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そして花嫁は恋を知る―月の女神は黎明を導く (コバルト文庫)
ブラーナ帝国の皇妃イリアティーヌは、結婚したばかりの相手シリウスに対し、打ち明けられない悩みを抱えていた。奴隷だった彼が皇帝になるまで、どんな過去があったのか。愛しているからこそ気になるイリアティーヌだったが、昔の彼を知る女性が現れて……?一方、新興宗教であるルシアン教信者は謎の疫病に罹らないという噂が流れる。混乱の中、新たな時代の幕開けが迫っていた——!(裏表紙より)

「黄金の都を興す姫」の続き。ブラーナ帝国でおそらく有名であろう皇帝シリウスと皇妃イリアティーヌの物語。なぜ、ブラーナ帝国はルシアン教を国教としたのかが語られる。
非常に息苦しい巻でした。嫁恋シリーズは、歴史的な下地がもともとしっかりしている中で、少女小説っぽい主人公たちが動く話だったのですが、この巻はもうずーっとイリアティーヌが迷う! これでいいのかと考えて、答えを出す。それも、どうしようも流れの中で選択せざるを得ない感じで、まだ話が続くのだろうという読後感があって……。うーん、なんだか割り切れない!
実は、この本を読む前に、テレビ番組で作家の方が「小説は予言する」と話したり、漫画家の方が「週刊連載は、予言の書になった」ということをお話しされていて、ぎくっとなりながら読んでいたんです。そう、この話、宗教と信仰と、殉教と生きている者についての話なんです。結局、シリウスとイリアティーヌは国教を変えるという選択をしましたが、それでよかったのかともやもやするところもあり……。
でも、イリアティーヌが最後にエレミヤに言った言葉は、確かにそうだと思います。多分、それが全部だと思う。
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