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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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アンゲルゼ―孵らぬ者たちの箱庭 (コバルト文庫)アンゲルゼ―最後の夏 (コバルト文庫)
アンゲルゼ―ひびわれた世界と少年の恋 (コバルト文庫)アンゲルゼ―永遠の君に誓う (コバルト文庫)
東京から千キロ北東に浮かぶ神流島。中二の天海陽菜は毎日が息苦しくてならなかった。誰にも嫌われたくない、目立ってはならない、という不安と、圧迫的な軍事訓練の重圧などで疲れ果てていた陽菜は、安らぎを求めて、森の奥にいる「マリア」に会いに行くのだが、そこに見知らぬ少年がやってきて…。目も眩むような奇跡が陽菜の生活を塗りかえる…!? 衝撃のミステリアス・ファンタジー始動!(孵らぬ者たちの箱庭 カバー折り返しより)

中学生らしい悩みと、軍事訓練という非日常にどきっとする一巻目。湊という存在で少しずつ良い方向に転がるのかと見せつつも、ずっと底の方には不穏の気配が流れていて、いつ爆発するのかと気が気じゃなかった。なので天使病が出たとき「うわああああ」と絶望した。陽菜に辛すぎる。
陽菜自身の性格もあるけれど、本当は責める資格なんて誰にもないような気がするな。嫌いというのは分かるけれど、それを盾に人間を邪険にすることはどうかなと思う……。でもみんなうまく行くなんてないんだよな。難しい人間関係がリアルに書かれていてすごいと思った。

2巻は訓練という形で覚悟の一段階目が出来たからか、陽菜の感情がストレートになってきている感じ、かな。
尾田教官良いキャラ。お願いだから支えになって、と思いつつ、きっと任務に忠実な彼女はそれ以上にはならないんだろうなと思うと切ない。あくまでも陽菜は自分自身で戦わなきゃならないんだよな……。
敷島の青春観察が面白い。ばかなおとなめ! ひどい人間のくせに! と思いつつかわいいと思うのは止められないのだった。尾田たちが付き合うのは、彼の人徳のおかげなんだろうか。確かに非情なところがある人だが、憎めない人だと思う。
初の実戦があって陽菜が力の使い方が分かったところで、夏が終わる。最後の夏ってサブタイトルがうわああああん。

誰の世界がひびわれるのか、というのが3巻。この巻から文字がちょっと小さくなってぎっちり詰まっている印象を受けた。行間が狭くなったみたいだ。
樋口ちょーうさんくせーと思いつつ、アイス話の三人仲良しがかわいかった。アイスを食べて、話が進むにつれて実戦と陽菜の必要な『食事』のことがあって、という対比が怖いというか、うわあああという思うことがやっぱり多い「アンゲルゼ」。
覚野が来るのが切なかった。彼自身のきっかけや、「ここにいられる」の言葉がもんどりうつくらい切なくて胸が痛かった。青春ー! 陽菜を取り巻く世界が厳しすぎるせいで、青春が痛甘酸っぱいになってるよー……。
それでラストに敷島の問題発言。あれは、本当の意味での? それとも比喩?

最終巻は分厚いしぎっしり。
敷島と有紗の関係は、戦友であり親子に似たものだったと思うよ……。惜しむということは心を少し渡しているんだから、きっとそうだ。他にも湊自身の戦いがあって、写真の話には涙をこぼしてしまった。
そしてお前かー! という人がロンでした。敷島と東の連係プレーもちょう格好良かった! 軍事ものならではの上司と部下の阿吽の呼吸! しびれる!
一方で冬の町の一幕がまた寂しいというか、甘酸っぱいというかで。孵化のシーンは綺麗だったけれど別れの気配があって唇を引き結んで必死に涙をこらえてました。もーちゃん、十四歳で未来を誓えるあなたはきっと素敵な大人になれると思う。
ああ、あともう一巻あったらよかったのにと思う分厚さと、敵対勢力側女王蜂の存在とか、惜しい楽しみがありました。
敷島の手紙はいい。おっさんの手紙なんてなんてロマンチックなんだ。
とにかくめちゃくちゃ、読んだ! と思える素敵小説でした。同人誌楽しみだー!!
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グランドマスター!―あらたなる旅立ち? (コバルト文庫)
誘拐された姫総長・シーカをとり戻した〈黎明の使者団〉一行。ミトラーダ修練会も落ち着いて、早々と旅立った使者団が向かったのは、一見平和で鄙びた町だった。ハルセイデスは、その町のミトラーダ支部にいる、ある人物に会いに来たのだが、その人物は法皇に所縁のある男だった。その頃、町では不穏な動きが…!? カタブツ青年団長・ハルセイデスの苦難と世直しの旅、第2章開幕!(裏表紙より)

終わったんじゃなくて良かった……! という声があちこちから聞こえてくるサブタイトルでした。本当に新たなる旅立ちで安心。
ハルさんがすっかりシーカを守る覚悟を決めた感じ。団員たちに対する厳しさも、これから起こるであろう戦いのためなんだろうなと切ない。ノリはいつも通りだが、ときどき挟まる誘拐時のシーカとハルの様子がどきんとする。髪を拭くシーンはときめいたけど笑った。さすがゴーレム。グランドマスター! の素敵ポイントは、ゴーレムと天然総長の意地の張り合いや駆け引きにあると思うの!
この巻ではどこにいるんだろうと思っていた黒衣青年シラスの過去の伏線が。この話の結末がどこにいくのか分からないので、楽しみにしています。
赤×ピンク (ファミ通文庫)
幼さと、かよわさと必死な姿で、常にショーで人気ナンバーワンのまゆ十四歳——(実は躁鬱の激しい二十一歳)、魅せることに至上の喜びを感じる女王様、ミーコ——(実は恋に悩むSMの女王様)、女の子にモテモテなのに女性恐怖症の皐月——(実は……)

彼女たちが毎夜働くのは、廃校の校舎を改築した非合法ファイト倶楽部。それぞれ、秘めた思いを胸に戦っている——。驚天動地のラブ&アクション!(裏表紙より)

もっとアングラ系(「池袋ウエストゲートパーク」みたいな)かなーと思って読むのびくびくしてたけれど、読むと少女たちに焦点を当てられたさっぱりした現実のお話だった。
まゆが一番分からないなー。死体は分かるんだが、心理がよく分からない。生きることが書かれていると思ったので、一番現実としてリアルな、生活を営んだり命を生み出したりする『家庭』を築くという命への道の方向に、まゆ十四歳を死体として置いていった、というのはいいんだけど、何故ケッコンマニアだ。ケッコンマニアが生に執着している、子孫を残そうとしている、という執着の実体だからだろうか。
ミーコはSMの女王様なので、ミーコの話はぐちゃぐちゃどろどろなのかと思ってたら、実はかなりかわいかった。エロくもグロくもない。師範代がかわいいよ。多分一番かわいいと思う。
戦うことっていうのは、何も戦闘ということではなくて、自分と戦ったり、何かを見つけ出そうともがいたり、自分や世界を問うたりすることなんだなと思った。自分でも何を言ってるか分からないな。
月魚 (角川文庫)
古書店『無窮堂』の若き当主、真志喜とその友人で同じ業界に身を置く瀬名垣。瀬名垣の父親は「せどり屋」とよばれる古書界の嫌われ者だったが、その才能を見抜いた真志喜の祖父に目をかけられたことで、幼い2人は兄弟のように育った。しかし、ある夏の午後起きた事件によって、2人の関係は大きく変っていき……。透明な硝子の文体に包まれた濃密な感情。月光の中で一瞬魅せる、魚の跳躍のようなきらめきを映し出した物語。(裏表紙より)

とても良かった。綺麗だった。古書店、というキーワードにびびっと来て買っておいたものを積んでいたのだけれど、もっと早くに読めば良かった!
真志喜と瀬名垣の関係が、お互いに離れなければならないのに離れられなくて、お互いがとても大切で……という罪の意識と愛情とがとても透き通って描かれていて、思わずときめいた。男同士なのに。
三浦さんの作品は「仏果を得ず」と「風が強く吹いている」が好きなんだが、「月魚」も加えたい。「秘密の花園」といい、幅広い作品が書ける方なんだなあ。
なんだか映画をじっくり見た感じで、とても素敵だった。オススメ!
ちいさなちいさな王様
ある日、ふらりと
僕の部屋にあらわれた、
僕の人差し指サイズの
気まぐれな小さな王様。(カバー折り返しより)

児童書なのか絵本なのか。哲学的言葉遊びみたいなお話。
生まれた時は大きくて、年を取れば段々小さくなり、本当に小さくなって見えなくなってしまう王様の一族。僕の目の前に現れる王様も、例に漏れない。
4の「命の終わりは永遠のはじまり」が好きだ。

「(前略)たとえば、きみのお父さんが、もう見えないくらい小さくなったからといって、それは、彼がいなくなってしまったことにはならないだろう? もしかしたら、きみのお父さんは、僕たちのすぐ近くにいるかもしれないんだから。(略)つまり、きみたちのところじゃ、どんどん果てしなく小さくなり続けるから、命の終わりもないんじゃないかって、僕は思うんだけど」


人の死後の、魂や記憶のことを思った。
三匹のおっさん
還暦をじじいにくくられるなど我慢できない。定年退職後、アミューズメントパークに再就職した剣道師範のキヨ、柔道家で呑み屋の元亭主シゲ、機械いじりの天才の工場主ノリの三人は、幼い頃のように三人集い、自警団を結成した。ご町内の悪成敗、孫と娘の恋心、おっさんたちの活劇小説。

面白いよー面白いよー。有川さんの小説は気持ちがいいなあ!
おっさんたちがすっごくかっこいいし、孫の祐希と娘の早苗の恋模様がすっごくいい。キヨと祐希のコンビがいい感じにはまっていて、こういう関係っていいなあとにこにこしてしまう。こういう風に綺麗なところもあるけれど、第四話みたいな暗い部分も絶妙だった。本当に素敵な小説を書かれるよなあ……!
青嵐の花嫁 栄冠翔破 (講談社X文庫 もB- 11) (講談社X文庫―ホワイトハート)
 花冠は、可憐な容姿とは裏腹に、恋には見向きもせず士官学校での厳しい訓練を乗り越え、トップの座に。
 ところが、御前大会で公子を打ち負かしたことから運命は一転、下位の舞台に配属される。
 希望を見失いながらも、将軍巴青炎に追従し、敵と戦ううちに、人を守り愛することを知っていく花冠。
 そして、「あなただけの王を見つけなさい」という母の言葉を思い出すとき、動き始めた心の行方は!?(裏表紙より)

時代が違っていたなら、花冠は珠枝みたいになってたかもしれないし、珠枝は花冠みたいな道を選んでたかもしれないなあと思ったりした。なんとなく生まれが似ているような気がする。
今までシリーズ読んできたけど、ラストの綺麗さナンバーワンです。そして全体的にとても元気が良くて、読んでいて元気になれる。集う仲間たち、の設定がとても好きなのです。二人きりの戴冠式みたいなのとか、これからも先に進んでいく、というのがとても良かった。
是非、青炎と花冠と銀水の三角関係ありの建国記にして頂きたい。この人らどっかで国興してる気がするのだ。
孤峰の花嫁 霞彩包懐 (講談社X文庫―ホワイトハート)
 親をなくし、明国の小さな村でひとり暮らす潤霞は、ある日、森で傷を負った男を助ける。彼はこの国の王雪峰だった。この時から潤霞の人生は一変。見初められ後宮へ誘われた娘は、瞬く間に寵妃へと昇りつめる。
 しかし、そんななか、王が自分を慈しむ理由を知ることとなり苦悩する潤霞——私は、最愛の人の身代わりなのか——と。絆をなくした二人、その愛の行方は?
 森崎朝香の真骨頂。純愛物語がここに幕を開ける!!(裏表紙より)

村娘が王に見初められ王宮へ、だが彼が自分を愛してくれる理由は、彼がかつて愛した人に瓜二つだから——という、ここでときめいたら多分買いだと思われます。王宮での詮無い噂話とか、正妃との話とか、間男とか、陰謀とか戦争とか、少女小説要素満載です。個人的にすれ違いがとっても美味しゅうございました。あらすじを裏切らない美味しいすれ違い。すっごくうるさく言うのなら、意外と潤霞が苦労してないっぽかった気がするので、もうちょっとその辺り見たかったかもとか。
そしてやっぱりハッピーエンドがちょっとずれてるよ! でもこういう国が興り潰えていく世界観のお話には仕方がないのかなあ。
玄天の花嫁 嬌鳥待望 (講談社X文庫ホワイトハ-ト)
 琴の名手として名高い琉国公主・綺嬌は、兄王と国の安寧を願い側室として隣国のエン(炎にりっとう)へ嫁ぐことに。
 しかし、まだ十八歳の娘を待ち受けていたのは、年の離れた王の暴君な振る舞いと、正妃の嫉妬に悩む日々。
 そんななか、綺嬌は旅の楽士である玄と出会い、彼の吹く笛の音に心癒される。やがて、互いの奏でる音に想いを寄せ合い、玄は綺嬌を救い出そうとするが……。
 国を揺るがす過酷な運命が迫り来る二人は、いま!?(裏表紙より)

花嫁シリーズ5弾。音楽と生きることがテーマかしら。
か弱く病がちな公主・綺嬌が主人公……というより、あんまり主人公らしくなくて大人しい感じな気がした。どちらかというと、玄の方が奮闘していたような。主人公二人という感じかな。そういう風に考えると、玄の闇の部分をもっと見たかったかも! せっかく渋い養父がいるのに! あれ、と考えると私はもしかして養父の話が読みたかったのかしら(おじさん趣味)
びっくりなことに幸せなあの夫婦が登場してにやにやしてしまった。奥さんがちょっと大人しくなったのは、子どもがいるからだろうか。旦那様は相変わらず素敵ヒーローぶりでときめいてしまった。娘さんが生まれましたが、私は祥麟の『激しい愛』が見たいです。
綺嬌と玄は後は心穏やかにあれたようで良かった。ていうかやっぱりハッピーエンドがちょっとハッピー! って感じじゃないよ!
カオス レギオン 聖戦魔軍篇(富士見ファンタジア文庫)
 銀髪の男の腕に抱かれ、女はまるで眠っているように見えた。
 その胸から流れ出る血は、すでに勢いを失っている。
 男は凄まじい形相でこちら——赤髪の男が手にした聖咎の剣(インドルガンツィア)を見つめた。血に濡れた剣は、二人を戻れない未来へと誘ってゆくのだった……。
 天界と堕界を分かつ混沌(カオス)の大地、アルカーナ大陸。その地で、赤髪の黒印騎士(シュワルツ・リッター)ジークはある男を追っていた。名をドラクロワ。かつて理想を掲げ合い、共に戦った友。だが、今は倒すべき相手。二人の間に一体何が? その決着とは?
 一途ゆえに切ない者たちの戦いが今始まる! 消せない絆を賭けた、大軍勢バトル・ファンタジー!! 招け、《軍勢(レギオン)》!!!(カバー折り返しより)

このシリーズ、時系列が分からなくてどこから読んだらいいものかと悩んだんだが、完結してるっぽい無印を読んでみた。
ジーク、ドラクロワ、シーラの悲劇の前提があって、物語はドラクロワを追うものとなっている。回想が挟まるのでその辺りちょっとしんどかった。本当にアニメとかの『回想』みたいな書き方だったので。
物語はとっても熱かった! ノヴィアの事情が簡単に書かれているだけなので、多分数字の巻に入っているんだろうと思っている。ジークの過去に焦点が当たっているので、ジークという人物がどういう人物かよくわかるものだったし、これはジークの物語だったんじゃないかなあ。ジークと、ドラクロワと、シーラ。ラスト良かった。ベタと言われても良かった。ジークが過去から続く現在に囚われていたのだから、現在から続く未来に何を見出すかというのももっと見たかった気がする。
とても面白かった!
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Author:月子
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