忍者ブログ
読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
[369]  [370]  [371]  [372]  [373]  [374]  [375]  [376]  [377]  [378]  [379
かもめ食堂
フィンランド・ヘルシンキにかもめ食堂という食堂ができた。働いているのは日本人のサチエ。最初は学生のトンミくんしかやってこなかったけれど、そこにやってきたミドリが働くようになり、次第に客足が増え始め、またマサコという新しい女性が加わる。

紹介を書くのが難しいな……。山はあるけれど、緩やかな山で、穏やかでのんびりした一冊でした。三十八歳のサチエのところに、四十代のミドリ、五十代のマサコが集まってくるところや、トンミくんに対して「日本語お上手ですね」と言う日本人らしさやありきたりなところがたまらなく嬉しい。地元のフィンランド人たちも、かもめ食堂に興味を持っているところがかわいいな。非日常っぽいのに、とても堅実に、淡々と生きているのがとてもいいと思いました。なんだか心地いい話でした。
PR
桐島、部活やめるってよ
バレー部のキャプテンだった桐島が部活を辞めた。彼をよく知るバレー部の生徒たち、彼をよく知らない生徒たち、派手なグループの所属する生徒、それを遠巻きに眺める生徒……些細かもしれなかった出来事は、それぞれの重さで日常に波紋を描いた。十七歳の高校生たちの連作短編。

それぞれの一人称で書かれる高校生たちの短編集。色んなところが胸に刺さって痛かったです。クラスメートや自分と属性が違う子たちに抱く劣等感。同じ属性にいる子でも、個性の違いを感じて劣等感を抱いたり。思っても言えない気持ちがあったり。
特に、なんでもかんでも口に出す子に対して抱く感情。ストレートに口に出してもいいけれど、人を馬鹿にする言動をしたり、人を貶めることを言う子っているんだよな……という。そういう価値観で生きていくんだろうと菊池は結論づけてますけれど、私もそう思う。
舞台が、どこなんだろうか。大阪っぽいけれど大阪じゃない。
色々自分のだめなところも見せつけられる気がした一冊でした。
はなうたう-淵国五皇子伝- (一迅社文庫 アイリス こ 3-3)
不思議なツタにとりつかれ、淵国につれてこられたカナンを待っていたのは、呪われた体を持つ五人の皇子たちだった。奇跡の実の力で第四皇子・善の呪いを解き彼の求婚を受け入れたカナンだったけれど、四人の皇子はいまだ絶賛呪われ中……。そんなある日、王宮で花嫁修業するカナンに第一皇子・律が急接近! 情熱的な言葉をかけてきて——!?
恋の行方は嵐の予感? 西洋乙女と皇子たちが繰り広げる、中華風王宮恋愛ファンタジー!(裏表紙より)

面白かったです! 前巻よりもパワーアップしている、というか、カナンがすごくすごくかわいくなってめろめろになりました。皇子たちのあしらい方も覚えてきて、多分王宮で最強になるんだろうなあ……。その前には皇帝を乗り越えなければならないか。
「ここ、空いてますよ」に「春日のここ空いてますよ」@○ードリーを思い出して噴く。
領主を問いつめるシーンで、こっちも暗のことを疑ってしまったところからのひっくり返しがすごかった。律かっこいい。しかし、律かわいい。ピュアすぎてかわいい。
古戸さんの作品は、本当に何気ないことにはっと気付かされることが多くて、そういう発見というところでもすごく楽しくて面白い。続きを楽しみにする!
あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

年が明けたら読書ブログの方針を変えていこうと思っていました。
これまで活字ばかりでしたが、コミック等もオススメや好きなものだけ記録をつけていく方向でいきたいと思います。あとおすすめエントリを書いてみたい。日常日記(本絡み)や月ごとのまとめもやりたいと思っているのですが、本館にもブログがあるので続くかどうかは未定です。三日坊主になったらそれはそれで。

2010年の読了冊数は484冊でした(再読も数えています)。記録を見ていると読む時と読まない時の落差が激しい。今年も500冊読了目指していきます。

ずっと漫画ばかりを読んでいます。

元日から美内すずえの傑作選を読んでいました。
『黒百合の系図』(白泉社文庫―美内すずえ傑作選)
『赤い女神』 (白泉社文庫―美内すずえ傑作選)
昨年(もう昨年なのか……)読んだ『王女アレキサンドラ』の方がお気に入りです。
王女アレキサンドラ (白泉社文庫―美内すずえ傑作選)

田村由美『シカゴ』。私が読んだのはコミックス版でしたが、文庫版を貼っておく。
シカゴ (小学館文庫)
近未来の東K市を直下型地震が襲う。駆けつけたレイと魚住たちレスキュー隊だったが、何者かの攻撃に遭い全滅する。しかし密かに生き残っていたレイと魚住は、ある日謎の人物からスカウトを受け、「シカゴ」という店に集まる。自分たちを攻撃したのは何者なのか、手がかりを求めて。
田村さんの世界だなあ! という近未来世界の印象で、男女関係がかっこいいのです。主人公のレイと魚住、レイとシンの関係が、ものすごく危険な状況で描かれるのに、繊細で綺麗なのだ。続きが気になるのにコミックスは全2巻、文庫版は全1巻。
田村ワールドにくらくらしている現状、『7SEEDS』を多方面からプッシュされていたので、買ってしまいそうな自分がいます。

花祭 (リブレコミックス)
『花祭』(あき リブレコミックス)
金持ちの道楽がある。「花選び」といい、芸をする美しい少年たち「花」を買って「花主」になることだ。美しい花と花主たちのオムニバスストーリー。
このブログにいらっしゃるような方には、あきさんはヴィクロテの挿絵で有名ではないでしょうか。
少年と少年の絆ものです。みんなどこか可愛らしくて、美しくて、不器用。好きなんですが、どうして男女じゃないの! でも好き……! という微妙な葛藤を分かっていただけるだろうか……!

雲上楼閣綺談 1 (ホーム社漫画文庫)
『雲上楼閣綺談』(後藤星 ホーム社漫画文庫版全5巻)を読む。
日照りの続く村で、仙人の好きな「かすみ」という名前を持っていたため、生贄にされた十歳の少女・かすみ。やって来たのは仙人・三日月。けれど子どもを生贄にするような恐ろしい仙人ではなかった彼に、かすみは弟子入りを志願する。風神雷神や女仙たちと出会いながら穏やかな日々を過ごすかすみ。やがて恋心を自覚したけれど、仙人にそういった感情は禁忌。天上人と人間と地底のギア族の争いが終わらないその内、世界を異変が襲い始める……。
穏やかな日常とあったかい空気の、中華風(?)ファンタジー。頑張る少女が少しずつ成長していくところがいいなあと思うのです。救国ものではなくて、あくまで日常の延長を見ているような心の優しさを感じられる気がしました。
今年の読書のまとめ。
紹介記事じゃないのでさらっと、読んで面白かったなあと記憶に残っているものをぺたぺた貼ってみるだけです。

年始頃には課題でずっと絵本を読んでいました。
エリザベスは本の虫
大好きになってしまった、本好きのエリザベス・ブラウン。

友人にオススメされてはまった紫堂恭子さんの漫画を今年もよく読んでました。
癒しの葉 1 (ホーム社漫画文庫) (HMB S 4-7)
『癒しの葉』(文庫版全4巻)のユーリグが好きです。セレスの質問に答えるところは、思わず「この……!」と赤面した。
王国の鍵 (1) (あすかコミックスDX)
『王国の鍵』(全6巻)は成長譚としてもファンタジーとしても、王道で大好きだと思いました。

友人から借りた『妖狐×僕SS(いぬぼくシークレットサービス) 』(既刊3巻~)にきゅんとした。『BLACK BIRD』(既刊12巻~)にだだはまりした。
妖狐×僕SS(いぬぼくシークレットサービス) 1 (ガンガンコミックスJOKER)BLACK BIRD 1 (Betsucomiフラワーコミックス)

再読した『マリア ブランデンブルクの真珠』にのめり込んでしまい、色んな人におすすめしてうるさいと思われたに違いない。
マリア―ブランデンブルクの真珠 (講談社F文庫)

遅まきながら『悪魔のソネット』(全5巻)を読んで一気買いした。『レッド・アドミラル』(既刊3巻~)も大好きです。
悪魔のソネット    美形悪魔は契約しない!? (角川ビーンズ文庫)レッド・アドミラル  羅針盤は運命を示す (角川ビーンズ文庫)

よく漫画文庫を買って読んでました。萩尾望都を一番よく買いました。
ゴールデンライラック (小学館文庫)
この文庫収録の「マリーン」が好きなのだ。

こんな感じです。
今年もよく読みましたが、去年よりは少ないようです。一年で500冊の目標を掲げていたんですが、あと少し足りなかった。2011年も、500冊を目標に読みたいと思います。
それでは皆様、よいお年をお迎え下さい。
妖女サイベルの呼び声 (ハヤカワ文庫 FT 1)
魔術師サイベルは、エルド山の奥深く、四匹の幻獣のみを友として日夜魔術の修行に励んでいた。そんなある日、サイベルのもとに赤児を連れた騎士がやってきた。その赤児こそサイベルの甥であり、しかもエルドウォルド国の応じにほかならなかった。やがてサイベルは、否応なく王位継承争いに巻き込まれ、人の世の愛と憎しみを知りはじめる……。モダン・ファンタジイ界の俊英が流麗な筆致で描く、世界幻想文学大賞受賞作!(裏表紙より)

確か児童文学作品紹介集で読んで、読みたくなったので手に入れたのだったかな。硬派で古いよい香りのするファンタジーでした。冒頭の数ページで折れそうになったのですが、サイベルの話が始まった途端、ぐんぐん面白くなった気がします。
人と接することを知らなかった十六歳のサイベルが、騎士と彼の連れてきた赤子によって少しずつ愛と憎しみを知るようになる、のですが、その人間関係もよかったのですが、サイベルが心交わすことができる獣たちとの交流がときめきでした。見えない絆、誰かを思う心、自分を見つめることを描いているように思うのです。
サイベルはそれほど子どもではないはずなのに、その心の気高くて、清らかで誇り高いこと。心を操ることのできる美しい女性が主人公であるのと、幻獣スキーにはたまらないラストでもありました。面白かったです。
だれも猫には気づかない (創元推理文庫)
時は中世。公国の若き領主、ジェイマス五世の老摂政が亡くなった。先見の明をそなえた摂政が国のために講じておいたとっておきの秘策、それは自身の飼い猫、ニフィだった! 賢い猫はやがて“摂政”として、重要文書承認時など敏腕ぶりを発揮。領主の恋に政治的陰謀が絡まりだすとき、隠れ摂政はどんな妙手を繰りだす? 猫を愛する現代SFの女王が贈る、猫ファンタジイの逸品。(裏表紙より)

なんとなく児童文学っぽい雰囲気のある話だなあと思いました。訳のせいでしょうか。会話の内容やテンポがなんとなくそう思わせたのかもしれない。
猫が活躍するという話ですが、視点はジェイマス公がメインで行くので、猫のニフィは裏方です。それでもところどころで現れて、あくまで猫らしい行動で人々の意表をつく解決策を提示してしまうのはすごく愛らしい! でもニフィも愛らしいですが、登場するエスファニア公国の人々も、理知的で機転が利いて、チャーミングな人たちばかりだと思う。
なんとなく、最後に亡くなった老摂政マンガンが笑っている気がしました。
ところでこの本、妙に紙が固くて捲りづらいです……。私のだけかな。
愛色の女性伝 アナトゥール星伝(17) (講談社X文庫ティーンズハート)
 アレスがようやく発見した新大陸、“アンティトル”で出会った少女。そして、そこで起こっていた不気味な異変とは……?
 アナトゥール最終章の序章となる、アレスくんの新大陸物語、『瑠璃色の明星姫(チャスカ)』。
 他、リクエストの多かった、リディア姫とヴァン・ブルーの一夜のエピソード。
「ユナと王子はどこまでいってるの?」という質問におこたえするスペシャルマンガバージョンなど、盛りだくさんの一冊です!!(カバー折り返しより)

中学生くらいから読んでいるシリーズで、すでに完結しているんですが、久しぶりに続きを見つけて読んでみました。色々と、若い……なあ……と思うシリーズになっていました。自分が歳を取ったことを実感した。
シリーズの紹介としては、高校生のユナがエスケープしたさきの図書館で見つけた一冊の本の文句を口にした途端、異世界アナトゥールに飛ばされ、その世界の王国のひとつエスファハンの王、金の砂漠王(バーディア)、シュラ王子と出会い……という異世界召喚好きにはたまらない設定の物語。なんですが、一人称文章なので、今読むとすごく物足りない気持ち……。
この巻は最終章の序章としての中短編集になっています。世界の行く末が危うくなりつつある、異変を海賊王(ファルカス)のアレスが発見するというものが中編「瑠璃色の明星姫」。世界が虚無に覆われようとしている、という最後の戦いへの提示でした。こういう王道なのが好きだったんだなあと懐かしく思いました。
十一月の扉 (新潮文庫)
中学二年の爽子は、偶然みつけた素敵な洋館「十一月荘」で、転校前の数週間を家族と離れて過ごすことになる。「十一月荘」の個性あふれる住人たちとの豊かな日常の中で、爽子は毎日の出来事を自分の物語に変えて綴り始めた。のんびりしているようで、密度の濃い時間。「十一月にはきっといいことがある」——不安な心を物語で鎮めながら、爽子はこれから生きて行く世界に明るい希望を感じ始めていた。(裏表紙より)

再読。最初に読んだ時、あまりの素敵さにいつか絶対もう一度読みたいと思っていたのですが、今年ようやく読めました。読み始めたのは十一月だったのですが、読み終わる頃には十二月になっていました。
学生は喫茶店に入ってはいけないというようなことがあったので、書かれている年代は昭和くらいだと思うのですが、爽子の瑞々しい感覚がまったく古臭くなくて、読んでいると、以前よりずっと綺麗に、すうっと馴染んで、こういう目を持った登場人物に会えることをずっと望んでいたように思いました。母親との小さなすれ違いを感じていたり、友達に対して後ろめたいと感じることがあったり、年頃の少女たちを一歩引いたところで見ていることなど、本当に、たまらなく愛おしいと思う。少女というものを、この作品では瑞々しい、しなやかな植物のように描いているよなあと思ったのでした。文学少女というところにきゅんきゅんきていただけかもしれないけれど。
登場人物は、ほとんど女性ばかり出てきます。様々な人々のおしゃべりや、関わり合いが心地よくて、以前より、ずっとずっと大好きな一冊になりました。
オススメです。
現代漫画博物館
1945年から2005年の漫画を紹介。カラーでいくつか雑誌の表紙があり、漫画紹介は一ページを抜粋して物語の紹介を添えてあります。赤本と呼ばれる漫画の始まりから、2005年時点までの連載中の漫画もあり。漫画を幅広く探すという意味では、とても便利な本でした。読みたいものがたくさん出来た。知っている漫画の紹介があると、それをどう紹介しているか、評価されているかを知ることができて面白いです。
少年漫画、少女漫画というくくりが、最近はなくなってきつつあるのだなとなんとなく読みながら思いました。
Profile
Author:月子
読んだものやら見たものやらの記録
Search
Calender
03 2025/04 05
S M T W T F S
1 2
13 14 15 16
22 23 24 25 26
27 28 29 30
Archive
Shopping
Analyzer
Counter
忍者ブログ [PR]