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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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エフィ姫と婚約者 (新書館ウィングス文庫)
パスカの王女エフィは、隣国ユリオスの若き王レオンのもとに嫁ぐことになった。それは小国の王家の娘に生まれた定め——結婚の形を借り、大国へ恭順の意をあらわす人質となるために。ところが輿入れの旅の途中、エフィは暗殺の危機に! そこを流浪民の占い師である大女のアトゥに助けられる。彼女にユリオスへの道案内を頼むエフィだったが、実はアトゥは……? 恋あり陰謀あり、どきどきの王宮ファンタジー♡(裏表紙より)

文化的に秀でているが小国であるパスカの十三歳の姫エフィ。かたや小国を二つ併呑した新興国ユリオス、十八歳の若き国王レオン。王宮+陰謀+年の差+政略結婚で、気の強い幼い姫と飄々とした柄の悪い国王のお話。中編集です。
えらいかわええなあ! という二人でした。政略結婚の上にけんかっぷるおいしいです。幼く未熟ながらも、才能を秘めたエフィががんばる姿が本当にかわいい。挿絵でもすげー美少女。
レオンも口悪いし柄悪いし、ヒーローとしては粗暴すぎるのですが、全然きらいじゃないです! むしろ好き! あちこちにちりばめられているセクシャルな話題は、セクハラというより悪ガキな印象でした。
面白かったです。続きがあったら読みたいな!
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NO CALL NO LIFE (角川文庫)
サンタさんにお願い。クリスマスにおかあさんを届けて。高校3年の夏、携帯電話に残された過去からの留守メッセージに導かれて、佐倉有海は学校一の問題児・春川と出会った。心に同じ欠落を抱えた2人は互いの傷を埋めるように惹かれあうが、それはあまりにも拙く刹那的な恋だった。時を超えた留守電の真相が明かされる時、有海の衝撃の過去が浮かび上がる……。痛々しくて、たまらなく愛おしい、涙のラブ・ストーリー!(裏表紙より)

未熟で、拙くて、痛々しい少年少女たち。有海の言葉のひとつひとつが刺さる。三日先のことなんて考えてなくて、ずっと一緒にいたいという気持ちだけ抱えてる。でも、その気持ちは掛け値なしの本物。あああもおおおおすきだよおおおお(べそべそ)
有海も春川も不幸なのに、欠落を抱えているのに、へらへら笑って日々を過ごしている、その感じがたまらなく痛くて、愛おしい。傷ついた人ってきっとこういう感じなんだろうなあとか。
現実のネタがちょいちょい挟まるので、この本と現実の距離感がちょっと不思議で、久しぶりにこういうのを読んだなあ。どうして私の好きな人は私のことを好きじゃないんだろう、というのは壁井さんのテーマなんだろうか。鳥籠荘でもそういうのを見たぞ。
七胴落とし (ハヤカワ文庫 JA 167)
予備校に通う三日月は、19歳の誕生日を間近にひかえ、言いしれぬ不安に苛まれていた。大人になれば、他人と意識を共有できる感応力が失われてしまうのだ。同級生たちの危険なゲームに誘われる三日月。その身辺に現れる現実とも幻ともつかない少女・月子。崩壊していく現実感覚のなか、祖父が所蔵する妖刀”七胴落とし”の鋭利な死のイメージに囚われていく三日月であったが……思春期の孤独で残酷な心を描く初期代表作。(裏表紙より)

成人する前の子どもは、みんな感応力と呼ばれるテレパス能力を持っている。成長するとある日突然その力が消え、大人の仲間入りを果たすことになる。だが、大人は死、ただの肉塊だと蔑む三日月は、19歳の誕生日を恐れている。
大人になりたくない! という思いをこういう風に書くなんてすごいわー! と思って読みました。全編通して陰鬱な調子で、あちこちに大人への嫌悪感が溢れているような気がする。麻美が母親と料理を作るところは暗喩の山でひいっと悲鳴をあげた。食材や料理の内容もそうだけれど、料理という行為そのものが人間の三大欲求の一つだからなあ……。露骨だった。にやっとしてしまった。
幸せにしてあげる (ショコラノベルス)
両親のいない橘皐月は大学進学を機に、後見人である大伯父の家を訪ねるが、そこには、孫の二ノ宮凌がいるだけだった。皐月は立派な大人になるために自立したいと凌に申し出るものの、「一緒に暮らすのは嫌なのか」と反対されたあげく、強引にキスされてしまう。そして、一人暮らしをしたいなら……と、凌から条件を出される。それは、凌を『幸せ』にするというもので——。ピュア・ラブストーリー♥(裏表紙より)

内容紹介文がすべてである。挿絵かわいいなー!
大きな会社を持っている割に、皐月はあまりに普通の男の子で、挿絵と相まって可愛らしい。頼りなくでも一生懸命で人を思いやれる少年が、「ずっと好きだった」と十歳も年上のはとこに強引に、という、いささか攻めが変態くさい話でした!笑
続きがありそうな終わり方でしたが続きはないのかな。かわいいカップルでした。
ノスタルギガンテス
少年・櫂はある日、『森』と呼ばれる森林公園の一本の木に、メカザウルスをくくりつける。やがてそれがたくさんの『キップル』を呼び集め始めた。ママ、同級生のK、U、Aの三人、写真家の宮木、命名芸術家を名乗る東原たちは、キップルが集まるその木をとある名前で呼び始める。

あらすじを説明しようとするとこぼれ落ちて嘘になってしまう気がする。言葉にすると、全く別の方にはめてしまって、全然違うものなってしまう。この本で書かれていることも同じなのではないかなと思います。名前を与えられた時点で本質を失う感じ。
誤解を恐れず言うなら、これはゴミが集まる木を巡る少年の話。ゴミと言っても、それは誰かの大切なもの、一部分であったもの、でも行き場をなくしたもの。それらが櫂の行動によって行き場を見つけ、集まってオブジェと化していく。でも、櫂はその流れに否を唱える。
否応ない社会の流れに櫂は抵抗できず、でも気高い力を胸に秘めた印象を与えて、物語は閉じる。
『夢見る水の王国』を読んだ時も思ったけれど、本当に、どこかしらで何かがちらちらと光っている風景を書かれる方だなあ! この話の場合、それはキップルたちの持つものであり、こちらを睨んでいるような、無表情な櫂の瞳でもある。ふとした時にそれを思い出して、ため息をつきたくなるイメージが浮かびました。
氷の海のガレオン/オルタ (ポプラ文庫ピュアフル)
斉木杉子、十一歳。自分の言葉を持つがゆえに学校に居場所のない少女は、「学校なんてなけりゃいい」と思った。そして、自宅の庭に生えるナツメの古木に呼びかける。時々、心にねじをまくように。ハロウ——。(「氷の海のガレオン」)
ヤングアダルト小説ファンの間で「何度も読み返したくなる一作」として語り継がれてきた名作に、書き下ろしを加えて文庫化。〈解説・藤田香織〉(裏表紙より)

自分の言葉を持ち、自分の考えを持ち、自分という個をすでに獲得している十一歳の杉子。その日々の話。読みながら叫び声をあげてしまいそうで、涙がこぼれそうで、すごく好きな話だった。殴られたような気がした……。
周囲を否定して自分を保つところで個に固執していることだろう杉子は、やはり子どもなのだなあとも思うし、その孤高さが綺麗で儚いし、危うい感じもする。世界との折り合いを見つけながら、杉子がハロウに縋るのはぎゅうっとしました。ハロウって、こんにちは(ハロー)か、海だし波浪(はろう)の意味なのかな。世界と繋がりたいという意味の言葉なのかもしれないな……とか。
「オルタ」の方は日記のような体裁の語りで綴られるお話。これもまた、叫びが込められたような話だなあ……。これは結局実在のことなのかな。でもこの世のどこかにあるお話だろうと思う。
やばい、この本はやばかった。私が読んだのは文庫版なので、ぜひともハードカバー版で収録されている他の話も読んでみたい!
グリフィンとお茶を ~ファンタジーに見る動物たち~
2010年1月から2011年8月まで「本とも」に収録された20編のエッセイと、書き下ろし1編を加えた、動物物語とファンタジーに関するエッセイ。
荻原さんの子ども時代や読書体験、動物に関する思い出を交えて、動物物語について語られています。興味深かった! 何編かはネットで読んだような気がするのですが、全部通して読むともっとずっと面白かった。
書き下ろしである「もの言うけものたち――ファンタジーの水脈」が非常に印象的。荻原さんの生涯のテーマなのかなあ。
何気なく菅野よう子さんの話が出てくるのが好きだ。菅野さんの創作感覚の話がちらっと出ているのですが、ファンとしてははああああ……! と震えてしまうくらいどきどきしてしまった。言葉と音楽。コミュニケーション。感覚が全然違うんだあ……! と。
あさのあつこのマンガ大好き!

エッセイという割に講演会の文章みたいだなーと思いながら読む。

あさのあつこさんの漫画と半生のお話。吉田秋生さんの作品がお好きらしく、その話が多め。学生の間にあさのさん世代の漫画作品論を読みまくったので、話が理解できて面白かったです。もうちょっと創作の話をしてくれてもいいのよ!(ちらっと、とあるキャラの瞳の色の話があって面白かったのだ。でも本当にちらっと)
ルチアさん
たそがれ屋敷には儚げな奥様と二人の娘、二人のお手伝いさんがいる。スゥとルゥルゥの姉妹は、新しくやってきたお手伝いのルチアさんが、自分たちが宝物にしている水色の宝石に似ていると思い、更にルチアさんが光って見えることに気付く。ルチアさんがどうして光っているのか知りたい二人は……。

挿絵がいいなーと思いながら読む。幼い姉妹が光るルチアさんの謎を解きたいと行動する物語で、がっつり分厚いわけではないのですが、暗示的で面白いなあと思って読みました。姉妹と出会うルチアさんの娘・ボビーと、三人がそれぞれに幼い時代を過ぎて新しい世界に一歩踏み出すお話でもある。そして、ここではないどこかに思いを馳せる物語でもある。
ゴールデン・デイズ 1 (花とゆめCOMICS)ゴールデン・デイズ 8 (花とゆめCOMICS)
コミックス全8巻。
平成×年、16歳の相馬光也は、過保護な母親にうんざりしながらも、曾祖父・慶光と慶光が教えてくれたヴァイオリンを心の支えとして日々を送っていた。しかしその慶光が危篤状態になり、駆けつけた病院で地震に遭った光也は、階段から落下するその時、曾祖父の声を聞く。気がついた光也の目の前に広がっていたのは、平成の世とは思えない東京の風景。そこは、大正10年、曾祖父がまだ16歳だった時代であり、光也は、曾祖父が大事に持っていた写真に写っていた少年・春日仁と出会う。

タイムスリップ大正もの。現代からやってきた光也は、曾祖父・慶光の少年期と瓜二つであるために、春日仁に「お前は慶光だ」と言われ、保護される。果たして自分は光也なのか、それとも慶光の身体に宿ったもう一つの人格なのかと悩みながらも、危篤状態だった曾祖父の声に従って、「あいつを救う」ことを成そうとする……。
後半から一気に事件が起こり、その勢いにうおおおおと言っているとお話が終わるのですが、それまでの日々も、あたたかく優しい日々で、登場人物みんなが好きになってしまう。若く、駆けていける子たちの物語で、だからこそエピローグは込み上げるものがありました。
幸せになれ、という言葉を、ああいう風に言うというのが、もうたまらん。
大好きな漫画です。オススメ、ありがとうございました!
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Author:月子
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