読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

敵との戦いの中、愛する主人・ギブを助けるため再び月狂病化してしまったツキシロ。そのため、より真性のヴァンパイアに近くなってしまった彼女は、激しい血の“渇き”に襲われることに。(わたしはもう人間の——ギブ神父のそばにはいられない!)自らの魔物の本能に抗い、ひとり苦しむツキシロ。そして舞台はいよいよ伝説の魔物の地・ゴモラへ……! もどかしすぎる主従関係の行方は!? ついにシリーズ、クライマックス!!(裏表紙より)
クライマックスって書いてあるけどあと二冊あるんだけどーと思ったら一冊は短編集だったか。つまり今回が最終巻のひとつ前の巻です。
ウォール村に帰ってきた一行は、大森林の奥にある伝説の村ゴモラに《聖櫃》の手がかりがあると考える。しかし真性のヴァンパイアに近付いてしまったツキシロは、ギブを守るためにハクティバとウォルターの元へ。
この巻の挿絵の、ツキシロの泣き顔が本当にかわいくてにやにやしました。クライマックスへ向けてちょっと一息ついたものの、一気に事態は転がっていく。ハクティバとイブリスの目的もまだはっきりとせず、これあと一冊で終わるのか! とどきどきしながら続きを読みます。
今回はパパがかっこよかったです。はあああおやこ! かわいいおやこ! 不器用なおやこ!
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その世紀の、その世界が禁じた本を焼き捨てるのが、焚書官モンターグの任務だった。その世界の人びとは、《海の貝》と名づけられた超小型ラジオを耳にはめこみ、部屋の巨大なテレビ画面に没頭して、書物がなくとも幸福に暮らしていた。だがモンターグは、ふとしたことから恐るべき秘密を持ってしまった……! 独特の文明批評で知られるSFの抒情詩人が、持てる感受性と才能のすべてをうちこんで結晶させた不朽の名作。(裏表紙より)
本を読むことが罪悪である世界。戦争の足音が聞こえる中、人々はテレビの中の人々を家族と呼んで、享楽的に過ごしている。これを読んでいる私にとってはこの世界はかなりおかしいと分かるだけに、常に狂気的で危うい世界のように思われ、主人公モンターグの焦燥や怒りに振り回されてしまって、どきどきながら読み進めました。
本を焼くシーンの恐怖感といったら。モンターグが妻ミリーの姿をはっきりと捉えた瞬間、背筋がぞっとした。この世界にいる人たちは、こういう人たちなんだ……。
ラストで登場する学者たちが、たき火を囲んでいるシーンがすごく好きだ。ほっとして泣きたくなってしまった。そうして彼らがどういう風にして本を守ってきたのかが分かるところにぐっときた。
面白かった。
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「父さんは、父さんをやめようと思う」。中学三年生の佐和子は、父のそんな宣言を受ける。母親は家を出て、優秀だった兄は農業をやり、父は父をやめる。そんな家庭の中、佐和子はその春、転校生の大浦勉学と出会う。
原作は読了済み。映画公開時の予告編で、少女が冬の道をずっと歩いていくシーンがすごく印象的だったので、原作を読み、今回映画を見ました。
原作はしんとした中に何か変だなと思わせる空気がずっと続いていく静かな話だと思っていましたが、映画はもうちょっと爽やかでいて女の子の押し隠した影のようなものを感じるお話だという印象でした。佐和子がちょっと元気のよすぎる印象を持ったからかもしれない。もうちょっとおすましな感じのイメージだったのですが、委員長をやっている顔がすごく不器用でもどかしいような、不安そうな女の子だったのが好きでした。
小林ヨシコ役の方がとても綺麗で、役も台詞も好きだったな。
ラストシーンと主題歌はとてもよかった。好きだ。

済の公主、尚紅鈴は父王、永全の無限にも似た愛情を注がれて育ち、贅沢三昧に暮らしていた。
が、ある日突然、北方の閃国に攻め込まれ、父王は命を落とし、紅鈴も敵国、閃に囚われの身となった。
故郷、済を取り戻し父の恨みを晴らそうと、紅鈴は自分の美貌を武器に、敵国の王、巴飛鷹の寵妃となり仇を討つ覚悟をする。
だが、飛鷹に「色仕掛けは無理だ」と言われ……。(裏表紙より)
花嫁シリーズの13巻目。あとがきによると、どうやらこのシリーズはここで一旦お休みらしいです。
このシリーズが大好きになるきっかけになった一巻目、『雄飛の花嫁』よりあの方々が登場ということで、これは萌えぬわけがないだろう!! このシリーズを最初から順に読んできた人間にとっては、安定の閃国王夫妻が分かっているために、紅鈴の必死具合がかわいそうだけれど非常に面白いです。夫婦! 夫婦! 四十間近の飛鷹様は本当にかっこよかったです。作中の珠枝は二十六歳。祥麟は十歳であと十一年したら亡くなるのかその間に子どもができるのかーと話と全然関係ないところで想像して悶え転がっていました。
紅鈴はわがまま放題、贅沢三昧だった甘ったれで、一番近い人間を想像すると某十二国のあの公主様でしょうか。紅鈴もまた、現実を突きつけられて泣くのですが、彼女なりに大人になっていくところは、がんばれ、と応援したくなる姿でした。しかしこれ紅鈴は微妙に花嫁じゃないよ! 面白かったからいいけど!

あなたは、敵なの——? 名前以外の記憶がなく、身を寄せる水戯団で孤立しがちな玲月。ある日、一人の凛々しい青年・星寿と出会う。彼は玲月を見るなり、愛しげに抱き締めてきて!? 意地悪で優しくて、知りたい事は何も教えてくれない星寿。なのに時々、切なげに見つめてくる彼に玲月の胸は苦しくなる。星寿が好き、そう自覚した矢先、事件が起きて!? 玲月に知らされた驚きの真実とは? トキメキの中華風ラブファンタジー!(裏表紙より)
水戯団に拾われた記憶喪失の少女は、記憶がないために表情までもなくし、一般常識もおぼつかない。しかし水戯の腕は他に引けを取らない。彼女が持つのは名前だけ。そんな中で一人の青年に出会う。中華風ラブと言いながら、旅芸人ものの要素が強いなと思いました。女だらけの演劇集団な上、薔薇様っぽい人たち(水戯団の花形である、男役と女役の二人)が出てきて面白かった。女の子が一生懸命に周りと関わって、その周りが暖かく受け入れてくれるという話はほっこりする! かわいいよ女の子!
途中から「えっまさかそっちの方向?」という種明かしが出てきますが、個人的には玲月には水戯団で長くがんばってもらいたいです。
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一作目に当たる賢者の石を、私は当時公開日に見ました。中学一年生の十二月一週目の週末で、期末テストのまっただ中でした。
そのシリーズ作がとうとう完結。残念ながら原作は炎のゴブレットで脱落したのですが、よくテレビで放映されるので映画だけは全作見てました。
走って汚れて汚れて走って。作を重ねるごとによく汚れていくな笑 と思いながらも一緒に駆け抜けました。
最後のシーンでは、彼が抱きしめるかれらが、この映画の第一作目を作られたときの彼らと同じような年齢で、そんな小さな子たちを大きくなった彼が抱きしめている、というシーンに時間の流れを感じて込み上げてくるものがありました。こんなにおおきくなった。こんなに時間が経ったんだと思うと、ぼろっぼろ泣けました。
あちこちでの感想で見かける通り、セブルスの一人勝ちでしたね! あんな人を他に知らない。確か秘密の部屋か何かでジェームズがセブルスにいじめをしていたシーンがあったと思うんですが、ああそういうことか! とにやにやしました。いやしかし、セブルスのやつめ! 愛おしいぞこのやろう。
あっという間だったようで、結構長かったようにも思います。余裕がありそうだったら原作も全部読んでみよう。

若き兵士・ミラは、とにかく悩んでいた。なぜなら、お忍びで訪問していた大国の王子アレクシスに、異常に気に入られてしまったから! 初めは気づかないフリをしていたものの、王子の行動はエスカレート!! 呼び出し、買い物当たり前。「一緒にお風呂に入りましょう」ってマジ!? さらにはミラさえも知らなかった過去の秘密まで暴き出し……。「あなたをずっと、探していました」——それって一体誰のこと? あべこべファンタジックラブストーリー華麗に開幕! 第13回えんため大賞特別賞受賞作!!(裏表紙より)
変態ストーカー王子と彼が愛する姫君に似ているという理由で追いかけ回される兵士のお話。楽しかった! アレク王子がみるみる残念な感じになっていくのが非常におかしいながらも楽しかった。
ファンタジックな世界観ながら、魔法に頼り切らない、人々が一生懸命走り回るお話だったという気がします。それだけに色々ツッコミが激しくて笑った笑った。
でもモニカがすんなりアレクの若すぎる行動を許したのは、おいちょっと待てそれでいいのか! とツッコミたい気持ちでしたが、愛があるのならいい、のかな。ここまで遠ざけられるまでに至ったのだから、罰を受けたということでいいのか。いやでも後々までなじられろ! と愛のある気持ちで思いました。
理性と戦うアレクが好きすぎて何度も読み返します。にやにやする。

病気の母親を抱える杏麗は、その花を食べるとたちどころに病が治るという伝説の明蓮花を取りに竜成山へと旅に出る。しかし、そこで杏麗は、見てはならないものを見てしまい、人間界から天界へと連れ去られる。さらには天帝の息子と結婚し、子をなさなくてはならなくなったのだ。母の病気を治すどころか、まさか天界へと嫁ぐことになるとは…!? 杏麗の操は守られるのか? 大人気! 葵木あんねが描く壮大な天界ファンタジー。(裏表紙より)
天帝の息子を裸を見てしまったので掟に従って結婚させられるという、とんでもな始まり方です。紹介文から少々コメディを感じますが、ヒロインの杏麗が「結婚なんてしない!」とおてんばなところがあるにしても、特にコメディではなく、甘い台詞ありのしっとりとした優しい印象のお話でした。
天帝の息子である結婚相手・青遼が若干天然気味な俺様で、まっすぐに甘い台詞を吐くので悲鳴をあげてしまいますが、そんな彼を霞ませるくらいに天界の人々が個性的で楽しかったです。天帝と蛍山府君好きだな! 蛍山府君がかっこよくて麗しくて大好きだ!
中華風で天界の花嫁になるというお話にしては意外な話の転び方をしたので、面白かったです。でも私は、あのままハッピーエンドで終わらなくてもよかったのよ! と思いました。

8年間の愛人契約──その代価は、学費と母の莫大な治療費だった。医大生の夕貴は、自分を陵辱し、激しい独占欲で縛りつける医師の的場に反発せずにはいられなかった。しかし、彼を慕っていた頃の気持ちを捨てきれず、淫らな愛撫に啼き、溺れていく。「おまえは私のものだ。だれが手放すものか」クスリに侵され、最奥を穿つ熱と彼が不意に見せる優しさに翻弄される夕貴。そして、的場の執着をどこかで望んでいる自分に気づいて……? エゴイスティックな束縛愛。(裏表紙より)
最初の関係から五年近くこじれてしまった、二人のお話。夕貴がとことん相手を嫌っているせいで、的場のさりげない愛情(ご飯は残さないとか)にまったく気付いていないという。読者には二人がすれ違っているのが分かるので、じれったく思いました。しかもそれが最後近くまで長々と続くという。全体的にシリアスで束縛感のある重い調子が続くのが面白かったです。

「今日からそなたは私のものだ」戦国の火種くすぶる京の都。天才的な能の才を持つ男装の舞姫・白火は名門一座の次期太夫・蒼馬に連れられ嵐山に行くことに。しかし、泉で水浴びをしていた白火は、その姿を美貌の皇子・帯刀に見られてしまう。しかも、彼女を見初めた帯刀は無理矢理白火をさらい、抵抗する白火を「それも一興」と強引に自分のものにしようとして——!?
第8回ビーンズ小説大賞、読者賞受賞の能楽恋絵巻、第2幕!!(裏表紙より)
能楽と恋の和風ファンタジーの第二巻。拉致監禁の上、触られーの抱きしめられーのキスされーので、これはちょっとあれだわあと思いました。そこはぎりぎりのところで止めておこうよ! ヒロインが別の男とキスしちゃだめだよ!! と思いながらも楽しみました。帯刀がこんな風にたいそうひどいので、蒼馬の影が薄いのが残念でした。私が蒼馬が大好きなんだ! 喋り方が好きだ。粋なところが好きなんだー!
白火が「帰りたい」と泣くところは、本当に切なかった。白火はかわいい。それだけに帯刀がひどかった。帯刀は次以降から蒼馬にこれでもか責められればいい! と思っています。
この感想、帯刀がひどいとしか言ってないな!