読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
皇帝の崩御を契機として、帝国領内では貴族たちの権力争いが激しさを増していた。おのれの野心を明らかにしたブラウンシュヴァイク公にとって、ラインハルトはなによりもの憎悪の対象であった。しかし、同盟の動きをクーデター計画で巧みに抑えこんだラインハルトには、妄執に駆られた貴族連合軍などは烏合の衆でしかなかった。ところが、皮肉なことにその勝利こそが、幼いころより同じ道を歩んできた旧友キルヒアイスとの仲に、ちいさな、しかしはっきりとした亀裂を入れはじめたのだった……。(裏表紙より)
うああああおおおおおお。うおおおおおおああああああああ!!!
……という感想だけで終わろうかと思ったんですが、意味が分からなさすぎるので、ちょっと書きます。おおおおおおおいいい!! 何故! お前が! 死ぬんだ!!
うわーますます読めなくなってきたぞ。安定していた地盤がゆっくり緩み始めていくのではないかと思うとぞくぞくします。
PR
駅ビルの書店で働く杏子のもとに、長野に住む元同僚・美保から手紙が届いた。彼女の勤める地元の老舗書店に幽霊が出るようになり、おかげで店が存亡の危機にあると知らされた杏子は、アルバイトの多絵と共に信州へ赴いた。だが幽霊騒ぎだけでなく、二十七年前に老大作家が弟子に殺された事件をめぐる謎までもが二人を待っていて……。人気の本格書店ミステリ、シリーズ初長編。(裏表紙より)
成風堂シリーズ番外編。本にまつわる事件なら何でも解決する、と言われてしまい、杏子と多絵は信州へ。地元に愛される本屋さんの幽霊事件を解決してほしいと言われたが、地元作家の凄惨な殺人という過去の事件が絡んできて。
元々の短編連作だとそうは思わないんですが、長編だと多絵ちゃんの名探偵具合がすごいなあ笑 厳密に言うと、本屋さんがらみではないのですが、「だって、誰も読めないもの」でキターと思いました。ぶわっと広がって、じわっとしみました。
巻末には、コミカライズ担当だった久世番子さんのおまけ漫画も収録。面白くて、最後ににやっとしました。
面白いにもホドがある! 書評サイトHONZの代表が太鼓判を押す、選りすぐりの面白本100冊。ハードな科学書から、シュールな脱力本まで。いずれ劣らぬ粒ぞろい。1冊読んだら全冊読みたくなる。本代がかかって仕方がない、メイワク(?)なブックガイド。(カバー折り返しより)
おっもしれー! なんだこれ、ブックガイドなのに、全部読みたい! って思いました。
紹介されるのはノンフィクションがメイン。「真面目にオーパーツ」という章があったり、「学べない生き方」という章があったりと、「まじか!」「ありえん!」「すげー!」と感嘆しそうな本ばかり。以前話題にもなってましたが、『バチカン・エクソシスト』とか読みたいわー。
「先生!」——この言葉から喚起されるエピソードは何ですか? 池上彰さんの呼びかけに、現場で実際教えている人のほか、作家、医師、職人、タレントなど各界で活躍の二七名が答えた。いじめや暴力問題にゆれ、教育制度改革が繰り返されているけれど、子どもと先生との関係は、かくも多様でおもしろい! 希望のヒント満載のエッセイ集。(カバー折り返しより)
「先生!」という言葉を盛り込んで、語ってください、というエッセイ集。その人の、先生観だったり、思い出だったり。
太田光、天野篤、稲泉連、関口光太郎、増田ユリヤ、柳沢幸雄、パックン、市川力、李相日、武富健治、姉小路祐、鈴木翔、寮美千子、平田オリザ、しりあがり寿、岡野雅行、押切もえ、田中茂樹、山口香、鈴木邦男、安田奈津紀、太田直子、渡辺恵津子、武田美穂、石井志昴、乙武洋匡、山口絵里子(順不同、敬称略)というメンバー。
印象的だったのが、寮美千子さん。少年刑務所にいって、講師をしているお話なんだけれど、そこで受刑者の子がつくる作品の、はっとさせられること。言いたいことがあるんだ、という気持ちが、その子たちを知らないし言葉もないのに伝わってくるようだった。
パックンマックンのパックンも書いてるんですが、この人は文章がうまいなー。あと、視点が面白い。日本と外国の違いを言語化できるのって、めっちゃ頭がいいのが分かる……。
ロクサナは、メフルダート女王国の王女。しかし、14歳までその事実を隠され他の国で生きてきていた。急に連れ戻され、女王国のしきたりを教え込まれるが、ありえないぐらいの「女権国家」で、とまどうことばかり。一番馴染めないのは、王女が花婿候補達に囲まれハーレム状態で暮らすこと。この中から、たった1人の花婿を選ばなくてはならないのだが…究極の逆ハーレムに目が離せない!!(裏表紙より)
逆ハーレムだけど、正しい意味でのハーレム。何を言っているか分からないと思いますが、女性の権利が強くて男の人を囲う立場なので、本来の意味でのハーレムです。男性には「男の顔に傷なんてッ!」「ごつくていかつい女男!」という罵倒が用いられます。そう、女性がごりごりでも許されるのが、メフルダート女王国なのです。
ロクサナはその価値観と真逆のところで暮らし、育った少女。王家の人間=神として、男性たちに追い回される。だいたいがなよなよとした男性たちなので、追い回されているシーンではときめきよりかは脱力感が……笑 でも、ちゃんと少女小説として普通の恋愛をしていたので、面白かったです。
窪居佳那・二十四歳、大学院のドクタコースに在籍して研究に没頭中。趣味は起き抜けのシャンプーと「どきどき」の探求。悩みは飲酒時の記憶喪失とよくわからない自分の気持ち。後輩の爽やか青年・鷹野と人形オタクの水谷、ダンディな指導教官の相澤、謎の怪僧武蔵坊。佳那を一番どきどきさせるのは誰か?——『すべてがFになる』でミステリィ界の地図を塗り替えた異才がおくる初のラブコメディ! 解説:多部未華子(裏表紙より)
森博嗣さんのラブコメディだ。ラブコメディだけどもっとハイセンス。軽くはないのに軽い。ジョークがハイセンスすぎてちょっと置いていかれた感じ。
女王様気質で、変わり者だけど普通の人を偽装している佳奈。研究室の後輩男子二人と微妙な関係だったり、合コンに誘われたり、日常を送っているのに、ちょっと普通じゃない。とにかく思考回路が変だ! どこで笑っていいか分からなかった!
「どんな代物でも運ぶ」がウリの運送会社“ベルフェル”。そこの社長兼唯一の社員であるライアのもとに、とある依頼が舞いこんだ。それは、女性ひとりと大型犬一匹を田舎町まで送り届ける簡単な仕事、のはずだったのだが……。
その女性、アリスには驚きの秘密があって——!?
ライアは彼女を無事に目的地まで送り届けることができるのか!(裏表紙より)
発達した文明に、特殊能力を持つ生き物と人間と、そうでないただの人間がいた。何の能力も持たない人間たちは、特殊能力をほしがり、彼らの国を攻めて領土を奪ったり、実験台にしたりした。特殊能力を持つものたちは彼らのその行動が分からず、他種族が攻められても干渉しなかった。そんな世界で、囚われ実験台の対象となっていた古代ディマントの少女を、護衛して届ける話。
今まで読んだことのない、すごく傍観者っぽい文体で、ここもうちょっとはらはらどきどきさせて! というのをさらっと流されてしまって、もっと! 詳しく! となること多数。すごく淡々としている……と思いました。すごくファンタジーで美味しい、驚くべきところがいっぱいあるのに、その驚きが一文で済まされてしまっている感じが惜しい……。もっとあざとくてもよかったのよ!
アリスの可憐さは、挿絵も相まってきゅんきゅんでした。もの馴れない女の子ってどうしてこんなに可愛いんだろうなあ! しかし、作中でどうしても、ヒロインに対してそれはアカン! というのがあり……。どう受け止めていいかちょっと分からなかった。
「いつも現在進行形、面白いのは目の前のこと。」——“好きなものを好きなように”作りつづけ、アニメーション映画制作の最前線を駆け抜けてきたジブリも三〇年。高畑勲監督の一四年ぶりの新作公開、宮崎駿監督の「引退宣言」と大きな転換点を迎えた今、プロデューサー・鈴木敏夫が語ることとは? 口絵も一新、新章を加えた決定版!(裏表紙より)
目から鱗というか、知っているようで知らなかったんだということがたくさん書かれていて、ジブリについて知るならこれはとても面白い一冊。
私のジブリは原体験たるトトロ、ラピュタ、ナウシカから始まるのですが、ジブリという仕事場を語るにはナウシカはやっぱり大きく外せないわけで。どういう形でやってきたのか、という話や、新作を作るにあたってどういうやり取りが会ったのか、とか。この、仕事のやり方が、面白い!
面白い、と一番強く思ったのは宣伝のやり方で、コピーや、宣伝の仕方(狙い)がすごくうまい。自分でもやってみたいな! と思うところがたくさんありました。私、「思い出のマーニー」の「あなたのことが大すき。」がほんっと好きなので。その話もちらっと聞けてよかったです。
宮崎駿監督の作ったものが一番好きだ、と思っているんですが、この本で、高畑勲監督、米林宏昌監督、宮崎五郎監督、それぞれの作っているものの狙い目が分かって、改めてジブリ作品を見てみたくなりました。まだまだ知らないことがいっぱいあるなあ。
旧貴族のエッドは、大地のエネルギーを喰う核獣を狩る滅核獣師になるため、幼馴染みのラッセと共に準軍学校に入学した。相棒として彼の隣りにあることを信じていても、戦士として、そして女としては少しだけ自身がなかった。けれど王制復活を目論む反乱により、ラッセが核獣の王として覚醒してしまう。冷たい眼差しのラッセに、エッドは相棒としての覚悟を秘めて対峙し……!(裏表紙より)
おっもしろかったー!! 学園ものであり、相棒ものであり。バトルもあって、とってもとっても美味しかったです!
舞台は、自動車やら無線やら銃やらがある、ほんの少し近代的な世界。王が不在で貴族の身分もなくなりつつも、根強く容姿や家の格などについて差別があるところ。
核獣が襲ってきて阿鼻叫喚でみんなが大慌て、みたいな話を想像してたんですが、エッドとラッセの二人がとても安定した相棒だったので安心して読みました。絶対この二人は離れないだろーと見ていて分かるので、その最強っぷりがすごく楽しかった。
エッドが好みのヒロインすぎて! 男っぽくて凛々しくて、でも可愛いものが好きで、友達にも優しい……。ちょっとだけ不器用な感じもするところが、とってもかわいくて好きです! なのでラッセはもっと頼れる男(相棒)になってほしい! エッドを寄りかからせてあげて!
同人誌版で続きが出るということなので、絶対に読みたい! もう、すごく好みの学園+バトル+バディものファンタジーでした。
サムリユト王国の王女フィオが、ひょんなことから開けてしまった異世界への扉。その先には、ひとりの魔術師によって荒廃した世界と、それを救うべく戦う王子の姿があった。
フィオと、王子スカイの世界の両方に伝わる魔術の書『ゴッデュリア』によれば、術師を連れた女がスカイの世界を救うのだという。その予言に従い、フィオと魔術師リヤ、そしてスカイが旅立つことになるが……。剣と魔法と冒険のファンタジー!!(裏表紙より)
RPGストーリーで、三巻くらいでやるやつを一巻でやりました、という印象でした。
そっくりな異世界の王国からやってきた王子と旅をすることになった、王女フィオ。連れは、神官の弟子リヤ。あちらの世界に行ってからは、銀の獣シルバー、賢者ルー、と完全にロールプレイングゲームのパーティな面子。戦うのは、フィオの弟をさらった悪の魔術師。
ものすごい駆け足なんですけど、リヤが、過去と相まってすごくいい人すぎるので、私は彼といい仲になってほしかった! そこは、ヒロインとしては初恋とさよならして幼なじみと帰るべきだろー! という個人的趣味!