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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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アダルトチルドレンと少女漫画―人並みにやってこれた女の子達へ
アダルトチルドレンと少女漫画。現実とフィクションに見る二つの関係。陸奥A子や西原理恵子、萩尾望都、三原順の『はみだしっ子』がよく登場する。
とことん男性社会に対する女性というものについて論じていました。意識していないけれど男性社会だよなあ、とこれを呼んで気付く。そもそも最初の造り(身体的に)からしてそうならざるを得ないのかあ、とか。
母親というものの描き方の変化というのも面白い。アダルトチルドレンという存在について述べるには両親という存在は不可欠なんだろうけれど、ここにも男性と女性(父親と母親)という話が出てくる。やっぱり男性側を批判している。そうしないといけない状況があるわけだけれど、私自身、特に男性に対して不快な経験をしたことがないから、「ああ、そういえばそうだ」という感覚で読んでしまう。多分社会に出るようになったら、もっと色々感じられるんだろうなあ。
少女漫画の「親友」関係というものも興味深いな。親密性競争という言葉は初めて聞いた。女子にはありがちだと思うので、これについて論じた本を読んでみたい。
『スラムダンク』についても述べてあるところがあって、実は未読なんですが、こういうところがあるから女性にも支持されるのかな、と面白く思いました。
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「ポーの一族」の秘密
『ポーの一族』の謎を解明する一冊。新書サイズで普通くらいの厚みがあるのに、筆者がいないというのは変な感じだ。
キャラクターの性格分析があったのが面白いなあ。なかなか女性キャラクターに対する目がシビアじゃないか、と思う。
作品について、一見矛盾がなさそうで結構ある、というようなことを指摘しまくっていたので、この名前のない書き手さんは本当は『ポーの一族』が嫌いなんじゃないのか、と疑っています……。
ちょっと首を傾げてしまったのは、バンパネラって霧に変じられるんだっけ、ということだ。『ふしぎの国の『ポーの一族』』でも書いてあったような気がするところで、そうだっけと首をひねったのです。本物のヴァンパイアはそうでも、彼らが霧に変じたシーンなんてなかったと思うんですが……後で確認しておこう。
しかし書いてあることは自分の中の疑問点を明らかにして払拭してくれる感じだったり、もう一度考えさせてくれたりする内容で、面白い読み物でした。
プシュケの涙 (メディアワークス文庫)
 夏休み、一人の少女が校舎の四階から飛び降りて自殺した。彼女はなぜそんなことをしたのか? その謎を探るため、二人の少年が動き始めた。一人は、飛び降りるまさにその瞬間を目撃した榎戸川。うまくいかないことばかりで鬱々としている受験生。もう一人は“変人”由良。何を考えているかよく分からない……。そんな二人が導き出した真実は、残酷なまでに切なく、身を滅ぼすほどに愛しい。(裏表紙より)

いたいいたいいたい。刺さって痛い。辛い。悲しい。切ない。苦しい。ある夏の、青少年たちの残酷さと現実による悲劇。
うまく回らない人生のある部分にいるのが高校生だと思うのですが、まさにその受験生という榎戸川。読んでいくうちにもうこれは関係者だなと思わずにはいられないほど不安定に感じられて、彼の優柔不断さや、それを優しさと勘違いしているところが、もうこれでもかと刺さってくる。榎戸川や旭の存在は愚かしくて、それゆえに怒りにも似た愛おしさが、彼ら高校生に感じられてしまう。
第2部の話は、結末が分かっているから辛い。誰からも相手をされない、陰口を叩かれる、一人の世界にいて誰とも関われないでいる、吉野彼方という人物にも人生があって、困難と喜びに満ちた青春があって、考えていないわけじゃない、一人だけでいたわけじゃない、というのが、もうこれでもかと胸を締め付けてくる。どうしてみんな、そんな当たり前のことに気付かないのだろう、と私たちの現実に照らし合わせて思う。こういう気持ちを忘れていたなあ。
おすすめされた本でした。面白かったです、ありがとうございました。シリーズのほかも読みたいと思います。
なんだか最近感想を書いている本のジャンルが混沌としてきた気がしますが気のせいじゃないかもしれないです。最近、ハーレクインやBLの本の感想を書いていて、もしかしたらびっくりされている方もいらっしゃるんじゃなかろうか、と思うのでフォローしておきます。
読んでいるのは純粋な興味からだ!
面白い本を求めてふらふらっと読んでいます。どちらも突然「読みたいな!」と思ったので、目についた本を買ってみたり、友人に借りたりしています。

ハーレクインはあらすじで選んでいます。それから、人様からオススメしていただいた作家さんや作品から関連して。MIRA文庫をよく読んでいるのは、あらすじが好みだからです。それでもロマンティックサスペンスには敢えて手を出していません。というのは、警察ものにちょっと苦手意識があるからです。自分でもその理由が分からないんですけれども。
読む際に、ヒロインの職業に目を付けているところがあります。今のところ、元プリンセスの怪盗、司書、小説家、セレブ、女剣士に遭遇。もっと発掘してみたいです。

BLは、「何らかの職業(特殊・面白ければ尚よし)に就いている」「強引系が出てくる」というお題で貸してもらっています。好みなのがあったら買おう! という。感想がそんな感じなのはこのお題のせいです。最近の少女小説にはなかなか見ない気がする「職業」がちょっと面白いなあと思っていて、定番があるのでしょうが、バリスタだったりショコラティエだったり、結婚相談所の社員だったり、理事長だったり、宝石商だったり、色々あるなあ! と興味深いです。
あと経済的に裕福だったり、セレブなのは定番なのかな? 王子様の派生なんでしょうか。
普通の小説と違って、行為ありきなのは、やっぱりちょっと残念なところだな、と思います。そういうものとして面白く読めるんですけれども! でも読んでいてやっぱり、私はあんまり男性同士の恋愛には興味がないみたいだなーと感じました。

そんな最近の話。
ゴールドベルグ変奏曲 (HJ文庫)
妙なる調べは視覚となり、紡がれた幻が現実と交錯した時、〈幻奏〉能力者オルガの物語は始まる。至高の奏者・文殊の死は、オルガを監察官・普賢と出会わせる。
事件は二人の距離を近づけ、そして新たな事件は起こる。文殊殺害の真犯人は? ガヴローシュとは何者なのか? 〈幻奏〉が織りなす謎は、やがて意外なる真相へと普賢を導いていく……。
幻想の語り部、五代ゆうアーカイブ公開!(裏表紙より)

世界というものの認識が宇宙の星たちの隅々にまで及んでいる時代。特殊能力者である〈幻奏〉歌手(イリジオニスト)を巡る陰謀と愛の物語、という感じでしょうか。主人公の歌手オルガと、星間監察官・普賢が主役なのですが、この二人の話が、ライトノベルらしからぬ硬派さというか大人っぽさというか。またイラストの鈴木理華さんの絵が素晴らしくてすごくイメージに合っていて。ファンタジックで広々していて、それでいてお話としては広がりすぎず安定した感じがあって、すごく楽しく読みました。面白かった!
陰謀面も踏み外すことなくSFで面白かったのですが、普賢まわりのエピソードが好きだ。オルガとの関係とか、兄、父の関係。彼が彼自身を取り戻していくところはぎゅっとした。
そういう風にものすごくしっかりした話だったので、あとがき読んでたまげた。十九から二十歳くらいにかけて書いただと……。面白かったよー!
ふしぎの国の『ポーの一族』 (新風舎文庫 い 170)
『ポーの一族』はなぜ一八七九年に設定されなければならなかったのか——。
もはや少女マンガの枠を超え、芸術作家の第一人者である萩尾望都氏の代表作『ポーの一族』。バンパネラ(吸血鬼)として生きなければならない少年・エドガーを中心に描かれた、哀切に満ちたこの作品には、E・A・ポーやシェイクスピア、そしてマザー・グースなどさまざまな英米文学が織り込まれている。そしてさらに、そこに見え隠れする「アリス」の影。
「一八七九年」からたどり着いたひとつの答え。知られざる「ポーの真実」が今ここに!(裏表紙より)

96ページと短いですが、かなり納得のできる『ポーの一族』論でした。2007年のもので、比較的新しいのがめずらしい。
私の中で『ポーの一族』というと、バンパネラというものは、とか、時間とか生死というものに目を向けがちなのですが、いとうさんはエドガー・アラン・ポーやマザーグース、ふしぎの国のアリスといったものから『ポーの一族』を見ていて、歴史からも引いてくるところもあって、とても新鮮で面白く、興味深く読みました。
何故「1879年なのか」という問いは、面白いなあ。欠陥なのか、そういう年代の数字というものが理解できないところがあって、全然関心を引かれないものだったので、すごくふむふむと思って読みました。
興味深かったです。
夏です。
読書感想文の季節です。
私自身がまだ学生だということは置いておいて、中高校生、もしくは大学生の内に読んでおきたいという本をあげてみようというエントリです。
私自身が、少女小説、ミステリ、児童文学を全体的にちょっとかじった程度なので偏りがありますが、どなたかのよき読書生活の足しになれればと思います。
10枠のうち、3枠ほど趣味に走っていますが、それも愛嬌ということで。

今回は、[きっと定番編]ということで、大体の方が目にしたり名前を聞いたりしたことがあるであろう10冊をお届けします。意外性はきっとないと思いますが、学生のうちに読んでいたらまた違ったものの見方が出来るかもしれない、と思って大切にしている本たちを選びました。
大体文庫になっているので、お手に取りやすいかと思います。

梨木香歩『西の魔女が死んだ』
西の魔女が死んだ (新潮文庫)
中学生のまいは突然学校に行けなくなり、だいすきなおばあちゃんの元でしばらく暮らすことになった。おばあちゃんは、西の魔女。おばあちゃんから魔女修行を受けることになったまいは、何でも自分で決めるが大事だと聞かされる。

小学生、中学生のときに読みたいなと思います。もう一度、初めて読んだときのあのあふれる気持ちを味わいたいと思う本です。
「学校に行けなくなった」モノを避ける方もいるかと思いますが、どちらかというと、祖母と孫の日々や、子どもらしい繊細な心、心の成長の積み重ねを見るような作品だと思います。
生死を扱う作品でもあるので、悩み多き年頃に出会えれば、何かが見えるかもしれません。


森絵都『カラフル』
カラフル (文春文庫)
「おめでとうございます! 抽選に当たりました!」死んだはずのぼくは、輪廻に戻るチャンスとして、下界の人間の身体にホームステイし、生前の罪を思い出すことに。しかしそのホームステイ先は、小林真という冴えない少年。家庭は崩壊の危機。学校生活は最低。けれど――。

中学生のときに読みたい本。学校と家庭での関係を描いた作品です。ラストの衝撃がたまりません。
決して単純ではない、どちらかというと欠点ばかり見える登場人物たちですが、それをぼくがどう受け止めていくかという追体験が染みます。
一方でリアルに感じられすぎて、潔癖な人にはちょっと遠ざけられてしまいそうな本である気もします。


湯本香樹実『夏の庭』
夏の庭―The Friends (新潮文庫)
人間が死ぬところを見たい、と小学六年生の男子三人組は、夏休み、ある一人暮らしの老人の家を観察する。やがて老人と少年たちの交流が生まれ、季節はゆっくりと秋へ向かい、少年たちは少しずつ大人になる。

小学校高学年に読みたい本。子どもの心の影を描く湯本作品で、一番、爽やかさが感じられるかなと思います。
老人と交流を持つ理由が不謹慎でどきどきするお話ですが、夏という濃い季節、生死を目の当たりにするというところで、ぜひとも三人組と同じ小学六年生くらいに読みたいと思いました。


芥川龍之介『地獄変』
地獄変 (集英社文庫)
「大川の水」「羅生門」「鼻」「芋粥」「地獄変」「蜘蛛の糸」「奉教人の死」「蜜柑」「舞踏会」「秋」「藪の中」「トロッコ」収録。
芥川が一番読みやすくて好きだなあという私感で、文豪作品をひとつ。
もし私が読書感想文を書くなら、「地獄変」「奉教人の死」「薮の中」で書きたいと思います。「地獄変」はその凄まじさに。「奉教人の死」はその視点に。「薮の中」はミステリーとしても面白いので、考察を交えて書くと面白いかもしれません。


竹山道雄『ビルマの竪琴』
ビルマの竪琴 (新潮文庫)
一九四五年終戦。ビルマにいた日本の隊に、水島という上等兵がいた。彼は降伏しない同胞の説得へ向かうが、彼は戻ってはこなかった。しかし引き上げる兵隊たちの前に、水島そっくりのビルマ僧が現れる。彼は水島か、水島ならば何故帰ってこないのか。

戦争を描いた作品です。戦争の悲惨さと悲しみを、優しい筆致で書いていると思って、もっと早くに読んでおきたいと思う作品でした。読まないと分からない悲しみと切なさだと思います。
日本兵たちが水島を思う気持ち。水島が考えること。一方で戦争の悲しさ。読み終わった後に考えることが山ほどあります。


ミヒャエル・エンデ 大島かおり訳『モモ』
モモ (岩波少年文庫(127))
不思議な少女モモは、ある町の円形劇場に住み着いた。彼女は町の住人たちと親しくなっていった。しかしある時、時間どろぼうたちが現れ、時間が盗まれていってしまう。

大人でも読みたい児童文学からひとつ。時間を扱った作品です。エンデの作品では、石畳の町が描かれることが多い気がして、とても外の国という感じがして素敵です。
描かれるのは、時間に追われるということ。時間を節約するということ。その上で、生きること死ぬこととは何か。ではないかな、と思います。
作品の重要人物となるマイスター・ホラと時間を見る場面は、最も美しいシーンだと思います。


サン=テグジュペリ 河野万里子 訳『星の王子さま』
星の王子さま (新潮文庫)
サハラ砂漠に飛行機で不時着した「僕」。彼が出会ったのは不思議な男の子。その小さな王子さまはよその星から来たのだという。砂漠で出会った王子さまは、「大切なことは目では見えない」と話す……。

有名すぎるからこそ読みにくいということがあると思うのですが、ぜひとも子どものうちに読む機会があればと思って選びました。王子さまの旅は寓話めいていて、そのシンプルなほど素直なメッセージを受け取れるかどうか、がこの物語の肝であると思うのです。
王子さまと薔薇のシーンは有名かと思いますが、王子さまが「帰っていく」ところが私はとても好きです。苦しいくらいに愛に溢れている。薔薇と出会った王子さまが、「僕」に語って聞かせたことが、きらきらと輝いてここに集結してくる、と思います。


ルイス・サッカー 幸田敦子=訳『穴 HOLES』
穴  HOLES (講談社文庫)
スタンリー・イェルナッツは無実の罪で矯正キャンプに放り込まれた。そこでのプログラムは、不毛にも思える大地にひたすら穴を掘り続けること。実は、それには彼自身も知らなかった大いなる秘密があった。

「それもこれも、あんぽんたんのへっぽこりんの豚泥棒のひいひいじいさんのせいだ!」というフレーズが繰り返し現れます。ひいひいじいさんのせいで、イェルナッツ家は「呪い」を受けているのです。その言葉の意味が分かったときを始め、物語の結末に向けて、お話の要素のすべてが主人公スタンリーの元に集まってきたとき、思わず歓声を上げてしまいます。そのくらい、大どんでん返しがすごい本なのです。呪いが解ける瞬間は圧巻。読者がそれに気付いた瞬間、どっと感動が押し寄せてくる、それくらいすごいお話だと思います。


ベルンハルト・シュリンク 松永美穂 訳『朗読者』
朗読者 (新潮文庫)
15歳の少年である「ぼく」は、母親くらい年上の女性と出会う。彼女、ハンナはぼくに本の朗読をせがむ。ハンナに対して愛情を抱くようになったぼく。そしてハンナも……。そう思っていたが、彼女はぼくの前から姿を消した。

少年と女性の恋の話、と言い切るには、その背景にある社会的事情、歴史などままならぬことが多く、情熱を秘めているように見えて淡々と静かな物語だと思います。最後まで読むと辛い気持ちになりますが、語り手の「ぼく」の心情を追っていくと、その律儀で真摯な、ひたむきな思いとともに、前述した「ままならぬこと」の悲惨さが浮かび上がってくる……という仕様ではないでしょうか。最後まで悲しく辛いお話であると感じています。


ヒルトン 菊池重三郎訳『チップス先生 さようなら』
チップス先生さようなら (新潮文庫)
チップスはブルックフィールド中学の教師を六十年以上勤め上げてきた。やがて学校の近くに部屋を借り、学生たちの訪れを迎える日々……。彼は回想する、教師生活、妻との思い出、戦争の頃、そして何より学生たちとの日々を。

一人のひとの人生を100ページほどで描いた物語。チップス先生の回想で、彼の思い出の話です。かなり短いですが、チップス先生の人生の愛おしきことよ、という気持ちになりました。こんな風に年を取っていきたい、何かひとつのことに打ち込んでいきたいとも思いました。
外国作品なので、注釈があっても読みづらいということがありますが、学生のうちにぜひ読みたい、という気分にさせられました。


以上10冊です。
実は昨年途中まで書いていた記事で、書いているうちに夏休みが終わってしまったのでお蔵入りしていたんですが、このたび思い出して書き上げてしまいました。かなり主観が入っておりますが、読書感想文に悩んだら、よろしければ参考にしてください。
学生のうちに、できれば、中学生高校生のうちに読んでみたかった、という本は、年を取るごとにたくさんでてきます。もちろん大人になってもまた違った読み方ができる本は山ほどありますが、誰かに勧められなければ手に取らない、という現状があるようなので、こんなところでひっそり活動してみます。
二つの世界を結ぶ愛 (扶桑社ロマンス)
美しき女剣士カドラは、魔王ソラックを追い詰めた! しかし次の瞬間魔王は「別の世界を支配するのだ」と叫んで姿を消した! 魔王の逃亡した先である、現代のニューヨークへ、カドラもまた魔法の力で送り込まれたが、彼女が落ちてきたのは、三十男の私立探偵ハーパー・ドイルの部屋の中だった! 甲胄をまとう美女の出現に驚くハーパーだったが、二人はコンビを組んで、ニューヨークの暗部に潜んでいる悪魔退治にのりだすことに……。魔法世界と現代の大都会を結ぶ、かつてない戦いが始まった!(裏表紙より)

異世界から現代へ女剣士が召喚されてきたよ! という話。160ページほどと実はかなり短いので、物足りない。私立探偵という設定がそんなに生かされてないよ、もっとサスペンスしようぜ! バトルしようぜ! という。
異世界の女剣士カドラが現代のあれこれに、ずれた言動をするのが面白かったです。それをうまく言いくるめるハーパーも面白い。お互いに性的魅力を感じているというのは、即物的だわ、と思ったりしたんですが、短いからしょうがないのかな。ファンタジーなシーンもありつつ、最後はロマンチックでもあり、長編でぜひ読んでみたかったです。
はなかおる-淵国五皇子伝- (一迅社文庫アイリス)
「これで、おれたちは、夫婦だ」
皇子たちにかけられた呪いを解くため、西の都から淵国につれてこられたカナン。奇跡の実の力で二人の皇子の呪いを解き、カナンは婚約者となった善皇子と幸せな日々を過ごしていた。ところが、第三皇子・郷の姉が戻ってきたことで皇子たちとの王宮生活は再び大混乱に…。その上、郷皇子がカナンを妻にすると宣言して——!? 西洋乙女と皇子たちが繰り広げる、中華風王宮恋愛ファンタジー!(裏表紙より)

あとがきをぱらっとめくって、「……オブラート?」と、どういう話をしているんだろうと首をひねっていたんですが、本編を読んだらまさに「オブラート! オブラート!」と叫ぶ内容でした。電車で読んでてうっかりにやついてしまった! あー、お腹いたい。前回にも増してにやにや巻でした。
パフューム姐さんのかっこいいところが好きだー。姐さんが男に戻る瞬間がこれでもかというくらい好きだ。律はすっかり噛ませ犬ですが、成長したところが見えてすごく嬉しくなりました。繁と郷の問題が今回でしたが、家族っていいなあ! と思わせる内容でした。愛、だよなあ。
カナンと善もきちんと前進していてにやにやポイントでした。においを嗅ぐってセクシーだ。
しかし一方でおしべとめしべには噴いた。オブラート!
皇帝と妃たちの秘密も徐々に明らかになって不安になりつつ、どうやら次の巻でも新メンバー女子の出番がありそうで楽しみです! 家族のきゃっきゃうふふもおいしいですが、男女の関係もごろごろできてこの話がとても好きだ。
マクレガーの花嫁たち (MIRA文庫)
マクレガー家のダニエルも齢九十、目下の心配は愛する孫娘たちがいっこうに嫁に行く気配がないことだ。弁護士ローラ、医者グウェン、実業家ジュリアはみな美しく聡明な女性だというのに、仕事にかまけて彼氏のひとりもいないときている。経験豊かな祖父のちょっとした親切(・・)が必要か? 曽孫を抱く日を夢見てダニエル・プロジェクトが再び発進。はたして三人に伝統のベールをかぶらせることができるのか!? 世界中を笑いと涙で包んだ名作、初の文庫化。(裏表紙より)

どうやら関連作があるらしい。ダニエルとその妻の物語、その三人の子どもたちの物語があるみたいだなー。これはその子どもたちの子ども、ダニエルにとって孫に当たる女性たちのお話。三つの連作短編です。
短めなので、ちょっと性急すぎるところがあったり、お互いに好意を持つところがあっさりしすぎていたりと印象でしたが、でもやっぱり面白いなあと。ただ主人公たち三人がいとこなせいなのか、みんな「恋になんて落ちない!」「彼は私を愛してない!」と同じようなパターンを辿るのがちょっと残念。
ローラの話は大人っぽくて両親がいい感じに登場していてにやにや。グウェンドリンの話はロマンチックでした。それから、ジュリアの話はなんだか子どもっぽくてかわいかった。
親世代の話も気になります。みんな子は親に似るという感じの話っぽいので。
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Author:月子
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