読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
声優戦国時代を生き抜いてきた名優50人が語る「選ばれる」仕事術、そして「声で生きていく」道の厳しさ――。
創刊25周年を迎える『声優グランプリ』がお届けする、すべての声優ファン&声優志望者必読のバイブル!(カバー折り返しより)
2019年3月の本。雑誌「声優グランプリ」に掲載されたインタビューまとめで、二段組で細かい字が連なったインタビューが50人分。ものすごい読み応え。
こうして読んでいると、いまも第一線で活躍している声優さんたちはみんな先輩たちに導かれてきたんだなあということ。なんだかすごく「みんなで育てよう」という気持ちがあるように思えました。
プロフェッショナルって常に、自分に何ができるか、できないか。課題は何で、どんなことをできるようにしたいかってことを考えているな、ととても勉強になりました。気持ちが引き締まった。
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クビを宣告されたプライドばかり高い圭輔、自身の夢と家族との間で葛藤する武、やりたいことが何もない超現実主義の心花……。そんな彼らが、ど田舎のスーパーなどで働きながら、共に野球をするはめに。目標はまさかの全国制覇!? はみ出し者の彼らは、人生の逆転ホームランを放つことができるのか。かっこ悪くて愛おしい、大人たちの感動物語。(Amazonより)
めちゃくちゃ面白かった。最後感極まっちゃった。
プロ野球という輝かしい舞台を思い、あるいは憎み、それでも嫌えない、野球を愛した人たちが社会人野球で再生する。町おこしの一環として田舎にやってきた寄せ集めの集団が各々の物語を持って優勝を目指す。諦められない、俺はここで終わりなのか? という問いに対する答えがタイトル「ゲームセットにはまだ早い」なんだ、と思うと最後泣けて泣けてしょうがなかった。
試合の描写もわかりやすくて、手に汗握る。こういうドラマを野球好きの人たちは愛しているんだろうな、と思わせる熱を感じました。
かつて木挽町という町があって、そこに曾祖父が営む鮨屋があった。一代で消えた幻の店を探すうち、日常と虚構、過去と現在がゆらゆらと絡み合いひとつになってゆく。少年時代のこと、出会った本や音楽のこと、東京という町のことなど、日々の暮らしによぎる記憶と希望を綴った、魅惑の吉田ワールド。新たな書き下ろしを加えて、待望の文庫化。解説 坪内祐三(裏表紙より)
半分くらいまでは何故か読みづらくてなかなか進まなかったんですが、後半からだいぶと現実の世界の話に近付いてきたからか読みやすくなった気がします。そんな感想が出てしまうほど、エッセイなのに、どことなく虚構の日記のような、とりとめのない話や空想、思索といったものが繰り返されていて、エッセイ? ノンフィクション? とちょっとジャンル分けに困るような一冊でした。
芸術大学を卒業して選んだ就職先は、介護職員。慣れない仕事の日々を絵日記に綴った、コミックエッセイ。
なんだか胸がじわーっとしてしまった。介護職は辛いし大変だってみんな言うけれど、それを選んで働く人たちの中には、この仕事が好きだ、楽しいって思える部分があって、その気持ちをすごく大事にしようっていう思いが詰まっているせいかもしれない。
施設で暮らしている人と職員って、過ごす時間が長くて、ものすごくパーソナルスペースに近付き合うというか、要介護の人たちは私的な部分に踏み込まれる関わり方をせざるを得ないんじゃないかと考えていて。そしてその人たちと関わる職員は細心の注意を払って仕事をする。だからお互いの距離感や接し方は硬くなって当たり前だと思うんです。
でも、同じところ、時間を過ごしている者同士、距離が縮まっているエピソードが集められているこの本が、とても嬉しくて、いいなあと微笑ましくなりました。そしてお年寄りたちの年の功、年長者だからこその気遣いや優しさがすごく伝わってきました。
もういない祖父母たちのことを思いました。もっと長く過ごしたかったなあ。
緊急事態宣言が発せられた日から感じたことを77人の筆者に綴ってもらった日記集。
医者、教師、販売員、漫画家、小説家、旅行会社社員、主婦。それはもう、日本を構成する様々な職業の人(だがそれも一部)が、コロナによって変わった世界、それでも変わらなう仕事と、抑えきれない怒りと悲しみ、苛立ち、希望や、ささやかな喜びといったものを綴っています。
感じること、見えるもの、立つ場所が違うからこそそれぞれ違っていて、とても面白く、本自体も分厚いし、込められている感情の厚みに、手がずしっと重くなりました。政府や官僚に怒っている人が多く目についたのは、多分私がずっとあのときのことについて苛立ったままモヤモヤし続けているせいなんだろうな……。
リアルの声を集めたと感じた良い本だと思いました。こうして残されたことに意味があると信じたい。
対吸血鬼戦闘用絡繰騎士《白檀式》
――ヘルヴァイツ公国が誇る天才技師・白檀博士の“五姉弟”は、欧州を吸血鬼軍の侵略から救う英雄となる……はずだった。
十年ぶりに目覚めた“失敗作”、第陸号・水無月は想定外の戦後を前に愕然とする。
起こるはずのない暴走事故により、“虐殺オートマタ”として歴史に名を刻んだ五体の姉兄たち。
さらに大公と吸血鬼王による突然の和平を経て、公国は人間と吸血鬼が平等に暮らす世界で唯一の共和国へと変貌を遂げていた。
亡き博士の娘・カノン、吸血鬼王女・リタとの出会いを通じ、新たな“日常”を受け入れていく水無月だったが――。
オートマタの少年と二人の姫が織りなす、正義と反抗のバトル・ファンタジー起動!!(Amazonより)
「失敗作」として戦時中に強制停止された水無月。彼が目覚めたのは十年後、戦争が終わり、人間と吸血鬼が共存して暮らす希少国となったヘルヴァイツだった。しかも母である白檀博士は亡くなっており、彼女の娘で本来なら大公女であるはずが一般人として密かに暮らすカノンによって目覚めさせられていた。人間の営みを知らない水無月は、未だ吸血鬼を敵とみなし、戦えないことに苛立ちを募らせていたが……。
どこまでも鈍感で人の機微がわからないけれど、少しずつ学んで、大切なものを得て、自らの真実を知るオートマタの水無月と、一生懸命だけれどどこかずれている、でも決して境遇に負けることのない芯の強さを秘めたカノンを主軸に、敵対する勢力と戦うファンタジー。
謎は散りばめられているけれどこの一冊でも水無月の成長ぶりも見られるし、姉との戦闘や、学園生活なども垣間見れて、楽しかった。
いやしかし、タイトルめちゃくちゃかっこいいですね。特にサブタイトル、すごく世界観にあっているし、まさに「再起動」というお話だった。タイトルがいい本はいいものだ。
本好きのお茶会で昏倒したローゼマインはエーレンフェストに強制送還された。下町の面々との再会もあり、神殿での読書三昧に心はうきうき。冬の日々は穏やかに過ぎるように思えたが、聖典から謎の言葉と魔法陣が浮かび、引き籠もり生活は一変! 貴族院二年生の終わりに向かって尋問会、聖典検証会議が続く上、見習いの名捧げ問題に直面。初参加の領地対抗戦を観覧中には、ダンケルフェルガーとのディッター勝負へ挑むことになるばかりか、表彰式をテロが強襲!
卒業式を前に、ローゼマインはフェルディナンドと共に貴族院の騒乱を止められるのか!?
領地間の不穏な緊張感が高まる大人気ビブリア・ファンタジー最新刊!
書き下ろしSSは卒業生二人の恋物語×2本、椎名優描き下ろし「四コマ漫画」収録!(カバー折り返しより)
強制送還後、エーレンフェストでの仕事をこなす中、何故か王位にまつわる魔法陣を見つけてしまったり、下町の面々と久しぶりにやり取りをしてトゥーリのおかげで母さんの布を探り当てたり、ローデリヒが名と物語を捧げてくれたり、上級生の側付きたちが続々縁づいたり。
中でもすごく不穏なのは、王位について、フェルディナンドが関わっているっぽいところ。これでローゼマインが近くにいるのはすごくやばそう。絶対巻き込まれる。
領地対抗戦でテロが起こったのはだいぶときつい。その後みんなある程度普通にしているのが、大丈夫……? となる。よくあることなのかな……もうちょっと動揺するかと思ったんだけれど。
収穫祭の優勝金授与のため、離宮に招待されたシェヘラたち。だが、そこで彼らを待ち受けていたのは、国王による脅迫まがいなサディーンの王籍復活だった! そのうえ「この国に魔法使いは必要ない」と宣告されたシェヘラ。このままふたりは永遠に離ればなれに!? 魔法の真実が明かされるとき、シェヘラが選ぶ未来とは――? 半人前魔法使い×守銭奴元王子のアラビアンファンタジー感動の最終巻!(Amazonより)
サディーンが王位継承権第一位を与えられ、シェヘラは王により彼との別れを勧められる。そして明らかになるシェヘラの魔法の秘密。そして暗躍するクルファが強硬手段に出たために、サディーンとシェヘラ、そしてアフガットは協力して民を救うために奔走する。
ハッピーエンドに至るための第3巻。最後の最後でとてもヒロインらしく、対話という手段を試みたシェヘラに拍手。
あと最後の最後でアフガットが最高だと思いました。異母弟と反逆者の望まれない子を養子にするって、とても素敵ですね。物語が生まれちゃいそうですね。最後にめちゃくちゃ株を上げました(私の中で)。
シェヘラとサディーンの結婚式も見られて本当によかった。お幸せに。