読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
「私は巫女です。お勤めをきちんと果たしてから死にたいのです——」思いがけなく最高神・伊布夜に気に入られ、大神殿に招喚された巫女・雪荷。その道中襲われ、落人の里で土地神の生け贄にされそうになる。
雪荷の命を救ったのは、荒々しくも美しい炎のような若神・炬だった。雪荷は、神としてはまだ未熟でありながら純粋な炬に巫女として仕え、この里を甦らせたいと決意する。そんな雪荷を伊布夜は捜し続けて……?(裏表紙より)
面白かった! 日本神話と、和風ファンタジーならではの設定や言葉が好きな自分としてはうはうはでした。やっぱり、普通の女の子が、高貴な人に迎えにこられたり、誰かのために一生懸命になってその人に恋をしたり、というのは、ときめきだなあ!
病弱ですぐに喘息や貧血を起こしてしまう雪荷。己の力を持て余し乱暴に振る舞う炬。ぎすぎすするかもと思った組み合わせは、雪荷が大人だったおかげで、とてもうまいことおさまったなあと思いました。里で暮らすふたりの、穏やかで平和な日々に、すごく心が和みました。平和なのに、毎日のことが楽しくて、嬉しくて、温かく見守っていました。
炬の正体はなんとなく分かっていましたが、彼がどんどん成長し、感情を知り、神として立派になっていく、物語全体を見通してみる過程が、嬉しくて、悲しくて切なくて。しかし、当て馬だった伊布夜は、最後の最後でいい勝ちをさらっていったので、なんだこいつ! 好き! ってなって悔しいです。
最後はちょっとあっさり謎が解けてしまったので、ちょっと残念な気もしつつ、やっぱりすごく好きな話だなあとしみじみするのでした。面白かったです。
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税金滞納者を取り立てる皆の嫌われ者、徴収官。なかでも特に悪質な事案を扱うのが特別国税徴収官(略してトッカン)である。東京国税局京橋地区税務署に所属する新米徴収官ぐー子は、鬼上司・鏡特官の下、今日も滞納者の取り立てに奔走中。カフェの二重帳簿疑惑や銀座クラブの罠に立ち向かいつつ、人間の生活と欲望い直結した税金について学んでいく。仕事人たちに明日への希望の火を灯す税務署エンタメシリーズ第1弾!(裏表紙より)
ぐさぐさっと刺さる。中盤からの展開に息ができなくなる……。明るいお仕事ものかと思ったら、この仕事はなんだ、と何度も立ち止まったり、考えたり、間違いを突きつけられたりして、ちょっとしんどかったです。いやでも、ちゃんと前を向いて、頑張ろうとして、救われてくれるんですけどね!
しかし最後の恋愛模様はなんだ! ちょっと笑ってしまったぞ! 二巻では進んでるのかなあ。気になる。
終戦、そして父王の崩御——社交や結婚話、王宮でのいつもの暮らしは戻ってもアンジェラの心に碧空は戻らない。憂い顔の彼女に兄フランツが提案したのはエグバードへの留学だった。かの地を見て学び、そして外交の助けとなって欲しい。兄の思いに、久しぶりに気持ちが高まるアンジェラ。一方、セシルは飛行船平和利用のために奔走しており……。シリーズ堂々の大団円!(裏表紙より)
終戦後、王女として政務に励むアンジェラ。反戦運動に身を投じたランディに、それは違うんじゃない? と言えるのは、アンジェラが明らかに成長した証だと感じられてとても嬉しかったです。それでもアンジェラらしさが全然なくなっていないことも、よかったなあ!
そして、王道なロマンス! 新聞記者に追われるのはロマン! そして、飛行船でやってくるのもロマン! そこで可愛くない言葉を交わし合ってしまうセシルとアンジェラに、もだもだしました。分かりきってる間柄ならではのやりとりですね!
最初はアンジェラの子どもっぽさがだめかもなーと思いましたが、ちゃんと成長してくれてよかった。ロマンスの気配も途中まで薄かったですが、三巻では盛りだくさんだったので楽しかったー。
戦況は緊迫……ついにエグバード軍の飛行船が爆撃を開始した。戦地に赴いた兄・フランツに代わり、ロートリンゲン王国の王女として”高貴なる者の義務”を果たそうとするアンジェラは、国防婦人団の団長を務め、戦地を慰問する。一方、飛行船を軍に提供し、軍人たちを家に招くセシル。彼に反発し、反戦運動に身を投じるランディ——戦火が引き裂いた三人の運命は。(裏表紙より)
アンジェラがみるみる王族として成長していく中で、この巻はランディの言動が辛い……。セシルの言うことは最もなんだから、何故そこで思考停止してしまうのかなあとじりじりする。言うばっかりならなんでもできるよね……と我が身に照らしても思う。ランディも三巻で成長してくれたらいいな。
三巻で最終巻。戦後が描かれる。三人が再会した時、それぞれどんな風になっているのか。楽しみ。
シャロンは、リアンクール公爵ラウールの婚約者だが、なりたて貴族のため、彼の臣下に認めてもらえずにいる。それでも、精霊祭で一緒に踊ってくれるというラウールの言葉を信じ、彼女は堪えてきた。それなのに、彼は急にローランスへ行くことになったと、シャロンとの約束を破るのだ。その仕打ちに激昂した彼女は、ラウールと口論した挙句、その勢いのまま館を飛び出していってしまい…!?(裏表紙より)
「翠緑の森の騎士」の続編。すみません、ブローデルのシリーズは翠緑しか読んでないのであれなんですけど、やっぱりこの二人はすれ違ったかー……と笑
しかし、ヒーローの臣下が悪口叩く時、ヒーローやヒロインがそれを払拭するために頑張ろうとするんですが、シャロンはいっつも等身大で、やっぱり無力な女の子なんだなあ。ラウールがんばれ。まじがんばれ。
小国ロートリンゲンの王女として天真爛漫に育ったアンジェラ。なのに最近は、縁談やら、戦争が始まれば大好きな兄が出征するとか、面白くない話ばかりでうんざり。そんなことが王族の義務だなんて! そんなある日、飛行船が王宮に不時着。見たこともない巨大な姿にすっかり心魅せられてしまう。大空へ、そして初めての外の世界へとアンジェラは今、飛び立った——!(裏表紙より)
わがまま放題で育ったブラコン王女が、外の世界へ飛び出していく話。これ、一巻だけだと、なんともいえずアンジェラが子どもすぎて読むの辛いなあ笑 もうちょっとよく考えろ、と言わずにはおれない浅い考え方の持ち主です。もちろん、これがどんどん変わっていくんだろうなあと期待させるんですけれども!
不時着した飛行船の持ち主、セシル・マクレガーと、彼の養い子ランディとともに外に世界に出て行くことになったアンジェラ。セシルとアンジェラは、保護者と子どもな喧嘩ップルぽいんですが、これが変化したら面白いと思わせるので、ぜひアンジェラは成長してセシルをめろめろにしてもらいたい!
長期間にわたる戦争は、じわじわと同盟の秩序を蝕み、政府の腐敗を生んでいた。ひさしぶりに首都ハイネセンに戻ったヤンは、宇宙艦隊司令長官ビュコックに、クーデターが発生する可能性が高いことを告げた。ヤンの目は、その背後に帝国軍元帥ラインハルトの謀略を見ていたのだ。危惧はあたった。各地で起きた武装蜂起。救国軍事会議を名乗るクーデター側の放送に現れたのは、ヤンが信頼をよせる副官フレデリカの父、ドワイト・グリーンヒル大将であった。クーデター鎮圧の任をうけたヤンの作戦とは——!!(裏表紙より)
まったく気付いてなかったけど内容紹介がネタバレだー!! 前巻から続くラインハルトの帝国掌握、率いては彼が糸を引く同盟のクーデターにまつわる一連の戦い。二人とも近いところにいるわけではないのに、遠くからお互いを見ている感じが運命の敵という感じですね。でも、相対するにはまだちょっと距離がある。
超有名な大手銀行で活躍する九条雅は、誰もが羨む美女であるにもかかわらず、結婚相手が現れない。自らの相手を探すため、友人のあずさと夏希、幼なじみの京介を誘い、会社を退職し結婚相談所《マリッジプランニング》を立ち上げることになった。しかし、告知を始めるもののなかなか相談者が現れず、会社の資金も底をつきかけたとき、母親をともなった女性が現れ…。(裏表紙より)
容姿端麗、有能とすべてに恵まれた雅。仕事についていけず鬱になったところを雅に助けられた可愛らしい容姿のあずさ。雅の友人の快活美女、夏希。ほどほどな作家、でも食べていけないという、雅の小中の同級生だった京介。この四人で立ち上げた結婚相談所と、雅の恋の話。
雅が、これでもか! というくらい女王様。でもカリスマがあるのか、それほど嫌みじゃないような。案外夏希やあずさに可愛いって思われてるからかなー。
売れない作家でもてない男の京介のハーレムなので、ツッコミが頻発し、あらすじを読んで女性のサクセスストーリーを想像していたのですが、あーそういう話だったかーと思いました。がっつりちやほやしてもらっているわけではないのですけれども、ちょっとえって思った。
一番アツいと思ったのは武藤さんのエピソードです! いいよなーそういう人柄のいいひとーしかもお金持ちー。読みながらなんとなく想像していたけれど、結婚相手が見つかってよかったよかった。いい人は幸せになるべき。
悲しくてあったかい女子高生の物語。
あこがれの同級生に、告白する間もなくふられた僕。そして僕をふった張本人である彼女は、僕を無理やり連れて学校をさぼると言い出して——「scratches」。偏屈そうなおじいさんが一人で暮らしているはずの隣の部屋のベランダで、タバコをふかす変なおじさん。おじいさんの親戚だという彼と、ベランダでぼんやりすることが多い私は、次第に話をするようになり——「サブレ」ほか計4作品を収録。4人の少女たちの、トホホでワハハな日々を描く、哀しいけれどあったかい、珠玉の青春ストーリー。(裏表紙より)
「scratches」「Run! Girl,Run!」「タカチアカネの巧みなる小細工」「サブレ」の四編。
ラノベと言われるような作品をたくさん出しているレーベルで出る短編っていうと、あんまり上手じゃないものが多いように思うのですが、柴村さんは短編中編でもばっちり面白いなあ。個人的に、短編は「スベッてない」ものが面白いと思うんです。
「scratches」は『プシュケの涙』などの由良三部作関連作品。最初にこれがくるとおっと思うなあ。
それから、やっぱり「サブレ」がいい! 日常の中の特別とか、変だなって思いながら学校社会を生きてるところがいい。学生ものはそういうところが、びしびし刺さっていいなあ。