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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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常春の国ストランドから、魔女に呪われ雪に閉ざされた冬の国ラヴィネンへ嫁ぐことになった王女シルヴィア。この婚姻は呪われた冬の国に春を呼ぶため、五十年に一度必ず交わされるものだった。夫となった王太子アルベルトがシルヴィアに向けるのは、まるで興味がないような素っ気ない態度。春の国ストランドの王族でありながら、氷のように冷たい銀髪と水底のような青い瞳というシルヴィアの姿にアルベルトもがっかりしたのだろうと落ち込むが──……彼は無愛想に見えただけで実はシルヴィアに一目惚れしていた。しかし二人は互いに嫌われていると思い込んでしまう。さらに、シルヴィアが嫁ぐことで訪れるはずの春は一向に来る気配がなくて……?(Amazonより)

花のような姉妹たちに囲まれて、銀色の髪と青い瞳という寒々しい色を持ち、父母の庇護を失って冷遇されていた王女シルヴィアが、政略結婚で嫁いだ国の王と心を通わせ、幸せを手に入れる物語。この王道が、好き!!!
「テディベア」にはちょっと現実世界みを感じてしまったんですが、「テディ」を人の名前だと勘違いする展開はとても微笑ましかった。ぬいぐるみを吸う王女、可愛すぎる。
しかし夢中文庫さんは一冊が短いんだよなあ! もっと仲良くなる過程が見たかったー! 二人の仲の良さでストランド王家の人間やラヴィネンの人たちにやり返してほかったな。乳兄弟たちに見守られている不器用な二人にめちゃくちゃきゅんきゅんしたので!
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縁談がなぜか次々と白紙になり、すっかり嫁き遅れ状態の伯爵令嬢ジュディス。社交界では息をひそめて過ごしていたのに、第三王子フレデリックから突然のプロポーズが! 単なる子供時代の遊び相手の私にどうして――? 混乱のまま婚約は進み、気づけば彼の寝室のベッドの上。幼い頃の面影をのぞかせつつ力強くリードしてくれる彼に心惹かれていくジュディスだったが、知らずにいた十三年間のフレデリックの独占欲が次第に明らかになり……。(裏表紙より)

ソーニャさんにしてはコメディ色強めな雰囲気? 二十五歳の嫁ぎ遅れ令嬢が、成人したばかりの十八歳の第三王子に執着され、ようやく結婚に至る。このフレデリックがまあ有能なんだけれど才能の使い道をただ「伯爵家出身だが特別身分が高いわけでもない、年上のジュディスと結婚する」ためだけに使うところ、だいぶ闇が深い。最後の最後に、彼に近しい女性陣がその所業を少しだけ話すんですが、味方になってくれそうな彼女たちすら遠ざけて自分だけを頼るようにする、というのはさすがに……さすがにどうかと……、というソーニャ文庫のヒーローらしいやばさでした。いやでもアントニアのことを含め反省していても、ジュディスが何も知らない状態であり続けるのは……まあフレデリックが満足ならそれでいいのか、うん。
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 両親を亡くし、独りぼっちで生きていた女子大生・鈴鹿涼音。彼女は家に伝わる遺品の剣を手にしたとき、千年の眠りについていた美しき鬼神と出会い、見出された。――そう、金色の瞳と緋色の狩衣をまとった鬼神・大獄丸に。
 涼音は強大な力をもつ彼とともに怪異を封じる使命を負うことに。当初は鬼神の存在に戸惑った涼音だが、自分を守ろうとする彼の姿に次第に心の傷を癒されていく。
 しかし、実は涼音こそが、鬼神を殺した乙女の生まれ変わりだと言われて……。千年越しに廻る運命の行き着く先とは――?(裏表紙より)

天涯孤独で、お金を稼ぐことに執着する農大生と、当初は首だけだった鬼、そこに現代らしい、陰陽寮の流れを汲む特殊捜査班とあやしの者、と単なる転生ものではなくお仕事ものの気配をわずかに漂わせるお話。続編ありきのいろいろが散りばめられているなあ。
寂しいのに寂しいって言えないでいる涼音が切なくてなあ……。大嶽丸は、彼は彼で細やかだっていうのはきっと人の世界のことをよく見ていたからだろうし。
そういう、寂しさを抱えて生きなきゃって思っている涼音と、まあ付き合ってやるかという大嶽丸のコンビは結構うまくいくんじゃないかって予感がある。まあ男前で度胸のある涼音と最強の鬼の大嶽丸が戦うところが見てみたーい! っていうだけの話なんですけれどもね!
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おいしさは、調味料の発明や進化とともにあった。
調味料には、食への飽くなき探究心が凝縮されている(帯より)

醤油、味噌、酢、味醂、酒、麹、塩、砂糖、マヨネーズ、ケチャップ、ソース、出汁、香辛料、油の章があり。調味料の解説やちょっとしたレシピもあるカラーの本で、思いがけず面白く読みました。
たとえば味噌。どんな味噌があって、どんな料理にあうか。文化や郷土のレシピ、味噌汁レシピなどちょっとした項目がほほうと思わせて面白い。味噌汁のバリエーションって冷蔵庫の中身のせいで代わり映えしないから、いろいろやってみたいと思いました。
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アイデアは思いつくというよりたどりつくもの。面白くて、美しくて、不思議であるための99の思考。(帯より)

いま読むからわかるようになった。そんな読書体験をもらった気がする。
ラーメンズの一人として活動していた小林賢太郎さんが、自らの活動の上で気をつけていることをまとめたもの。
薄くて、簡潔で、わかりやすくて、読んでいてすごく背筋がしゃんとしました。私がうすぼんやりとつかみかけていたものがここに全部書かれていて、心がけなきゃいけないことが全部詰まっている。これはすごい。これは絶対に大切にしよう。
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とある地方都市でSNSコミュニティ、『現代詩人卵の会』のオフ会が開かれた。九人の参加者は別れ際に、これからも創作を続け、十年後に再会する約束を交わした。しかし当日集まったのは五人で、残りが自殺などの不審死を遂げていた。生きることと詩作の両立に悩む僕は、彼らの死にまつわる謎を探り始める。創作に取り憑かれた人々の生きた軌跡を辿り、孤独な探偵が見た光景とは?(裏表紙より)

紅玉さんらしいテーマだなあと思いながら読んでいたんですが、最後にうえっ!? という謎解きが始まり、さらにもうひと展開あってひええーと思いながら読み終わりました。ああ、それは……それは……探らざるを得なかったんだな……ああ……。
十年後に集まった詩人たちだが、以前集まったはずの半分近くが死を遂げていた。創作者としての孤独や自尊心がぐちゃぐちゃしていて、亡くなった方にだいぶ心を傾けて読んでいたんですが、それがやがて不穏な「盗作疑惑」や「不審死」「他殺の可能性」の展開に至ると、心がどっちつかずになって、そこにあの「蓮見、敬一くん」ですよ。完全に黒子だった「僕」に一気に引き込まれてしまって、胸が引き絞られました。本当に、彼は知りたかったんだと思って。
すごかった。すごかったなあ……。
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夏が近づく季節、母方の故郷・磐座を訪れた奈智。十四歳になると参加することになる二か月に及ぶ長期キャンプは、「虚ろ舟乗り」の適性を見極めるためのものだった。キャンプの本当の目的とは——。(帯より)

萩尾望都さんが帯にコメントを寄せるのも納得の物語だった。懐かしい少女漫画とSFと、閉ざされた里と因習の気配があって、こういうの好きなんだよなあ。
虚ろ舟、外海というのが宇宙を指しているのは冒頭でわかっていて、これがどういう結末に向かうのか、キャンプと子どもたちの変質も合わせてどきどきしました。吸血鬼めいた何かになる、その不吉で少しエロティックな儀式に、ある日突然大人になったように見える周りの子どもたち……。
登場人物の配置的に、奈智と深志と天知と英子と浩司のどろどろがあるかと思ったんですが、あっさりしていたのが意外でした笑 幼い恋心による事件が起こるんじゃないかと思っていたのに! だがこれはこれでよし!
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父ヒロシには、右手の親指がない。若い頃、鉄を延ばす機械でマンガみたいに広げちゃったから。笑わせてばかりの父に昔話をせがむと、知らなかった両親の姿がそこにあった。兄が生まれた時、大喜びして母に菊の花束を贈ったこと。初めて買ったステーキ肉を、緊張した母が黒焦げにしたこと……。貧乏だったが、いつも笑顔と幸せがあった。俳優・安田顕の感性が光る、家族愛エッセイ。(Amazonより)

演劇ユニット「TEAM NACS」メンバーで、舞台にドラマに映画にと活躍している安田顕さんの、家族を語るエッセイ。個性的なご家族とご自身の思い出が、それぞれの生きた時代を感じさせて興味深い。
パワフルで豪快なお父様と思いきや、最後の対談は親子以上に、人と人としての思いやりに満ちていて読んでいてほっとしたなあ。破天荒でも、年を取ったらこういう風に語れる人になりたいと思ったな。
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コスメ会社リリー・ルクレアのウェブ担当であるレネーは、冴えない見た目と卑屈な性格の持ち主。だが変わりたいという気持ちはあり、運動をしようと運動系ジムのソウルサイクルを訪れる。強い言葉で励ますインストラクターの声を聞きながら興奮状態のまま、不運にも自転車から落下したレネーは頭を強打。だが目が覚めたとき、その目に写ったのは美しく変貌した自分だった……他の人間には、冴えない見た目は何一つ変わっていないけれど。

太った身体に卑屈な言動、それでも限られた友人たちと励まし合いながら楽しそうに過ごしているレネー。だがもちろん「美しくなりたい」という望みはある。そんな彼女は劇的に変わることはないけれど、頭を打ったことで視覚情報にエラーが発生。自分が痩せて美しく変わったように見えるようになってしまった。見た目が変わったと思い込んだレネーの言動は変わって、多くの人をドン引きさせつつ、魅力的にも感じられるようになって……というコメディ作品。
楽しかったんですが共感性羞恥が強い人は見ていて辛い気持ちになりそう……。レネーの言動は、ポジティブとはいえだいぶ自意識過剰でちょっと大人しくしてほしいと思わずにはいられなくて。
でも自尊心が低い、というのが現在の社会の問題なのかな。エイヴリーも、イーサンも、マロリーも、成功者だったり高収入だったり美人だったりするのに、それぞれの悩みがあるという。
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学校での居場所をなくし、閉じこもっていた“こころ”は、部屋の鏡をくぐり抜けた先にある城に通うようになる。そこで出会ったのは、境遇の似た仲間たち。7人それぞれの事情が少しずつ明らかになるなか、城の終わりの日が刻々と近づいてくる。鍵は見つかるのか、果たしてこの中の誰の願いが叶うのか——。
ラストには驚きと大きな感動が待つ。本屋大賞受賞作。(裏表紙より)

3学期の初日に学校に来て、みんな会おう。そう約束したはずなのに誰一人として会えなかったこころ。それどころか、約束した日は3学期の初日の日付ではない。これはいったいどういうことなのか?
リオンの時差から始まり、今度は日付、そして、と散りばめられていた辻村作品らしい設定が少しずつ集まってくるラストは見事としか言いようがない。最後の最後に、思いがけない感動があることも。今回はさらに、こころたちと同じような境遇にいる子たちに贈るみたいな奇跡もあって。
映画ではわからなかった個々の事情がはっきりと読めてよかったなあ。特にフウカとスバルの家庭環境は、映画で見て感じ取ったものとは違っていたので原作を読んだ方が絶対いい。
スバルはグレて人生がめちゃくちゃにならなくてよかった……。他にもっと楽しいものがあるってこと、それを作る人生があるってことを選ぶことができて本当によかった。あなたのそれは将来たくさんの人たちを繋ぐツールになるんだよって思った。
最後、映画で何故だろうと思った、喜多嶋先生の描写。原作ではこうなのね。こういうことなのねということがわかってよかった。やはり原作を読まないとだなー。
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Author:月子
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