読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

成人して自らの性別を決められる日が来たら、男を選んで宇宙飛行士になることを夢見る、海王の末っ子・イル。以前イルにプロポーズしてきた陸の王子・エアリオルとは、友人としてのつき合いが続いている。ところが、エアリオルに恋する財閥令嬢が出現! しかも彼女がイルにも一目惚れをしてしまったり、海賊の略奪行為が頻繁になったりと、騒ぎは絶えない。イルとエアリオルの関係は? そして海賊を追う二人が見たものとは…?(裏表紙より)
『月の人魚姫』の続編。相変わらずかわいいお話だ。特に関係性に前進はなく、イルとエアリオルの十惑星連合加盟の夢への物語に、恋に恋する乙女とヴィンセントが絡んでどたばたする、というアニメの一話を見ているようなのが今回のお話。
イルが一生懸命な少年という感じなのに、美少女の姿というのがいいなあ。女の子になったら男前美少女になるに違いないので、女の子になってほしいんだが!
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読まないときはぱったり読まないのですが、最近は漫画の方がよく読んでいます。
名作漫画ブームで、萩尾望都から始まって、ちょくちょく色々なものを集めています。

『砂の城』(一条ゆかり 文庫版全4巻)
名家に生まれた令嬢ナタリー。彼女が生まれた日に彼女の家の前に捨てられた少年フランシス。二人は兄妹のように育ち、お互いに恋心を自覚するように。しかしナタリーの両親が亡くなり、結婚を反対されることになった二人は手に手を取り合って逃亡し、海に身を投げた。しかしナタリーは助かり、フランシスの遺体は見つからなかった。
ある日、ナタリーは死んだはずのフランシスが、記憶を失った状態で新しい家族を作っていることを知る。事故のためにフランシスとその妻が亡くなり、残された子どもに、ナタリーはフランシスと名付け引き取った……。
……という年上女性と少年の年の差と愛を描く壮大な恋愛ドラマなのですが、これが、最終巻の文庫版四巻目になっても幸せにならない! すごい!
次から次へとすれ違いや新しい登場人物、環境や心境の変化で、別れ別れになるナタリーとフランシス(子どもの方)。女性ならではといった感じの衝撃的な事件で物語は幕を閉じる。やるせなさと壮大さに、読み終わった後、ぼうぜんとしました。
『デザイナー』もこれでもかと女性のプライドとかっこよさとメロドラマで面白かった。

『ひらひらひゅ~ん』(西炯子 全4巻)
最近西炯子さんにハマっていまして、色々読もうと集めています。これは、よく拝読しているブログの某さんが部活ものとして紹介されていた本。西さんだということが頭から抜けていたので、発見してびっくりしました。
高校の弓道部に所属している男子高校生たちの恋愛模様が1巻で、その後は部活とは、勝つということは、弓道とはを問い、その後は段々話がニアホモ(というのでしょうか)の方向に行くのでびっくりしましたが、なんだか高校生たちがかわいくてきゅんとしたのでお気に入りになりました。


『ひみつの姫君 うわさの王子』(可歌まど 全2巻)
深窓の姫君アルディーナには政略結婚が決められた。それもガルニア国の良い評判の聞かないイジー王子と。せめて相手を一目見て覚悟を決めたいと、外交官の孫の少年アルとしてガルニアに潜入したアルディーナは、そこでその当人イジー王子と遭遇してしまい。
最近連載されている『狼陛下の花嫁』の方をオススメされる方が多いような気もします(実際に友人からは『狼陛下~』がオススメだと貸してもらいました)。でも、私はこっちの方もずどんときたよ!
よくある姫と王子のファンタジー設定ながら、何故だかすごくかわいらしくてお話が素敵なんですよね! 基本一話完結のはずなんですが、二巻で大きなお話が出来上がっているからなのかな。アルは可愛らしいし(少年姿も!)、イジーはさほどイケメン王子様っぽくなくても不器用で素朴な優しさの男性です。派手じゃないけど、堅実で優しくて素朴なお話でだいすきだ! と思ったので、お気に入りにする。
名作漫画ブームで、萩尾望都から始まって、ちょくちょく色々なものを集めています。

『砂の城』(一条ゆかり 文庫版全4巻)
名家に生まれた令嬢ナタリー。彼女が生まれた日に彼女の家の前に捨てられた少年フランシス。二人は兄妹のように育ち、お互いに恋心を自覚するように。しかしナタリーの両親が亡くなり、結婚を反対されることになった二人は手に手を取り合って逃亡し、海に身を投げた。しかしナタリーは助かり、フランシスの遺体は見つからなかった。
ある日、ナタリーは死んだはずのフランシスが、記憶を失った状態で新しい家族を作っていることを知る。事故のためにフランシスとその妻が亡くなり、残された子どもに、ナタリーはフランシスと名付け引き取った……。
……という年上女性と少年の年の差と愛を描く壮大な恋愛ドラマなのですが、これが、最終巻の文庫版四巻目になっても幸せにならない! すごい!
次から次へとすれ違いや新しい登場人物、環境や心境の変化で、別れ別れになるナタリーとフランシス(子どもの方)。女性ならではといった感じの衝撃的な事件で物語は幕を閉じる。やるせなさと壮大さに、読み終わった後、ぼうぜんとしました。
『デザイナー』もこれでもかと女性のプライドとかっこよさとメロドラマで面白かった。

『ひらひらひゅ~ん』(西炯子 全4巻)
最近西炯子さんにハマっていまして、色々読もうと集めています。これは、よく拝読しているブログの某さんが部活ものとして紹介されていた本。西さんだということが頭から抜けていたので、発見してびっくりしました。
高校の弓道部に所属している男子高校生たちの恋愛模様が1巻で、その後は部活とは、勝つということは、弓道とはを問い、その後は段々話がニアホモ(というのでしょうか)の方向に行くのでびっくりしましたが、なんだか高校生たちがかわいくてきゅんとしたのでお気に入りになりました。


『ひみつの姫君 うわさの王子』(可歌まど 全2巻)
深窓の姫君アルディーナには政略結婚が決められた。それもガルニア国の良い評判の聞かないイジー王子と。せめて相手を一目見て覚悟を決めたいと、外交官の孫の少年アルとしてガルニアに潜入したアルディーナは、そこでその当人イジー王子と遭遇してしまい。
最近連載されている『狼陛下の花嫁』の方をオススメされる方が多いような気もします(実際に友人からは『狼陛下~』がオススメだと貸してもらいました)。でも、私はこっちの方もずどんときたよ!
よくある姫と王子のファンタジー設定ながら、何故だかすごくかわいらしくてお話が素敵なんですよね! 基本一話完結のはずなんですが、二巻で大きなお話が出来上がっているからなのかな。アルは可愛らしいし(少年姿も!)、イジーはさほどイケメン王子様っぽくなくても不器用で素朴な優しさの男性です。派手じゃないけど、堅実で優しくて素朴なお話でだいすきだ! と思ったので、お気に入りにする。

イルは、海で生活する種族の王様の末っ子。成人して自らの性別を決められる日がきたら、絶対に男性になって、憧れの叔父さんと同じ宇宙飛行士になると決めている。なのに嵐で難破した船から、陸の王子・エアリオルを助けたために、彼から熱烈なプロポーズをされてしまい、イルは大激怒! エアリオルの失脚を狙う一派の思惑もからん、二人の関係はどうなる…!? 榎木洋子のロマンティック・ファンタジー!!(裏表紙より)
銀河連邦がすでに存在している宇宙で、ある星に海中で生活できるよう超能力等を持つまでに進化した人類がおり、第二期入植者の陸の人類と実は不仲であり、という世界観。人魚姫をモチーフにしていながら、悲恋にはならない明るく楽しい、コメディ? なお話でした。
イルが元気よくてかわいいです。イルを思う男性たちもいることだし、個人的には女の子になってほしい!

妹の百合香が死んだ。姉の早苗は、美しい姿で死者の写真を残す葬儀社を知る「死体写真家」。出会い系サイトで知り合った女と寝ては別れを繰り返す佐原の過去にいたのは、夜ごと客を取っていたというかつての同級生「レイニー・エレーン」。新興住宅街でアタシはこの世ならざる者を見る。神様、お願い。「アタシの、いちばん、ほしいもの」。ある宗教を信仰する家に生まれ、盗癖を持ち、暴行の末に妊娠して家を追われた私は、ある特殊な性癖のMさんと出会う「私はフランセス」。父親のネグレクトを受けている私は、ある日、曾根という男と彼と一緒に暮らす「お姫様」と知り合う「いつか、静かの海に」。五つの愛の形を描く短編集。
読んだのは単行本なんですが、表紙が好きなので文庫版を貼っておく。
愛って言ってもものすごく変質的、変態的でもある。どの話も結構悪趣味なんだけれど、すごく面白い、というか、残酷な童話でつい真剣に聞いてしまう、というようなイメージがあるなあ。
最初の「死体写真家」からテッテレ王子(@サンホラ)が走っていく。しかしイケメン度はない。「いつか、静かの海に」は突然ファンタジーでこれだけ異色だと思いました。同じファンタジーでも、「アタシの、いちばん、ほしいもの」はこれもひとつの少女の形、と思う一人称語りで、結末はやるせないとはいえ、すごく好きだなあと思いました。
本棚に置いておくには、ちょっと不謹慎な気もしつつ、好きな一冊でした。

いままで読みたくても読めなった、雑誌「Amie」に掲載された、幻の『マリア外伝』が大幅にボリュームアップして、ついに登場です。マリアよりも艶やかで狂おしい、エルザ、フランツ、ユリアの恋物語——。
そしてもうひとつ、スペシャル企画として池上沙京先生のコミック版『マリア』も収録。豪華絢爛たるドイツ王朝絵巻……。ため息の出るような流麗なイラストを、存分にお楽しみください!! ロマンの世界へ、ようこそ!(カバー折り返しより)
『マリア』から遡って、そのマリアの親世代に当たる三人の恋物語。ハプスブルク家の娘としてハルバーシュタット公と政略結婚したエルザ。しかし公は六十歳の老人。しかしハルバーシュタットには宰相の若く美しく明晰な息子フランツがいた。かつて宰相家に仕え、エルザに仕えることになったユリアは、フランツの思いを胸に秘めている。ハプスブルクの女として、横暴に振る舞う夫に従順な妻であるエルザは、フランツへの思いを秘め、フランツもまたエルザに。
という三角関係と政略と歴史を感じるロマンスでした。『マリア』を知っていなくとも読めますが、やっぱり『マリア』も一緒に読んだ方が絶対に面白い。というのは、『マリア』では今ひとつ冷たいのかどうなのかよく分からなかった宰相(フランツ)の人となりが分かるからです。外伝を読むと、『マリア』の主役であるフリードリヒが、宰相と分かり合えたのではないか、と思っているところに深みが出てすごくいい! ほかに好きだったのはマリアがいる数少ないシーンで、エルザがマリアを愛おしんでいるところが一番胸に迫りました。

とある大学に存在する読書クラブ『バベルの会』に所属する人々は現実と幻想の境の壁が脆い。そんな彼女ら儚い者たちの、本と関わり家をめぐる連作短編集。
ひいっ! と声をあげてしまうような恐ろしい話が多かったです。誰が殺して、誰か殺されて、あるいは誰が食って、という話ばかりでした。ダークさにぐらぐらしましたが、こういう暗黒成分はどんとこいでもあるので、面白く読みました。主に令嬢と使用人という話だったのも、好きな理由のひとつだ。
「身内に不幸がありまして」の最後の一文が、恐ろしい。同じく、一言が効いているのが「玉野五十鈴の誉れ」だ。ぞわっとした。
羊というとのんびり、うつらうつらしている夢見がちな、無害な生き物を想像してしまうので、そんな羊たちが夢見ているのがこういう悪夢のような、悪趣味な幻想だと思うと、なんだか言いようのないもやもやと、興奮みたいなぞくぞくを覚える。

グリム童話の新しい面白さ——たとえば、「いつの日か、白馬にまたがったハンサムな王子さまが迎えにくる」という夢を抱いている若い女性は多い。若い女性が理想の男性を夢みるのは当然だとしても、その男性が「白馬にまたがった王子」としてイメージされるのは、メルヘンの影響を抜きにしては考えられない。さらに、そうした理想の男性を自分のほうから探しにゆくのだとは考えず、王子さまが迎えにくることを夢みるのは、やはりメルヘンの影響だろう。問題は、白馬の王子が迎えにくるというイメージが、大古の昔から伝えられた、人間の本質を象徴するイメージなのか、それとも、ほんの二百年前にメルヘンに盛り込まれたメッセージなのかということである。ヴィルヘルムがなぜ、どんなふうにメルヘンを書き換えたのかを細かく見ていくことによって、右のような疑問に対する答えを見つけることができるだろう。——本書より(カバー折り返しより)
グリム童話について調べようと思って買っておいたもの。1991年1月の刊行なので、もう古いだろうとは思うけれど、なかなか面白かった。
グリム兄弟の略歴、グリム童話の加筆について、また採集した人物について。歴史学、神話学、心理学のフロイト派、ユング派それぞれから見たグリム童話など、様々なところからグリム童話を見る、まさに大人のために入門書だなと思う。

夏目漱石の『草枕』を愛読書とする、風変わりな医者と評判の栗原一止。内科医として本庄病院に勤務して五年目。結婚して一年。圧倒的に医者の数が足りない地域の病院に勤務する一止の受け持つ患者は、救急外来からインフルエンザ患者、余命幾ばくもない人も。この治療で正しいのか……最先端の治療技術を学ぶべきか……命と向き合う一止の目線で書かれる、人々の物語。
作者の夏川さんはお医者さんなんですね。一止の語りで進むお話で、この文体が心地いいなあと思う。病院の話が、自分に覚えがあって込み上げてくるものがありました。最期の治療というのは、家族はもちろん、お医者さんにも難しいものなのだなあと感じます。この一止は、読者として読んでいてとてもいいお医者さんだなと思う。
御嶽荘の話もいいなあと思う。風変わりな人たちがいるというところですでにわくわくする。文人の服薬自殺未遂は、この話にとても合っている……。学士さんを送り出すところがすごく好きだ。

「大人になっても遊んでほしい人は多い。特に会議のとき、それがわかる。」「天は二物を与えず、はそのとおり。三物以上与えるのが普通。」「最も期待値の大きいギャンブルは、勉強である。(その次は、仕事)」——人気作家・森博嗣が毎日つぶやいた切れ味鋭い箴言集。何度も読み返したくなる、無二の言葉たち。(裏表紙より)
後輩さんからお借りした本。サイトの日記の最初に掲げられていた毎日の一言から抜粋した箴言集。この言葉というのが、あとがきにあるように「いかに的を外すか」という「ぎりぎりかすっている」言葉にしてあるというのが、さすが森先生だなあ! と思う。言われてみれば確かにそうなのに、こうして目の前に示されないと気付いていないなあと、あとがきを読みながら感じる。
いっぱい抜粋したいところがあるけれど、ひとつだけ。
方角はどちらであれ、向いている方へ進めば、その人にとっては「前進」だ。

「死ぬな、ロディア。俺のために生きていろ。これは命令だ」
上層部に啖呵を切ったロディアは、軍規違反の罪で投獄される。しかしランセの友人・カザルス提督の協力も得て、釈放されることに。その後ロディアは、密かに敵国の皇子誘拐を続行するため、再び仲間たちと海へ出た!! マディス王国軍の敗戦が色濃くなる中、人々は切り礼となるランセとロディアが率いるレーン号の帰還を待ちわびるが——!? 海軍出世物語、第3弾!!(裏表紙より)
男装軍人海軍ものの第三巻。この巻も非常ににやにや巻でした! 面白かった! レーン号の面々は基本的にランセとロディアが好きすぎだ。
ランセとロディアのストレートな会話が、噛み合っているようで噛み合っていなくて、にやにやにやとする。お互いが大切で、二人ともそれぞれ「愛」について主張しているのに、お互いのことになると根本的な理由(愛だと思う)に気付いていないという。最後にランセはなんとなく気付いたようですが、それでも淡い感じなのでじれじれします。
決戦のロディアの台詞は普通ヒーローが言うのではないかなあ! と楽しく読みました。かっこよすぎです。多いにときめいた巻でした。一段落しているけれど、続きもある、とあとがきにあるので、これからも楽しみだ!