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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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グッドラック―戦闘妖精・雪風 (ハヤカワ文庫JA)
突如、地球への進行を開始した道の異星体ジャム。これに対峙すべく人類は実戦組織FAFをフェアリイ星に派遣、特殊戦第五飛行戦隊に所属する深井零もまた、戦術戦闘電子偵察機・雪風とともに熾烈な戦闘の日々を送っていた。だが、作戦行動中に被弾した雪風は、零を機外へと射出、自己のデータを最新鋭機へ転送する——もはや人間は必要ないと判断したかのように。人間と機会の相克を極限まで追求したシリーズ第2作。(裏表紙より)

ものすごく、面白かった……。厚くて、冷静に熱い。ラストの余韻がしばらく抜けなくて、時間を置いてラストだけを何度も読み返してしまった。
一作目を読んだのは4月。その時の感想は「存在関係を深く書いた作品」と書いてあって、今回も結局零と雪風の存在関係を書いたのかな、それで最後がとても心に響いたのかも。
内容が濃すぎてどこを抽出すればいいのか分からないけれど、とにかくすごかった(私の鳥肌的に)のは雪風がコンタクトを取るところ。Lt.FUKAIの表示が出た時、零は冷静に受け止めているけれど、読んでいる身としてはぞくっとした。「戦略偵察・第二段階」「戦意再考」の時も、すごくわくわくして読むスピードが上がっていた気がする。
本当に雪風とコンタクトを取るところは面白かったなあ。それから、最後の「グッドラック」の章、特殊戦の面々がそれぞれに戦いに散っていくのがすごく盛り上がった。直前の会議のシーンもほのぼのしていて泣き笑いになりそうだった。
そして私は零が好きだ。「俺には関係ない」がまた。雪風とのコンビ(というにはこれを読んだ後では語弊があるかも)がすごーくすごーく好きだ。
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マリア様がみてる―未来の白地図 (コバルト文庫)
試験休み、祐巳に柏木から電話がかかってくる。瞳子が家を飛び出して、戻ってこないのだという! 乃梨子や可南子など、心当たりに電話しようとする裕巳。しかし、捜すまでもなく瞳子は裕巳の家に現れる! 近所で帰宅途中の祐麒と出会ったのだった。瞳子に家出の事情を訊けないでいる裕巳だったが…! 裕巳と瞳子の関係に変化が…!? クリスマス・イブに何かが起こる、シリーズ最新刊!

見つけたら買って読むようにしています。取りあえず今はここまで。
話の進みがすごく遅くなっている気がするのはきっと気のせいではないと思う。三薔薇さまの卒業辺りまでが好きだったかもと思ったり。
この巻は「何となく」の重要さみたいなのが書かれていたと思うけれど、祐巳がどうして瞳子ちゃんがいいと思ったのかとか書かれるんでしょうか。そして個人的に黄薔薇の由乃さんがどうなるか気になります。
銀色ふわり (電撃文庫 あ 13-23)
 雪が降りそうな冬のある日。雑踏の中で僕はひとりの女の子とすれ違った。銀色の髪の、きれいな少女。なぜか、目が合った僕のことを驚いた顔で見つめていて……。でもそれはたった一度の偶然の出会い。なにも起こることはない、はずだった……。
 だけど数日後、僕は見知らぬ男女に連れられてその少女と再会する。デジタルツールを使わなければ誰からも知覚されず、誰のことも知覚できない”黄昏の子供たち”と呼ばれる特異な子供たち。少女は新たな進化のカギを秘めたその”黄昏の子供たち”の一人だった。
 互いに孤独を秘めた少年と少女が出会う、せつなく温かい物語。(カバーより)

切ない、と言うより、ラストの力強さが印象に残った物語だった。
文章はライトノベルというよりケータイ小説的かなと思う一文の短さで、さくさく読めるけれど、想像力を駆使しないとしんどいかも。最初のクラスメート女子の「あろはおえ〜」とか「なにを黄昏れちゃってるのかな?」など最初の、普通の生活、がどうも違和感でした。それくらい、そういう雰囲気がまったくない話だとあらすじでプロローグで思っていたので。
あらすじを読んだら人類の進化のカギというワードから陰謀ものかなと思うけれど全然そんなことはなくて、少年少女の出会いと一緒にいると決めることが書かれていたと思う。惜しいなーと思うのは、もうちょっと書き込みがほしかったからかも。ひとつひとつのエピソードはもっと膨らませがいがあると思うのになあと思ったり。

 これは僕の宣戦布告だった。この救いの無い理不尽な世界への。
「ここに」
 銀花がいる方角を指さし、微笑む。
「ここに女の子がいるんですよ、一人」


最初に書いた通り、終始漂う緊迫した危うさ、切なさと、ラストの力強さがとてもいいなと思いました。きゅん、というより、ふう……、だったと思います! オススメありがとうございました!
ホルモー六景
短編六話収録。前の話のモチーフを一つ引き継いで、過去から未来の話まで。
「丸の内サミット」と「長持の恋」が面白かったなあ。特に「丸の内サミット」、どこでもこんなのあるんかい! と突っ込んでしまったが、どうやら場所によってホルモー内容が違うという印象を受けた。「長持の恋」は時を越えたらぶもの。京都という場所ならではの話だった。
ホルモー二冊読んだけれど、本当に場所の設定がとてもすごく生かされていて、すっごく面白くて京都に行きたくなる。京都ならではの物語だった。
鴨川ホルモー
京大に入学した貧乏男子学生が葵祭の帰りにビラをもらった。微妙に古臭いビラにはダサイサークルの名前。食費を浮かそうと新歓に顔を出していたのでそれにも出てみたら、同じ新入生の女子(の鼻)に一目惚れをしてしまった。そしてずるずる居着くことになったところ、サークルの本来の姿が明らかになって……という話。
「ホルモー」という小さな合戦が描かれるけれども、どちらかというと男子学生の悶々が描かれる感じ。現実が舞台なのに不思議な世界観の青春。一人称なところがなんか笑えて面白かった。楠木さんが突然格好良くなってびっくりした。そして主人公はちょっと不甲斐ないな。しかしそこが面白い。
アップフェルラント物語 (光文社文庫)
 20世紀初頭のヨーロッパ。アップフェルラント王国の孤児ヴェルは、囚われの身の少女フリーだと運命的な出会いをした。彼女の手には前世界を揺るがしかねない、王国に隠されたある重大な秘密が! ヴェルは好漢フライシャー警部とともにフリーダを救出。しかし、強大なドイツ帝国軍の魔手もすぐそこに迫っていた——。
 心躍る波瀾万丈の冒険小説!(裏表紙より)

分かりやすくて楽しい物語だった。時代設定がはっきりしているのと、子ども向けを意識しているような、まっすぐな少年ヴェルが主人公。フライシャー警部は手助けしてくれるかっこいい大人として描かれているように思ったので、児童文学的な印象。少年少女、警部、男装の麗人、王国の秘密、大国の陰謀、蒸気機関車、飛行機、がキーワード。男装の麗人アリアーナがかっこよくて好きだ。フライシャー警部といい感じでまた楽しい。ラストのオチのつけ方がなるほどすごいな! という感じで、これはヨーロッパを舞台にしないと書けないなと思った。
凍りのくじら (講談社文庫)
藤子・F・不二雄を「先生」と呼ぶ、その作品を愛する父が失踪して5年。高校生の理帆子は、夏の図書館で「写真を撮らせてほしい」と言う一人の青年に出会う。戸惑いつつも、他とは違う内面を見せていく理帆子。そして同じ頃に始まった不思議な警告。皆が愛する素敵な”道具”が私たちを照らすとき——。(裏表紙より)

ノベルスで一度読んだ。痛くて苦しくて切なくて泣いた。
理帆子の立ち位置がなんとなく分かる。誰とも仲良く出来るけれど、繋がれないと思っている。本当はみんなが好きだけれど、自分は嫌いという思考が見えた気がした。見下してしまったり、一人だと思い込んだり、寂しさを遊びで埋めたり、は、とても若い。読むと苦しい青春だと思う。
見所は、理帆子がつながっていくところと、若尾が段々怖くなるところ。
もう導入から好きだ。照らす必要があるから、と答えるようにしている、理帆子の光への思いの強さ。辻村さんの人物の書き方はリアルで、どんな部分も綺麗に見える。文章がとても好きだ。
後の理帆子が少しだけ出てくるのは「スロウハイツの神様」。ふみちゃんは「ぼくのメジャースプーン」の登場人物か。まとめないかなと思ってWikiを見たところ、理帆子は「名前探しの放課後」にも出てるらしい。
七姫物語〈第4章〉夏草話 (電撃文庫)
 七人の宮姫が立つ世界、東和の地。
 七宮の称号を持つ空澄姫は対立していた三宮常磐姫と会談し、その和解を人々に示した。だが、各勢力との対立はまだ続く。
 そんな最中、空姫と呼ばれる少女は、市井の少女カラスミとして、ツヅミの街に立っていた。そこはかつて、琥珀色の姫を掲げていた水都ツヅミ。人々を見上げ、出会い、すれ違い、そして再会し、少女は歩き続ける。そして、その眼差しは探していた光景を見つけ出す——。
 少女カラスミが見つめる世界。
 第9回電撃ゲーム小説大賞〈金賞〉受賞作、待望の第4弾! 七姫物語第四章「夏草話」開幕。(カバーより)

見つけたら読むようにしている。発行ペースがとても遅い。今のところ五章まで出ているらしい。
カラが見つめる世界、ということからか文章がとても幼い。そして短い。その辺りが今回久しぶりに高野さんの文章を読んでなんだか違和感だった。世界感はとても好き。対立したり和解する七人の姫君という人物は魅力的だし、物語が少しずつ動いているのも、思惑が絡み合う群像劇で楽しい。でも文章をもっと濃くしてほしいかなと思う。なんだかじりじりするんだ、カラとヒカゲをもっと大人に!
クレオパトラの夢 (双葉文庫)
シリーズ第一作『MAZE』で非凡な才能を見せた神原恵弥。その彼が北国のH市を訪れた。不倫相手の追いかけていった双子の妹の和見を連れ戻すためだが、もう一つ重大な目的があった。それはH市と関係があるらしい「クレオパトラ」と呼ばれるものの正体を掴むこと。人々の思惑や駆け引きが交錯するなか、恵弥は何を知ったのか。粉雪舞う寒空に広がる、恩田陸の夢幻のイマジネーション! 解説・三浦しをん(裏表紙より)

なんの偶然か解説がしをんさんだった。びっくりした。
恩田陸を夏以来読んだ。この文章がすぐ馴染んできて、成分補給した。
「MAZE」をもうほとんど覚えていないので、恵弥の頭の良さにびっくりする。恩田さんは女性たちが喋りあっている、というのが好きだとどこかで読んだ気がするので、男で女な恵弥が主人公でもとんとん進む会話に性差の違和感はない感じ。
そういえば「冷凍みかん」の話を聞いたことがあるんだよなあと思っていたら、この本で読んだのか! 「冷凍みかん」は「朝日のようにさわやかに」に収録。今見たら記事にしていなかったみたいだったので上げておいた。
乙女なげやり (新潮文庫 み 34-7)
ひとはいつまで乙女を自称しても許されるものなのか。そんな疑問を胸に抱きつつも、「なげやり」にふさわしいのは、やっぱり乙女。熱愛する漫画の世界に耽溺し、ツボをはずさぬ映画を観ては、気の合う友と妄想世界を語り合う。気の合わない母との確執も弟とのバトルも、日常の愉楽。どんな悩みも爽快に忘れられる「人生相談」も収録して、威勢よく脱力できる、痛快ヘタレ日常エッセイ。(裏表紙より)

エッセイものをこれまで読んでこなかったけれど、三浦さんのエッセイを読んでから色々手を出してみるようになった。で、これは2004年7月のものを文庫化したもの。
登場人物が本当に面白い。こんな面白い人々が本当にいるのだろうかと思ってしまうくらい。人の日常の面白さを三浦しをんエッセイで知りました。

「俺の胃、粗悪品」のお父さんが面白い。
「ドアガ アイテイ マス」
「ちょっと待てと言ってるだろう! 融通のきかない女は俺は嫌いだ!」

なんかうちの父と微妙にかぶる。ネットでちょっと検索がうまく出ないと「だから世界って優しくないのよね」と芝居がかった口調で言った、我が父に。
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Author:月子
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