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月虹のラーナ (コバルト文庫)
道化師のアルヴァンジェナ、売り子のジュデル、軍人のファーロン。不思議な遊園地で出会った三人は、人間のいなくなった世界で、「眠り」を探して旅に出た。彼らが唯一の手掛かりとするのは、古い言い伝え。遥か西にある〈眼〉は虹の生まれる場所で、同時にそこで「眠り」を司っているというのだが…。ノベル大賞を受賞した表題作に、書き下ろしの連作中篇を加えた、抒情ファンタジー。(カバー折り返しより)

「月虹のラーナ」「輝上の楽園」「貝の柩 海の底に」の中編三本を収録。表題作が一番SFファンタジーっぽくて、後の二編は不思議なファンタジーでした。
「月虹のラーナ」は、道化師と少女と軍人が旅をするというお話で、大人向けの童話のような印象でした。暗い世界を、止まった時間を、三人が延々と歩いているという光景が、ふわっと広がってくる。
「輝上の楽園」は、人物設定が神話世界のようで素敵だ。暁の公子、宵闇の姫、移り気で恋多き空族。ここでのファーロンがすごくひどい人でちょっとびっくりしました。
一番好きなのは「貝の柩 海の底に」で、これは人魚たちの物語。人魚世界を描いているのが、すごくときめいてしまいました。嵐の海で、沈みかけた船に歌いかけて男たちをさらう人魚たちの、妖艶で美しいこと。その後男性たちがどうなるかというのもさらっと書いていますが、そのさらっと加減がまた妖しくて好きだ。アンハッピーとあとがきにありましたが、一概にアンハッピーというわけでもなくて、ちょっといい話で終わっているところも好きな理由です。
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