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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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「呪われし家に咲く一輪の花」
ホラー作家アイリスの家に住み込むで働くことになった看護師のリリー。アイリスは高齢で認知症を患い、この家で最期を迎えることを希望していた。極度の怖がりでアイリスの作品も読んだことがないリリーだが、いくつかの不思議な出来事に怯えつつもあっという間に一年が過ぎたある日、アイリスがずっとリリーに呼びかける「ポリー」という名が彼女の著作の登場人物を指していることを知る……。

何故こんなタイトルなのかと思ったら、リリーもアイリスも花の名前だからなのかな。ポリーは検索すると観葉植物が出てきたけれど、何かの愛称だったりするのかな。
ともかく、静かに始まり、静かに終わるホラー作品。古い家にならあり得そうな死者の気配を感じるだけ、のはずがまさかの結末。何もされてないのに? と思うけれど、突然死とはこうして起きるのかもしれないなあなどと思ったり。
ホラーとしてはちょっと物足りない感じだけれど、最初から最後まで「家」という世界で語られるのと、古い家の雰囲気がとてもよかったな。
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新学期を迎えた四月、五年三組学級の担任となったのは、生まれつき両手足がなく電動車椅子に乗る赤尾だった。彼の補助をする形で白石も三組に関わることになるが……。

乙武洋匡さんのエッセイをもとにした映画作品。そちらは未読。
五体不満足な赤尾先生が一年間三組の児童たちの担任を受け持つ。それはもちろん簡単にはいかないことで……なんですが、クローズアップされるのが五体満足ではない赤尾が、普通とは違うからみんなに気付きを与えることができるといういい先生の描写なので、子どもたちは色々と考えていることがあるけれどめちゃくちゃ賢いし素直で、大人の言うことを聞くし、みんなで考えて行動できる。見ていて子どもたちの方がだいぶ非現実に思える……。
そしてだいぶ複雑になってしまった、白石先生のこと。どうしても赤尾先生のサポートに回らなければならない分、自分や周りのことを疎かにするしかない状況。恋人の美由紀とは最終的に和解する展開だったけれど、きっとこんなふうに上手くいくことばかりじゃないよね。相手が障がいを持っていようとなかろうと自分以外の誰かを優先されて受け入れられる人たちばかりじゃないもんね……。
「ナイトブック」
怪談を書くことが好きな少年アレックスは、ある出来事をきっかけに何もかも捨ててしまおうと決意したその日、奇妙な女にさらわれる。だが何の役にも立たないと判断され、殺されそうになった瞬間「怖い話が書ける」と叫んだことで、その女、魔女ナターシャに毎晩怖い話を聞かせることになったが……。

西洋風、児童書風の、シェヘラザードの物語で、現代版のヘンゼルとグレーテルという感じ。創作意欲を失った怖い話を書く少年と囚われて魔女の召使いとなった少女が、元の世界に戻るために魔女から必死に逃れようとする。
ぎりぎりのところを毎回交わして、脱出できると思ったら打ち砕かれて、という王道展開は予想していたんですが、まさか魔女が別にいたとは。
しかし見ていてもっとえぐられたのは子どもが好きそうな下品な描写やシーンよりも、アレックスの物語に対するナターシャの厳しいツッコミの嵐でした……。何か書くたびにあんなに否定されたら心が折れる……アレックス、よく頑張った……。
「母の秘密」
母親の葬儀に集まった四姉妹は、母が残したビデオレターで自分たちが異父姉妹だと知ってしまう。それぞれに事情を抱える姉妹は遺産の分配のため、母の指示に従って父親を訪ねることになるが……。

上昇志向が強くばりばりと働く長女サラ。結婚して裕福な生活をしているも離婚の危機にある次女クラウディア。同性愛者だがひた隠しにする三女ソフィア。自由奔放で言動が幼い四女ルシア。個性的な姉妹たちが、決して完璧でない父親を見つけ出し、亡くなった母に導かれてまた生きていく。
父親たちも、売れない画家、聖職者、清掃員、性別が適合しない人とそれぞれの生き方があって、生きる上で彼女ら彼らのうちの誰かと同じ壁に突き当たっている人がいるんじゃないかな、と思わせる。
亡くなったお母さんがまた美人でねえ……。若い頃もさぞ華やかな人だったろう、たくさんの人を魅了しただろうと思わせる。そんな人に亡くなった後も言葉をもらえて、娘たちはきっとどこかほっとしたし、心を決めたし、母親の死を受け入れたんだろうな。
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高校1年生の楢崎颯太は、階段から落ちてきた篠先輩を助けた。これをきっかけに、颯太は篠先輩に懐かれるようになる。距離感の近い篠先輩に戸惑いつつも、颯太は彼女の相手をしていく。いつの間にか心の距離が近づき、互いが想い合っていく……。天使のように純粋で、だからこそ危なっかしい篠先輩と、彼女に振り回されながらも心惹かれていく颯太。あと1センチ、気持ちを近づけたい二人の、ピユアで愛おしいラブストーリー。(裏表紙より)

お詫びとお礼から始まった颯太と篠先輩とのやりとりが本当に可愛らしくてきゅんきゅんきゅんきゅんしてしまった。登場人物の心情、よく人を見ているなあという描写が多くて読んでいて楽しいし、思い込みやすれ違いがより現実味を帯びて感じられて「ああー」と頭を抱えたり「頑張れ!」と応援したくなったり、感情移入してしまう。
また女性側が何も考えていないわけじゃない、打算もあるし、目的もあるというしたたかさがちゃんと描かれているのが好感度高いです。せっかく可愛く生まれついたから本当に欲しい人を全力で落としきるという篠さん、かっこいい。惚れる。可愛い。あざとさなんて、好きな人の前なんだから全力で出すに決まってるよね!!!
最初から最後まで可愛らしくて本当に楽しかった。
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伊部リコは美味しいものにしか興味がない、お気楽な大学生。ある日、たまたま入ったイタリアンレストラン「ステラ・ヌーヴォ」で、調理師という資格を知り、勢いで弟子入り志願する。リコは天性の味覚と嗅覚という隠れた才能をオーナーに見込まれ、親友の八宝菜々とともに、アルバイト&試験勉強の日々をスタートさせる。ヤリ手のシェフであり、経営者であるオーナーに優しく導かれ、厳しい先輩コックの武松リョウに厳しく指導され―はたしてリコは、調理師試験に合格することができるのか!?(Amazonより)

調理師に必要な知識を漫画と対談形式でまとめた本。調べたら新版が出ているよう。
内容紹介の設定はエッセンス程度のものなので、学習内容に応じたストーリーはありますが物語というほどのものではないです。
わかりやすくはあるんですが、横書きの本なので、漫画も台詞が横書き、コマ割りも不思議な感じになって読みづらかったのが残念すぎる。
知識の部分が対談形式、最後のまとめ、テスト問題もあるので一目で確認するのに便利そう
「アリの結婚」
医学部の入試を控えているアリ。人々の慕われる牧師の父を持つ彼は、料理店の娘で同じ医学部を目指すダイアンに思いを寄せるようになる。だがアリは不合格。一方ダイアンは優秀な成績で合格し、メルボルン大学の学生になった。しかし家族への思いからアリは点数を偽って大学に通うことして……。

イラク人とイスラム教徒が登場する作品。男尊女卑を描くんだろうなあと思いきや、そういう悲愴な差別感は強くなく、ありのままの、その土地、そこで生きる人々の、どこかであり得そうな恋と嘘と家族を描くコメディ作品でとても興味深く面白く見ました。
外国人の私から見れば、寺院に参拝するのに男女しっかり分けられているのにあまりいい思いをしなかったり、ダイアンが優秀なのに許されないことが多いのがもどかしかったりするんですが、その国で生きている人たちの文化があるというありのまま感を見たような気がしたというか。そして男性は男性で、自由に生きるには色々と難しいものがあるのもわかりました。この作品が現実ではないとはわかっているけれど。
嘘から始まって、嘘が破綻したことで大騒ぎというストーリーが、国や文化が違えばこうなるんだなと思えて楽しかった。
「ギレルモ・デル・トロのピノッキオ: 手彫りの映画、その舞台裏」
デル・トロのピノッキオ制作の舞台裏。制作スタッフやキャストのインタビューを交えて、どのように作品を作り、工夫をしてデル・トロの世界観を作り出したかというドキュメンタリー。
こういう「作り物」の世界って大好き。どきどきする。可能であればずっと観察したいし自分でカメラを構えて撮ってみたいと思ったりもする。
いや本当に、デル・トロのピノッキオがめちゃくちゃいい脚色の人形劇で面白かったんですよねえ。今度は一時停止しながら見たくなってしまった。
「ギレルモ・デル・トロのピノッキオ」
第一次世界大戦下のイタリアで暮らし息子のカルロを失って二十年経ったゼペットじいさんは、ある日息子の墓に植えた木を切り倒して木製の子どもを作った。ゼペットの嘆きを知る木の精霊はその人形に命とピノッキオという名を与える。ゼペットは木の精霊に抗議するが、ピノッキオの成長を手助けすれば一つだけ願いを叶えると聞き、彼を育てることにした。

みんなのよく知る「ピノキオ」を、ここまで世界観を厚くして、都合のいいことばかりにはせずに教訓に満ちた深い話にできるのかという、巨匠の手腕が垣間見える作品。
失わなくていい息子の命を失ったゼペットの嘆き。何も知らないまま人々が心に抱く疑問をそのまま口にしたり受け入れたりするピノッキオ。戦争が絡むことでより人の心の痛みを感じられて、命か……と考えさせられるところがたくさんあった。
そして人形劇の美しい画面が素晴らしい。アニメーションにはない美しさや陰影が最高すぎる。めちゃくちゃよかった。
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「劇場版美少女戦士セーラームーンEtarnal 前編」
デス・バスターズとの戦いが終わり、ちびうさが三十世紀の未来へ帰る日。皆既日食の見ていたうさぎたちは、欠けた太陽の向こうからサーカス団の船がやってくるのを目撃する。そのデッドムーンサーカス団は十番街に住み着き、人々を襲い始めた。その戦いは地球とその聖地エリュシオン、そして聖石ゴールデン・クリスタルの在処につながるもので……。

デッドムーン編の前編。四戦士の目覚めまで。
エリオス、わるいおとこ!笑 キスシーンの破壊力高すぎなんだわ。そりゃちびうさも涙が引っ込む。
アニメで見るとエリオスに啓示を与えたのがはっきりとレディ・セレニティ、というか成長したちびうさだとわかるビジュアルとカラーリング。ここはぼやっと誤魔化してほしかったかもなんてわがままを言ってみる。



「劇場版美少女戦士セーラームーンEtarnal 後編」
力を失っていた四戦士たちが再び変身する一方、転生したほたるを育てるため共同生活を送っていたはるか、みちる、せつなはありえない速度で成長して戦士として目覚めた彼女に導かれ、デッドムーンサーカス団との戦いに合流する。ついに女王ネヘレニアと対峙するセーラー戦士たち。この戦いの始まりは前世から続く因縁でもあった。

外部太陽系戦士たちが合流するところから。
私、原作のこの四人の儚くも短い幸せな日々の描写が好きでねえ……。武内先生の絵もあいまって、切なくて。
しかしアニメの悲しみはそういう線の描写ができないというところにある。情緒が、情緒が足りない。
そして一番好きな「戴冠式」のシーンも、漫画の描写の光と影がアニメでは上手く表現しきれていなくてすごく悔しかった。あそこは! もっと! たっぷり時間をかけて不思議っぽく描いてよ!!(うるさいファン)
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Author:月子
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