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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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十六世紀、ルネサンス後期。芸術の都フィレンツェの下級貴族の娘アルテは芸術を愛し、絵を描くことを愛していた。応援してくれていた父が亡くなり、貴族の娘としての常識から逃れるため、アルテは家を飛び出して画家を目指し、偶然出会ったレオの弟子となる。だが女性で、貴族出身のアルテには様々な問題が振りかかり……。

その時代の常識や価値観に逆らい、貴族の娘ながら労働者として画家を目指すアルテの歴史もの。
真っ直ぐな気性と鈍感すぎるくらいの真面目さ、不器用さに、芯の強さを持つヒロイン、アルテが画家として、労働者として、自分自身で生きる道を得るために努力を重ねる姿に、交流を持った人々がどんどん好意を抱いて輪が大きくなっていく感じ、すごくいい。もちろん反発もあるしいろんな価値観があって受け入れにくいときもあるけれど、いろいろな人がいるという描写がいいよなあ。
後半のカタリーナとのエピソードがすごくよかったな。カタリーナも多くの困難が待っているだろうけれど、自分自身で生きる道が見つけられたらいいな。
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起業した妻と二人の子どもという四人家族である会計士の悠。保育園のママ友、仕事の関係者、友人知人との話題は『子育て』について。しかしそれぞれに様々な選択と困難があって……。

保育園落ちた日本死ね、が根底に流れている国の問題を切り取った作品、というと大袈裟かもしれないんですが、全部リアルなんだよなあ……と思うなど。
比較的裕福な一般家庭である鶴峯家。それでも子どもを保育園に入れるか幼稚園に入れるかという問題や、入れるかどうかの問題、仕事、家事のこと、交友関係と生きていく上で様々な問題に直面する。こうした事情を乗り越えるためには、やはり家族の協力や助けがなければ不可能なんだなあと強く思いました。主要視点を担う悠がすごくできた人で本当によかった。作中でいろんな人が助かった。
いろいろきつい話題ばかりだったんですが、最後の毒親問題、実母が介入してくるのはだいぶきつかったな……。どうしても親を拒絶できないという子どもの気持ちが。ここでも悠の存在に救われた。
しかしこういう人の闇と苦しみを描いてくれるのはさすが辻村さん。よき読書でした。
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「宰相閣下よりの書簡である。確認せよ」
王城の侍女見習いから竜が集まる辺境伯家の侍女になったメリッサ。彼女は辺境伯領の領主となった元竜騎士隊長ヒューバードの恋人になっても、相変わらず侍女の仕事と大好きな竜達の接待に精をだしていた。そんなある日、竜達に気に入られているメリッサを利用するため、王宮へ召還しようとしているという不穏な知らせが届いて——。大好きなヒューバード様や竜達と引き離されるのなら、ご遠慮申し上げます! 堅物騎士と竜好き侍女のラブファンタジー第2弾!!(裏表紙より)

竜という生き物と人間が共存する物語の第二巻。この話、竜を完全に脅威とみなしながら共存する人の努力が見えてすごく好き。知性ある生き物とどのように生きていくかすごく考えさせられる。
脅威ともなりうるので理解がある人たちは竜を大事にするし、竜に認められた人をも大事にするんですが、そうとはわからない人たちに振り回されることもあり。今回はそれが青の怒りを買って、というお話です。いやあもう、護衛騎士ポールの行動は「ばっっかやろう!」とか「なんてことしてくれた!」「やらかしてくれたなあ!?」みたいなやつですよね。そういう状況じゃないんですけど笑っちゃった。部外者とは得てしてそういうもの……。
竜とのエピソードは楽しく、ただ後半の青の寝屋については切なくて……。飾ってあげられて本当によかった。青の成長が楽しみです。
メリッサのお披露目もあり、ヒューバートとの恋の進展も楽しみです。
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凱帝国の三人いる公主のうち、今まで一度も縁談が来たことのない長女・鳳姫を見初めたのは、野蛮な国と名高い鬼淵国の若き王・神狼。周囲が同情を寄せるなか、鳳姫は父王の命令ならば従います、と覚悟を決めていた。というのも、鳳姫は母妃の不実によって生を受けたにもかかわらず、父王の慈悲により真公主として育てられた負い目があったから…。そんな鳳姫が見つけた、真実の愛とは!?
そんなふうに愛してくださるのですね…わらわを。(裏表紙より)

後宮シリーズ第4巻。皇帝と皇后は「饗華伝」の二人ですかね。主役だった二人が時代が変わり、視点が変わると、なんともいえない振る舞いをしているっぽいのがわかるのが面白いなあと思います。そう、後宮ものとして皇帝が一人だけを寵愛するのはちょっとよろしくない……。
この巻の主人公はそんな皇帝の長女。しかも皇帝の実子ではない不義の子で、父帝の温情により限られた一部の人間しか真実を知らないまま、本当の娘として育てられたという、あああこれぞ後宮うううみたいな設定の少女です。
実子ではないという後ろめたさから父のため国のために身を尽くすと決め、異国の王の求婚にも頷くつもりなんですが、普通ならここで嫁がされるものが父が娘を愛しているため、求婚の駆け引きが自国で行われるのがとても面白い! 今回の文化、蘊蓄に当たるのが陶磁器なのも面白かったですし、求婚する神狼が自らの力を見せつけるためにそうした繊細な文化を理解して勝つ展開もすごくよかった。甘い言葉で口説くだけではないっていうのがね!
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その魔法には、香りと想いが込められている――。
 互いに偉大な魔術師と同じ魔法香を持つ孤児のシルヴィアとルグ。二人は優しい魔術師に引き取られ、日々幸せに過ごしていた。しかし、ある事件を境に溝が出来てしまう。
 それから数年後。16歳になった彼らの元に、名門と名高いフォルトゥナ魔法学園への入学案内が届く。期待に胸を膨らませるも、あまりにも珍しい二人の魔法香に、様々な噂が立ってしまい……?
 彼らの魔法香に秘められた謎、そして忌まわしき事件の秘密。魔法学園を舞台に、運命の歯車が回りだす――!(裏表紙より)

特別な魔法の才能を秘めた孤児の少女と少年。不遇の二人は優しい魔術師に引き取られて家族として暮らすも、兄と慕っていた少年が魔術師を殺したことで、二人の仲は決定的に壊れてしまった。少年に抑えきれない怒りと悲しみと憎しみを抱く少女、真実に手をかけながら憎しみを甘んじて受け入れて少女を守る少年。歪な二人がそれでも互いを必要とする、相反する感情に引き裂かれながら学園生活を送る物語。
ヴィアとルグの関係性の描写が多くて学園パートが少ないのがちょっと残念。魔力が香りを帯びている個性が面白くて、もっと魔法を使うシーンが見てみたかったな。
宗教が絡む諸々があるので殺されたアルはそれ関係なんだろうなと思いながら、ヴィアとルグが仲間を得ていく続きが読みたいなあと思いました。
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 僕、ダックスフントの"フンフン"。大好きな藍ちゃんには気になる人がいるの。相手はいかにも好青年ってかんじの人間のオス、鴨井。動物病院の待合室で毎週会う、いつもいじわるな白猫キャロルの下僕なんだよ。
 気にくわないけど、藍ちゃんの気持ちも応援したい。ただ僕は、鴨井が藍ちゃんと仲良くできない重大な秘密も知っているんだ……!
 飼い主たちの関係は、顔見知りから友達へのステップアップもまだみたいで!? 可愛い犬猫たちに見守られるなか、年の差ふたりの間にライバルまで登場してーー?(裏表紙より)

転勤族で友達を作るのは下手、だから一生懸命に勉強している真面目で律儀な高校三年生の藍。近くの高校で生物教師をしている鴨井。お互いの気持ちを隠しつつ、飼い犬と飼い猫も交えて少しずつ距離を縮める二人の、両思いになるまでのじれじれを楽しむお話。かーわーいーいー! 真面目な藍もですが、大人が純粋な欲求を隠して「大人」してるの大好きなんですよね!
犬と猫の豆知識やちょっとしたごはんの描写も楽しかったし、だからこそ最後のエピソードは悲しくて、でも嬉しくて。二人の関係性の発展も含めて、続きが読みたいと思いました。
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両親と弟が鬼籍に入り、かつて花街だったという古い町並みにある町屋の実家に戻ってきた貴樹。彼が書斎として定めた部屋の書棚に立てかけられた鏡をずらしてみると、柱と壁の深い隙間の向こうに芸妓のような三味線を抱えて坐る儚げな着物姿の人影が見えた……(「芙蓉忌」)。夕暮れの闇が迫る中、背戸に立つ袴を着た鬼が、逃げようとする佐代の肩を掴み——(「関守」)。城下町の情緒が漂う怪談、全6篇。解説・折守きょうや(裏表紙より)

第1巻を読んで家と人にまつわる怪異のお話がすごく面白くて、絶対続きを読むぞと思っていたこの作品。おりよく2巻が文庫落ちしたのでぞくぞくしながら読みました。
実家に戻り、自殺した弟の部屋からある女が見えることに気付いた貴樹。まるで取り憑かれたように女を眺めてしまう「芙蓉忌」。
あるわらべ歌が怖い、それは何故なのか。記憶を遡った佐代は幼き日、何者かに出会ったことを思い出す「関守」。
息子を思い、愛猫の死と祖母の病状を伝えられない俊弘。だがある日息子は猫が戻ってきたというが……。「まつとし聞かば」。
古い城下町、古民家をリフォームして暮らすことを楽しむ育だが、何故かいつも女の囁き声にうなされる。いったい何が原因なのか。「魂やどりて」。
子どもの頃幼なじみが水の事故にあったという婚約者が、自分の罪を告白した。死んだその子が周囲を祟り、次は自分だと言っていると、藁にもすがる思いで馴染みの職人に相談したところ……「水の声」
諍う両親の声を避けて押し入れに寝床を作った樹。押し入れには屋根裏へ上がる場所があり、誰かが作った場所のよう。そこに現れる謎めいた幽霊の正体は?「まさくに」。
どれも怖い話ですが、一番気持ち悪いというか、ああ自分もやってしまいそうで怖いなと思ったのが「魂やどりて」。古民家修繕を趣味として暮らす女性が、古い道具を再利用、と聞こえはいいけれど粗末に扱ったせいで怪異に見舞われる内容で、古いものと素材は別物として考えなければならないな、と身に染みたのでした。
どれも面白かった。3巻が出るようなので楽しみだ。
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大学生最後の夏、高熱に倒れた “俺”は目覚めると英国風貴族社会の伯爵、シリルとなっていた!――が、シリルとしては記憶喪失。この世界が生前見ていたゲームの中で、自分は目の前にいる美男ジュードに殺されるという記憶だけが真実への鍵だ。恋人同士だったというジュードの証言を周囲の人間は全否定するが、二人で行動をともにするうち身も心もほだされて…!? 殺人犯? 恋人? 自分たちの本当の関係は? 謎めく転生ラブストーリー(裏表紙より)

目覚めると姉と妹がプレイしていたゲームの登場人物になっていた! という転生もの?
転生もの自体あまり読まないのと、さらにそれがBLなのかと思いながら読みましたが、冒頭から、そのゲームが実は……という展開や、果たして転生したのか入れ替わったのかどっちなんだ? という設定が短いながらも意外性があって楽しみました。ホームズ風の世界観なので馬車や公園、オペラハウスなど場所もしっかり押さえてあるのもよかったです。
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第三機関・異篇卿の拠点への潜入部隊に選ばれたシェルティス。彼は、己の魔笛を解除する手かがりを求め、異篇卿イグニドが知っている魔笛の情報を聞き出そうとする。一方、千年獅レオンの前には意外な敵が現れ……!?(Amazonより)

主要人物がそれぞれ運命の敵を見出す第7巻、といった感じでしょうか。第1部完というだけあって最後の最後にどでかい波がきた!
シェルティスの秘密が楽園を揺らすようですが、ここにユミィとモニカの恋模様もぶっ込まれるのか……。シェルティス頑張れ。まじ頑張れ。私はシェルティスが目指した塔の頂上へ、それが最も深い底へ落ちることであっても、ユミィとともに世界を変えてくれると信じているから。
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皇帝に一目惚れされた奴隷の娘・雹華。後宮に迎えられ、たちまち寵愛を一身に。狂ったように雹華との情事に溺れる皇帝。それを快く思わぬ3人の妃たちに次々と不幸が襲いかかる──。これは雹華の罠? それとも……? ライバルの妃たちが消え、皇子をも籠絡! 宮中の全てを手に入れたその時、希代の悪女の信じられない正体が……!!
予測不能のめくるめく展開! 後宮ノベルの傑作誕生!(裏表紙より)

奴隷から成り上がり、皇帝の寵愛を一身に受ける妃となった雹華。影の薄い皇后を除いた三人の妃たちは、この謎めいた女に内心穏やかではない。疑心暗鬼が渦巻く女の園で、やがて悲劇が、という短編連作。エロシーンは少なめですが円熟した国が腐り落ちて終わるまでの話なので結構人が死にます。
妃たちの視点で見ているのでそれぞれの印象が異なっているのが面白いんですが、真相はどうだったんだろうなあと謎が残るのがもやもや。でもそれが楽しい。でも多分犯人である雹華から見たものが真実だったのかな。
女性視点のものばかりだったので皇帝や皇子たちの視点や意見をもう少し聞いてみたかったな。雹華の正体が明らかになった後の彼らが最後に何を思ったか気になる。
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Author:月子
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