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太陽の庭 (集英社文庫)
一般人には存在を知られず、政財界からは「神」と崇められている、永代院。地図に載らない広大な屋敷に、当主の由継を中心に、複数の妻と愛人、何十人もの子供たちが住まい、跡目をめぐって争っていた。そんな中、由継の息子・駒也は、父の女・鞠絵に激しく惹かれてゆく。許されぬ愛は、やがて運命の歯車を回す。破滅の方向へ——。「神」と呼ばれた一族の秘密と愛憎を描く、美しく、幻想的な物語。(裏表紙より)

『雨の塔』に関連する物語。少女たちの箱庭だった『雨の塔』とは正反対の位置にある、永代院という広大だけれど閉じらせた外の世界を描く。『雨の塔』ラストでの崩壊はいったいどのようにして訪れたのか、という話です。
地図になく俗世から切り離され、崇め奉られる家、永代院。当主は代々「由継」を襲名し、有力者たちから差し出される娘を妻に迎えて子どもを産ませ、とある啓示を受けた子を後継にしてきた。妾腹の駒也の短編を皮切りに、歪んだ家と人と、世界の側面が現れてくる。
『雨の塔』は境界の曖昧な箱庭の話だったのが、『太陽の庭』は庭という場所のせいか部外者からの侵入を受けて崩壊する。この二冊、世界の壊れ方を比べるとすごく面白い! 少女小説なんだけど、こっちはよりファンタジーなのに、最後はサスペンスで鋭い。そして女の話で締めるのか! と唸りました。
面白かった。でも、二冊合わせるとちょっと蛇足感はあるかも。私は『雨の塔』が好きだ。
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