忍者ブログ
読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
[368]  [369]  [370]  [371]  [372]  [373]  [374]  [375]  [376]  [377]  [378
月の人魚姫 (角川ビーンズ文庫)
イルは、海で生活する種族の王様の末っ子。成人して自らの性別を決められる日がきたら、絶対に男性になって、憧れの叔父さんと同じ宇宙飛行士になると決めている。なのに嵐で難破した船から、陸の王子・エアリオルを助けたために、彼から熱烈なプロポーズをされてしまい、イルは大激怒! エアリオルの失脚を狙う一派の思惑もからん、二人の関係はどうなる…!? 榎木洋子のロマンティック・ファンタジー!!(裏表紙より)

銀河連邦がすでに存在している宇宙で、ある星に海中で生活できるよう超能力等を持つまでに進化した人類がおり、第二期入植者の陸の人類と実は不仲であり、という世界観。人魚姫をモチーフにしていながら、悲恋にはならない明るく楽しい、コメディ? なお話でした。
イルが元気よくてかわいいです。イルを思う男性たちもいることだし、個人的には女の子になってほしい!
PR
赤々煉恋 (創元推理文庫)
妹の百合香が死んだ。姉の早苗は、美しい姿で死者の写真を残す葬儀社を知る「死体写真家」。出会い系サイトで知り合った女と寝ては別れを繰り返す佐原の過去にいたのは、夜ごと客を取っていたというかつての同級生「レイニー・エレーン」。新興住宅街でアタシはこの世ならざる者を見る。神様、お願い。「アタシの、いちばん、ほしいもの」。ある宗教を信仰する家に生まれ、盗癖を持ち、暴行の末に妊娠して家を追われた私は、ある特殊な性癖のMさんと出会う「私はフランセス」。父親のネグレクトを受けている私は、ある日、曾根という男と彼と一緒に暮らす「お姫様」と知り合う「いつか、静かの海に」。五つの愛の形を描く短編集。

読んだのは単行本なんですが、表紙が好きなので文庫版を貼っておく。
愛って言ってもものすごく変質的、変態的でもある。どの話も結構悪趣味なんだけれど、すごく面白い、というか、残酷な童話でつい真剣に聞いてしまう、というようなイメージがあるなあ。
最初の「死体写真家」からテッテレ王子(@サンホラ)が走っていく。しかしイケメン度はない。「いつか、静かの海に」は突然ファンタジーでこれだけ異色だと思いました。同じファンタジーでも、「アタシの、いちばん、ほしいもの」はこれもひとつの少女の形、と思う一人称語りで、結末はやるせないとはいえ、すごく好きだなあと思いました。
本棚に置いておくには、ちょっと不謹慎な気もしつつ、好きな一冊でした。
マゼンタ色の黄昏―マリア外伝 (講談社X文庫―ホワイトハート)
 いままで読みたくても読めなった、雑誌「Amie」に掲載された、幻の『マリア外伝』が大幅にボリュームアップして、ついに登場です。マリアよりも艶やかで狂おしい、エルザ、フランツ、ユリアの恋物語——。
 そしてもうひとつ、スペシャル企画として池上沙京先生のコミック版『マリア』も収録。豪華絢爛たるドイツ王朝絵巻……。ため息の出るような流麗なイラストを、存分にお楽しみください!! ロマンの世界へ、ようこそ!(カバー折り返しより)

『マリア』から遡って、そのマリアの親世代に当たる三人の恋物語。ハプスブルク家の娘としてハルバーシュタット公と政略結婚したエルザ。しかし公は六十歳の老人。しかしハルバーシュタットには宰相の若く美しく明晰な息子フランツがいた。かつて宰相家に仕え、エルザに仕えることになったユリアは、フランツの思いを胸に秘めている。ハプスブルクの女として、横暴に振る舞う夫に従順な妻であるエルザは、フランツへの思いを秘め、フランツもまたエルザに。
という三角関係と政略と歴史を感じるロマンスでした。『マリア』を知っていなくとも読めますが、やっぱり『マリア』も一緒に読んだ方が絶対に面白い。というのは、『マリア』では今ひとつ冷たいのかどうなのかよく分からなかった宰相(フランツ)の人となりが分かるからです。外伝を読むと、『マリア』の主役であるフリードリヒが、宰相と分かり合えたのではないか、と思っているところに深みが出てすごくいい! ほかに好きだったのはマリアがいる数少ないシーンで、エルザがマリアを愛おしんでいるところが一番胸に迫りました。
儚い羊たちの祝宴
とある大学に存在する読書クラブ『バベルの会』に所属する人々は現実と幻想の境の壁が脆い。そんな彼女ら儚い者たちの、本と関わり家をめぐる連作短編集。

ひいっ! と声をあげてしまうような恐ろしい話が多かったです。誰が殺して、誰か殺されて、あるいは誰が食って、という話ばかりでした。ダークさにぐらぐらしましたが、こういう暗黒成分はどんとこいでもあるので、面白く読みました。主に令嬢と使用人という話だったのも、好きな理由のひとつだ。
「身内に不幸がありまして」の最後の一文が、恐ろしい。同じく、一言が効いているのが「玉野五十鈴の誉れ」だ。ぞわっとした。
羊というとのんびり、うつらうつらしている夢見がちな、無害な生き物を想像してしまうので、そんな羊たちが夢見ているのがこういう悪夢のような、悪趣味な幻想だと思うと、なんだか言いようのないもやもやと、興奮みたいなぞくぞくを覚える。
グリム童話―メルヘンの深層 (講談社現代新書)
グリム童話の新しい面白さ——たとえば、「いつの日か、白馬にまたがったハンサムな王子さまが迎えにくる」という夢を抱いている若い女性は多い。若い女性が理想の男性を夢みるのは当然だとしても、その男性が「白馬にまたがった王子」としてイメージされるのは、メルヘンの影響を抜きにしては考えられない。さらに、そうした理想の男性を自分のほうから探しにゆくのだとは考えず、王子さまが迎えにくることを夢みるのは、やはりメルヘンの影響だろう。問題は、白馬の王子が迎えにくるというイメージが、大古の昔から伝えられた、人間の本質を象徴するイメージなのか、それとも、ほんの二百年前にメルヘンに盛り込まれたメッセージなのかということである。ヴィルヘルムがなぜ、どんなふうにメルヘンを書き換えたのかを細かく見ていくことによって、右のような疑問に対する答えを見つけることができるだろう。——本書より(カバー折り返しより)

グリム童話について調べようと思って買っておいたもの。1991年1月の刊行なので、もう古いだろうとは思うけれど、なかなか面白かった。
グリム兄弟の略歴、グリム童話の加筆について、また採集した人物について。歴史学、神話学、心理学のフロイト派、ユング派それぞれから見たグリム童話など、様々なところからグリム童話を見る、まさに大人のために入門書だなと思う。
神様のカルテ
夏目漱石の『草枕』を愛読書とする、風変わりな医者と評判の栗原一止。内科医として本庄病院に勤務して五年目。結婚して一年。圧倒的に医者の数が足りない地域の病院に勤務する一止の受け持つ患者は、救急外来からインフルエンザ患者、余命幾ばくもない人も。この治療で正しいのか……最先端の治療技術を学ぶべきか……命と向き合う一止の目線で書かれる、人々の物語。

作者の夏川さんはお医者さんなんですね。一止の語りで進むお話で、この文体が心地いいなあと思う。病院の話が、自分に覚えがあって込み上げてくるものがありました。最期の治療というのは、家族はもちろん、お医者さんにも難しいものなのだなあと感じます。この一止は、読者として読んでいてとてもいいお医者さんだなと思う。
御嶽荘の話もいいなあと思う。風変わりな人たちがいるというところですでにわくわくする。文人の服薬自殺未遂は、この話にとても合っている……。学士さんを送り出すところがすごく好きだ。
的を射る言葉 Gathering the Pointed Wits (講談社文庫)
「大人になっても遊んでほしい人は多い。特に会議のとき、それがわかる。」「天は二物を与えず、はそのとおり。三物以上与えるのが普通。」「最も期待値の大きいギャンブルは、勉強である。(その次は、仕事)」——人気作家・森博嗣が毎日つぶやいた切れ味鋭い箴言集。何度も読み返したくなる、無二の言葉たち。(裏表紙より)

後輩さんからお借りした本。サイトの日記の最初に掲げられていた毎日の一言から抜粋した箴言集。この言葉というのが、あとがきにあるように「いかに的を外すか」という「ぎりぎりかすっている」言葉にしてあるというのが、さすが森先生だなあ! と思う。言われてみれば確かにそうなのに、こうして目の前に示されないと気付いていないなあと、あとがきを読みながら感じる。

いっぱい抜粋したいところがあるけれど、ひとつだけ。

方角はどちらであれ、向いている方へ進めば、その人にとっては「前進」だ。
レッド・アドミラル  英雄は夜明けを招く (角川ビーンズ文庫)
「死ぬな、ロディア。俺のために生きていろ。これは命令だ」
上層部に啖呵を切ったロディアは、軍規違反の罪で投獄される。しかしランセの友人・カザルス提督の協力も得て、釈放されることに。その後ロディアは、密かに敵国の皇子誘拐を続行するため、再び仲間たちと海へ出た!! マディス王国軍の敗戦が色濃くなる中、人々は切り礼となるランセとロディアが率いるレーン号の帰還を待ちわびるが——!? 海軍出世物語、第3弾!!(裏表紙より)

男装軍人海軍ものの第三巻。この巻も非常ににやにや巻でした! 面白かった! レーン号の面々は基本的にランセとロディアが好きすぎだ。
ランセとロディアのストレートな会話が、噛み合っているようで噛み合っていなくて、にやにやにやとする。お互いが大切で、二人ともそれぞれ「愛」について主張しているのに、お互いのことになると根本的な理由(愛だと思う)に気付いていないという。最後にランセはなんとなく気付いたようですが、それでも淡い感じなのでじれじれします。
決戦のロディアの台詞は普通ヒーローが言うのではないかなあ! と楽しく読みました。かっこよすぎです。多いにときめいた巻でした。一段落しているけれど、続きもある、とあとがきにあるので、これからも楽しみだ!
海馬が耳から駆けてゆく〈3〉 (ウィングス文庫)
「交際許可届け」を知っていますか?
菅野 彰のペンネームの由来は……?

「あなたが胸だと思っているこれ……、これは」
————「本当は天使なの」。

菅野 彰の秘密がいっぱい……?
そしてやって来た1999年、運命の年……。
でも、恐怖の大王はやって来ませんでした——。

笑いと笑いに満ち溢れる菅野 彰の愛すべき日常!!(裏表紙より)

学校の話がすごく面白い。菅野さんって結構不真面目なんだな……。クリエイターって基本的にこういう感じなんだろうか(自分を棚に上げて我が妹を見る)。「交際許可届け」に噴く。時代錯誤だ。
全体的に家族の話と旅行の話が多かっただろうか。体育会系の家族ってすごい。親戚が集まってわーわーしている感じが好きだなと思う。
海馬が耳から駆けてゆく〈2〉 (新書館ウィングス文庫)
『あなたの今までの人生の中でしてしまった、
一番の悪いことはなんですか?』
「海馬」史上最大の話題をまいた「悪いことの話」。
『八丈島に住んでいるシカ科の哺乳類は?』の問いに即答できますか?
答えは、「二十八歳大人の話」の中に……。

体育会系一族の中で「カスケブタ」と呼ばれていた著者の、
愛(?)と友情と勘違いの日常を綴る爆笑エッセイ、文庫化第二弾!!(裏表紙より)

悪いことアンケートは非常に面白かった。私だったらなんて答えるかなあ。……色々あるけれど。
雪で止まった電車の話も、和んで面白かった。こういうのがあるから人間っていいなあと見捨てられない。
パソコンの話はすごく時代を感じた。最速56k……ダイヤルアップ……。これを書いている私は光回線だ。パソコンが分からなかった自分が懐かしい(今も分かっているとは言えないけれど)
Profile
Author:月子
読んだものやら見たものやらの記録
Search
Calender
03 2025/04 05
S M T W T F S
1 2
13 14 15 16
22 23 24 25 26
27 28 29 30
Archive
Shopping
Analyzer
Counter
忍者ブログ [PR]