読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

漫画家、音楽家、映画監督など「表現する仕事がしたい!」と夢見る若者は多い。人と違う個性をいかに発揮するかが勝負の世界で、どのような壁にぶつかり、乗り越えながら10代を過ごし、今の表現や仕事にたどりついたのかをさまざまな分野で活躍する個性豊かな13人が熱く語る。進路や生き方に悩む若者の道標となる一冊である。(裏表紙より)
音楽家とか芸術家といった人たち表現する仕事をしている人たちが、どういうきっかけでその仕事を選んだのか、進路選択したのか、どんな悩みがあったのかというのを語る。そういう環境に生まれついたという人もいれば、子どもの頃に出会って一度諦めたという人もいて、旅に出ることで別の世界が見えた、価値観が変わったり、運命的な出来事があったり。
これを読んで思うのは「人それぞれ」だということですね……。どんなに悩んでも、持っている人にはいずれその時が来るのかもしれないなあ、とか。
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行方不明になった元恋人をさがすため、異世界へとやって来たリューン。訪れた村で、人々を襲う謎の獣と、強く自分を引きつける赤ん坊・アレックスと出会ったリューンは、この村にとどまることにする。やがて、時は過ぎ——立派な青年に成長したアレックスと再会したリューンだが、なぜかアレックスはリューンに刃を向けてくる。ふたりの戦いの行方は、そして謎の獣の正体とは!? 月夜に戦い、契る、美しき獣たちの物語!!(裏表紙より)
異世界の住人で両性具有(!)のリューンは、恋人を探してその世界にやってきた。そこで赤ん坊が産まれるところに遭遇する。アレックスと名付けられた彼はみるみる成長し、やがて……というお話。若干BLっぽかったです。異性愛の印象は受けなかったので、ちょっと不思議なカップルとして読みました。
人間とは違っていて神様のひとくくりにされるような力を持つリューンの、女性とも男性ともつかない魅力がとても好き。さっぱりした性格なのに愛情深くて、凛々しくて。椎名さんの絵がまた素敵でした。

《魔王》に魅入られ、若返りの呪いをかけられたブランカ姫。護衛騎士・セロ、侍女・リリアナと共に解呪を求める旅の道中に、事件は起きた!?(「幕間のフーガ」「幕間のサルスエラ」)「そなたに永遠の愛を約束しよう」「悪いな——とか言わねえからな。ブランカは俺のものだ」「駆け落ちごっこ」「婚約」を経て、至高の三角関係が迎えた本当の決着とは…!?(「終幕のデクララルセ」)他、運命と踊るシリーズ、究極の外伝集!!(裏表紙より)
本編中の出来事を描いた短編と、本編完結間近の短編と、本編のその後のお話などを収録した外伝集。本編を最後まで読んだ身としては、旅の最中(あるいは始まる前)のブランカとセロの一歩踏み込めない関係が、なんだか遠い出来事だったように思えてしまう。
個人的にはお着替えが爆笑ものでした。(「幕間のサルスエラ」)理性と戦っている男の人は好きですよ……!
そして何よりも! ご褒美的な! 本編後のお話が読めて嬉しい!! お転婆なアスセーナ姫にきっと周りは振り回されていくんだろうなあ。本当に楽しそうでよかった。果たしてアスセーナはマルディシオンを落とせる日が来るのかと考えるとにやにやが止まりません。同人誌が出るならぜひ読んでみたいです心からお待ちしております。
面白かったです!

若返りの呪いをかけられたブランカ姫は、解呪の鍵である《魔王》マルディシオンの身体を操り、妹姫レオノーラを奪取した魔物ペルドゥラルを北へ追いつめていた。だが、最後の決戦に臨むブランカ一行を待ち受けていたのは、過酷な選択で…!?「わたしを愛さなくても構わぬ」「俺以外の男にお前を守らせてたまるか……」《魔王》と護衛騎士セロ、ブランカ姫をめぐる至高の三角関係の行方は…!? 運命と踊るシリーズ第3弾!(裏表紙より)
本編完結巻。うおおおおもえたー!!! 瑞山さんの話って最終回への盛り上がりがほんとすごいなあ! 邪神ペルドゥラルとレオノーラの蜜月の歪みにはあはあし、マルディシオンの寂しがり具合に切なくなってにやにやし、ブランカの愛らしさににこにこして、リリアナの最強具合に笑った。
レオノーラは切ないな……。しかし大変たぎってしまった。こういう不幸で、なのに幸せな人ってぎゅっとしてあげたくなる。
それから、私は何もかもを持っているだろうに、たったひとつのものが手に入らないという人がほんっとに好きなので、マルディシオンがめっちゃめちゃ好きです……。ほんとかわいい……。いとおしい。幸せにしたい。最後の最後に予感めいた爆弾を埋めていったので私はそれが気になって仕方がない。
タイトルが踊りに関する言葉なのに、なかなか踊りっていう言葉が出ないなあと思っていたんですが、一番最後まで読んではあああ……!! となりました。そういう結末の付け方は本当に大好きです! もう、もう……! と感無量でした。

「生まれてきてよかったんだ、と子どもにエールを送るのが児童文学」。アニメーション界のトップランナーとして世界的に注目される著者が、長年親しんできた岩波少年文庫の中からお薦めの五〇冊を紹介。あわせて、自らの読書体験、児童文学の挿絵の魅力、そして震災後の世界についてなど、本への、子どもへの熱い思いを語る。(カバー折り返しより)
宮崎駿さんが岩波少年文庫を五十冊選んで紹介した、というのはどこかで聞いていたんだけれど、この本にまとめられています。その他インタビューをまとめたもの。
本の紹介文が、とてもいいなあ。読んでいて安心する文体だ。読んでみたい、と思う。
岩波少年文庫を語るの部分では、内容の他に、挿絵について書かれていて、そういう風に読むのかーとふむふむと頷いた。私は外国文学の挿絵があまり好きでない子どもだったのだけれど、今思うと確かに味があっていいな。
2011年10月の本で、東日本大震災について少し書かれている。どこかで読んだ覚えのある「今ファンタジーを僕らはつくれません」という言葉はここに書かれていた。自分に今何が作れるか、かあ……。

《魔王》マルディシオンに“一目惚れ”され、若返りの呪いをかけられたブランカ姫は、解呪の方法を求め、護衛騎士のセロたちと旅を続ける日々。そこに、妹レオノーラ姫が病に倒れたとの報が入る。それは、婚約者のブランカを取り戻そうとする王太子ロベルトの策略で…!? 一方、密かに想い合いながらも主従の枠を越えられないブランカとセロにも変化が…!?「なあ、あの時どうして口づけの相手に俺を選んだ?」運命と踊るシリーズ第2弾!(裏表紙より)
白と黒のバイレシリーズ第二巻。リリアナの婚約者トマスと、ブランカの妹レオノーラ、そしておそらくラスボスであろう魔物ペルドゥラルの登場によって、物語が進んでいく。
こう、何気なく人と人外なるものの恋愛になっているところが、私にとって非常に萌えどころなんですけど! マルディシオンがすっごく好きなんですが、ペルドゥラルと某がなんか萌え……! 歪んでるのと二人の関係が優しいののアンバランスさがすげーときめく! 最後の挿絵萌えたよ……。
絶妙な感じで停滞しているいろんな人の矢印の行く先が気になる。

あり得ねえ! と、心の中で絶叫した。眼の前にものすごい勢いで岩肌が迫る。ぶつかる! と咄嗟に固く眼を閉じたが、機は必要最小限の動きで軽やかに身をひねり、女は再び舌打ちしていた。
「今のもそうだ。岩の表面を撫でるように飛べばもっと詰められるのに」
岩の表面を『何』で『どう』撫でるのか。それを聞く勇気は今のガストーネにはなかった。
「事情があって、どうしても峡谷競走で勝たないといけないんだ。ただし、賞金は全部そっちに渡す」
「……金が欲しいわけじゃないのか?」
「ああ。わたしには必要ない」
「じゃあ、何でだ?」
「生き別れになった相棒を捜している」
『生き別れの相棒』(注:生物ではない)の消息を求め、ジャスミンは命知らずどもが集う峡谷競走に出場するが…!?(裏表紙より)
ジャスミン巻。今回は金銀黒天使の出番なし。夫婦! 夫婦! な私にはとってもサービスな巻でした。
愛機クインビーをとある事故で奪われてしまったジャスミンは、愛機を取り戻すため、惑星ブラケリマの峡谷競争(キャニオンレース)に選手登録する。『空飛ぶ棺桶』に乗っていたジャスミンは、圧倒的な強さで頂点まで上り詰めていく。しかしジャスミンやっぱりチートだなあ。安定の強さで何より。
怪獣夫婦らぶなので、夫婦が仲良くてすっごく楽しかった。できればもうちょっと仲良しなところを見たいよ!

3年生になり、卒業後の進路の事を考えなくてはならない英太。東雲はやはり進学するという。特別優れているわけでも劣っているわけでもない自分も、ひとまずそう考えるべきなのだろうと思いながら、自分のやりたい事が分からずに迷う。小説家という夢を既に実現してしまっている東雲と自分を比べて、漠然とした焦燥に駆られる英太だが、東雲と過ごしてきた時間が、彼の望む未来をほのかに照らし始める……。もどかしく苦いラブストーリー、決心の先へ。(裏表紙より)
東雲侑子シリーズ三巻目にして完結巻。三年生になった英太と東雲。英太がぶつかるのは、進路と将来いう大きな壁だった。
二人の関係が進路という選択地点で変わっていく。少なくなっていく高校生の時間に、章間に挟まる西園幽子の作品が、二人の歩んできた青春時代をぎゅっと詰め込んだ感じで、すごくいい……。みんな、すごくいい子たちだったなあ。しんみりとしてしまいますが、本当にもどかしくて優しくて、ぎゅっとするラブストーリーでした。
閉じこもっていた心が、人との出会いやつながりで少しずつ開けていくこの切なさが! 誰かを好きになったことについてくる不安という苦みが! 誰かを思うことによって周りのことも見えていくという光が! 本当に! いい話でした。

神様って意地悪だ。だけど……。
成人すると同時に下方面の大人を迎えようという、最高にくだらない決意と熱意を秘めて、ここまで戦ってきた。/地上には人々の想いが溢れているのだ。それってすごいことだよね。ああ。胸糞悪い。/「ふーん。じゃあ、お金を借りたお礼に、あたしがあんたを変えてあげよっか?」/頑張れば、出来るって思ったのは一体誰だろう?/好きな人と手を繋いで、キスをして、抱き合って、求め合う。ぬくもりを感じる。それのどこがいけないのだろう。
19歳をテーマに、5人の人気作家が描く、彼女彼らの物語。(裏表紙より)
「19歳だった」入間人間
彼女とのデートの日、ある時点を境に時間がループする現象に陥ってしまった俺の話。時間が絡むものでは『昨日は彼女も恋してた』のシリーズを読んだことがあるのですが、短編でこれをやるのはたいへんそうだ……と思うなど。ループしてしまうことへの狂気がもっと読みたいかも、と思ったけれど、入間さんがやるとシャレにならなさそうだ……。
「×××さんの場合」柴村仁
一人の人間をいろいろな人から見た話。間に神話の超訳が挟まっていて、この語り口が現代調でそうそう現代風でいうならそうなんだよ! という内容になっていて面白い。
「向日葵ラプソディ」綾崎隼
カツアゲされた女子に連れられ、偽の婚約者のふりをさせられることになった市貴。狂詩曲という感じのどたばたで、昨日よりも違う明日へという19歳の未来を感じさせるお話だったなあ。
「2Bの黒髪」紅玉いづき
紅玉さんのこれが読みたかったからこの本を手に取りました。やっぱり途中で泣いてしまったわ……。
ネットで活動していて、しかもそれが自分の将来の何の足しにもならないと分かっている人は、誰かしらこういう風に感じているのではないかな……。そう、無駄なんだと分かっているんだ。けれどその瞬間のすべてでもあるんだよ。泣いたー……。
「十九になるわたしたちへ」橋本紡
大人と子どもとそのさきを見ている少女と。息苦しい世界の中での呼吸、みたいな印象でした。この中で女の子であるユキだけが二人の男を俯瞰するように見ているのがいいなあ。田舎にいる女の子って外に出て行く子が多い気もするけれど、こういう風に地元に残る子って必ずいると思う。