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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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図書館の神様
バレー部のエースだった早川清。部員の一人が自殺したことで、正しく清い道から外れた。それまでの道から一転地方の私大に進学したあと、清はある高校で国語の講師として働き始める。部活動顧問は、望んでいたバレー部ではなくて文芸部。しかも部員は一人だった。

青春らしい青春を過さなかった若い女性がもう一度青春する話と受け取った。
清は先生らしくない先生で、正直なめてるので、世の文学人間と教職の講義を真剣に受けている学生はむっとしそうだが、しかし段々と文学を楽しんでいく課程はとてもわくわくした。授業も面白くなって生徒に受け入れられていくのは、段々と信頼を得ていくのが分かって嬉しかった。
垣内くんが他の生徒とどう過ごしているのかという視点があったら少女小説かな。垣内くんが誰よりも大人であるように見えるのは、清が子ども過ぎるからか。二人セットでちょうどいいということか。
しかし先生らしくない先生というのが、大人と子どもの中間の位置にいる感じがしてすごーく良かった。大学生が読んだらいいと思うよこれ。しかも教職目指してる人(最初むっとするだろうけど)
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ザ・万歩計
2008年3月25日第一刷発行のエッセイ。

万城目さんの本は読んだことがないのでこれが初。経歴も知らない不届きものです。すみません。
エッセイはあんまり読んだことはないけれど、私のイメージの「エッセイ」らしいエッセイだったように思う。
冒頭の「「はじめに」にかえて 風が吹けばエッセイを書く」がなかなか面白かったので読んだ。
Gとの戦いを書いた「御器齧り戦記」がなんか好きだったが、実際に体験したらぞーっとする(この前初めて飛翔するアレに遭遇した……)
「マジカルミステリーツアー」の謎1
(前略)泥だまりのなかで呻いていると、近くの民家からわらわら人が出てきた。
「痛いの?」
 と訊かれ、「とても痛いです」と答えると、両脇を抱えられ、ゴザのようなものが敷かれた場所へ運ばれた。

のところ、映像で再生されて吹いた。多分あれだ、「動物のお医者さん」の大学病院の密集地域で事故った人に群がってくるのに似ているからだ。
でもまあ「マジカルミステリーツアー」は「鼻しゅっしゅ」の話だけど。
帝国の娘 (前編) (コバルト文庫―流血女神伝)帝国の娘〈後編〉―流血女神伝 (コバルト文庫)
カリエ、十四歳。彼女は、ルトヴィア帝国の国境にほど近い小さな山村の猟師の家に育った。ある冬の日、カリエは、いつもは女の身で狩りに出ることを快く思っていない父親に、珍しく「狩りに行け」と命じられた。吹雪の森の中、獲物を求め歩いていたカリエの前に突然現れたエディアルドと名乗る貴族風の男。「おまえを迎えに来た」——気を失わされたカリエが攫われていった場所というのは…!?(前編・カバー折り返しより)

流血女神伝シリーズ一作目。色々な方向から話を聞いて、密林探索した。
入れ替わり劇で陰謀劇で壮大な物語の幕開けが。世界観が結構はっきり決まっていて、これは濃いファンタジーになると思った。ときめきかと思えばあまりそういう要素はない。カリエの成長がときめきかも。グラーシカと対等に渡り合うという辺りとか、堂々とした振る舞いにときめくかも。グラーシカが輝いていた気がする。私は彼女が好きだ。しかしサルベーンはうさんくさい。エディアルドはヅンヅン(ツンツンの上)しすぎ。
皇子宮の日々は結構平和だけれど、サルベーンが出ると物語がじわじわ動き出していくのが分かる。もしくは彼によって動き出されているのか。ラクリゼさんがとても好きだ。ただものではない感じで、挿絵にとても射抜かれた。
まだカリエは何も知らないということがよく分かった一作目だったように思う。知っているのは一部の人のみで、まだまだ始まったばかりだと。
兄上たちの思いが痛かった。ドーンもシオンも納得のいく思考だと思った。ミュカはこれからどうなるんだろう。エド以外では味方になってくれそうなのに。
タイトル通りというか、きっとかなり女性が強いシリーズなのだろうという想像を巡らせている。
ブラック・ベルベット―神が見棄てた土地と黒き聖女 (コバルト文庫)
十年戦争で荒れ果てた無法地帯バレン。そこで働くロキシーの前に突然現れた黒ずくめの美少女キリは、ハルという神父を探してひとりで旅をしていた。彼女の無謀さを危ぶむロキシーだったが、キリの戦闘能力は半端ではなく、近所のキメラを次々と狩って賞金を稼いでいく。あまりの強さにキリが三大賞金首のひとりではとの噂が流れ、街を牛耳る野心家のウォルニー神父に目をつけられるが——。(カバー折り返しより)

勝手なイメージでゴシック系な話かと思ったら、近未来バトルファンタジーだった。そして少女たちが主人公でこれは……と一冊読んだ。
読んだ印象は明るく派手でありながら地味というか。冒頭という感じでキリの正体がいまいち掴めないからだと。しかし「漆黒の聖女」というのはかなりきた。少年漫画的な展開ながら、少女が主人公で、地の文が軽くなくてどっしりしている感じですごく好きだ。少女革命ものみたいだけど、らぶが欲しいですとわがままを言いたくなるほど、須賀さんのらぶって美味しそうだと思う。
期間 7月30日〜9月19日

青木祐子「ヴィクトリアン・ローズ・テーラー 恋のドレスとつぼみの淑女」集英社コバルト文庫
有川浩「空の中」角川文庫
伊坂幸太郎「死神の精度」文春文庫
冲方丁「オイレンシュピーゲル壱」角川スニーカー文庫
冲方丁「ばいばい、アース I理由の少女」
    「ばいばい、アース II懐疑者と鍵」
    「ばいばい、アース III爪先立ちて望みしは」
    「ばいばい、アース IV今ここに在る者」角川文庫
恩田陸「蛇行する川のほとり」中公文庫
・恩田陸「上と外 上」
    「上と外 下」幻冬舎文庫
桜庭一樹「GOSICK」富士見ミステリー文庫
小路幸也「東京バンドワゴン」集英社文庫
・辻村深月「子どもたちは夜と遊ぶ 上」
     「子どもたちは夜と遊ぶ 下」講談社NOVELS
豊島ミホ「檸檬のころ」幻冬舎文庫
梨木香歩「西の魔女が死んだ」新潮文庫
梨木香歩「村田エフェンディ滞土録」角川文庫
橋本紡「流れ星が消えないうちに」新潮文庫
パウロ・コエーリョ「アルケミスト 夢を旅した少年」角川文庫

これを機会に積んでいた本をごっそり読もうという感じで初読本・再読本合わせて20冊。結構ライトな方向に傾いてます。夏休みいっぱいを使って読書しまくるぞー。

追記
9月22日、記事を書き終えてアップし終えました。その作業だけが間に合わなかった……。
時間が足らないと分かった時点で未読本をメインに読み始めて、なんとか積み本を崩すことができました。
ひとまず、お疲れさまでした。
西の魔女が死んだ (新潮文庫)
中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、西の魔女のもとで過した。西の魔女ことママのママ、つまり大好きなおばあちゃんから、まいは魔女の手ほどきを受けるのだが、魔女修行の肝心かなめは、何でも自分で決める、ということだった。喜びも希望も、もちろん幸せも……。その後のまいの物語「渡りの一日」併録。(裏表紙より)

中学生のときに初めて読んで泣いた、私の最初の梨木作品。
日々がきらきら光に輝いていて、影はずっと影として深く描かれているように思う。まいのゲンジさんに対する嫌悪感は、子どもらしい潔癖さに溢れているように思う。これが「生きにくい」と言われてしまうと、どんどんどこへも行けなくなってしまうのだけれど、まいの幸福はおばあちゃんがいたことだと思う。
ラストは光に溢れていた。「光」は「愛」だと思う。「村田エフェンディ滞土録」では雲間から一瞬差す淡い光という感じだったけれど、この作品では身体全身に浴びているように思う。
まいが魔女になるということは、おばあちゃんの思いや強さや優しさを継いでいくことなのかな、と思ったりした。
仮面の聖者―女神の刻印〈4〉 (C・NOVELSファンタジア)
グラルデの女領主から、屍肉を喰らうという半人半獣の一族マム=クランにさらわれた孫息子を救出することになったシィン。マム=クランの魔女エリンの案内で進む一行だったが、マム=クランを狙う影の存在と、闇の精霊の存在があった。

半獣半人一族のエリンと、グラルデの女領主、その護衛のカイと共に、半獣半人一族マム=クランの元に行く話。
エリンが人間ではないからか、ラダストールとシィンの魂の力みたいなものが見えていて、二人の仲に進展はあるかとどきどきする。んだが……これで発行はストップしているんだよな。ザル・モル・ラウが入ったことで、ラダストールのつかみ所のなさもなんとか解決するかと思われたのに。
じりじり具合は、今刊行している「グランドマスター!」にひけを取らないかも。世界観としては、人が把握しきれないほどの神が存在して、様々な宗派があって、というところが私としてはおいしい。かなり強いヒロイン・シィンの揺れっぷりと、美形で神官で強いラダストールのうろんさと影、前世からのつながり、とか色々良いのにな。
紫蝶の紡ぐ夢―女神の刻印〈3〉 (C・NOVELSファンタジア)
女剣士シィンはフォビナ家の依頼を受け、悪魔伯爵に囚われた令嬢ミルーシュラを取り戻すために館に赴く。しかし伯爵と令嬢は仲睦まじく、囚われたという様子が全くない。使用人たちは皆不満もなく仕事をし、中庭には薔薇が咲き誇る。しかし館は静かすぎる。そしてこの甘い香りはなにか。

ファンタジーでホラーな話だった。ずっとどろどろな雰囲気が流れていた。
冒頭はラダストールの状況から始まるわけだが、なんでこいつはこんなに不器用なんだろう! ともだえる。そんなにシィンが好きならもっとそういう態度を取れよ! と。ひねくれてるなあ。
伯爵アスランがかなり病んでた。そして令嬢ミルーシュラもなかなかきてた。ラストの実は死者でしたはびっくりしたけど、その辺りの台詞とか展開がものすごく好きだった。
「祈りを」感情のうかがえない声でラダストールは告げた。「あなたの言葉で祈りなさい、ミルーシュラ。どんな神でもいい。あなた自身のためにお祈りなさい」
 まるで彼の言葉は、どんな神も信じていないように聞こえた。
(中略)
「それでも生き残りたいのなら、わたしを殺して生き残りなさい」
コブラ -ザ・サイコガン- 1 <通常版>
寺沢武一作品。ファーストコンタクトは小学生の時に父の所蔵ビデオのアニメを見せてもらったこと。このたび再び30周年記念で新作映像化されたとのことで見たんですが、三十年前に連載されていたのだと今日初めて知りました。全部あります、父が大好きだったので。コミックは最近はCGを使ったもので、確かに群を抜いているとDVDを見て思いました。
女の人が、とてもかっこよくて綺麗でセクシーで美人なのです。コブラも整形後も整形前も好きです。そして私は昔から、コブラと相棒のアーマロイド・レディの仲を必死に見守っていたような気がします(このノマカプ脳!)。イレズミの三姉妹、ジェーン、キャシー、ドミニクも好きでした。ジェーンが死んだ時は、子供心にハードボイルドな男心を理解させた気がします。映画版がまた泣けるんですよ!
熱くなってしまった。寺沢武一作品はどれもおすすめです。「新撰組ガンドラゴン」だけは知らないんですが。ちょっとコミカルな、でもやっぱり絵が美しい「バット」は女の人は入りやすいかも。
空の中 (角川文庫 あ 48-1)
200X年、謎の航空機事故が相次ぎ、メーカーの担当者と生き残った自衛隊パイロットは調査のために高空へ飛んだ。高度2万、事故に共通するその空域で彼らが見つけた秘密とは?
一方地上では、子供たちが海辺で不思議な生物を拾う。大人と子供が見つけた2つの秘密が出会うとき、日本に、人類に降りかかる前代未聞の奇妙な危機とは——すべての本読みが胸躍らせる、未曾有のスペクタクルエンタテインメント!!(裏表紙より)

面白かった! 有川さんがいう「大人ライトノベル」というものなんだなと思った一冊。生物を拾って育てるというのは子どものロマンだし、航空機や未知の生物というのは大人のロマンかな、と。
有川作品は、人が人に向ける思いの書き方が独特な気がする。計算高い思考がぱっと出てくるのって、あまり見ないような。
にやにや大賞は高巳と光稀で、じんわり大賞は宮じいだな。それから大人対子供には不覚にも燃えた。ディックとの対話の部分はちょっとしんどかったけれど、でも面白かった。瞬と佳江、真帆の子供サイドも良かった。子供サイドの、特に真帆のキャラクターはライトノベル的。しかしやっぱり大人サイドのにやにやはすごいなーと思う。エピローグ良かった。彼らの続きは「クジラの彼」の一編なんだよな。もう一度読んでこよう。
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Author:月子
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