読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

不思議な事件を呼び込むのは一冊の古書
鎌倉の片隅でひっそりと営業をしている古本屋「ビブリア古書堂」。そこの店主は古本屋のイメージに合わない若くきれいな女性だ。残念なのは、初対面の人間とは口もきけない人見知り。接客業を営む者として心配になる女性だった。
だが、古書の知識は並大低ではない。人に対してと真逆に、本には人一倍の情熱を燃やす彼女のもとには、いわくつきの古書が持ち込まれることも。彼女は古書にまつわる謎と秘密を、まるで見てきたかのように解き明かしていく。
これは“古書と秘密”の物語。(裏表紙より)
話題になるとすごく読みたくなるか、逆にまったく読む気が失せるかどちらかなんですけれど、これは後者で、たいへん長らく積み上げたままになっておりました。早く読んでおけばよかったなー。面白かったんですが、これは時間が空いたおかげなんだろうか。ずいぶん読みやすくて分かりやすくて楽しいミステリーだと思いました。
儚い黒髪美人(人見知りで眼鏡っ娘)な栞子さんと、ごつくて顔がちょっと恐い五浦くん。まだちょっと距離のある二人が、これからどう近づいていくのかも楽しみですね。
![劇場版「空の境界」未来福音(通常版) [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51hvEYK42-L._SL160_.jpg)
未来を見ることができる少女・瀬尾静音は、すれ違った男を救おうと声をかけ、揉めてしまったところを、眼鏡の青年に助けられる。自分の告げた未来視の力を信じた彼は、黒桐幹也。未来を見ることについて教えられた静音は、彼の未来を見てしまい……。同じ頃、両儀式は、連続爆弾魔事件の犯人に付け狙われていた。
大人になった式が見られると思って、見ました。相変わらず美しい、というか、子持ちだとは思えないよかっこいいきれいいい……!
お話は、視点があっちこっちに行くので、小説でじっくり読んで理解したいな、と思う内容でした。最後に「彼」が出てくるとは思わなくて鳥肌が立ちましたが、これもやっぱり小説でも読みたい。
未那は、凄まじい美少女で小悪魔なので将来が楽しみですね。こういう子が一回折れるところを見てみたいんですが、それは周りが許さないかなあ、なんて思いました。そういう星の巡り合わせの子のような気がします。
式と幹也はおめでとうございました。幸せになれ……。

着付け教室に通ったり、旅行に出かけたり、引っ越ししたり。仕事もお金も人間関係も自分なりにやりくりできるようになった30代後半から40歳にかけての日々。完全に「大人」のエリアに踏み入れたけれど、それでも時に泣きたくなることもあれば、怒りに震える日だってある。悲喜交々を、きらりと光る言葉で丁寧に描く共感度一二〇%のエッセイ集。(裏表紙より)
益田さんのエッセイを読んでいると、とにかくこの人は不器用で生きづらそうだ……と思ってしまう。作品は「それでも、わたしはわたし」っていうしなやかな強さがあるように思うんだけれど、エッセイは、なんかどこか、しんどそう。でも、それでも自分の生活を自分なりに生きている感じが、読んでて心地よくもある。

超高校級スラッガーの益岡が最後の甲子園を前に腰を故障した。監督は益岡を代打で起用し、さらに補欠の俺を益岡専用の代走としてベンチ入りさせると言うのだ。そんな理由で数少ない選手枠を奪っていいのか? 益岡との関係もギクシャクする中、ついに地方大会が始まって…。友情、嫉妬、ライバル心、そして一体感。少年たちの熱い夏を描いた涙と感動の高校野球小説集。(裏表紙より)
あらすじ紹介されている内容の「ピンチランナー」。
強豪校のエースと戦った弱小校のピッチャーに惹かれ、取材をした新人スポーツ記者が、気持ちを新たにする「甲子園の道」。
昭和十七年、甲子園が中止され、戦況はますます悪化する中、それでもその場所を目指す少年たち「雲は湧き、光あふれて」。
三編収録。どれも、「甲子園」という夢の舞台を目指す、少年たち、あるいは大人の物語で、素晴らしく面白かった。こんなに短いのに、すごいドラマチックだった。
努力をして、必死になって、けれどそれが国とか戦争とか自分の思い通りにはならない大きな流れによって妨げられることがあるなんて、ということが読んでいて一番苦しかった。夢が消えてしまう世界はいやだ。そんな風に思いながら読みました。

ラブラドールのハリーと過ごした小学校時代、歴女の第一歩を踏み出した中学時代、単身海外にモデル修業に行った頃、そして、女優として活動を始めたとき……。NHK連続テレビ小説のヒロインを演じ国民的な女優となった杏が、それまでの人生を、人との出会いをテーマに振り返って描いたエッセイ集。そのとき感じたことを次につなげて明日に向かう姿は、感動必至。解説 村上春樹
すごくすごく良く出来た方なんだなあ、というのを感じました。人との接し方、話し方、そういったものがすごく気持ちのいい人なんだろうな。文章も、ぜんぜん気取っていなくて、読んでいて「いいなあ」なんて羨ましくなってしまった。
この行動力はなんだろう。杏さんの力の源はなんなんだろう。面白がるってことだけじゃない気がする。しなやかで、力強くて、でも女性的でもあって、かっこいいなー。
学校生活、子どもの頃の話が面白かった。エンドウマメ先生がなんだか好きだなーと思ったら、最後に登場して嬉しかった。

ノンシリーズものの短編集。「ガラスの檻の殺人」「壁抜け男の謎」「下り「あさかぜ」」「キンダイチ先生の推理」「彼方にて」「ミタテサツジン」「天国と地獄」「ざっくらばん」「屈辱のかたち」「猛虎館の惨劇」「Cの妄想」「迷宮書房」「怪物画趣味」「ジージーとの日々」「震度四の秘密」「恋人」収録。
読んだのは単行本ですが、リンクは文庫版。
どれも短編ながら、趣向が凝らしてあって面白いなあと思ったんですが、「怪物画趣味」が好きでした。それまで普通に、現代ミステリーだと思って読んでいたら、これだけファンタジーだった。異形専門の公安……もっと読んでみたいです。
これまで取れていなかった有栖川有栖さんの単位を取ろうと、三冊読んでみたんですが、有栖シリーズが一番好きかもしれない。

雨の坂道で出会い、恋におちるも、自意識のために、愛する女を死に追いやってしまった作家の苦悩が哀切な「愛染坂」。坂に棲みついている猫たちの写真を撮るために訪れた女子高生が、その夜から金縛りと奇妙な悪夢に悩まされる「口縄坂」。大坂で頓死した松尾芭蕉の最期を怪談に昇華した「枯野」など9篇を収録。大阪の町にある「天王寺七坂」を舞台に、その地の歴史とさまざまな人間模様を艶のある筆致で描く。解説・河内厚郎
大阪と坂と怪談の短編集。こういうホラー系、幽霊や怪異がメインの話って普段あまり読まないのですが、味があって面白いなあと思いました。土地に由来する話って、思い入れがあればあるほど深みがあるなあ。というのは、この辺りをうろうろしていた時期があったからで、ああ、あの辺、すごく絵になる坂が多かったなあ、なんて思い出したから。
一番好きなのは「口縄坂」。猫の写真を撮影していた女子高生が「なにか」に見初められてしまうという話なんですが、女子高生同士のキスと、あやかしに見初められるっていう妖しい、ちょっとエロティックな短編です。私は頭の中がファンタジーなので、そういう見初められ方をすると今後どうなるかなっていうのを考えてしまいます。
どの短編も、ちょっと怖かったり、優しかったり、悲しかったりで、とても面白かったです。

「お父さんの入った魔法のランプ」を捜す半魔人のシェヘラは、早くも砂漠で遭難中! あげくに、盗賊に襲われ大ピンチ!! そこへ現われたのは、絶世の美青年・サディーン。あっという間に賊を倒すと、「助けてやったから金よこせ」と笑顔で救出代を請求してきて——!? 役立たずの魔法使い×追放された元・王子が巻き起こす、アラビアンファンタジー! 第14回えんため大賞特別賞受賞作!!(裏表紙より)
過去に魔人と共存していたという伝説を持つ国、アラハバート。その北方、迷信深い地域に隠れ住むシェヘラザードは、母が神殿の神子、父親がランプの魔人という半魔人。空飛ぶ絨毯と、望むものをなんでも映し出す望遠鏡、そして治癒の魔法を宿す命の林檎の三つの神器を持っているけれど、未熟なシェヘラには使用回数制限がある。
という状況で、父親が入ったランプを追って神殿を飛び出したシェヘラが、ギルドの長サディーンたちと「家族になろう」とする第一歩の話。
とってもかわいい話で、一生懸命なシェヘラがかわいい! 本当の家族に恵まれず、自分の家族を作ったサディーンのしなやかさもかっこよく、まだまだお話が広がっていくんだろうなあと感じさせつつも、ラストの一文がとてもとても素敵でした。