読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
現実世界のゲーム実況が神々の声として聞こえるようになったジーク。神託を通じ婚約者リーゼロッテが【ツンデレ】だと知った彼は、その可愛さに悶え、誓った。
――彼女の命を奪う元凶【古の魔女】を許さない。
しかしその討伐のため、神託に従い国の最高戦力を集めたはいいが、婚約者本人まで戦う気満々なのはなぜなんだ……?
遂にバッドエンドの黒幕と直接対決! ゲーム実況が導く先に不遇な悪役令嬢のハッピーエンドは訪れるのか……!?
大人気WEB小説が、大幅改稿&新規シーン追加でついに完結!!
このエンディングを見逃すな!(Amazonより)
大団円、完全無欠のハッピーエンド!!
戦力を揃えて、いざ最後の戦い! と思ったらあっさりな展開で拍子抜けしましたが、それがこの作品らしいといえばらしいかもしれない。いやでもツッコミがあったように戦力がオーバーキルレベルだったよね!笑
いろんなカップルが成立していて本当に楽しかったのですが、感無量だったのはリーゼロッテの声が届いたとき。こんなにいとおしんで、大事にしたキャラクターが、頑張ってと声を届けてくれるところ、ぐっときました。最後にちょっとだけ顔も合わせられて……本当に、完璧なハッピーエンドでした。拍手!
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本書は2018年6月3日に「レンタルなんもしない人」というサービスがスタートした時から、2019年1月31日「スッキリ」(日本テレビ)出演まで、半年間におこった出来事をほぼ時系列で(だいたい)紹介するノンフィクション・エッセイです。(カバー折り返しより)
Twitterでだいたい見たことがあるんですけれど、やっぱりまとめて読むのは楽しい。
「スッキリ」に出ていたの、見たなーという思い出が蘇る。猪の人の依頼でしたよね確か。
サービス開始のことをまとめた『〈レンタルなんもしない人〉というサービスをはじめます。』に比べて、結構奢られている話が多かった気がします。交通費と飲食代が報酬なので食べる話がセットになっているんでしょう。しかし食べ物について筆を割くというわけでなく、ただこれを食べたという報告になっているのが実にレンタルさんらしい。
朝日新聞2012年夏の連載に加えて、2006年の連載、さらに朝日新聞デジタルだけに掲載の論考も加えた完全版。(カバー折り返しより)
デジタル版で読んだ覚えがあるものがいくつかあったのもあって、この度まとまっている本を読みました。
一人につき2ページ、多い人は3ページ。63人の著名人がいじめに関するメッセージを綴っています。
いじめについて、逃げろという人、戦えという人、相談しろという人、様々にあり、これを読む人がどうか自分にとって最適な方法でその苦しみから逃れられますように、と祈りました。
もし私が言うとしたら、いまそこにあるだけが君の世界ではないということ、その世界から出て自分自身を支えられるような、趣味や熱中できるもの、仕事にできるようなものを見つけてほしいということ、かな。
「夢のようだ。あなたを手に入れられるなんて」結婚式当日に花婿に駆け落ちされてしまった伯爵家令嬢マーガレット。なぜか、彼女を嫌っていたはずのオルフォード公爵にその場でプロポーズされ、そのまま公爵と結婚することになってしまい……。冷たいまなざしから一転、突然甘い言葉と態度で接してくるなんて、この人、何を企んでいるの!? すれ違いからはじまる、訳あり令嬢と美貌の公爵の溺愛×新婚ラブファンタジー。(裏表紙より)
結婚式当日に花婿が義理の妹と駆け落ち。一人残されたマーガレットだったが、自分を嫌っていたはずの公爵レイモンドに求婚され、そのまま結婚する。この人は私を嘲笑い、冷たくし、いたぶるつもりなのだろうか、と戦々恐々としていたが、何故かずっとこの結婚を望んでいたとまるで恋しているかのように囁いてくる。
という、すれ違った上での結婚から始まる恋愛もの。最初の「冷たい」度合いがどの程度かわからないんですが、読んでいるとレイモンドがマーガレットにめろめろすぎて、いい意味でまったく心配しませんでした!笑
想いが通じ合ってからは、意地悪な人や自分を追い詰める妹をやり返したりなどして、その気の強さと矜持がとても好ましい。妹については怯えから言いなりになりかけたものの、彼女自身の魅力で絆を結んだ人たちが支えてくれたりなどして、幸せな恋物語でした。
ノースポール合衆国自治州『キヴィタス』は1億6千万の人口を収容する人工都市だ。アンドロイド管理局に勤める若きエリート、エルガー・オルトンは、帰り道で登録情報のない「野良アンドロイド」の少年を拾う。ワンと名乗った少年型アンドロイドとエルは不思議な共同生活を始めるが、ワンは記憶を失っていた。彼の過去を探るうち、エルは都市の闇に触れてしまい?(Amazonより)
見事なSFだった。女性向けSFという感じで、世界観が硬質的で、エルとワンにやりとりがとても面白くて軽妙。オレンジ文庫でこういうSFが出るんだなー! と嬉しくなりました。
人間としてどこか欠けているエル。機械にしては人臭すぎるワン。この二人が出会い、欠片がはまるようにお互いを必要とするまでの過程が、キヴィタスの闇を覗き込む事件とともに描かれていて、ちょっとずつ二人が歩み寄り、成長していくところがとてもいい。なんというか、とても「生(なま)」を感じた。
彼氏がいるのに、別の人にも好意を寄せられている汐梨。バイトを次々と替える翔多。絵を描きながら母を想う新。美人の姉が大嫌いな双子の妹・梢。才能に限界を感じながらもダンスを続ける遙。みんな、恥ずかしいプライドやこみ上げる焦りを抱えながら、一歩踏み出そうとしている。若者だけが感受できる世界の輝きに満ちた、爽快な青春小説。
短編連作。前の短編に登場した人物が次の作品に登場する形。
大学生たちが何かになろうとして、なれない現実を知りながら、どうしても諦めきれない……というような焦燥を感じました。将来への不安が漏れ出ていて、正直当時の自分を思い出して吐きそうでした。社会に出てみればそれはそれで吐くんですけれど、慣れたらなんてことないんですよね。ちょうどこの、大学生の時期が一番、どう動けばいいのか、折り合いがつければいいのかわからなくてもぞもぞしてしまう。
浅井さんの、女子の見方が、悪意があるわけではないんですが非リア感を感じてちょっと笑ってしまった。あるあるなんですけど、書いちゃうかーみたいな。男性から見た女子大生の姑息さと不器用さがにじんでいるようで。
土鍋でつややかに炊きあがったご飯のありがたみ、かき混ぜる両手が決め手の韓国料理の味わい。夜のしじまに、甘やかに漂う出来たてのジャムの香り……。つくるよろこびと食べるよろこび、どちらも大切にできる場所。それが台所。そこでは、いつだって新しい発見と笑顔が満ちている。食材と調理道具への愛情を細やかに描き、私たちの日々の暮らしを潤す、台所をめぐる17のエッセイ。(裏表紙より)
旅行記か、短編を読んでいるようなエッセイ集。食べることがいろいろな情景に繋がっていて、読んでいて心地いい。平松さんの食べ物系のエッセイは、懐かしいような、遠い出来事のような、不思議な穏やかさと静けさがあるよなあ。
その国と人の料理や食べ物について知るために海外に行くのはめちゃくちゃ楽しそうだ。普通の家庭の普通の料理について知りたいんだよなー、と、読み終わってその思いを強くしました。
「本屋になりたい」という気持ちのままに東京の巨大新刊書店から沖縄の小さな古本屋へ。この島の本を買取り、並べて、売る日々の中で本と人のあいだに立って、考えたこととは。(Amazonより)
新刊書店の店員だった著者が、沖縄で古本屋をやっている。扱う本のメインは沖縄のもの。
沖縄における本、その他物流の問題を踏まえて、沖縄の古本屋が持つニーズが実体験を元に書かれていて面白いなあと思いました。ふらっとやってきたおじさんが「これ俺の本。売ってよ」と言って、実際にそれを売るって古本屋さんじゃないとできないし、地域性もあると思うんです。そういう、日本のどこかにある、誰かが求めている本屋さん像が読んでいて楽しくて、心地よかった。
呪われた島から旅立ち、逃亡の日々を送ることになった孤独の悪魔を背負う男ヨクサルと死霊術師の孫娘シュガーリア。
世界から失われつつある異端を救う道行きの中で、彼らは人ならざる有翼種の血を引く子供、ビーノと出会う。
「俺達のことは、信じなくてもいい」
「あなたは生かすわ……なんとしても」
帝国の謀略が蠢く砂漠の街、バフハに潜入した彼らに追っ手が迫る中、ヨクサルは自分の罪と過去に直面する。
「お前を殺すのは──僕の役目だよ、ヨクサル」
孤独と幻想のあわいで、シュガーリアの身を焦がしたのは、初めての恋の激情だった。(カバー折り返しより)
外の世界に出た二人の旅。どこまでもお互いしか見えていないような、この世界における尊く儚いものを見守るような気持ちで読んでしまった。ヨクサルとシュガーリアの繋がりはとても強固なものなのに、一方で脆く崩れてしまいそうな危うさと美しさがある。
幻想を破壊しながらそれを利用する帝国と、争う幻想と、その狭間の人と。否応無い変化がいずれ訪れる予感を覚えながら、ヨクサルとシュガーリアがともにあれることを祈らずにはいられません。
王太子であるジークは突然聞こえた神の声に困惑した。
神曰くジークの婚約者・リーゼロッテは【ツンデレ】で、【破滅】を迎える【シナリオ】らしい……?
彼女のキツめの言動は、全て照れ隠し!? 神が解説する彼女の本心が可愛くて一人悶えるジークは、知る由もなかった。
実は神の正体が、ゲーム実況をするただの高校生だと……。
神託(※ゲーム実況です)を頼りに婚約者を救え! 隠したい本音がダダ洩れな悪役令嬢、バッドエンド回避なるか!?(Amazonより)
コミカライズの広告が気になっていたんですが、原作の方、読んでみました。
現実世界で遠藤くんと小林さんがゲームをやっていると、その声がゲーム内キャラクターの主要人物である王子ジークに届いてしまった。それを神の声として、リーゼロッテのわかりにくい(?)ツンデレ言動を改めて解説されることで、ジークは婚約者の可愛らしさと不器用さに悶絶し、また理解を深めたことで彼女が振りまく周囲への誤解を解く。
こういう形で説明という手法が取られるのかあ、と感心しました。ツンデレって、理解できれば結構わかりやすいものだと思うんですけれど、知らない人から見れば何この人、言い方きつくない? ってわけで。遠藤くんと小林さんのおかげで、ジークのみならず周りの攻略キャラクターも、そして読者も、リーゼロッテにめろめろです。
1巻内でちょこちょこ伏線らしきものが見えるので、2巻で明らかになるのかなあ。そうだよな、フィーネのカンスト状態ってそういうことだよな。その辺りの謎が明かされるのが楽しみ。