読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
魔国連邦に娯楽がないと気付いたリムルはみんなが楽しめるものを、と考え相撲大会開催を提案する「HEY!尻!」。ふわふわのスライムボディを模したクッションを作りたいと考えたリムルは、材料を調達がてらみんなでピクニックへ行くが魔物に襲われる「Mの悲劇?」。教師としてシズの教え子たちと野外訓練に参加するリムルだが、思わぬ事件に見舞われる「リムルの華麗な教師生活」。アニメシリーズの外伝集。
最近はちょっと色々ばたばたしているリムルたちですが、これは完全に平和なOAD。相撲大会をやったり、ピクニックに行って魔物を助けて仲良くなったり、教師として子どもたちの成長を見届けたり。そして相変わらずチートである。
リムルが能力や知恵や人脈と駆使して、異世界の権力者たちと渡り合ったり戦って勝利する展開も好きなんですが、こういうのんびりしたエピソードもいいよなあ。長編シリーズの醍醐味感。はらはらどきどきも、のんびりほんわかも楽しめる。
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伝説の《黄金瞳》を持つ少女リタは人買いに捕まり闇市で競売にかけられてしまう。過去のトラウマで声を失い絶望するリタを競り落としたのはマフィアのボス、アルバートだった。「きみは僕の花嫁になってもらう」甘い囁きに従うリタだったが、彼が笑顔で人に銃を向ける冷酷な一面を知ってしまう! 危険なマフィアに迎えられたリタの運命は――!?(Amazonより)
黄金の瞳を持つために競売にかけられた天涯孤独の少女が、花嫁を買ったマフィアの若きボスと少しずつ心を通わせて家族を得るまでのお話。
声が出ないという設定の描写って難しいと思うんですが、話せないゆえにすごく頭の回転が早い子で、それを伝えるタイムラグ的な違和感もなくするする読めたのがすごい。
声は戻らなかったし、黄金瞳の謎は謎のまま、リタはリタのままで何一つ変わらないのがちょっと残念かも。もうちょっと何か、ファンタジーを求める気持ち的に何かほしかった。
しかしデレた後のアルバートの不器用な可愛げな! 早くべたべたに甘やかしちゃえよ……とにやにやしました。
どうでもいいですがお医者さんと瞳の組み合わせ知ってる! これ(以下略)となりました。どこにでも転がっている設定を上手く組み合わせるってこういうことか。勉強になります。
あの結婚式から二年経ち、ついに亜潟家でお正月を過ごすまもり。旅支度のためにひっぱり出したトランクをきっかけに、葉二と二人、シンガポールへの新婚旅行を思い出していた。
そうそう、懐かしいですね葉二さん。ーーって、懐かしくても、鶏丸ごと一羽の海南ライスを作ったら食べきれないですよ!?
食卓を囲んで、悩みも喜びにも向き合ってきた亜潟家の数年後。親友の湊、弟ユウキの恋模様など、気になる彼らの選択も描かれた書き下ろし4編と、書籍初収録となるショートショート13点を収録。(裏表紙より)
本編後の幸せな番外編集。最終巻でちょっとだけ話に出ていた新婚旅行を交えた食べ物の話と、義実家へ帰省した二人と小さな恋の物語、湊と周のだらだら付き合っちゃうカップルのあるあるな話、進学先で一人暮らしをしているユウキと葉二の二人飲みの話と、特典のショートショートまとめ。盛り沢山!
小さい子が絡む話は楽しいなあ! 慣れちゃっているけれど亜潟家の皆さんは本当に顔が良いのね笑
結婚後の番外編だからおめでたい話もあるんじゃないかなあと思ったら! 本人の視点なのではっきり書いてないけれど、めっちゃくちゃ嬉しかったんだろうなあと思うと微笑ましかった。
最後まで美味しく幸せな物語でした。ありがとうございました!
そこにはきっと、あなたを救う「ターン」がある。
「梶くんとは別れようと思う」学園祭の真っ最中、別れを告げようとしている橘ほたると、呼び出された梶くん。彼女と彼の視点が交差する恋の最後の15秒(「15秒のターン」)。
ソシャゲという名の虚無にお金も時間も全てを投じた、チョコとあめめ。1LDKアパートで築いた女二人の確かな絆(「戦場にも朝が来る」)。
大切なものを諦めて手放しそうになる時、自分史上最高の「ターン」を決める彼女達の鮮烈で切実な3編と、書き下ろし「この列車は楽園ゆき」「15年目の遠回り」2編収録。(裏表紙より)
アンソロジーや雑誌、同人誌に収録された短編の再録と書き下ろし二本を加えた一冊。
読んだときから泣きに泣いた「2Bの黒髪」を読んでまた泣くという。
そして書き下ろしの「この列車は楽園ゆき」。高校生のときに見えていた景色、感じていたもの。大人になって見えるもの。変わったように見えて変わらないものたち。「楽園」という言葉に全部詰まっている気がする。
茜子さんと高根くんの関係は大人にならなくちゃ形にできなかったものなんじゃないかとか、芽衣沙さんが当時からすごく注意深く周りを見ていて茜子さんを心配してそれを救えるのは高根くんだけなんじゃないかと行動していたこととか、そういう人の小さな思いの積み重ねでわっと泣いた。
胸をがんがんに殴られた後は、ちょっとほっこりする書き下ろしで読み終われたのもすごくよかった。
「梶くんとは別れようと思う」学園祭の真っ最中、別れを告げようとしている橘ほたると、呼び出された梶くん。彼女と彼の視点が交差する恋の最後の15秒(「15秒のターン」)。
ソシャゲという名の虚無にお金も時間も全てを投じた、チョコとあめめ。1LDKアパートで築いた女二人の確かな絆(「戦場にも朝が来る」)。
大切なものを諦めて手放しそうになる時、自分史上最高の「ターン」を決める彼女達の鮮烈で切実な3編と、書き下ろし「この列車は楽園ゆき」「15年目の遠回り」2編収録。(裏表紙より)
アンソロジーや雑誌、同人誌に収録された短編の再録と書き下ろし二本を加えた一冊。
読んだときから泣きに泣いた「2Bの黒髪」を読んでまた泣くという。
そして書き下ろしの「この列車は楽園ゆき」。高校生のときに見えていた景色、感じていたもの。大人になって見えるもの。変わったように見えて変わらないものたち。「楽園」という言葉に全部詰まっている気がする。
茜子さんと高根くんの関係は大人にならなくちゃ形にできなかったものなんじゃないかとか、芽衣沙さんが当時からすごく注意深く周りを見ていて茜子さんを心配してそれを救えるのは高根くんだけなんじゃないかと行動していたこととか、そういう人の小さな思いの積み重ねでわっと泣いた。
胸をがんがんに殴られた後は、ちょっとほっこりする書き下ろしで読み終われたのもすごくよかった。
田舎に引っ越すことになったが絶対に嫌だ! と両親を説き伏せ、なんとか一人暮らしをすることになった吉川菜緒。広いのに破格のマンションで新生活を送るはずが、何故かそこに学校の人気者である上原久志が現れる。二人とも悪徳不動産会社に騙され、同じ部屋をブッキングしてしまっていたのだ。上原も事情があってすぐに出ていくことができず、二人は話し合いの末、お互いの行先が決まるまで秘密の同居をすることになった。
懐かしい「りぼん」連載作品だったものの実写化。現実に即して年齢が変わっていたりオリジナルキャラがいたり内容が変わっていたりするものの、高校生の男女が内緒の同居というのはやはりいいな……と実感しながら視聴していました。
でも、最初のエピソードでうっとなったんですよね。同居していて、親しくもない人も使う冷蔵庫に、自分が買ったんじゃないものがあったら食べないでしょう普通。甘ったれ感というか常識がないというか、これは100パーセント菜緒が悪いんじゃん、キレるんじゃないよ……と思ったのでした。
しかしだんだん彼女の可愛げが発揮されてきて、なんだかんだ上原くんや幼なじみの先輩の大ちゃんに助けられ? 挟まれ? るシーンは「きゃー!」ってなりましたし、女優さんの声が聞いていて可愛らしくて好きで、だんだん愛着を抱くという上原くんみたいなことになっていました。
伝説の女優の娘に生まれながら醜く生まれつき、いじめられて顔に傷を負いながら、飛び抜けた演技力を持つ累には秘密があった。それは母が残した不思議な口紅。その口紅を塗って人と口付けることで一時的に顔を入れ替えることができるのだ。女優として成功を望む美しいニナは、累と彼女を連れてきた羽生田の誘いに乗り、顔を入れ替えて舞台に挑む。
口付けることで顔を入れ替える気味の悪さ。美醜への欲望と執着。最底辺から成り上がろうとする女と、それに巻き込まれ、あるいは関わっていく人々。このどろどろさがたまらない。また丹沢ニナが挑む舞台が「サロメ」なのがなあ! 累がヨカナーンの首に口付けるのが比喩的。
演技をする人たちの演技なので、普段の感じと舞台人の演技の強弱というのか、振り切っている感で迫力が増していてつい見入ってしまう。惹きつけられるのは、二人が自分の欲望や葛藤に忠実な女性たちだからなのかもしれない。絶対いい子じゃないところがいいというか。
新年度、岩鳶高校水泳部の面々は新入部員獲得を目指しながら次の大会を目指す。一方、凛が部長となった鮫柄高校水泳部には小学校時代の友人だった宗介が入部、また前部長だった御子柴の弟である百太郎が新しく加わった。そしてこの年、遥、真琴、凛、宗介は三年生であり、進路選択の時が迫っていた。
新しい一年が始まり、各々の絆が深まっていく。第一期は再会と出会いでしたが、第二期は別れと旅立ち。男子高校生たちのこの年も最高の夏という感じ、爽やかですごくよかった。また泳ぐシーンがなあ、美しいんだよなあ!
途中参加の面々もだんだん熱くなってくるところがいい。真剣に取り組んでいる人の近くにいると、すごく影響されるよなあ。自分ももっと、って思っていく描写に胸が熱くなるし、これが続いていくのが楽しみだ。
検死官のトミーと息子のオースティンは、ある日馴染みの警察官から、ある事件で見つかった身元不明の女性の遺体の解剖を依頼される。解剖を始めたもののありえない状態の遺体に困惑する二人だったが、同時に次々と不可思議なことが起こり始める。外部との連絡が不可能となり、二人は遺体と向き合うしかなくなるが……。
希望はあるのかと思いながら見てたんですが、なかったね!! だがそれがいい。
地方で解剖をしている父と息子のもとに、謎めいた遺体がやってくる。剖検を始める二人に不思議な現象が起き始め、ついに……というホラー。
解剖するシーンがあるので刃物で切られる描写がうっとなるし、出てくるものが明らかに異常で、これはやばいぞというのが次第に増すのがすごくいい。あと私、ラジオとか音楽が勝手に鳴り出してやばいことを言い始める仕掛けがめちゃくちゃ怖くて好きなんだと思いました。ほら、意味深な歌詞が聞こえて、えっなに誰か自分になんか言ってる? みたいに思うの。気のせいだと思えるけれどそうじゃないやつ。
もう最初から二人が殺されるのは決まってたんだなあという救いようのないラストと、どこかでそれが起きている恐ろしさがよかった。
番組プロデューサーから事故物件に住む仕事を受けたお笑い芸人。お金がないため同居するコンビ芸人。恋人に愛想をつかされ相方にも見捨てられた芸人。彼らが住む部屋に共通するのはおかしな現象が起こるということ。怪奇現象に追い詰められていく彼らはやがて……。
謎の女性が現れたり、何度捨てても戻ってくる人形だったり、危ういものに取り憑かれたようにして事件を起こしたりと、それぞれにやばい連作もの。ほん怖の番組と映画の間みたいな不思議な雰囲気で、恐怖の内容もあるある感と作り話っぽさの間みたいな感じ。
怪奇現象よりも、事故物件に住むという番組企画や、相方を思うあまり盗聴器を仕掛けられたり、どんどん狂気に入り込んで人殺しを繰り返すという細々したところが怖かったな笑
「すまなかった……」文林のそのひと言がきっかけで、二人の関係が少しずつ変化する。さらに文林と添い遂げることを決めた小玉は、いつの間にか後宮のしきたりも受け入れている自分に気がつく。
仙娥の娘の世話も任され、小玉は赤子に翻弄される日々を送ることに。そこに新たな乳母とその子どもも加わって、にわかに後宮は賑やかになる。そんな中で小玉が見つけたのは、後宮で築いた自分の「家族」の形だった。
後宮に新たな風が吹く。それは次世代の産声。小玉たちの時代の終わりが、近づいている証——。(裏表紙より)
久しぶりに冒頭から笑っちゃった。ぶん殴ろうとして励ますみたいに肩を叩くって。それに気付いてお互いに困惑するんじゃないよ! ばくしょう。
戦いや宮中の陰謀などは今回だいぶと薄め。笑いどころもあったり下の話もあったりして笑ったんですが、ただ各々がそれぞれの場所で自分の望みのために動き出しているので、次が最後なんだとひしひしと感じました。
悲しかったのが王太妃との別れ。小玉と彼女のエピソードもこの物語のすごく重要な部分だったと思うので、ああ、歴史が終わるんだな……とすごく強く感じました。
この巻を読んでいて、この話は中華風後宮と国の内外に蠢く闇を描きながら実際は母と子の物語になるんだなあと思ったんですよね。これまで小玉がそうはなれなかった、でもこの巻で「子どものために」動くようになったことで「母たちと子どもたちの物語」として終わろうとしている。
でも世界は続いていくし、失われる命があれば生まれる命もある。そういう連鎖の一幕なんだろうな。小玉の物語の終わりを最後まで見届けたい。