読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
15歳の夜、ライラのすべてを奪った蒼竜王・ルガー――種族を超えて慕う初恋の人。
唯一の復讐方法は、竜人にだけ効く毒を100日間口づけで与えることだった。
ライラは竜人の花嫁「番い」と偽り彼のもとへ向かうが――「手を取り合うことができれば、蒼竜の一族も、人間ももっと豊かになる」
仲間を思い人と共存を目指す姿に、戸惑いは復讐への迷いに変わり……?
第18回角川ビーンズ小説大賞〈奨励賞〉〈読者賞〉W受賞作!(Amazonより)
異種族恋愛、運命のつがいものに上品に喧嘩を売るがごとく挑戦している作品でとても面白く読みました。
少女の頃に出会った竜人との優しい思い出を胸に成長したライラ。しかしその竜人によって村を焼き尽くされ、たった一人の家族である兄まで失ったことで、同じく竜人を恨む薬師の元に身を寄せながら復讐のときを待つ。ライラに与えられたのは運命のつがいの香りを発する薬と、いずれ死に至るそれを解毒しつつ竜人の毒でも当たるもう一つの薬を口付けによって百日間含ませる使命。
運命のつがいだからと本能的にライラを愛するルガー。運命でないと真実を知りながらルガーに惹かれていくライラ。「運命って何?」「本当に愛するって何?」と問いかける終盤はどきどきしました。
つがいについての真相も面白かった。血の運命に抗っても恋をするお話、楽しかったです。
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1世紀から中世末期にかけて、古代の呪術文字であるルーン文字が碑文などに残され、ヨーロッパ大陸やその周辺地域で広く発見されている。その豊かな歴史のなかで、ルーン文字はさまざまな目的で用いられてきた。ルーン文字は実用的な目的で、あるいは呪術を目的として、数多くの遺物に刻まれた。そして暗号、謎かけ、詩などのかたちで、神託をたまわる道具、呪術的なシンボル、暦として使われてきた。職人や石工たちの記録としてメッセージを伝えたように、ルーンは個人でも使われ、また古い落書きにも見られる。本書では、その魅力的な例をいくつか紹介した。(Amazonより)
この双書、統一されたデザインとオーロラ箔が美しいんですよね!
小さくて薄い本なんですが、ルーン文字の入門書らしくイラスト付きで文章も少なくて想像力を掻き立てられて好き。ぎっちり読むのも面白いんですがこういう本もいいよなあ。シリーズ集めたい……。
記憶を失った状態で、人の考えていることが読めるバッジを手に目覚めたネク。周囲はまるで自分のことなど見えていないかのような状態で謎めいた敵に襲われるが、シキと名乗る少女に契約を迫られ、契約を交わしたことで撃退することに成功する。シキが言うには、これは死神ゲームと呼ばれ、ミッションをこなしつつ七日間生き残らなければ消滅するのだという。失った記憶を取り戻し生き残るために、ネクはゲームクリアを目指すが……。
七日間のゲームを生き残らなければ消滅、ゲーム参加者はエントリー料として大事なものを失っており、ネクは最初のパートーナーであったシキを大事に思うがあまり、二回目のゲームのエントリー料として彼女を失う……というところからが本番ですね!
そういう絶望から這い上がるようにして勝ち抜いて、仲間に心を開いていく展開、王道で大好き。それがまた世界を救うんだよな!
2017年、フリーターの花垣武道は中学時代の彼女だった日向が犯罪者集団・東京卍會の抗争に巻き込まれて亡くなったことを知る。帰宅時の駅で何者かに突き飛ばされた武道だったが、目覚めると何故か中学生だった頃にタイムリープしていた。いくつかの出来事を経て、タイムリープのきっかけを知った武道は日向を救うべく、東京卍會と深く関わることで未来の改変を目指すが……。
ここまで無茶苦茶な中学生いる??? みたいな感想を抱きつつ、地元で一番の不良集団で、総長を始め幹部たちに気に入られながら成り上がりを目指す、といういろいろな憧れや夢が詰まった作品だなあと思いました。
めちゃくちゃで無茶苦茶な登場人物ばかりなんですが話が進むうちに愛着が湧いていくのが面白い。マイキーを始め、ドラケン君たち、主要人物たちのクソデカ感情によって引き起こされる諸々の抗争がなんというか、重い。愛が重すぎる。
まだだいぶと武道がふわふわしている感じなのでここからさらに成長していくところが見たいなあ。続きも楽しみ。
天才外科医でありながら事故によって医師としての将来を絶たれ、現在は最強の魔術師となったストレンジ。スパイダーマンの件からマルチバースとの関わりを深めていく彼は、夢の中でもう一人の自分が不思議な能力を持つ少女と逃亡しているのを見る。その少女が実際に現れ、敵に追われているところを助けて話を聞くと、彼女、アメリカ・チャベスはマルチバースを行き来する特別な能力の持ち主だという。
公開中なので続きから。
公開中なので続きから。
個人タクシー運転手の小戸川は偏屈で口が悪い。ごく限られた人間関係の中で、失踪中のアイドルを乗せたことがあったせいで殺人事件、裏社会での抗争、発砲事件と繋がりあった複数の事件に巻き込まれていく。
公開中なので続きから。
公開中なので続きから。
突如失踪した人気小説家・遥川悠真。その背景には、彼が今まで誰にも明かさなかった少女の存在があった。
遥川悠真の小説を愛する少女・幕居梓は、偶然彼に命を救われたことから奇妙な共生関係を結ぶことになる。しかし、遥川が小説を書けなくなったことで事態は一変する。梓は遥川を救う為に彼のゴーストライターになることを決意するが――。才能を失った天才小説家と彼を救いたかった少女、そして迎える衝撃のラスト! なぜ梓は最愛の小説家を殺さなければならなかったのか?(Amazonより)
小説家という神様を抱いていた被虐待者の少女は、その神様本人に助けられ、彼とともに半ば一緒に暮らすようになる。小学生から中学生、そして高校生。けれど彼の破滅を認められなかった彼女は彼の罪の共犯者となる。
まあ途中でわかりますよね、誰が誰を殺すかなんて。神様は人に殺されるものなんですから。梓の罪は、本当はただの人でしかなかった遥川を神様に仕立てたことと、自分が彼の神様めいた聖域であったことに気付かなかったことだ。
終盤の展開が、予想できたのにうわー! と叫びたくなってしまうもので、神様を殺せる人間なんだから同じ人にはそんなことたやすいっていうのも、まだ心に神様の声がしているラストも、がんがん胸を殴ってきてすごかった。
事故死した女子高生マツリは、歌う人形・真鍮糸雀【カナリア】として異世界に転生した。マエストロが手がけた真鍮と鉄の体を与えられ、調律師【チューナー】によって仕込まれた、極上の歌を唄う人形・真鍮糸雀。鳥かごのようなドームに覆われ、灰と煤が降る色彩を失くした世界の人々にとって、真鍮糸雀の美しく色鮮やかな歌は生きる喜びそのものだった。マツリはその中でも優れた真鍮糸雀として、調律師アイレンベルグに教育を受けることになる。そしてマツリはアイレンベルグに惹かれてゆくのだが――。(Amazonより)
事故死した女子高生の魂が辿り着いた異世界は、カナリアと呼ばれる人形に魂を入れて歌わせるという技術が存在する世界。灰の降る鳥籠に住む人々は歌がなければいきていけない。終末感漂う世界で、異世界から迷い込んだ鳥は何をもたらすのか。
諸口さんの作品は異世界に迷い込むものでも和風の『常世ノ国ノ天照』を読んだことがありますが、こちらの『謳えカナリア』はどちらかというと柔らかいながらも、年上の男性への恋心や、世界への復讐めいた終盤の展開、その後のダイヤモンドのエピソードなどがとても、とてもぎりぎりきりきりと軋んだ印象の美しさがつまっていてめちゃくちゃ面白く読みました。少女と世界の終わりはこうでなくては。
いや本当に、ダイヤよ! 灰が降るというからそれで何かすると思ったらそっちかい! 頭をよぎったけど本当にやるんかい!(ありがとう!!!)みたいに興奮した。世界を滅ぼす者の名を冠した少女の手に光るものの名前よ。最高。
雉子野中学で噂になっている『硝子玉の魔女』のおまじない。呪いたい相手の名前を書いた紙と硝子玉を一緒に桜の木の下に埋めておくと『硝子玉の魔女』がそいつを不幸にしてくれるという。水奈たちはその噂に【魔女(ウィッチ)】の影を見、調査を決意する。 一方、それから遡ること半年――鍛冶目山市の中央にある関総合病院に、幼い少女が入院していた。彼女は『自分の病気を硝子玉に込めて木の下に埋める』という他愛ない願掛けをしていて……。(Amazonより)
女王のための統合戦争と呼ばれる魔女たちの争いに巻き込まれ、魔女として戦う少女たちの物語。続きが気になっていたのに1巻を読んでから時間が空いてしまいました。読み終わってから続きがないのかよお! と涙しました。
魔女同士の戦いで決まりが敷かれていてもそれを逸脱する者は出てくるもので。考えなしの魔女の暴走にやり返す展開は因果応報という感じで恐ろしくもぞくぞくわくわくしながら読んでしまいました。ただこれ、本当に最後の最後だともっとひどく周りの人を滅ぼす勢いで戦いの激しさが増すんだろうなあという予感もした。多分人間界側にまったく思い入れがなく壊せるか、面白いから手に入れようとするか、みたいな展開になった気がするんですよね。
少女たちのそれぞれの立ち位置、心の傷を象徴する魔法に、コスチュームなど見所がたくさんあってやはり現代の魔法少女ものは可愛らしさと、リアルな泥臭さと嫌らしさがいいなあと思ったのでした。この感想もどうなんだ。
誰が、なんのために、どうやって造ったのか?
ストーンヘンジ、エイヴベリーをはじめ、ブリテン島・アイルランド各地のストーンサークル、ドルメンなど50カ所以上の巨石遺跡をめぐり歩き、謎と威厳を湛える石たちを撮影。遺跡にまつわるケルトの伝説、民間伝承、古代の天文学などの説も紹介しつつ古代人たちの営みを垣間見る美しい写文集。(帯より)
写真集と紀行文。大きめのソフトカバー本なので写真は大きく、一冊丸ごとフルカラー。晴れた日の巨石、夕暮れ、霧の中など、眺めていると異国の風景を想像できて楽しい。だだっぴろい場所にある巨石群も好きですが、これを読んでいて気になったのは岩山の谷間にあるストーンサークル。神秘の場所、祭壇って感じがしてどきどきしました。