読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
精霊を行使し、不思議な現象を起こす彩霊術。誰もが使えるそれを、ファラは使えなかった。精霊王の加護を受けることが出来ず、精霊の姿を見ることができないから……。それでも努力で学院へと進学したファラを待っていたのは、無情な運命だった。彩霊術を使えない者を、卒業させるわけにはいかない。ところが、同じ学院に在籍する王子のサーリヤが、ファラを指導してくれると言って……?(裏表紙より)
おおお。おおお……! なんて透き通った少女小説なんだろう!
静かだけど優しい文体に、真面目だけれど寂しい女の子が、自分の心と恋を見つける物語。コバルトはこういうの出してくれるから本当に好き! 沖原朋美さんの『桜の下の人魚姫』を読んだ時の感動が思い出される……。
アラビアン的な砂漠の国。精霊を見ることのできない少女ファラと、第九王子でありながら強い精霊王の加護を持っているサーリヤの交流が丁寧に描かれていて、これに嫉妬する元婚約者の女の子とか、へらへらしてるようでよく見てる宰相の息子とか、軽薄で何を考えているかわからないけれど渇望している謎の教師とか。少女。めっちゃ、少女小説!
最初から両想いだと分かってもいるので安心して読みましたし、ファラの一生懸命さかつ自虐的な思考が救われていくところとか、意地悪されながらも乗り越えてしまうところとか、たいへん楽しみました。はー……綺麗で透き通った物語だったなあ……!
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