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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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読んだものの書影がなかったので、新装版の方の書影を貼っておきます。
魔術師の帝国 (ハヤカワ文庫 FT フ 2-12 リフトウォー・サーガ 第 1部1) (ハヤカワ文庫FT)異世界の虜囚 (ハヤカワ文庫 FT フ 2-13 リフトウォー・サーガ 第 1部2)偉大なる者―リフトウォー・サーガ第1部〈3〉 (ハヤカワ文庫FT)
14歳になったパグとトマスの少年時代は終わった。掟により、二人は自分の適性にかなった職業についた。だが、戦士になったトマスは喜んでいたが、魔法使いの弟子となったパグは面白くなかった。自分に魔法の力があるとは思えないのだ。そんなある日、難破船の知らせが届いた。実はこの事件が異次元人侵略の前兆だった……。別世界ミドケミアを舞台に、新人が従来のファンタジイにはかつてない壮大なスケールで描く超大作(上巻、裏表紙より)

上巻438ページ。下巻は515ページ。パグとトマスという二人の少年がメインで、パグの方に焦点が当てられている。ありがちな児童向けファンタジーなのかなと思っていたら、結構どっしりと進んでいって、上巻中盤から一気に面白くなってきた。戦争が始まった頃は巻き込まれたような形の少年たちが、成長して大人になっていく物語。上巻はパグがいなくなるので、ちょっと魅力半減という感じだった。下巻からツラニの捕虜にされてしばらく音沙汰なかったパグが登場。パグが登場するときたきたきたーと思う。ツラニはどうやら西洋における想像上の東洋みたいな感じらしい。名前の音がちょっと不思議。登場人物たちが成長してどっしりとした印象の下巻。人物がみんなしっかりとした足取りで歩んでいて、それが今思うと手堅い感じでも、パグという主人公が現れるとわっと盛り上がる。最後パグに贈られたものを考えると、パグの成長物語であり、様々な人々の成長物語だったんだと思う。
狩猟長官マーティンと、船長エイモス・トラスクがなんか好きだ。マーティンはユーモアも理解してちょっと皮肉っぽい影のある人。エイモスは豪快で勇猛な元海賊。この二人の活躍ももっと見たいなあと思っていた。
ラストはそれぞれに綺麗に終わっている。戦争の始まりと集結がこの「魔術師の帝国」なので、死や裏切りもあってまだ謎は残るけれど、どっしり読んだと思った。
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レプリカ・ガーデン 水葬王と銀朱の乙女 (B’s‐LOG文庫)
人形は夢を見る。恋もする。初めての恋に落ちたら、胸の魔抱石に性別を与えられ、人間になる——。イファは、数ヶ月前に生まれた”魂持ち”の人形。いつか運命の恋をして立派な男になるまで、人形師のヘィディや弟子のアーセルと楽しく暮らすはずだった。突然の別れも、その先に待ち受けていた”水葬王”フォルトナートとの最高で最悪な出会いも、そしてまさか自分が”女の体”になってしまうなんて、全くの予想外で……!? 恋をするすべての人へ贈る、栗原ちひろの新境地ラブファンタジー!!(裏表紙より)

表紙がかなりきらきらしいのが、20歳になってから手に取るのがとても恥ずかしくなった……。思わず最後の挿絵見て友人と「ひょー!」と叫んでしまったことだよ。
主人公イファの魔抱石の出自が呪われていて、その出自に関係して相手役フォルトナートがイファに対して憎しみを抱いている、というゴシックファンタジーなのだけれど、文体と台詞の明るさからか暗い気持ちにはならなかった。私はオペラシリーズみたいな文章が好きだったんだけれど、でもこの底の方できらきらしている明るさは好きだ。イファが見出したフォルトナートの魂みたいなものなのかな。
フォルトナートがバラッドの塔へ踏み入るあの辺りがとても好きだ。「砕けて、なくなっちゃったね」の台詞がなんだか好きだった。
イファの性格が本当に良くて、主人公だな、救い手だな、という感じで栗原さんのことだからきっと素敵な終わり方をするんだろうなと思っていたら、ラストは素晴らしかった。これ映像にしたら綺麗だ……。しかし一方でフォルトナートの所行の悲しみと暗さがある気がするんだけれど、でも、本当に綺麗な光景が浮かんだ。
ひかわきょうこ「荒野の天使ども」「時間をとめて待っていて」「それなりにロマンチック」
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西部劇な世界が舞台。三人の不良少年ダグラス、ジョエル、カードは、八歳の少女ミリアムと出会い、なしくずしに彼女と彼女の保護者であるグレースの牧場で働くことに。時間が経ち、やがてミリアムは娘らしく成長してダグラスに思いを寄せるようになって。

「荒野の~」は冒険活劇な感じで、一人きりの人々がそれぞれ集まって家族になるっていうのがときめきです。「時間を~」と「それなりに~」は成長したミリアム(17歳)がダグラス(26歳)に迫ったり犯罪を解決する話(これが本筋)で、女の子のかっこよさが際立ってます。それでなんだかんだと素っ気ない自分を装いながらミリアムが気になって仕方がないダグラスがまたときめきです。かっこよさとときめき成分が詰まってます。
今思ったけど、ダグラスが好きなら樹川さとみ作品(小説)がおいしいと思う。


高瀬綾「くるみと七人のこびとたち」
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大好きな親戚のおにいちゃんが持ち帰った、古い装丁の本。それがうっかり開いたら、なんとくるみは本の世界の中へ。その本とはグリム童話。しかしその世界は物語とは少しずつ様子が違っており、なんとおにいちゃんは白雪姫と駆け落ちしたらしく。

グリム童話をパロディにしたもの。なかよしコミックス超超懐かしい。くるみは、白雪姫に駆け落ちされてしまった王子様カイルと七人のこびとたちと旅をして、少しずつ物語を修復していく、という話。ラプンツェルとか、つぐみのひげの王様とか、グリムのシンデレラが硝子の靴ではなく金の靴というのを知ったのもこの漫画からでした。子ども向けとは思えない結構シリアスな展開もあって、グリム童話を追うだけではない漫画。


秋元奈美「ミラクル☆ガールズ」
ミラクル☆ガールズ (1) (講談社コミックスなかよし (692巻))
双子の姉妹ともみとみかげは、お互いの間で超能力を発揮できるエスパー姉妹。しかしその秘密が漏れてしまったらどうなるか。みかげの憧れの倉茂先輩や、ともみといい感じの野田くんに、そのことがバレてしまう。そしてその力を狙う人々がやってきて。

きっと私の双子好きルーツはここだと思います。妹のみかげの方が好きだったんですが(みかげはインドアでぶりぶり洋服を着る)、ときめきだと姉のともみの方が好きです(ともみは運動神経抜群でしっかりもの)。現代ものとしてとても好きです。恋愛面はあー少女漫画だなーという感じですが、やっぱり好きなんですよね。この話で好きなのは、ディアマス公国の話。メインの話です。確か本誌で読んでたんだよなー懐かしいなー。


藤田まぐろ「ケロケロちゃいむ」
ケロケロちゃいむ (1) (りぼんマスコットコミックス (874))
深い森にあるかえる族の国。その姫ミモリは、侵入者の少年に出会う。水をかけられるとカエルになる魔法をかけられた少年アオイは、それを解くことの出来るミモリを探してやってきたのだった。二人の出会いと冒険は、やがて二つの種族の滅亡の真実を解き明かしていく。

少年少女っていえば、と思うと最近これが浮かぶようになりました。りぼんコミックス超懐かしい。本当に少女漫画なんですが、主人公のミモリのぼけぼけ具合と、アオイ少年のいざという時の男の子な態度がとてもときめきです。アオイがすごーくいい少年なんだよなー。二人がそれぞれ自覚していくのも子ども向け少女漫画ならではで好き。アニメも面白かったのですが、原作の方が終わり方は好きかなと思います。最終巻は若干えろいシーンが。子どもの時はすげーどきどきしてた。
今週はほとんど読めてないので、じゃあ私の備忘録でも書こうかなと、読んできた好きな少女漫画の話をしようと思います。しばらくお付き合いください。

中山星香「花冠の竜の国」
花冠の竜の国 (1) (秋田文庫)
英国に住むリゾレット・モーガンは、行方不明になった童話作家のひいおじいさまの書斎から異世界にトリップする。落下するリゾレットを救ったのは、銀髪碧眼の王子と、彼の乗る花冠を頭上に頂いた竜。そこはひいおじいさまが書いた彼女の大好きだった童話の世界だったのだが、しかし銀髪碧眼の王子エスターは物語の王子様とはまったく性格が違っていて。

母の所蔵本で小学生の時に読んだのですが、夢中になりました。コミックスでは最初五巻で一区切りつく感じでこの辺りがとても好きです。世界の王とか、王子様、竜、魔法使いなど、ファンタジー要素がぎゅっと詰まっていて、何より王子様エスターがかっこいいです。氷のように見えて実は優しいくせに無表情で鈍感で、大体天然で無鉄砲なリズがわがままを言うせいもあって喧嘩をしまくるのですが、仲直りの度に恥ずかしいバカップルになります。現在次世代編の「花冠の竜の姫君」が連載中のようです。読んでませんがこの二人がどうなってるのか気になります。


碧ゆかこ「はるか遠き国の物語」
はるか遠き国の物語 (1) (ソノラマコミック文庫)
とある王国の姫君アニース・ジャニースが所有するのは、かの有名な魔法のランプ。ランプの精を従えて、アニース・ジャニースは、次女のシェーラ、黒豹のアルダシール、婚約者のアラム・ディーン王子を振り回して今日も冒険に。

アラビアンな世界の物語。アニースがなかなか元気でかわいい女の子なのですが、婚約者のアラム・ディーン王子がまたかっこよくてですね。アラム・ディーンはクールで冷静な人ですが、アニースに対して甘い言葉を結構普通に吐いてくれるので、読んでる身としては「くううああああ」という感じです。好きな話は最終エピソードの、魔人の笛を探す話。少女漫画ならではの波瀾万丈(離ればなれ、記憶喪失)です。


山内直美「ざ・ちぇんじ!」
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平安の時代、大納言家に生まれた綺羅姫と綺羅君は、それぞれ異性の格好をして出仕。しかしバレたら大問題。ところが男の格好をした綺羅姫に結婚が決まり、女の格好をした綺羅君にはいずれ入内となる尚侍の話が持ち上がる。

氷室冴子さんの小説をコミカライズしたもの。「とりかえばや物語」がベース。これがちょー好きです。平安時代の話がとても好きになって、日本史の授業は楽しかった(が、いつも時間はほとんど割かれないという……)。義母姉弟の二人ですが顔がそっくりで、綺羅姫の元気のよさと少女漫画(帝とのあれこれ)にはも、綺羅君の大胆さ(自分から明かす)にもときめきました。同じ作者さんの「なんて素敵にジャパネスク」も平安ものでオススメ。
うさぎとトランペット (新潮文庫)
宇佐子は、転校生のミキちゃんを仲間はずれにするクラスの雰囲気に傷ついて、学校へ行けなくなった。微熱が続く夜明け、宇佐子は公園から響いてくるトランペットの音色に心惹かれる。ミキちゃんに誘われて町のウィンド・オーケストラでトランペットを習うことになった宇佐子は、きらめく音、ブラスの楽しさ、演奏する喜びを知る。音楽に解き放たれ、伸びやかな心が育っていく……(裏表紙より)

大人向けの児童文学みたいな文章で進む、音楽の物語。結構分厚い。前作「楽隊のうさぎ」の内容を覚えていなかったので、花の木中吹奏楽部の面々が誰なのか分からなかったけど、とても面白かった。
音楽の表現がいい。金色のくじらが泳いでいる感じとか、凍えた時間が溶け出したとか、音楽いいなあブラスいいなあというのを思い出した。
話の中で重大な位置を占める、誰かが周囲に寄って孤立させられる、というところが、結構リアル。何の悪意もなかったけれど、あの子変っていうので段々そういう空気になっていく。本当に嫌いとか苦手とかある場合、うまく隠して付き合うのが大人なんだろうな。
最後の締めくくりが「ベストフレンド」っていうのが暗示的。音楽と友達。宇佐子とミキちゃんが友達。
名前探しの放課後(上)名前探しの放課後(下)
依田いつかが気付いた時、そこはいつかの知る時間から三ヶ月前の日だった。何が起こってタイムスリップをしたのか分からず、話している間に、終業式の日に自殺したクラスメートのことを思い出す。だが同学年のどのクラスの誰が自殺したのかからないと、いつかは、相談した同級生坂崎あすならと放課後の名前探しを始めた。

さすが辻村深月という感じのすごい話の組み方だった!
上巻は泳ぎを教えるまでの話。上巻を読んでいたときは、いつかとあすなの視点が交互するのが辛いなと思っていた。その理由はちゃんと下巻で明らかになる。
いつかのキャラクターがいいなあ。チャラいけれど馬鹿ではない感じ。秀人が親友っていうのもなんか分かる気がする。椿ちゃんがかわいくて、天木はかっこいいけどこんな高校生いるのか! と思いながら楽しく読んだ。一番感情移入したくなるのはあすなで、派手な面々を遠巻きにする時のちょっと苦しいときの思いがよくわかる。
自殺者を探すという名目だけれど、仲良しが本当にいいなあ! いつかやあすなが、関わらないと思っていた人たちと日々を過ごしていくっていうのがすごくいい。
このままでは終わらないだろうなと思っていたら正にその通りで、自殺者が○○だったというのは衝撃だった。私はてっきりいじめっ子が自殺するんだと思ってた。でもよくこんなことを考えついたよな、みんな。いつかに引っ張られたってことかな。いつかとあすなの視点が交互するのは、真実を知る台詞の裏側を隠すためだったわけだな。本当にすごい。
ラストの始業式のシーンはぞくぞくした。息を詰めて読んだ。せつない。すごく、胸が詰まった。今まで何のためにやってきたかということが分かって、すごく泣いた。
「ぼくのメジャースプーン」再読推奨と言われていたので、人物だけぱらっと読んでいた。もしかして「ぼく」と「ふみちゃん」が出るのかと思っていて推理していたら、やっぱりのあの二人だった。二人とも素敵な青少年になったなあ。でもオチのつけ方はやっぱりこれを読んでいないといまいち分からないというのが不親切かも。郁也と理帆子も出てきて、総集編みたいな形で辻村信者としてはとても良かった。これはオススメ! でも「ぼくのメジャースプーン」と「凍りのくじら」必読。
グランドマスター!―姫総長は失業中!? (コバルト文庫)
カタブツ青年団長ハルさん率いる〈黎明の使者団〉は、諸国漫遊の旅からの帰途についていた。その道中、団員たちはどうも変態姫総長シーカの様子がおかしいと心配していた。そして久し振りに帰り着いた本部近くの街で、シーカが書き置きを残して忽然と姿を消してしまった! どうやら秘密はシーカの”力”にあるようで…!? 痛快コメディ・ファンタジー、怒濤の急展開!(裏表紙より)

急展開だった。前巻から出ていたシーカの秘密についての話が本格的に表に出てきた。この先が本格的に世界の救済がどうのになったら美味しすぎてどうしよう。
登場人物がそれぞれ個性があって面白い。尋問のシーン爆笑した。よく書き分け出来るなあ……。
シラスが結構お気に入りなんだが、彼が何故使者団に入ることになったのか気になる。前の巻に書いてあったっけ。なんとなくドゥルガとウマがあってたり、ハルさんに結構信頼を置いていたりしてるっぽいところが、なんかいい。
ハルさんがはっきりシーカを守ると決意したっぽいので、この先のときめきが楽しみ。
グッドラック―戦闘妖精・雪風 (ハヤカワ文庫JA)
突如、地球への進行を開始した道の異星体ジャム。これに対峙すべく人類は実戦組織FAFをフェアリイ星に派遣、特殊戦第五飛行戦隊に所属する深井零もまた、戦術戦闘電子偵察機・雪風とともに熾烈な戦闘の日々を送っていた。だが、作戦行動中に被弾した雪風は、零を機外へと射出、自己のデータを最新鋭機へ転送する——もはや人間は必要ないと判断したかのように。人間と機会の相克を極限まで追求したシリーズ第2作。(裏表紙より)

ものすごく、面白かった……。厚くて、冷静に熱い。ラストの余韻がしばらく抜けなくて、時間を置いてラストだけを何度も読み返してしまった。
一作目を読んだのは4月。その時の感想は「存在関係を深く書いた作品」と書いてあって、今回も結局零と雪風の存在関係を書いたのかな、それで最後がとても心に響いたのかも。
内容が濃すぎてどこを抽出すればいいのか分からないけれど、とにかくすごかった(私の鳥肌的に)のは雪風がコンタクトを取るところ。Lt.FUKAIの表示が出た時、零は冷静に受け止めているけれど、読んでいる身としてはぞくっとした。「戦略偵察・第二段階」「戦意再考」の時も、すごくわくわくして読むスピードが上がっていた気がする。
本当に雪風とコンタクトを取るところは面白かったなあ。それから、最後の「グッドラック」の章、特殊戦の面々がそれぞれに戦いに散っていくのがすごく盛り上がった。直前の会議のシーンもほのぼのしていて泣き笑いになりそうだった。
そして私は零が好きだ。「俺には関係ない」がまた。雪風とのコンビ(というにはこれを読んだ後では語弊があるかも)がすごーくすごーく好きだ。
マリア様がみてる―未来の白地図 (コバルト文庫)
試験休み、祐巳に柏木から電話がかかってくる。瞳子が家を飛び出して、戻ってこないのだという! 乃梨子や可南子など、心当たりに電話しようとする裕巳。しかし、捜すまでもなく瞳子は裕巳の家に現れる! 近所で帰宅途中の祐麒と出会ったのだった。瞳子に家出の事情を訊けないでいる裕巳だったが…! 裕巳と瞳子の関係に変化が…!? クリスマス・イブに何かが起こる、シリーズ最新刊!

見つけたら買って読むようにしています。取りあえず今はここまで。
話の進みがすごく遅くなっている気がするのはきっと気のせいではないと思う。三薔薇さまの卒業辺りまでが好きだったかもと思ったり。
この巻は「何となく」の重要さみたいなのが書かれていたと思うけれど、祐巳がどうして瞳子ちゃんがいいと思ったのかとか書かれるんでしょうか。そして個人的に黄薔薇の由乃さんがどうなるか気になります。
銀色ふわり (電撃文庫 あ 13-23)
 雪が降りそうな冬のある日。雑踏の中で僕はひとりの女の子とすれ違った。銀色の髪の、きれいな少女。なぜか、目が合った僕のことを驚いた顔で見つめていて……。でもそれはたった一度の偶然の出会い。なにも起こることはない、はずだった……。
 だけど数日後、僕は見知らぬ男女に連れられてその少女と再会する。デジタルツールを使わなければ誰からも知覚されず、誰のことも知覚できない”黄昏の子供たち”と呼ばれる特異な子供たち。少女は新たな進化のカギを秘めたその”黄昏の子供たち”の一人だった。
 互いに孤独を秘めた少年と少女が出会う、せつなく温かい物語。(カバーより)

切ない、と言うより、ラストの力強さが印象に残った物語だった。
文章はライトノベルというよりケータイ小説的かなと思う一文の短さで、さくさく読めるけれど、想像力を駆使しないとしんどいかも。最初のクラスメート女子の「あろはおえ〜」とか「なにを黄昏れちゃってるのかな?」など最初の、普通の生活、がどうも違和感でした。それくらい、そういう雰囲気がまったくない話だとあらすじでプロローグで思っていたので。
あらすじを読んだら人類の進化のカギというワードから陰謀ものかなと思うけれど全然そんなことはなくて、少年少女の出会いと一緒にいると決めることが書かれていたと思う。惜しいなーと思うのは、もうちょっと書き込みがほしかったからかも。ひとつひとつのエピソードはもっと膨らませがいがあると思うのになあと思ったり。

 これは僕の宣戦布告だった。この救いの無い理不尽な世界への。
「ここに」
 銀花がいる方角を指さし、微笑む。
「ここに女の子がいるんですよ、一人」


最初に書いた通り、終始漂う緊迫した危うさ、切なさと、ラストの力強さがとてもいいなと思いました。きゅん、というより、ふう……、だったと思います! オススメありがとうございました!
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Author:月子
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