
ヴァイオレット、クラウス、サニーの三兄弟は、火事によって家と両親を失う。孤児となった三人はオラフ伯爵に預けられるが、こき使われた挙句、遺産を手に入れようと目論む伯爵から命を狙われてしまう。兄弟は自分たちの特技でなんとか窮地を脱するが……。

ヴァイオレットが素晴らしい美人さんできゅんきゅんしてました。
手を替え品を替え、兄弟たちの遺産を狙うオラフ伯爵。この「何度も何度も」というところが面白いところですね。その度に子どもたちは「こいつの言っていることは嘘だ!」と主張するんですけれども、その主張が聞き入れられないというのが子どもだからであり孤児だからであり……っていうような部分が、お約束なんだけれど胸に痛い。
今は不幸かもしれないけれどそれは旅の始まりであり、君には幸福が待っている、というメッセージが伝わってきてじんとしました。そのために何かを作ったり本を読んだり、噛んだり(というのは周りから見れば風変わりだけれど自分の個性ということかな)して試行錯誤するんだってことなんだろうな。
博多豚骨ラーメンズ (メディアワークス文庫)
殺し屋の街・博多で生き残るのは誰だ!?
 福岡は一見平和な町だが、裏では犯罪が蔓延っている。今や殺し屋業の激戦区で、殺し屋専門の殺し屋がいるという都市伝説まであった。
 福岡市長のお抱え殺し屋、崖っぷちの新人社員、博多を愛する私立探偵、天才ハッカーの情報屋、美しすぎる復讐屋、闇組織に囚われた殺し屋。そんなアクの強い彼らが巻き込まれ、縺れ合い紡がれていく市長選。その背後に潜む政治的な対立と黒い陰謀が蠢く事件の真相とは——。
 そして悪行が過ぎた時、『殺し屋殺し』は現れる——。(裏表紙より0

アニメ化と聞いて積んであった一巻を読みました。読みやすくてわかりやすい群像劇。
福岡、博多がとても危険な街だというのを逆手にとって、殺し屋がたくさんいるという物騒な街として描いているので、しょっちゅう人が死んでいく中で馬場さんの博多弁がとても癒しでした。豚骨ラーメンが食べたくなる。
馬場さんと林くんはこれからも一緒にいるのかな? 危なっかしい林くん(斎藤くんよりも彼が好きだ)の今後が気になります。
ハルと歩いた (児童書)
一年前に東京から引越してきた陽太は、亡くなった母の故郷・奈良で、小学校の卒業式をむかえた。仲のいい友だちもまだいないし、気になっている女の子には声をかけることもできない。父は仕事でいそがしいし、春休みは何をしてすごそう……と思いながら、川べでぼんやりしていると、とつぜんホームレスの男から、フレンチブルドッグをもらってしまった。「迷い犬らしい。飼い主を捜してやれよ」といって、男は姿を消してしまう。
犬だけでなく、動物を飼うこと自体が初めての陽太。とまどいながら、犬といっしょに、奈良の町を歩く日々が始まった。
犬がいるおかげで、さまざまな出会いがあった。気になっていた女の子久留實の、意外な素顔にふれたり、子どものころこの町で犬を飼っていたという母に、近づいた気がしたり……。そしてついに、もとの飼い主が見つかったとき……?
十二歳の春をみずみずしく描く、心に残る物語。(カバー折り返しより)

仕事を辞めた父が、亡くなった妻(母)の実家で暮らすというので、東京から奈良に引っ越してきた陽太。小学校を卒業したけれど、奈良には馴染めないし、木になる女の子はいるけれど友達はいない。そんなとき、ホームレスの男性からフレンチブルドッグを託され「飼い主を見つけてやってくれ」と言われる。
犬が飼いたくなる話だなあ! と思いました。作中のフレンチブルドッグが本当にかわいくてかわいくて。飼い主を探す、という目的のために散歩のシーンが多いのですが、常にいろんな顔を見せてくれるし、散歩の風景も人の姿も素敵で、ほんわかと優しい物語でした。
原発についてや、認知症、障害者、古い町に新しい建物を建てることなど、日常生活において切り離せない問題をさりげなく取り扱っているのも、なるほどなあと思いました。犬と友達になりたくなる素敵な作品でした。
love history (角川文庫)
結婚式の前日、由希子は昔の恋の思い出の品を捨てに出かけ、事故に遭う。気がついたとき、彼女は19歳の恋にタイムスリップしていた。さらに思い出の曲たちに導かれて、経験したすべての「恋」をたどるうち、高校時代の恋の思い出に立ち止まる……。一方現実の時間では、結婚を約束した恋人が、行方不明になった彼女を懸命に探していた。忘れられない過去の恋と大切な今の恋。彼女が選ぶのは? 思い出とともに愛を巡る恋愛小説。(裏表紙より)

事故に遭ったことで、過去に意識が飛んだ由希子。飛ぶのはいつも恋をしていた頃。かつての恋人との出会いや別れを思っているうち、最も大きな意味を持つ恋の思い出に至る。運命を変えるべきか。それとも戻るべきか。由希子の答えは。
まずどうでもいいことなんですけど、こんなにたくさん恋をする人はすごいなあと思いました笑
どれも彼女にとって大きな意味のある恋だった。不毛な恋も、苦しい恋も、気づかない恋もあった。結婚を前にしてそんな昔の恋の時代にタイムスリップするって、本当に飛ばなくても多分よくあることなんだろうなあと想像します。ふと今までの自分を立ち返るって、ある程度生きてくるとやるよなあと思うので。
作中、永遠に過去にいるらしい玲という女性が現れますが、彼女と由希子を見ると、やはり最も苦しいのは「永遠に別れること」なんだろうなあと。それが最後の恋になってしまった人はつらいよなあ……。
レベッカ〈下〉 (新潮文庫)
マンダレーで開かれた豪華な仮装舞踏会の翌日、海底から発見されたレベッカのヨット。キャビンには、一年以上前に葬られたはずの彼女の死体があった——。混乱するわたしにマキシムが告げた、恐ろしい真実。変わらぬ愛を確信し、彼を守る決意を固めるわたし。だが、検死審問ののちに、マキシムすら知らなかったレベッカの秘密が明らかになっていく。魅惑のサスペンス、衝撃の結末。(裏表紙より)

上巻の後半から格段に面白くなってきたなあと思ったら、下巻はめちゃくちゃ面白かったです。レベッカがどういう人間かは想像がついていたんですが、その決着がどうなるのかっていうのははらはらして読み進めていました。恩田陸さんの解説がずばりそのものって感じで、語り手のわたしの気持ちになって捜査のシーンは読んだなあ。
先妻レベッカに勝てるか、っていう問いには、勝てるけれど負けた、というのが回答でしょうか。わたしはマキシムが求めたわたしではなくなっているし、その後の二人もそれまでの二人ではなく、すべての象徴であったマンダレーも……という。最後の一文が効いていて本当に素晴らしかった。
レベッカ〈上〉 (新潮文庫)
ゆうべ、またマンダレーに行った夢を見た――この文学史に残る神秘的な一文で始まる、ゴシックロマンの金字塔、待望の新訳。海難事故で妻を亡くした貴族のマキシムに出会い、後妻に迎えられたわたし。だが彼の優雅な邸宅マンダレーには、美貌の先妻レベッカの存在感が色濃く遺されていた。彼女を慕う家政婦頭には敵意の視線を向けられ、わたしは不安と嫉妬に苛まれるようになり……。(裏表紙より)

天涯孤独の身の上で、女性の付き人をやって生活費を稼いでいた21歳のわたし。妻を亡くした貴族のマキシムの後妻に迎え入れられ、人々が讃えるマンダレーの邸宅での生活を始めるが、屋敷には先妻レベッカの気配が色濃く残り、その気配を残そうとする家政婦頭ダンヴァーズ夫人の敵意の目にさらされていく。
若いから、というのが理由になるのかどうかはわかりませんが、悪い想像をしがちで、恐怖に心を支配されて突発的な行動を取り、という主人公。それがなんだか不安感を煽って読んでいてひやひやする。何かを知っていそうな発達障害の若者のベンは、レベッカの何を知っているんだろう。
そして僕等の初恋に会いにゆく (単行本)
ままならない現実に落ち込む中
中学の旧友と再会した雄也は
文化祭で上映できずに心残りとなった
告白映画「初恋シネマ」を
完成させようと決心するが……。
後悔ばかりで情けない29歳が
昔の仲間たちと新たな人生へと立ち上がる
感涙のハートフル・ストーリー!(帯より)

中学の旧友と再会した雄也。そこからかつて中学時代、放送部であった四人でつるんでいた思い出を蘇らせていく。売り言葉に買い言葉で、自分たちが告白するシーンを映画に撮って撮影することになった四人。だがその映画は、体育館の火事で上演不可能になってしまった。そして四人は会うことがなくなり……。
冒頭から軽い閉塞感があるなあと思うのは、うまくいかないなあと途方にくれたような雄也が気持ちが漂っているからかもしれない。物語は過去へ、あるいは未来へと視点を移したりなどしていく。BGMは放送部がかける音楽、そして人物たちの語る音楽の話。小説なのに映画だなあ! と思いました。エピローグ的な雄也の新しい恋の余韻がいいなあと思ったラストでした。
キャリー [DVD]
女子高生のキャリーはクラスメートから壮絶ないじめを受けていた。体育の授業後、シャワーを浴びていたところに初潮を経験したキャリーはパニックに陥るが、体育教師コリンズに助けられる。キャリーには敬虔なキリスト教徒の母親がおり、性にまつわる一切が罪だと教えられてきたのだった。やがてキャリーのいじめは、プロムパーティーでも及び……。

キングの有名小説『キャリー』の映画化。1976年のもので、R15+です。
冒頭のシャワー室での初潮のシーンはめちゃめちゃ有名だと思うのですが、シャワーシーンが長い……笑
いじめというか暴力じゃないかっていうシーンは見ていてきついし、母親の信仰の強さによる仕打ちもメンタルにくる……。やっと楽しい思いをしたと思ったのにプロムパーティーで豚の血まみれにされて笑われた挙句、母親に殺されそうになるってあまりにひどい。あまりにひどいゆえに、スプラッタなはずのシーンがいっそギャグのようだ……。
しかし罪の意識があった者だけが最後に生き残るというのは、象徴的のように感じました。なんとも後味の悪いホラーでした。
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Author:月子
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